7.2.1 パターン1(テスト環境のオンデマンド提供)の開始と停止
(1) 開始手順
システムの開始手順を次に示します。仮想サーバ運用管理ホストでの作業になります。
- アプリケーション開発者からテスト環境の提供依頼を受けます。
このとき,OSやミドルウェアに関するテスト環境の要望も伝えてもらいます。
- テスト環境の要望を満たす管理ユニットを決定します。
ここでは,管理ユニット「unit_a」が要望を満たしたとします。
- vmx_list_virtualserver_statusコマンドで,仮想サーバの稼働状況を把握します。
仮想サーバを起動できる管理対象マシンを確認するために,コマンドを実行してすべての管理対象マシンの稼働状況を取得します。コマンドの実行例を次に示します。
vmx_list_virtualserver_status |
- 手順3.の稼働状況から,仮想サーバを起動する管理対象マシンを決定します。
ここでは,管理対象マシン「hv1」の仮想サーバを起動することとします。
- vmx_export_ruleコマンドで,現状の管理ユニット運用ルールを取得します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-oオプションに取得する管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを指定してください。
ここでは,管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを,Windowsの場合には「C:¥work¥rule_a.properties」,Linuxの場合には「/work/rule_a.properties」とします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o C:¥work¥rule_a.properties |
- Linuxの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o /work/rule_a.properties |
- 管理ユニット運用ルールを編集します。
手順4.で決定した管理対象マシン「hv1」に仮想サーバを1台デプロイするため,手順5.で取得した管理ユニット運用ルールのファイルに,次に示すプロパティを設定します。
unit.rule.machine_names=hv1 unit.rule.deploy.num=1 |
ここでは,unit.rule.machine_namesプロパティに追加する管理対象マシン「hv1」を定義します。また,unit.rule.deploy.numプロパティにはデプロイする仮想サーバの数(ここでは1台)を指定します。
なお,管理ユニット「unit_a」にすでに管理対象マシンやデプロイする仮想サーバが設定されている場合には,必要に応じて指定内容を変更してください。
- vmx_update_unitコマンドで,管理ユニット運用ルールを設定します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-ruleオプションに手順6.で編集した管理ユニット運用ルールのファイルのパスを指定してください。
ここでは,管理ユニット運用ルールのファイルのパスを手順5.で取得したパスと同じとします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -rule C:¥work¥rule_a.properties |
- Linuxの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -rule /work/rule_a.properties |
- vmx_deploy_unit コマンドで,仮想サーバをデプロイします。
コマンド実行時には,-unitオプションに仮想サーバをデプロイする管理ユニット名を指定してください。
コマンドの実行例を次に示します。
vmx_deploy_unit -unit unit_a |
- vmx_scaleout_unitコマンドで,仮想サーバを起動します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-hvオプションに仮想サーバを起動する管理対象マシン名を指定してください。
コマンドの実行例を次に示します。
vmx_scaleout_unit -unit unit_a -hv hv1 |
コマンドを実行すると,メッセージに起動した仮想サーバ名が表示されるので,取得しておきます。
- テスト環境の情報を依頼元のアプリケーション開発者に伝えます。
アプリケーション開発者に伝える内容は,OS,ミドルウェア,アカウント,仮想サーバ名,業務LANのIPアドレスなどの詳細情報です。なお,業務LANのIPアドレスは,vmx_list_virtualserver_statusコマンドを実行して,手順9.で取得した仮想サーバ名を基に入手してください。コマンドの実行例を次に示します。
vmx_list_virtualserver_status |
これらの情報を入手したアプリケーション開発者は,仮想サーバに対して運用管理ポータルを使用して,アプリケーションサーバの設定やアプリケーションのインポートと開始,アプリケーションのテストを実施します。
(2) 停止手順
システムの停止手順を次に示します。仮想サーバ運用管理ホストでの作業になります。
- アプリケーション開発者からテスト環境利用の終了通知を受けます。
このとき,仮想サーバ名も連絡してもらいます。ここでは,仮想サーバ名は「VMX192168002101」とします。
- vmx_scalein_unitコマンドで,仮想サーバを停止します。
コマンド実行時には,-vsオプションにアプリケーション開発者から連絡してもらった仮想サーバ名を指定してください。
コマンドの実行例を次に示します。
vmx_scalein_unit -vs VMX192168002101 |
- vmx_list_virtualserver_statusコマンドで,停止した仮想サーバの管理ユニットと管理対象マシンを特定します。
ここでは,仮想サーバが管理ユニット「unit_a」に属していて,管理対象マシン「hv1」で稼働していたとします。コマンドの実行例を次に示します。
vmx_list_virtualserver_status |
- vmx_export_ruleコマンドで,現状の管理ユニット運用ルールを取得します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-oオプションに取得する管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを指定してください。
ここでは,管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを,Windowsの場合には「C:¥work¥rule_a.properties」,Linuxの場合には「/work/rule_a.properties」とします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o C:¥work¥rule_a.properties |
- Linuxの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o /work/rule_a.properties |
- 管理ユニット運用ルールを編集します。
手順3.で特定した管理対象マシン「hv1」に仮想サーバをデプロイさせないために,手順4.で取得した管理ユニット運用ルールのファイルで,次に示すプロパティの値として設定されていた「hv1」を削除します。
なお,複数の管理対象マシンを定義している場合で,管理対象マシン「hv1」削除後に管理ユニットが使用する管理対象マシンが残るときは,必要に応じて管理対象マシンの情報を残しておいてください。
- vmx_update_unitコマンドで,管理ユニット運用ルールを設定します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-ruleオプションに手順5.で編集した管理ユニット運用ルールのファイルのパスを指定してください。
ここでは,管理ユニット運用ルールのファイルのパスを手順4.で取得したパスと同じとします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -rule C:¥work¥rule_a.properties |
- Linuxの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -rule /work/rule_a.properties |
- vmx_deploy_unitコマンドで,不要になった仮想サーバを削除します。
管理ユニット運用ルールを変更した管理ユニット「unit_a」をデプロイすることで,不要な仮想サーバが削除されます。
コマンドの実行例を次に示します。
vmx_deploy_unit -unit unit_a |