1.3 Stream Data Platform - AFの導入例

Stream Data Platform - AFは,さまざまなデータを集計・分析の対象にできます。ここでは,その一例としてHTTPパケットを集計・分析の対象とすることで実現するWebシステムの稼働監視について説明します。

参考
ログファイルなどを集計・分析の対象としてシステムの稼働監視を行うこともできます。

Webシステムを構成するそれぞれのWebサーバのログファイルを確認するなどして,定期的に稼働監視をしていた場合,Stream Data Platform - AFを導入してHTTPパケットを利用すればリアルタイムな稼働監視を実現できます。ここで説明するシステムの構成を次の図に示します。

図1-6 Webシステムの稼働監視でのシステム構成例

[図データ]

この図で示しているのは,Webサーバのログファイルをデータベースに蓄積したあと,稼働監視システムの担当者がSQLを入力して集計・分析を行うことで,定期的にWebシステム全体を監視するシステムです。

図中のWebシステムAで障害が発生した場合,Stream Data Platform - AFの導入前と導入後では稼働監視がどのように変化するのかを説明します。

Stream Data Platform - AFの導入前
Webサーバに異常が発生していても,担当者がログファイルを確認し,集計・分析しないかぎりは対処できません。障害をリアルタイムに検知できないため,対策が常に後手に回ってしまいます。この状態を次の図に示します。

図1-7 Webシステムでの稼働監視での導入例(導入前)

[図データ]
Stream Data Platform - AFの導入後
Stream Data Platform - AFを導入すると,ネットワーク上のデータの通信量やその変化に関する情報をログ出力前にHTTPパケットから直接取得し,システムの稼働状況をリアルタイムに監視できます。これによって,障害の発生を予兆段階で検知できるようになり,保守効率を向上できます。なお,Stream Data Platform - AFでは,HTTPパケットを集計・分析するために,パケットアナライザー(ネットワーク上のHTTPパケットを採取できるプログラム)を使用します。この状態を次の図に示します。

図1-8 Webシステムの稼働監視での導入例(導入後)

[図データ]
ネットワーク上のHTTPパケットを採取し,クライアントとWebサーバ間の応答から,Stream Data Platform - AFがリアルタイムに状況を分析します。例えば,クライアントからのリクエストに対するWebサーバのレスポンスの時間を分析することで,Webサーバの応答が遅れ始めているといった現象を迅速に把握できます。担当者は,この情報をWebシステムにフィードバックすることで障害の発生を防止できます。