2.4.2 DocumentBroker Version 3の設定

DocumentBroker Version 3は,次の図に示す手順で環境設定をしてください。各手順での環境設定の詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。

なお,ここでの記載は,DocumentBroker Version 3と連携する場合の手順です。DocumentBroker Version 5と連携する場合は,「2.4.3 DocumentBroker Version 5の設定」を参照してください。

図2-8 DocumentBroker Version 3の環境設定の手順

[図データ]

<この項の構成>
(1) 文書空間の定義
(2) アクセス制御機能を使用する場合の設定
(3) HiRDBの設定
(4) 文書空間の構築
(5) インデクスの定義
(6) 複合機連携による文書登録機能を使用する場合の設定
(7) リファレンスファイル文書化機能を使用する場合の設定
(8) フォルダの容量制限機能を使用する場合の設定

(1) 文書空間の定義

DocumentSpace構成定義ファイル(docspace.ini)のエントリを指定して,DocumentBrokerの文書空間の構成を定義します。DocumentBroker Standard GUIを使用するときは,次の表に示すエントリを指定してください。

表2-13 指定が必要なエントリ

エントリ名指定内容
PdHostサーバのホスト名を指定します。
PdNamePortサーバのポート番号を指定します。
PdUserデータベースにアクセスするためのDocumentBroker用のユーザ名とパスワードを指定します。
UserAuthenticationユーザ認証方式を指定します。
LdapHostホスト名またはIPアドレスを指定します。
LdapPortLDAPのポート番号を指定します。
LdapClientLibLDAPクライアントライブラリの種別を指定します。
LdapGroupMemberグループに所属しているユーザを記述するプロパティを指定します。
LdapUserRootDIT上でユーザを検索するベースとなるノードのDNを指定します。
LdapUserClassユーザとして定義するクラスの名称を指定します。
LdapUserIdユーザクラスのプロパティを指定します。
LdapGroupグループ識別子のオブジェクトからの検索方法を指定します。LdapGroupにはYesを指定してください。
LdapGroupFromUserAttrユーザのプロパティ値からのディレクトリのノード情報の検索方法を指定します。LdapGroupFromUserAttrにはYesを指定してください。
LdapGroupIdFromUserAttrグループ情報が格納されているユーザのプロパティを指定します。
LdapGroupFromUserDnグループ識別子の検索方法を指定します。LdapGroupFromUserDnにはNoを指定してください。
LdapGroupRootDIT上でグループを検索するベースとなるノードのDNを指定します。
LdapGroupClassグループ識別子にするオブジェクトのクラスを指定します。
LdapGroupIdグループ識別子として利用するプロパティを指定します。
LdapBindUserDNディレクトリサービスへのバインド時に,認証をするサーババインドを使用する場合は,サーババインドに使用するDNを指定します。
LdapBindPasswordディレクトリサービスへのバインド時に,認証をするサーババインドを使用する場合は,サーババインドに使用するパスワードを指定します。
SerialId文書空間の識別子を指定します。
XdkShmemSizeメタ情報管理用に確保するメモリマップトファイルのサイズを指定します(単位:バイト)。DocumentBroker Standard GUIでは,6000000​を指定してください。
注※
DocumentSpace構成定義ファイル(docspace.ini)のSerialIdエントリに指定した識別子を,Systemオブジェクトレジストリファイル(slocalreg.ini)のServiceObjectIDエントリとオブジェクト定義ファイル(edms.ini)のdmaProp_DocSpaceIdエントリにも指定してください。

(2) アクセス制御機能を使用する場合の設定

セキュリティ定義ファイル(docaccess.ini)のSecurityAdminエントリでDocumentBrokerのセキュリティ管理者を指定してください。

注意
DocumentBrokerのセキュリティ管理者には,DocumentBroker Standard GUIのシステム管理者を設定してください。

(3) HiRDBの設定

(4) 文書空間の構築

次に示すファイルを入力として,文書空間の構築コマンドEDMCBuildDocSpace)を実行し,新規に文書空間を構築します。

これらのファイルは,「2.2.2(2) 文書空間の定義コマンドの実行」で説明した文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を実行すると出力されます。

文書空間の構築コマンドを実行するときは,HiRDBを起動しておいてください。

文書空間の構築コマンドを実行すると,{DocumentBrokerのインストールフォルダ} ¥Server¥envに次に示すファイルが出力されます。

出力されたクラス定義情報ファイル(文書空間識別子.ini)を次に示すフォルダにコピーしてください。

(5) インデクスの定義

文書空間の構築コマンド(EDMCBuildDocSpace)を実行して作成した表にインデクスを定義してください。インデクスを定義する表と列を次の表に示します。

表2-14 インデクスを定義する表と列

インデクスを定義する表インデクスを定義する列
ecmClass_FileDocDVecmProp_V_ecmProp_FldOiid
ecmClass_FlowecmProp_Req_dmaProp_OIID
ecmProp_Req_ecmProp_Id

HiRDBの定義系SQLのCREATE INDEXでインデクスを定義します。CREATE INDEXについては,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。

インデクスの定義例(CREATE INDEXの記述例)を次に示します。

(例)

CREATE INDEX "ecmClass_FileDocDVXX"
  ON "ecmClass_FileDocDV"("ecmProp_V_ecmProp_FldOiid") IN (INDEXAREA);
CREATE INDEX "ecmClass_FlowXX"
  ON "ecmClass_Flow"("ecmProp_Req_dmaProp_OIID") IN (INDEXAREA);
CREATE INDEX "ecmClass_FlowXX"
  ON "ecmClass_Flow"("ecmProp_Req_ecmProp_Id") IN (INDEXAREA);

(凡例)
XX:同じ表に対してインデクスを定義する場合,インデクスごとに異なる文字列を指定してください。
INDEXAREA:インデクスを格納するRDエリアの名称です。環境に合わせて格納するRDエリアを決めてください。

インデクスの設計については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を,インデクスのチューニングについては,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

(6) 複合機連携による文書登録機能を使用する場合の設定

イメージ文書をどのようにDocumentBroker Standard GUIの文書として登録するかは,DocumentBrokerの複合機連携製品のJOB定義ファイルで設定する必要があります。設定の詳細は,次のマニュアルを参照してください。

JOB定義ファイルの設定内容を次の表に示します。

表2-15 JOB定義ファイルの設定内容

項目設定内容説明
versionableバージョン付き文書(複数の版を持ち,版管理する文書)として登録されます。
docclassguidchecmClass_FileDocCHのGUID※1の値を設定します。DocumentBroker Standard GUIの,一般文書のバージョン共通情報クラスを設定します。
propertieschバージョン付き文書のバージョン共通のプロパティ情報を設定します。propertyタグに,名前(esysProp_Name)およびすべてのユーザのアクセス権(dbrProp_EveryonePermission)を設定します。
docclassguiddvecmClass_FileDocDVのGUID※1の値を設定します。DocumentBroker Standard GUIの,一般文書バージョン共通情報クラスを設定します。
propertiesdvバージョン付き文書のバージョン固有のプロパティ情報を設定します。propertyタグに,次のプロパティ情報を設定します。
  • 名前(esysProp_Name)※2
  • すべてのユーザのアクセス権(dbrProp_EveryonePermission)
  • ファイル名(ecmProp_FileName)
  • 複合機で一時登録した文書
注※1
クラス定義情報ファイルに設定されるGUIDの値を設定してください。クラス定義情報ファイルの詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
注※2
propertieschタグと同じ値を設定してください。

なお,DocumentBroker Standard GUIでは,複合機連携による文書登録機能を使用するために必要な,DocumentBrokerの複合機連携製品に設定する動作環境ファイルのサンプルを提供しています。次のフォルダに格納されている動作環境ファイルを編集して使用してください。

サンプルファイルの格納先
{DocumentBroker Standard GUIのインストールフォルダ}¥sample
サンプルファイル名
ecmsmpl1.xml

動作環境ファイルを次の図に示します。

図2-9 動作環境ファイル(ecmsmpl1.xml)(1/2)

[図データ]

図2-10 動作環境ファイル(ecmsmpl1.xml)(2/2)

[図データ]

(7) リファレンスファイル文書化機能を使用する場合の設定

リファレンスファイル文書化機能を使用する場合の設定について説明します。

なお,リファレンスファイル文書化機能を使用しない運用から使用する運用に変更する場合,DocumentBrokerサーバでリファレンスファイル管理機能を使用するためのデータベース移行が必要です。移行手順については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。

(a) メタ情報の追加

ジョブ情報を登録するための表(クラス)をメタ情報に追加します。

手順を次に示します。なお,各手順の詳細については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」の「クラスの追加」の説明を参照してください。

  1. DocumentBroker Serverのメタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)を実行します。
    コマンド実行時に指定する引数を次に示します。
    • -f ジョブ情報を登録するための定義情報ファイル
      ジョブ情報を登録するための定義情報ファイルのサンプルは,次のフォルダに格納されています。
      {DocumentBroker Standard GUIのインストールフォルダ}¥sample¥meta¥EcmGuiAddDef_Job.txt
    • -g
    • -o データベース定義文格納ファイル
      メタ情報の追加コマンドを実行すると出力されるデータベース定義文を格納するためのファイルのパスを指定します。
    コマンドを実行すると,データベース定義文が出力されます。
    メタ情報の追加コマンドの詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
  2. データベース定義文のエリア定義などを追加,修正します。
  3. データベース定義文を実行します。
    HiRDBのデータベース定義ユティリティでデータベース定義文を実行します。
  4. DocumentBroker Serverのクラス定義情報ファイル作成コマンド(EDMCrtSimMeta)を実行し,クラス定義情報ファイルを作成します。
    コマンドを実行すると,クラス定義情報ファイル(文書空間識別子ini)が作成されます。
    クラス定義情報ファイル作成コマンドの詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
  5. クラス定義情報ファイル(文書空間識別子ini)を次に示すフォルダにコピーします。
    • DocumentBroker Development Kitをインストールしている場合
      {DocumentBroker Development Kitのインストールフォルダ}¥DevKit¥java¥etc
    • DocumentBroker Runtimeをインストールしている場合
      {DocumentBroker Runtimeのインストールフォルダ}¥Runtime¥java¥etc
(b) インデクスの定義

ジョブ情報を登録するための表にインデクスを定義します。インデクスを定義する表と列を次の表に示します。

表2-16 インデクスを定義する表と列(リファレンスファイル文書化機能を使用する場合)

インデクスを定義する表インデクスを定義する列
ecmClass_JobInfoecmProp_JobId

HiRDBの定義系SQLのCREATE INDEXでインデクスを定義します。CREATE INDEXについては,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。

インデクスの定義例(CREATE INDEXの記述例)を次に示します。

(例)

CREATE INDEX "ecmClass_JobInfoXX" ON
"ecmClass_JobInfo"("ecmProp_JobId") IN (INDEXAREA);

(凡例)
XX:同じ表に対してインデクスを定義する場合,インデクスごとに異なる文字列を指定してください。
INDEXAREA:インデクスを格納するRDエリアの名称です。環境に合わせて格納するRDエリアを決めてください。

(8) フォルダの容量制限機能を使用する場合の設定

フォルダの容量制限機能を使用する場合の設定について説明します。

(a) メタ情報の追加

フォルダの登録可能な容量および使用済み容量の情報を管理するための表(クラス)をメタ情報に追加します。

手順を次に示します。なお,各手順の詳細については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」の「クラスの追加」の説明を参照してください。

  1. DocumentBroker Serverのメタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)を実行します。
    コマンド実行時に指定する引数を次に示します。
    • -f フォルダの登録可能な容量および使用済み容量の情報を管理するための定義情報ファイル
      フォルダの登録可能な容量,および使用済み容量の情報を管理するための定義情報ファイルのサンプルは,次のフォルダに格納されています。
      {DocumentBroker Standard GUIのインストールフォルダ}¥sample¥meta¥EcmGuiAddDef_Capacity.txt
    • -g
    • -o データベース定義文格納ファイル
      メタ情報の追加コマンドを実行すると出力されるデータベース定義文を格納するためのファイルのパスを指定します。
    コマンドを実行すると,データベース定義文が出力されます。
    メタ情報の追加コマンドの詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
  2. データベース定義文のエリア定義などを追加,修正します。
  3. データベース定義文を実行します。
    HiRDBのデータベース定義ユティリティでデータベース定義文を実行します。
  4. DocumentBroker Serverのクラス定義情報ファイル作成コマンド(EDMCrtSimMeta)を実行し,クラス定義情報ファイルを作成します。
    コマンドを実行すると,クラス定義情報ファイル(文書空間識別子ini)が作成されます。
    クラス定義情報ファイル作成コマンドの詳細は,マニュアル「DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
  5. クラス定義情報ファイル(文書空間識別子ini)を次に示すフォルダにコピーします。
    • DocumentBroker Development Kitをインストールしている場合
      {DocumentBroker Development Kitのインストールフォルダ}¥DevKit¥java¥etc
    • DocumentBroker Runtimeをインストールしている場合
      {DocumentBroker Runtimeのインストールフォルダ}¥Runtime¥java¥etc
(b) インデクスの定義

フォルダの登録可能な容量および使用済み容量の情報を管理するための表にインデクスを定義します。インデクスを定義する表と列を次の表に示します。

表2-17 インデクスを定義する表と列(フォルダの容量制限機能を使用する場合)

インデクスを定義する表インデクスを定義する列
ecmClass_FolderCapacityesysProp_Name

HiRDBの定義系SQLのCREATE INDEXでインデクスを定義します。CREATE INDEXについては,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。

インデクスの定義例(CREATE INDEXの記述例)を次に示します。

(例)

CREATE INDEX "ecmClass_FolderCapacityXX" ON
"ecmClass_FolderCapacity"("esysProp_Name") IN (INDEXAREA);

(凡例)
XX:同じ表に対してインデクスを定義する場合,インデクスごとに異なる文字列を指定してください。
INDEXAREA:インデクスを格納するRDエリアの名称です。環境に合わせて格納するRDエリアを決めてください。