Cosminexusのアプリケーションサーバは,ハイパーバイザを使用して実現する仮想サーバ上に,アプリケーションサーバを構築できます。仮想サーバ上にアプリケーションサーバを構築したシステムを仮想化システムといいます。
仮想化システムでは,1台の物理マシン上に仮想サーバを複数台配置でき,それぞれに異なるOS,アプリケーションなどを配置したアプリケーションサーバを構築できます。このため,高度で複雑なシステムでの物理マシン数の増加を防いだり,物理マシンの構築やメンテナンスなどの作業コストを削減したりできます。また,ピーク時の負荷に備えたリソースが物理マシンに割り当てられている場合には,通常の運用で使用されない余剰リソースを複数の仮想サーバで使用して,リソースを有効活用できます。
さらに,仮想サーバ上にアプリケーションサーバを簡単に構築したり,一括起動や一括停止などの運用をしたりするためのプロセスとして,仮想サーバマネージャを提供しています。これによって,アプリケーションサーバの構築,運用に掛かるコストを削減できます。仮想サーバマネージャについては,「2.2.1 仮想サーバマネージャ」を参照してください。
仮想化システムの概要を次の図に示します。
図1-1 仮想化システムの概要
この図に示すように,1台の物理マシン上に,アプリケーションサーバが動作する複数の仮想サーバを構築できます。仮想サーバ上のアプリケーションサーバは,同時に実行できます。仮想サーバ上のアプリケーションサーバでは,J2EEアプリケーションが動作します。なお,ハイパーバイザは,物理マシンのハードウェア上で直接動作します。Cosminexusのアプリケーションサーバでは,ハイパーバイザとしてVMware ESXが使用できます。