2.1.4 タプル

タプルは,ストリームデータを構成する,値と時刻(タイムスタンプ)を併せ持ったデータです。

例として,観測所1(観測所ID:1)と観測所2(観測所ID:2)でそれぞれ気温を観測した場合について,値だけを持つデータと,値と時刻を併せ持つタプルを比較した図を次に示します。

図2-2 値だけを持つデータと,値と時刻を併せ持つタプルの比較

[図データ]

この図に示すとおり,観測所ごとの温度情報だけを扱うのではなく,観測時刻というタイムスタンプをタプルに設定することで,ストリームデータ処理の対象にできます。

タプルのタイムスタンプの設定には,タプルがストリームデータ処理エンジンに到着した時刻のタイムスタンプを設定するサーバモードと,データの発生した時点の時刻でタイムスタンプを設定するデータソースモードがあります。ログ解析処理など,データソース上の時刻情報の時系列順にストリームデータ処理をしたい場合は,データソースモードを使用してください。

以降で,それぞれのモードについて説明します。

参考
ストリームデータ処理エンジンへの入力タプル,およびストリームデータ処理エンジンからの出力タプルは,それぞれログファイル(タプルログ)に出力されます。タプルログは,クエリの再実行や処理結果の確認に使用できます。タプルログについては,マニュアル「uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド」を参照してください。
<この項の構成>
(1) サーバモードによるサーバのシステム時刻の設定
(2) データソースモードによるデータソースの時刻の設定

(1) サーバモードによるサーバのシステム時刻の設定

ストリームデータ処理エンジンにタプルが到着した時点で,Stream Data Platform - AFが動作するサーバのシステム時刻をタプルに設定するモードをサーバモードといいます。サーバモードによるタイムスタンプの設定を次の図に示します。

図2-3 サーバモードによるタイムスタンプの設定

[図データ]

サーバモードでは,入力データがタイムスタンプを持っているかどうかに関係なく,Stream Data Platform - AFが動作するサーバの時刻をタプルに設定します。

(2) データソースモードによるデータソースの時刻の設定

ログファイルなど,入力とするデータソース上に時刻情報がある場合に,その時刻情報をタプルに設定するモードをデータソースモードといいます。データソースモードによるタイムスタンプの設定を次の図に示します。

図2-4 データソースモードによるタイムスタンプの設定

[図データ]

データソースモードでは,入力データが持つタイムスタンプをタプルに設定します。

なお,データソースモードでストリームデータ処理を実行するには,ストリームデータをタイムスタンプの昇順に並べる必要があります。ストリームデータのタイムスタンプが誤差を含んでいるような場合に,タイムスタンプの昇順に並べる方法については,マニュアル「uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド」を参照してください。