7.6.1 更新対象の編集
更新対象となる情報の更新とシステム構成パターンごとの対応を次の表に示します。
表7-3 更新する情報とシステム構成パターンとの対応
更新する情報 | システム構成パターンとの対応 |
---|
パターン1 | パターン2 | パターン3 | パターン4 |
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ゲストOSまたはミドルウェア | ○ | ○※ | ○ | ○ |
アプリケーションまたはアプリケーションサーバ | ○ | ○※ | ○ | ○ |
管理ユニット運用ルール | ○ | ○ | ○ | ○ |
仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイル | ○ | ○ | ○ | - |
- (凡例)
- ○:情報の更新ができることを示します。
- -:該当しません。
- 注※
- ほかのパターンと運用方法が異なるため,注意してください。
- 注意
- ここで説明する更新操作では,管理ユニットに属する仮想サーバすべてを更新します。この操作は,システムの運用管理者が実施します。
- パターン1の場合で,アプリケーション開発者が提供された個々の仮想サーバを更新するときは,運用管理ポータルなどを使用して変更してください。
- <この項の構成>
- (1) ゲストOSまたはミドルウェアの更新
- (2) アプリケーションまたはアプリケーションサーバの更新
- (3) 管理ユニット運用ルールの変更
- (4) 仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルの更新
(1) ゲストOSまたはミドルウェアの更新
ゲストOSまたはミドルウェアの更新について,システム構成パターンごとに説明します。
●パターン1,パターン3またはパターン4の場合
ゲストOSまたはミドルウェアを更新する場合,マスタ仮想サーバを編集します。手順を次に示します。
- マスタ仮想サーバを起動します。
VMware vSphere ClientからVMware vCenter Serverを使用し,仮想サーバイメージ管理ホストのハイパーバイザ上でマスタ仮想サーバを起動します。
- マスタ仮想サーバを変更します。
ゲストOSやApplication Server EnterpriseやJP1などの製品の更新プログラムを適用して,マスタ仮想サーバを変更します。
- ゲストOSをシャットダウンします。
ゲストOSをシャットダウンすると仮想マシンが停止し,更新されたマスタ仮想サーバのイメージが利用できます。
更新を反映するには,「7.6.2 管理ユニットへの更新の適用」に示す手順を引き続き実施してください。
●パターン2の場合
各仮想サーバのゲストOSに接続して,ゲストOSまたはApplication Server EnterpriseやJP1などの更新を直接実施します。
(2) アプリケーションまたはアプリケーションサーバの更新
アプリケーションまたはアプリケーションサーバの更新について,システム構成パターンごとに説明します。
●パターン1,パターン3またはパターン4の場合
アプリケーションまたはアプリケーションサーバを更新する場合,アプリケーションサーバ情報ディレクトリを編集します。手順を次に示します。
- 新しいアプリケーションとcosminexus.xmlを準備します。
アプリケーション開発者はアプリケーションを変更します。変更後,アプリケーションをEAR形式のファイルにします。
また,cosminexus.xmlも変更します。cosminexus.xmlについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。
- 管理ユニット作成時に使用したアプリケーションサーバ情報ディレクトリを用意します。
- 手順2.で用意したアプリケーションサーバ情報ディレクトリに,手順1.で準備したアプリケーションとcosminexus.xmlを配置します。
変更したアプリケーションの名称が同じ場合はファイルを上書きしてください。変更したアプリケーションの名称がこれまで使用していたアプリケーション名と異なる場合は,新しいアプリケーション名でアプリケーションサーバ情報ディレクトリに追加します。
- アプリケーションサーバ情報ディレクトリに登録されている定義ファイルを編集します。
アプリケーションサーバを更新する場合は,ここで定義ファイルを編集します。
更新を反映するには,「7.6.2 管理ユニットへの更新の適用」に示す手順を引き続き実施してください。
- 注意
- 手順2.で用意するアプリケーションサーバ情報ディレクトリは,必ず,管理ユニット作成時に使用したものを用意してください。管理ユニット作成時と異なるアプリケーションサーバ情報ディレクトリを使用すると,アプリケーションが削除されたり,定義ファイルにデフォルトが設定されたりすることがあります。システムの運用中は,アプリケーションサーバ情報ディレクトリを資産として管理することを推奨します。
●パターン2の場合
仮想サーバ上のManagement Serverに対してSmart Composerや運用管理ポータルを使用して,アプリケーションサーバの設定を変更します。詳細については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」,またはマニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。
(3) 管理ユニット運用ルールの変更
仮想サーバのデプロイ数や,一括起動数などを変更する場合は,管理ユニット運用ルールを編集します。ここで説明する作業は,仮想サーバ運用管理ホストで実施します。手順を次に示します。
- vmx_export_ruleコマンドを実行して,現状の管理ユニット運用ルールを取得します。
コマンド実行時には,-unitオプションに管理ユニット名を,-oオプションに管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを指定してください。
ここでは,管理ユニット運用ルールのファイルを格納するパスを,Windowsの場合には「C:¥work¥rule_a.properties」,Linuxの場合には「/work/rule_a.properties」とします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o C:¥work¥rule_a.properties |
- Linuxの場合
vmx_export_rule -unit unit_a -o /work/rule_a.properties |
- 手順1.で取得した管理ユニット運用ルールを編集します。
更新を反映するには,「7.6.2 管理ユニットへの更新の適用」に示す手順を引き続き実施してください。
(4) 仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルの更新
仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルの内容を変更する場合や,仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを新たに使用したい場合は,新しい仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを準備します。
管理ユニット作成時に使用した仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを編集するか,または新規に作成して,仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを準備します。仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを使用しない場合は,内容が空のファイルを準備してください。
更新を反映するには,「7.6.2 管理ユニットへの更新の適用」に示す手順を引き続き実施してください。