3.9.1 リモートAPI機能を使用する場合

リモートAPI機能を使用する場合,RPC接続の確立方式および常設コネクションの管理方法によって,TP1/Client/Jで指定する環境定義の値が異なります。TP1アダプタの通信構成定義およびTP1/Client/J環境定義の対応を次の表に示します。

表3-4 TP1アダプタの通信構成定義およびTP1/Client/J環境定義の対応

TP1/Client/J環境定義TP1アダプタの通信構成定義
connect_mode:RAP
active_mode:STANDactive_mode:EACH
standcon_mode:MANUALstandcon_mode:AUTOstandcon_mode要素は指定不要
dcnamuseN(使用しない)N(使用しない)N(使用しない)
dcrapdirectY(使用する)Y(使用する)Y(使用する)
dcscddirectN(使用しない)N(使用しない)N(使用しない)
dcrapautoconnectN(使用しない)Y(使用する)N(使用しない)
(凡例)
:(コロン)は,要素および要素の指定値の対応を示します。例えば,「connect_mode:RAP」は,connect_mode要素にRAPを指定することを示します。

リモートAPI機能を使用する場合のTP1/Client/J環境定義を次の表に示します。

表3-5 リモートAPI機能使用時のTP1/Client/J環境定義

TP1/Client/J環境定義指定値説明
dcnamuseN(使用しない)ネームサービス機能の使用の有無を指定します。
dcrapdirectY(使用する)リモートAPI機能の使用の有無を指定します。
dcscddirectN(使用しない)スケジューラダイレクト機能の使用の有無を指定します。
dchostホスト名,rapリスナーのポート番号rapリスナーが存在する接続先システムのホスト名およびrapリスナーのポート番号を指定します。dcrapportオペランドでrapリスナーのポート番号を指定している場合,ポート番号の指定は省略できます。
dcrapportrapリスナーのポート番号rapリスナーのポート番号を指定します。dchostオペランドでポート番号を指定する場合,このオペランドの指定は省略できます。
dcrapautoconnectY|Nrapサーバとの間の常設コネクションを自動的に確立させるかどうかを指定します。TP1アダプタの通信構成定義のstandcon_mode要素と指定値を対応させてください。
注※
dcrapautoconnectオペランドの指定による性能についてのメリットおよびデメリットを次の表に示します。

表3-6 dcrapautoconnectオペランドの指定によるメリットおよびデメリット

dcrapautoconnectオペランドの指定値メリットデメリット
Y(オートコネクト)接続先システムからコネクションを解放されても,サービス要求実行時に再確立を行います。初回のサービス要求実行時にコネクションの確立を行うため性能劣化のおそれがあります。
N(非オートコネクト)TP1アダプタ開始時にすべてのコネクションの確立を行います。初回のサービス要求実行時に,コネクションの確立をする必要なく通信できます。確立するコネクションの数が多いとTP1アダプタの開始処理に時間が掛かります。