業務を実行する環境を整えるために,業務ごとに,業務処理内容の分布や,目標レスポンス,リクエスト数などの基礎情報を分析して,性能要件と処理性能から必要なリソースを算出します。また,信頼性を考慮して業務の実行に必要な仮想サーバの配置や台数を決定します。さらに,業務実行時に使用する共有ディスクやデータベースなどのリソースを見積もります。ここで説明する作業は,すべてのシステム構成パターンで実施します。
業務のサイジングによる仮想サーバおよびリソースの構成の決定手順を次に示します。
ここでは,システム構築およびシステム運用で実行する業務の構成例と仮想サーバの配置例を,システム構成パターンごとに説明します。
パターン1で実行する業務と仮想サーバの配置の例を次の表に示します。
表6-1 パターン1(テスト環境のオンデマンド提供)で実行する業務と仮想サーバの配置の例
業務の名称 | 業務の運用 | 使用する管理対象マシン | 仮想サーバの配置 |
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業務(テスト環境)A | アプリケーション開発者のテスト環境の申請に従って,仮想サーバを提供 |
| アプリケーション開発者の申請を受けてから,必要な台数を配置 |
業務(テスト環境)B |
パターン2で実行する業務と仮想サーバの配置の例を次の表に示します。
表6-2 パターン2(実行環境の持続的運用)で実行する業務と仮想サーバの配置の例
業務の名称 | 業務の運用 | 使用する管理対象マシン | 仮想サーバの配置 |
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業務A |
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| 管理対象マシンごとに2台配置 |
業務B | 毎日22:00~2:00に稼働 |
| 管理対象マシンごとに1台配置 |
パターン3で実行する業務と仮想サーバの配置の例を次の表に示します。
表6-3 パターン3(実行環境のスケールアウト)で実行する業務と仮想サーバの配置の例
業務の名称 | 業務の運用 | 使用する管理対象マシン | 仮想サーバの配置 |
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業務A |
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| 管理対象マシンごとに1台配置(ただし,2台は予備) |
業務B | 毎日6:00~20:00に稼働 |
| 管理対象マシンごとに1台配置(予備なし) |
業務C | 毎日22:00~2:00に稼働 |
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業務D | 毎日22:00~2:00に稼働 |
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パターン4で実行する業務と仮想サーバの配置の例を次の表に示します。
表6-4 パターン4(小規模部門サーバの集約)で実行する業務と仮想サーバの配置の例
業務の名称 | 業務の運用 | 使用する管理対象マシン | 仮想サーバの配置 |
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業務A |
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| 管理対象マシンごとに1台配置(ただし,管理対象マシンhv4の1台は予備) |
業務B | |||
業務C | |||
業務D |
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業務E | |||
業務F |
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