ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド

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11.8.2 調整する時刻の範囲

タイムスタンプ調整機能では,調整する時刻の範囲内のタイムスタンプを持つタプルを対象にタプルの時刻調整をします。調整する時刻の範囲は,基準時刻調整する時刻の幅から決定します。基準時刻からさかのぼって,調整する時刻の幅の範囲が,タイムスタンプ調整機能で調整する範囲となります。基準時刻が遷移すると調整する時刻の範囲も遷移します。

基準時刻
タプルの時刻を調整するときに基準となる時刻です。クエリグループの起動後に,入力アダプターが入力ストリームに対して送信したタプルの中で最も新しい時刻情報を持つタプルの時刻が,この入力ストリームの基準時間として設定されます。また,新たに最新の時刻情報を持つタプルが到着すると,基準時刻はその時刻へ遷移します。
調整する時刻の幅
時刻調整する時間の範囲です。時刻単位時刻調整範囲で決まります。時刻単位は,「秒」,「ミリ秒」,「マイクロ秒」から選択できます。時刻調整範囲は,選択した時刻単位での時間の範囲です。
時刻単位と時刻調整範囲は,システムコンフィグプロパティファイル,クエリグループ用プロパティファイル,またはストリーム用プロパティファイルのstream.timestampAccuracyパラメーターで指定します。stream.timestampAccuracyパラメーターについては,「8.6 システムコンフィグプロパティファイル(system_config.properties)」を参照してください。

調整する時刻の幅として時刻単位を「秒」,時刻調整範囲を「2」とした場合の,調整する時刻の範囲の遷移の例を次の図に示します。

図11-26 調整する時刻の範囲の遷移例

[図データ]

この例では,SDPサーバに到着しているタプルの中で最新の時刻情報を持つタプルの時刻である09:00:01が基準時刻となります。また,調整する時刻の幅が2秒のため,調整する時刻の範囲は,09:00:01〜08:59:59となります。

そのあと,入力アダプターから送信された新しいタプルが到着し,設定されている時刻情報が09:00:02と最新の時刻のため,基準時刻が遷移します。また,それに伴って,調整する時刻の範囲も09:00:02〜09:00:00に遷移します。