4.6 文書種別マスタの定義

文書種別マスタ機能とは,文書の種別ごとに,文書種別マスタとして文書に設定するプロパティを定義する機能のことです。フォルダや文書の作成時に,文書種別マスタを選択することで,それぞれのフォルダや文書に適したプロパティを設定できます。

文書種別マスタとして,次に示す二つを定義します。

文書種別および属性値マスタは,画面上で作成および更新します。文書種別および属性値マスタの作成方法の詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 Standard GUI 操作ガイド」を参照してください。

ここでは,文書種別および属性値マスタを作成する場合に使用する種別用プロパティ定義ファイルについて説明します。

<この節の構成>
(1) 種別用プロパティ定義ファイル
(2) 記述規則
(3) 記述できるキー
(4) 記述例

(1) 種別用プロパティ定義ファイル

種別用プロパティ定義ファイルは,文書種別用のプロパティを定義するためのファイルです。

種別用プロパティ定義ファイルのファイル名は,配置ディスクリプタ(web.xml)のdef.TypePropFileパラメタで指定します。このパラメタには,初期設定値として,次に示すファイル名が指定されています。

■ファイル名
日本語画面の場合

c:¥Program Files¥Hitachi System¥DocBroker¥StdGUI¥etc¥properties¥TypeProp.properties

英語画面の場合

c:¥Program Files¥Hitachi System¥DocBroker¥StdGUI¥etc¥properties_en¥TypeProp.properties

(2) 記述規則

種別用プロパティ定義ファイルの記述規則を次に示します。

(3) 記述できるキー

種別用プロパティ定義ファイルには,次の表に示すキーが記述できます。なお,種別用プロパティ定義ファイルの設定は,運用を開始した後は変更しないでください。

表4-18 種別用プロパティ定義ファイルに記述できるキー

キー説明
prop.Num追加する文書種別用プロパティの数を値に記述します。prop.Numキーを省略すると,0が仮定されます。
prop.Name.X※1追加する文書種別用プロパティに対応する列名を値に記述します。
追加する文書種別用プロパティに対応する列名は,表4-19を参照してください。
prop.Name.Xキーは省略できません。
prop.Alias.X※1追加する文書種別用プロパティのデフォルトの表示名称を値に記述します。
prop.Alias.Xキーは省略できません。
prop.Type.X※1整数型または日付型の文書種別用プロパティを追加するときは,次に示すデータ型のどちらかを値に記述します。
  • Integer32:整数型
  • Date:日付型(YYYYMMDD形式※2
文字列型の文書種別用プロパティを追加するときは,次に示すデータ型を値に記述します。
  • String:文字列型
prop.Type.Xキーは省略できません。
prop.Length.X※1文字列型の情報登録用の文書種別用プロパティを追加するときは,文書種別用プロパティに登録する文字列データの最大文字列長(バイト)を値に記述します。prop.InputType.Xキーにtextを記述した場合,最大文字列長のチェックが有効となります。
prop.InputType.XキーにMasterを記述した場合,prop.Length.Xキーに記述した値は無視されます。
また,prop.Length.Xキーに記述する最大文字列長の大きさによって,画面での文書種別用プロパティを入力する領域の表示が異なります。
  • 256バイト未満の値を記述した場合
    画面には,1行だけ入力できる領域が表示されます。
  • 256バイト以上の値を記述した場合
    画面には,複数行入力できる領域が表示されます。
整数型または日付型の情報登録用の文書種別用プロパティを追加するときは,4を値に記述します。このとき,prop.Length.Xキーを省略することもできます。prop.Length.Xキーを省略すると,4が仮定されます。
prop.Sortable.X※1追加する文書種別用プロパティが画面の一覧領域に表示されたときに,ソート機能を使用するかどうかを値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • Y:ソート機能を使用します。
  • N:ソート機能を使用しません。
prop.Sortable.Xキーを省略すると,Nが仮定されます。
prop.SearchMode.X※1文字列型の情報登録用の文書種別用プロパティを追加するときに,前方一致で検索するか,部分一致で検索するかを値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • PRE:前方一致で文字列を検索します。
  • IN:部分一致で文字列を検索します。
prop.SearchMode.Xキーを省略すると,PREが仮定されます。
prop.InputType.X※1追加する文書種別用プロパティを画面で入力するときの入力方法を値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • Text:テキストボックスに入力します。prop.Length.Xキーで記述した値によって,画面での入力領域の表示方法が異なります。
  • Master:プルダウンメニューから選択します。
  • DateParts:カレンダーから日付を選択します。
  • None:入力または選択はできません。
prop.InputType.Xキーは省略できません。
prop.InputTypeMasterKey.X※1prop.InputType.XキーにMasterを記述するときに,使用する属性値マスタを特定するためのプロパティを値に記述します。prop.Name.Xキーと同じ値を記述してください。
prop.InputTypeMasterKey.Xキーの記述を省略すると,prop.Name.Xキーと同じ値が仮定されます。
prop.ModifyMode.X※1文書種別用プロパティの値が更新できるかどうかを値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • true:値を更新できます。
  • false:値を更新できません。
prop.ModifyMode.Xキーを省略すると,trueが仮定されます。
prop.StringType.X※1文字列型の情報登録用の文書種別用プロパティを作成するときに,プロパティ値に指定できる文字の種別を,値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • ASCII:ASCIIコードだけ指定できます。
  • ASCII2:ASCIIコードおよび半角かたかなだけ指定できます。
  • MIX:文字の種別の制限はありません。
prop.StringType.Xキーは,prop.InputType.XキーにTextを記述するときだけ有効になります。
prop.StringType.Xキーを省略すると,MIXが仮定されます。
prop.DefaultString.X※1文書を作成するときに,画面の入力領域に表示される初期設定値を値に記述します。文字列で記述します。
prop.Type.XキーにDateを記述して,prop.DefaultString.XキーにNowを記述すると,文書の作成日の日付が初期設定値として表示されます。日付はYYYYMMDD形式※2で指定します。
ただし,次に示すときは,prop.DefaultString.Xキーの記述が無視されます。
  • prop.Type.XキーにInteger32を記述して,prop.DefaultString.Xキーに数値以外の文字列を記述したとき
  • prop.Type.XキーにDateを記述して,prop.DefaultString.XキーにYYYYMMDDの形式※2以外で記述したとき
  • prop.InputType.XキーにMasterを記述したとき
prop.OmitMode.X※1文書種別用プロパティのプロパティ値の指定が省略できるかどうかを値に記述します。
記述できる値を次に示します。
  • true:省略できます。
  • false:省略できません。
prop.OmitMode.Xキーを省略すると,trueが仮定されます。
省略できないキーが記述されていないプロパティ項目の解析処理はスキップして処理を続行します。
注※1
Xには,1~Nの数値を記述します。Nは,prop.Numキーに記述した値になります。
注※2
YYYYMMDD形式のYYYYは西暦年号(4桁),MMは月(2桁),DDは日(2桁)になります。

表4-19 追加する文書種別用プロパティに対応する列名

項番追加する文書種別用プロパティ列名
1整数型または日付型の情報登録用のプロパティ1ecmProp_DocTypePropInt1
2整数型または日付型の情報登録用のプロパティ2ecmProp_DocTypePropInt2
3整数型または日付型の情報登録用のプロパティ3ecmProp_DocTypePropInt3
4整数型または日付型の情報登録用のプロパティ4ecmProp_DocTypePropInt4
5整数型または日付型の情報登録用のプロパティ5ecmProp_DocTypePropInt5
6整数型または日付型の情報登録用のプロパティ6ecmProp_DocTypePropInt6
7整数型または日付型の情報登録用のプロパティ7ecmProp_DocTypePropInt7
8整数型または日付型の情報登録用のプロパティ8ecmProp_DocTypePropInt8
9整数型または日付型の情報登録用のプロパティ9ecmProp_DocTypePropInt9
10整数型または日付型の情報登録用のプロパティ10ecmProp_DocTypePropInt10
11文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ1ecmProp_DocTypePropStr1
12文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ2ecmProp_DocTypePropStr2
13文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ3ecmProp_DocTypePropStr3
14文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ4ecmProp_DocTypePropStr4
15文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ5ecmProp_DocTypePropStr5
16文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ6ecmProp_DocTypePropStr6
17文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ7ecmProp_DocTypePropStr7
18文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ8ecmProp_DocTypePropStr8
19文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ9ecmProp_DocTypePropStr9
20文字列型(255バイト)の情報登録用のプロパティ10ecmProp_DocTypePropStr10
21文字列型(4,096バイト)の情報登録用のプロパティ1ecmProp_DocTypePropLongStr1
22文字列型(4,096バイト)の情報登録用のプロパティ2ecmProp_DocTypePropLongStr2
23文字列型(4,096バイト)の情報登録用のプロパティ3ecmProp_DocTypePropLongStr3
24文字列型(4,096バイト)の情報登録用のプロパティ4ecmProp_DocTypePropLongStr4
25文字列型(4,096バイト)の情報登録用のプロパティ5ecmProp_DocTypePropLongStr5

(4) 記述例

文書種別用プロパティとして整数型,日付型,および文字列型(4,096バイト)を追加するときは,次に示すように種別用プロパティ定義ファイルを記述します。

[図データ]

これによって,文書種別用プロパティが追加されます。追加された文書種別用プロパティは,[文書種別の作成]画面などに表示されます。

[図データ]