6.2.1 仮想マシンの作成と初期設定

ここでは,仮想マシンの作成と初期設定について説明します。

<この項の構成>
(1) 仮想マシンの作成
(2) OSのインストール
(3) OS固有の設定
(4) ネットワークの設定
(5) NTPクライアントの設定
(6) VMware Toolsのインストール

(1) 仮想マシンの作成

VMware vCenter Serverを使用して,仮想サーバイメージ管理ホストのハイパーバイザ上に,マスタ仮想サーバ構築用の仮想マシンを作成します。業務Aで使用する仮想マシン名は,「master_a」とします。

作成した仮想マシンに設定する情報をシステム構成パターンごとに説明します。設定方法については,VMwareのドキュメントを参照してください。

●パターン1,パターン2またはパターン3の場合

仮想マシンを格納するデータストアは業務用データストアを使用します。

仮想マシンには二つの仮想NICを割り当てます。一方の仮想NICは業務LANのネットワークラベルが付いたポートグループに関連づけ,もう一方の仮想NICは管理LANのネットワークラベルが付いたポートグループに関連づけます。

●パターン4の場合

仮想マシンを格納するデータストアは仮想サーバイメージ管理ホストのローカルディスク上のデータストアである「datastore0」を使用します。

(2) OSのインストール

仮想マシン上にゲストOS(WindowsまたはLinux)をインストールします。詳細については,各OSのドキュメントを参照してください。インストールできるOSのバージョンについては,「2.3.2(3) 仮想サーバイメージ管理ホストの前提条件」を参照してください。

(3) OS固有の設定

仮想マシンで動作する上で,ゲストOS固有の設定が必要な場合があります。ゲストOS固有の設定については,VMware, Inc.のWebサイトを参照して確認してください。

また,ゲストOSがLinuxの場合は,次の設定をしてください。

  1. 次のコマンドを実行して,ホスト名に「localhost」を設定します。
    #hostname localhost
  2. hostsファイル(/etc/hosts)のlocalhostに次の設定をします。
    127.0.0.1 localhost
  3. 次のコマンドを実行して,kudzuサービス(ハードウェアの検出/設定ツール)が起動しないように設定します。また,ほかの不要なサービスも停止します。
    #chkconfig kudzu off
  4. ゲストOSの「ネットワークの設定」で,イーサネットデバイスの設定で,「ハードウェアデバイス」:「マックアドレスにバインド」のチェックを外します。

(4) ネットワークの設定

仮想マシンがネットワークを利用できるように,ゲストOS上でネットワークの設定をします。システム構成パターンごとに説明します。なお,ネットワーク構成によっては,必要に応じてルーティングの設定をしてください。例えば,管理LANに複数のサブネットを使用する場合などに設定してください。

●パターン1,パターン2またはパターン3の場合

ゲストOSは,二つの仮想NICを認識しています。管理LANのネットワークラベルが付いたポートグループに関連づいた仮想NICに,「6.1.2(4) 業務ごとの情報の決定」で決定した作業用のIPアドレスを割り当てます。

●パターン4の場合

ゲストOSは,一つの仮想NICを認識しています。仮想NICに「6.1.2(4) 業務ごとの情報の決定」で決定した作業用のIPアドレスを割り当てます。

(5) NTPクライアントの設定

ゲストOSの時刻を正確な時刻に調整するために,NTPクライアントを導入して,NTPサーバの設定をします。時刻の調整はslewモードで実行する設定にします。

(6) VMware Toolsのインストール

ゲストOSにVMwareのVMware Toolsをインストールします。詳細については,VMwareのドキュメントを参照してください。