ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド

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11.7.2 ダッシュボードへの出力のデータ処理の流れ

ダッシュボードへの出力のデータ処理の流れと処理の内容を次の図に示します。

図11-25 ダッシュボードへの出力のデータ処理の流れと処理の内容

[図データ]

ここでは,図中のダッシュボード出力コネクターでのダッシュボード表示用データの出力からDashboard Viewerでのダッシュボード表示用データの表示までのデータ処理の流れについて説明します。タプル受信,およびマッピングについては,「11.6.2(2) タプル受信」,および「11.6.2(3) マッピング」を参照してください。また,出力アダプターで扱うデータ形式については,「11.6.2(1) 出力アダプターで扱うデータ形式」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ダッシュボード出力コネクターでのダッシュボード表示用データへの変換
(2) ダッシュボード出力コネクターでのレコードの削除
(3) Dashboard Serverでのダッシュボード表示用データの取得
(4) Dashboard Viewerでのダッシュボード表示用データの表示

(1) ダッシュボード出力コネクターでのダッシュボード表示用データへの変換

ダッシュボード出力コネクターでのダッシュボード表示用データへの変換についての定義は,アダプター構成定義ファイルのダッシュボード出力コネクター定義で定義します。

ダッシュボード出力コネクターでは,マッピング後の共通形式レコードを取得し,ダッシュボード出力コネクター定義に従ってダッシュボード表示用データに変換して,RMI通信用領域に出力します。RMI通信用領域に出力したダッシュボード表示用データは,Dashboard Serverから取得できます。

(2) ダッシュボード出力コネクターでのレコードの削除

ダッシュボード出力コネクターでのレコードの削除についての定義は,アダプター構成定義ファイルのダッシュボード出力コネクター定義に定義します。

ダッシュボード出力コネクターで取得したダッシュボード表示用データがダッシュボード出力コネクターのメモリを圧迫しないように,ダッシュボード出力コネクター定義に定義したレコードの削除条件に従って,ダッシュボード出力コネクターのレコード保持領域からダッシュボード表示用データを削除します。

なお,ダッシュボード出力コネクターでダッシュボード表示用データを削除した場合,削除した日時,ダッシュボード表示用データのレコードの個数がアダプタートレースに出力されます。

レコードの削除には,次の方法があります。

レコード保持期間による削除
レコードの保持期間による削除では,ダッシュボード出力コネクターに新しいレコードが追加されたとき,レコード保持領域内のレコードのうち,基準時刻から保持期間を引いた時刻よりもレコードに設定された時刻情報が古いレコードが削除されます。例えば,基準時刻が10:00:10,保持期間が5秒,レコードに設定された時刻が10:00:04だった場合,そのレコードは削除されます。
基準時刻から保持期間を引いた時刻とレコードに設定された時刻情報が同じ場合,レコードは削除されません。
なお,レコードの保持期間による削除は,レコード保持領域の各レコードについて,レコードに設定された時刻情報がレコードの到着順に昇順になっているものとして動作します。昇順になっていない場合,基準時刻から保持期間を引いた時刻よりもレコードに設定された時刻情報が新しいレコードのあとに到着した,基準時刻から保持期間を引いた時刻よりも古いレコードは削除されません。
なお,時刻の比較をする際の時刻の精度はミリ秒です。ミリ秒より小さい精度は切り捨てられます。
レコードの保持期間による削除は,ダッシュボード出力コネクター定義のRecordHoldTimeタグの,DateReference属性,RecordTime属性,およびDateFieldPosition属性に指定します。指定する属性の詳細については,「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」を参照してください。
最大レコード保持数による削除
最大レコード保持数による削除では,ダッシュボード出力コネクターに新しいレコードが追加された時,レコード保持領域内のレコード数が最大レコード保持数よりも大きい場合に,レコード数が最大レコード保持数と等しくなるまでレコードを削除します。このときレコードは,レコード保持領域内に追加された順番で古いレコードから削除されます。
最大レコード保持数による削除は,ダッシュボード出力コネクター定義のDashboardOutputConnectorDefinitionタグのMaxNum属性に指定します。属性の詳細については,「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」を参照してください。
取得済みレコードの削除
取得済みレコードの削除では,Dashboard Viewerが一つのDashboard Serverからダッシュボード表示用データを取得する場合に,取得済みのレコードを削除します。
取得済みレコードの削除は,ダッシュボード出力コネクター定義のDashboardOutputConnectorDefinitionタグのReadRecordRemoveFlag属性に指定します。属性の詳細については,「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」を参照してください。

(3) Dashboard Serverでのダッシュボード表示用データの取得

Dashboard Serverでのダッシュボード表示用データの取得についての定義は,アダプターグループ定義に定義します。

Dashboard Serverでは,ダッシュボード出力コネクターのRMI通信用領域にアクセスして,出力されたダッシュボード表示用データを取得します。

なお,Dashboard ServerがRMI通信用領域にアクセスするためには,RMIサーバのポート番号を指定します。RMIサーバのポート番号は,アダプターグループ定義のインプロセスグループ定義,またはRMIグループ定義のdashboardPortNo属性に指定します。指定する属性の詳細については,「9.7.1 インプロセスグループ定義」,または「9.7.2 RMIグループ定義」を参照してください。

(4) Dashboard Viewerでのダッシュボード表示用データの表示

Dashboard Viewerは,Dashboard Serverからダッシュボード表示用データを取得し,ダッシュボード画面に表示します。

クライアントは,WebブラウザからURLにアクセスしてDashboard Viewerをダウンロードすることで,ダッシュボード表示用データをストリームデータの集計・分析結果として閲覧します。

ストリームデータの集計・分析結果をダッシュボードで表示する手順については,「4.5 ダッシュボードでの分析結果の表示」を参照してください。