仮想化システムは,日立の統合システム運用管理製品であるJP1と連携して運用できます。
JP1と連携すると,アプリケーションサーバ以外のホストやサーバプロセスを含めた業務システム全体の状況を集中監視したり,システム上のサーバの起動や停止を自動化したりできるようになります。また,集計されたパフォーマンスデータから,仮想サーバ上で動作するアプリケーションサーバの稼働状況を容易に把握できます。
JP1と連携する場合,次に示す製品を使用した機能を利用できます。
- JP1/IMとの連携(システムの集中監視)
セントラルコンソールおよびセントラルスコープによって,システム全体の稼働中の仮想サーバの事象を集中して監視できます。システムで発生した事象をJP1イベントとして集めて時系列に表示したり,業務とシステムの関連などをビジュアルに把握できるようにシステム全体を目的に合わせて表示したりできます。このため,システム管理者の必要とする視点で集中的に監視できます。また,重要な監視ポイントをマップ形式で表示できるので,大規模なシステムも必要な視点で集中監視できます。
- JP1/AJS3との連携(カスタムジョブによるシステムの自動運転)
仮想化システムの管理ユニットの起動や停止のスケジュールをカスタムジョブに定義することで,システムの運用を自動化できます。これによって,夜間バッチのためのサーバの起動や,曜日によって異なる業務の切り替え,月末に実施する月次業務の実行など,システムリソースを有効に使った自動運転ができます。
- JP1/PFMとの連携(システムの稼働状況の一元監視)
仮想サーバ上で動作するアプリケーションサーバの同時実行スレッド数などのパフォーマンスデータを収集および集計し,その傾向や推移をグラフで表示できます。これによって,システム全体の稼働状況の分析や将来に向けて長期的なパフォーマンスの改善に役立てることができます。
どのJP1製品と連携するかは,システム構成パターンによって異なります。システム構成パターンについては,「3. システム構成パターンの選択」を参照してください。なお,JP1と連携する場合には,システム構築時に,JP1連携の設定,定義ファイルの作成,JP1との連携で使用するファイルのJP1への登録などが必要になります。