TP1サービスプログラムとのRPC通信で使用する送信バッファと受信バッファは,TP1アダプタ起動時のインスタンス初期化処理で生成・保持することによって,運用中のバッファのメモリ確保失敗のリスクを排除しています。しかし,この送受信バッファはインスタンスごとに生成・保持されるため,TP1アダプタ起動時にバッファサイズ分のメモリ量が必要となります。
このため,多くのTP1アダプタを起動したり,バッファサイズの大きいTP1アダプタのインスタンスを複数生成したりすると,メモリ不足が原因でTP1アダプタを起動できないことがあります。
この場合,送受信バッファの生成方法をTP1アダプタ起動時のインスタンス初期化処理での生成・保持から,RPC通信処理時に動的に生成・解放する処理に変更するオプションを使用することで,TP1アダプタ起動時のメモリ不足を解消できます。
RPC通信処理時に動的に生成・解放するオプションの概要を次の図に示します。
図2-10 RPC通信処理時に動的に生成・解放するオプションの概要
RPC通信時に動的に送受信バッファを生成・解放するには,TP1アダプタの実行環境プロパティファイルのbuffer.keepプロパティで送受信バッファの生成オプションの定義を追加する必要があります。定義方法については「3.8 実行環境プロパティファイルの作成」を参照してください。
送受信バッファサイズ(単位:バイト)=同時に処理できるRPC要求の最大数※1×(送信バッファサイズ※2+受信バッファサイズ※3) |