uCosminexus DocumentBroker Rendering Option Version 3
レンダリングオプションは,DocumentBrokerでマルチレンディション機能を利用して文書を管理する場合に,バッチ処理でレンディション変換を実行する製品です。この節では,まずDocumentBrokerのマルチレンディション機能の概要について説明し,次にレンダリングオプションのレンディション変換機能の概要について説明します。
DocumentBrokerでは,一つの文書に同一内容の複数の異なる形式のコンテントを登録して管理できます。この機能をマルチレンディション機能といいます。マルチレンディション機能を利用すると,一つの文書に対して最大10個の形式のコンテントを登録して管理できます。DocumentBrokerでは,文書のコンテントの形式(レンディションタイプ)およびそのコンテント(文書ファイル)を併せてレンディションと呼びます。また,最初に登録したレンディションをマスタレンディション,追加したレンディションをサブレンディションと呼んで区別します。追加したサブレンディションは,削除できます。ただし,マスタレンディションは削除できません。また,サブレンディションをマスタレンディションに変更することもできます。この場合,それまでマスタレンディションだったレンディションはサブレンディションに変更されます。
通常,文書を作成する業務では,Wordや一太郎などのアプリケーションプログラムで文書ファイルを編集します。これらの文書編集用のアプリケーションプログラムで作成した文書ファイルを公開するとき,次のような問題が発生することがあります。
これらの問題を解消するためには,編集に適したレンディションタイプの文書ファイルと,参照に適したレンディションタイプの文書ファイルを用意し,区別して管理することが必要になります。DocumentBrokerのマルチレンディション機能を利用すると,編集に使用するWordや一太郎などの文書ファイルをマスタレンディションに,参照に使用するPDFなどの文書ファイルをサブレンディションに登録して,一つの文書としてまとめて管理できます。
マルチレンディション機能を利用した場合の文書管理の例を次の図に示します。
図1-1 マルチレンディション機能を利用した場合の文書管理の例
レンダリングオプションは,DocumentBrokerに登録された文書のマスタレンディションの文書ファイルを,サブレンディションで指定されているレンディションタイプの文書ファイルに変換し,サブレンディションのコンテントとして登録する機能を持ちます。この機能をレンディション変換機能といいます。文書ファイルの変換処理は,PDFstaffやMicrosoft Officeなど,ほかのアプリケーションプログラムで行います。レンダリングオプションは,変換処理を行うアプリケーションプログラムへのプラグイン機能を持ちます。なお,PDFstaffはレンディション変換用のマシンのOSがWindows Server 2003 R2(x64),Windows Server 2008,Windows XP,およびWindows 2008 R2の場合は使用できません。
例えば,Word形式の文書をPDF形式の文書に変換・登録するときは,次の図に示すよう処理されます。
図1-2 レンディション変換機能の処理
レンダリングオプションのレンディション変換機能を利用すると,サブレンディションの文書ファイルをバッチ処理で一括して作成し,サブレンディションのコンテントとして登録できます。マルチレンディションの文書を登録するときに,ユーザがサブレンディションの文書ファイルを準備する手間が省けるため,各文書の登録時間を短縮できます。
レンダリングオプションでは,レンディション変換対象の文書のマスタレンディションのことを変換元レンディション,変換後のサブレンディションのことを変換先レンディションと呼びます。また,変換元レンディションの文書ファイルを変換元ファイル,変換先レンディションの文書ファイルを変換先ファイルと呼びます。
レンダリングオプションが標準提供するプラグイン機能での変換元レンディションタイプと変換先レンディションタイプを次の表に示します。
表1-1 標準提供のプラグイン機能での変換元レンディションタイプ
表1-2 標準提供のプラグイン機能での変換先レンディションタイプ
| レンディションタイプ | 拡張子 | 備考 |
|---|---|---|
| PDF形式(application/pdf) | − |
このマニュアルでは,標準提供のプラグイン機能によるレンディション変換のことを標準のレンディション変換と呼びます。
レンダリングオプションでは,標準のレンディション変換以外にも,ユーザが作成・定義したプラグイン機能を利用したレンディション変換も実現できます。例えば,変換元レンディションをExcel形式,変換先レンディションをCSV形式にするレンディション変換や,変換元レンディションをWord形式,変換先レンディションをHTML形式にするレンディション変換などは,ユーザが変換処理部分のプラグインのプログラムを作成して定義することで実現します。レンダリングオプションでは,ユーザによるプラグインのプログラムの作成を支援するために,サンプルプログラムを提供しています。
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