3.2 運用モデルでのレンダリングオプションの導入から使用開始まで

この節では,「3.1 運用モデル」で説明した運用モデルでのレンダリングオプションの実行環境の設定方法,レンディション変換の準備およびレンディション変換要求までの作業内容を順に説明します。

<この節の構成>
(1) レンダリングオプションをインストールします
(2) レンディション変換用PCに前提プログラムをインストールします
(3) 環境変数を設定します
(4) DocumentBrokerサーバでユーザ情報を作成します
(5) レンダリングオプションの環境設定ファイルを作成します
(6) レンディション変換の準備をします
(7) 変換対象文書クラス一覧ファイルを作成します
(8) ファイル転送サービスを開始します
(9) レンディション変換要求コマンドを入力します
(10) レンディション変換の実行結果を確認します

(1) レンダリングオプションをインストールします

WindowsのPCを1台用意して,レンダリングオプションをインストールします。インストールの手順については,「2.2.1 インストール」を参照してください。

(2) レンディション変換用PCに前提プログラムをインストールします

レンダリングオプションをインストールしたレンディション変換用PCに,前提プログラムをインストールします。運用モデルのレンディション変換用PCに必要なアプリケーションプログラムは,次のとおりです。

上記アプリケーションプログラムのインストールが完了したら,次の設定をしてください。

DocumentBroker Runtime(ファイル転送機能)の設定
運用モデルでは,DocumentBrokerサーバとは別のWindowsのPCをレンディション変換用PCとしたので,ファイル転送機能の設定をしておく必要があります。ファイル転送機能の設定時には静的モードを指定してください。ファイル転送機能の設定については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
PDFstaff Runtime,およびAdobe LiveCycle PDF Generatorの設定
PDFstaff Runtime,およびAdobe LiveCycle PDF Generatorの実行環境を設定してください。設定方法の詳細については,各製品のマニュアルを参照してください。
PDFstaff RuntimeがPDFへの変換時に使用するOfficeとPostScriptプリンタドライバの設定については,PDFstaff Runtimeのマニュアルを参照してください。

(3) 環境変数を設定します

レンディション変換用PCで,環境変数EDMCLASSDEFPATHおよびEDMRCDOCSPACEを設定します。環境変数の設定については,「2.4 環境変数の設定」を参照してください。なお,運用モデルでは,環境変数EDMCLASSDEFPATHに指定するクラス定義情報ファイルにdwcClass_VerDoc_dvクラスが定義されていることが前提です。

(4) DocumentBrokerサーバでユーザ情報を作成します

DocumentBrokerサーバで,レンダリングオプションがDocumentBrokerサーバにアクセスするときのユーザ情報を作成します。なお,変換対象文書には,レンダリングオプションが使用するユーザIDに対する参照権およびプロパティ更新権を設定することが必要です。

詳細については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。

(5) レンダリングオプションの環境設定ファイルを作成します

次の環境設定ファイルを作成します。

(a) レンディション変換環境設定ファイル(EDMRDRSetup.ini)

DocumentBrokerにログインするためのユーザIDとパスワードおよびDocumentBrokerの文書空間識別子について,使用環境に合わせて設定します。

<インストールディレクトリ>¥config¥に格納されているEDMRDRSetup.iniをテキストエディタで開きます。次の内容が表示されます。

[docspace]
userid=
password=
docspaceid=
prop_consistent=
[render]
req_count_limit=100
doc_count_limit=10000
[network]
reconnect_interval=180000
reconnect_count=3
[log]
req_log_size=5
req_log_generation=1
conv_log_size=5
conv_log_generation=1
result_log_size=5
result_log_generation=1
errfile_backup_size=0

docspaceセクションのエントリの値を利用環境に合わせて指定してください。

 

この運用モデルでは,docspaceセクション以外を編集する必要はありません。

docspaceセクションの設定が終わったら,ファイルを保存して閉じてください。

(b) レンディション変換プラグイン設定ファイル(EDMRDRPlugins.ini)

運用モデルに合わせて,Word形式からPDF形式へ変換するための記述に修正します。

<インストールディレクトリ>¥config¥に格納されているEDMRDRPlugins.iniをテキストエディタで開きます。次の内容が表示されます。

[plugin1]
plugin=<インストールディレクトリ>¥bin¥EDMRDRPFGPDF.DLL
to=application/pdf
from1=application/msword
from2=application/vnd.ms-excel
from3=application/vnd.ms-powerpoint
from4=application/vnd.visio
from5=application/rtf
from6=application/jxw
from7=text/plain
from8=image/tiff
from9=image/jpeg
from10=image/gif
from11=image/png
from12=application/postscript
from13=message/rfc822
from14=application/vnd.ms-word.document.macroEnabled.12
from15=application/vnd.openxmlformats-officedocument.wordprocessingml.document
from16=application/vnd.ms-excel.sheet.binary.macroEnabled.12
from17=application/vnd.ms-excel.sheet.macroEnabled.12
from18=application/vnd.openxmlformats-officedocument.spreadsheetml.sheet
from19=application/vnd.ms-powerpoint.presentation.macroEnabled.12
from20=application/vnd.openxmlformats-officedocument.presentationml.presentation
opt_endpoint= http://servername:port/pdfg-ws/services/PdfGenInterface
opt_useproxy=false
opt_proxyservername=
opt_proxyserverport=
opt_proxyusrname=
opt_proxyusrpassword=
opt_maxpsfilesizews=
opt_timeout=
opt_converttopstimeout=
opt_pollinginterval=
opt_printer=Acrobat Distiller J
opt_joboptionsettingname=
opt_securitysettingname=
opt_filetypesettingname=
opt_bookmarkautocreate=false
opt_pptfittopage=true
opt_messagelocale=ja_JP
opt_pdfgenerator=7
opt_webserviceuser=
opt_webservicepass=

この運用モデルでは,Word形式からPDF形式への変換を利用します。したがって,PDF変換に関する記述を修正します。

  1. [plugin1]セクションのfrom1エントリ(from1=application/msword)だけを残して,from2エントリ~from20エントリを削除します。
  2. Adobe LiveCycle PDF Generatorへの以下の接続情報を設定します。
    • opt_endpoint= Adobe LiveCycle PDF GeneratorのエンドポイントのURL
    • opt_useproxy=プロキシ経由でアクセスする場合true,プロキシを使用しない場合はfalse
    • opt_proxyservername=プロキシサーバ名※1
    • opt_proxyserverport=プロキシサーバのポート番号※1
    • opt_proxyusrname=プロキシの認証に必要なユーザ名※1
    • opt_proxyusrpassword=プロキシの認証に必要なユーザのパスワード※1
    • opt_pdfgenerator=使用するPDF Generatorのバージョン
      Adobe LiveCycle PDF Generator for PostScript 7.0,および7.2を使用する場合7,Adobe LiveCycle PDF Generator ES2を使用する場合はES
    • opt_webserviceuser=Adobe LiveCycle PDF Generator ES2サーバのWebサービスを利用する際の認証ユーザ名※2
    • opt_webservicepass=Adobe LiveCycle PDF Generator ES2サーバのWebサービスを利用する際の認証パスワード※2
    注※1 必要な場合だけ指定してください。
    注※2 Adobe LiveCycle PDF Generator ES2を使用する場合で,Webサービスのセキュリティが有効なときに設定してください。
  3. PDFstaff RuntimeがPDF変換に使用するPostScriptプリンタドライバの名称をopt_printerに設定します。

 

修正したファイルが次の内容であることを確認してください。ただし,プロキシについては,使用しない場合を示しています。

[plugin1]
plugin=<インストールディレクトリ>¥bin¥EDMRDRPFGPDF.DLL
to=application/pdf
from1=application/msword
opt_endpoint= < Adobe LiveCycle PDF GeneratorのエンドポイントのURL >
opt_useproxy=false
opt_proxyservername=
opt_proxyserverport=
opt_proxyusrname=
opt_proxyusrpassword=
opt_maxpsfilesizews=
opt_timeout=
opt_converttopstimeout=
opt_pollinginterval=
opt_printer=Acrobat Distiller J
opt_joboptionsettingname=
opt_securitysettingname=
opt_filetypesettingname=
opt_bookmarkautocreate=false
opt_pptfittopage=true
opt_messagelocale=ja_JP

修正が終わったら,ファイルを保存して閉じてください。

(6) レンディション変換の準備をします

作業手順を示します。

  1. Wordで文書ファイルを幾つか作成します。
  2. Java クラスライブラリで開発したGUIで,作成したWord形式の文書ファイルを指定してバージョンなし文書を新規に登録します。
    この際,「3.1 運用モデル」で説明した文書登録画面を使用して,PDF形式の空のレンディションの追加も完了したものとします。
    なお,ここで,新規に登録するバージョンなし文書には,「(4) DocumentBrokerサーバでユーザ情報を作成します」で設定したユーザに対する参照権およびプロパティ更新権を設定することが必要です。

(7) 変換対象文書クラス一覧ファイルを作成します

テキストエディタで次の内容を記述して任意の場所に任意の名称で保存してください。

dwcClass_VerDoc_dv

(8) ファイル転送サービスを開始します

運用モデルでは,DocumentBrokerサーバとは別のWindowsのPCをレンディション変換用PCとしたので,ファイル転送サービスを開始します。ファイル転送サービスを開始するためには,あらかじめファイル転送機能の設定をしておく必要があります。ファイル転送機能の設定時には静的モードを指定してください。ファイル転送機能の設定およびファイル転送サービスの開始方法については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。

(9) レンディション変換要求コマンドを入力します

レンディション変換用PCのWindowsのコマンドプロンプトで,次のようにレンディション変換要求コマンドを入力します。△は半角の空白です。

EDMRDRReq△-r△"application/pdf"△-c△"C:¥class.txt"

このコマンド入力例は,変換対象文書クラス一覧ファイルがC:¥class.txtの場合の例です。

(10) レンディション変換の実行結果を確認します

入力したレンディション変換要求コマンドによるレンディション変換要求がレンダリングオプションに受け付けられたかどうかは,変換要求受け付けログ(EDMRDRReq.log)で確認できます。また,レンディション変換の結果は,レンダリングオプションの変換結果ログ(EDMRDRRes.log)で確認できます。次に示す例のように変換結果ログで変換に失敗した文書数が0(全件の変換が正常)であることを確認してください。

<変換結果ログ(EDMRDRRes.log)>

[図データ]

変換要求受け付けログおよび変換結果ログが保存される先は,<インストールディレクトリ>¥logs¥です。