2.2.2 ストリームデータ処理システムの構成要素

ここでは,ストリームデータ処理システムの構成要素について説明します。また,アダプターとSDPサーバとの連携形態,およびストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数についても説明します。

<この項の構成>
(1) ストリームデータ処理システムの構成要素
(2) アダプターとSDPサーバとの連携形態
(3) ストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数

(1) ストリームデータ処理システムの構成要素

ストリームデータ処理システムの構成要素を次の図に示します。

図2-3 ストリームデータ処理システムの構成要素

[図データ]

図中に示した構成要素について説明します。

アダプターとSDPサーバの動作は,定義ファイルで設定します。また,アダプターとSDPサーバからは,ログやトレースなどのファイルが出力されます。ストリームデータ処理システムの構成要素と各ファイルの関係を次の図に示します。

図2-4 ストリームデータ処理システムの構成要素と各ファイルの関係

[図データ]

図中に示したファイルについて説明します。

(2) アダプターとSDPサーバとの連携形態

アダプターとSDPサーバは,同一プロセス,または別プロセスで動作します。アダプターとSDPサーバを同一プロセスで動作させる連携形態のことをインプロセス連携,別プロセスで動作させる連携形態のことをRMI連携といいます。

それぞれの連携形態のメリットとデメリットを次の表に示します。

表2-1 アダプターとSDPサーバの連携形態のメリットとデメリット

項番連携形態メリットデメリット
1インプロセス連携SDPサーバとアダプターの通信コストが小さく,タプルの処理レイテンシを最も小さくできます。1プロセス上で動作するため,メモリの使用量に注意が必要です。
2RMI連携アダプターで障害が発生したときに,ストリームデータ処理エンジンへの影響を最小限にできます。また,アダプターに多くのメモリを割り当てられます。プロセス間通信を行うため,インプロセス連携の場合と比較すると,通信コストが掛かります。

それぞれの連携形態のメリットとデメリットを考慮した上で,SDPサーバとアダプターをどのように配置するかを決定してください。

連携形態ごとのシステムの構成は,標準提供アダプターの場合とカスタムアダプターの場合で異なります。それぞれのシステムの構成については,「2.2.3 標準提供アダプター使用時の構成」,および「2.2.4 カスタムアダプター使用時の構成」を参照してください。

(3) ストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数

SDPサーバで起動できるアダプターの数や,アダプターグループで管理できるアダプターの数には,制限があります。ストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数は,標準提供アダプターの場合とカスタムアダプターの場合で異なります。ストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数を次の表に示します。

表2-2 ストリームデータ処理システムに配置できる構成要素の数

項番項目標準提供アダプターの場合の最大値カスタムアダプターの場合の最大値
1一つの運用ディレクトリ※1で起動できるSDPサーバの数11
2一つのSDPサーバで起動できるRMI連携アダプターの数32※2
3一つのSDPサーバに登録できるインプロセス連携アダプターの数16
4一つのSDPサーバで実行できるアダプターグループの数1
5一つのアダプターグループで管理できるアダプターの数64※2
6一つのSDPサーバで実行できるクエリグループの数88
7一つのSDPサーバに登録できるストリームの数合計で1,024※3合計で1,024※3
8一つのSDPサーバに登録できるクエリの数
9一つのSDPサーバに登録できる外部定義関数の数1,0241,024
(凡例)
-:該当しません。
注※1
運用ディレクトリとは,ストリームデータ処理システムの運用で使用するディレクトリのことです。運用ディレクトリの構成については,「2.6.2 クエリグループを実行する運用ディレクトリの構成の検討」を参照してください。
注※2
最大値は目安です。アダプターの数は,Stream Data Platform - AFが動作するサーバの処理性能や,ストリームデータ処理システムでの処理性能に応じて決定してください。
注※3
ストリームの数とクエリの数の合計で,1,024以下となるように設定してください。