7.6.2 管理ユニットへの更新の適用
(1) 管理ユニットの情報の更新
管理ユニットを更新するには,vmx_update_unitコマンドを使用します。更新する情報をオプションに指定します。なお,更新しない情報はオプションに指定しないでください。これによって,更新しない情報は,それまでの情報が引き継がれます。
ここでは,マスタ仮想サーバ,アプリケーションサーバ情報ディレクトリ,管理ユニット運用ルール,および仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルを同時に更新するとします。コマンドの実行例を次に示します。
- Windowsの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -master_name master_a -aps_dir C:¥work¥dir_a -rule C:¥work¥rule_a.properties -script C:¥work¥startup_a.bat |
- Linuxの場合
vmx_update_unit -unit unit_a -master_name master_a -aps_dir /work/dir_a -rule /work/rule_a.properties -script /work/startup_a.bat |
コマンドのオプションについて説明します。
- -unitオプションには,更新する管理ユニット名を指定します。ここでは,「unit_a」としています。
- -master_nameオプションには,マスタ仮想サーバ名を指定します。ここでは,「master_a」としています。
- -aps_dirオプションには,更新後のアプリケーションサーバ情報ディレクトリを指定します。ここでは,Windowsの場合は「C:¥work¥dir_a」,Linuxの場合は「/work/dir_a」としています。
- -ruleオプションには,更新後の管理ユニット運用ルールのファイルのパスを指定します。ここでは,Windowsの場合は「C:¥work¥rule_a.properties」,Linuxの場合は「/work/rule_a.properties」としています。
- -scriptオプションには,変更後の仮想サーバ起動時ユーザスクリプトファイルのパスを指定します。ここでは,Windowsの場合は「C:¥work¥startup_a.bat」,Linuxの場合は「/work/startup_a.bat」としています。
(2) 管理ユニットのバージョンの更新
マスタ仮想サーバまたはアプリケーションサーバ情報ディレクトリを更新した場合には,管理ユニットのバージョンを更新します。手順を次に示します。
- 管理ユニットの最新バージョンを確認します。
仮想サーバマネージャでは,管理ユニットごとにマスタ仮想サーバまたはアプリケーションサーバ情報ディレクトリの情報をバージョン管理しています。vmx_list_unit_versionコマンドで更新時間が最新のバージョンを取得します。
ここでは,管理ユニット「unit_a」の更新時間が最新のバージョンを取得するとします。コマンドの実行例を次に示します。
vmx_list_unit_version -unit unit_a |
- vmx_set_unit_currentversionコマンドを使用して,最新バージョンに変更します。
手順1.で確認した最新バージョンに変更します。
ここでは,管理ユニット「unit_a」を最新バージョン「002」に変更するとします。コマンドの実行例を次に示します。
vmx_set_unit_currentversion -unit unit_a -ver 002 |
(3) 仮想サーバへの適用
「(1) 管理ユニットの情報の更新」でマスタ仮想サーバ,アプリケーションサーバ情報ディレクトリ,または管理ユニット運用ルール(unit.rule.machine_namesプロパティまたはunit.rule.deploy.numプロパティ)を更新した場合には,管理ユニットの情報を,仮想サーバに適用します。管理ユニットの情報を適用する方法には,ローリングアップデートとデプロイの二つの方法があります。
- ローリングアップデート
ローリングアップデートでは,仮想サーバを1台ずつ更新していくため,複数の稼働中の仮想サーバがある場合に業務を停止することなく更新できます。ただし,一時的に新旧の仮想サーバが混在して稼働するため,混在が許されない場合にはローリングアップデートは使用しないでください。ここでは,管理ユニット「unit_a」のローリングアップデートの実行例を示します。
vmx_rolling_update -unit unit_a |
- デプロイ
停止中の仮想サーバを更新しますが,稼働中の仮想サーバは更新しません。このため,デプロイで更新を適用する場合は,更新する管理ユニットの仮想サーバを事前に停止しておいてください。ここては,管理ユニット「unit_b」のデプロイの実行例を示します。
vmx_deploy_unit -unit unit_b |
- 注意
- ローリングアップデートまたはデプロイを実行すると,それまでに個々の仮想サーバに対して実施した更新操作は,すべてリセットされ,マスタ仮想サーバから仮想サーバが構築されます。