付録C 用語解説

アプリケーションサーバで使用する用語について説明します。

(数字)
1.4モード
サーバの動作モードです。J2EE 1.4以降の機能を使用できます。データベースを含む複数のリソースのトランザクション管理ができます。
(英字)
Application Server
アプリケーションサーバの実行環境を構築する基盤製品です。Application Server Standardと,Application Server Enterpriseの総称です。
Component Container管理者
スーパーユーザ以外の,J2EEサーバやバッチサーバのセットアップ,J2EEサーバやバッチサーバの起動・停止などを実施できるユーザを指します。Component Container管理者はUNIXの場合に設定できます。
CORBAネーミングサービス
CORBAの仕様に準拠した,リモートオブジェクトの格納場所を管理するためのネーミングサービスです。アプリケーションサーバの構成ソフトウェアであるCosminexus TPBrokerによって提供される機能です。
cosminexus.xml
Cosminexus アプリケーションサーバ独自の情報を定義するための属性ファイルです。
Cosminexus Component Container
サーバ・サイドの業務処理プログラム(ビジネスロジック)をコンポーネントとして実行するための構成ソフトウェアです。また,アプリケーションサーバの運用管理をするためのManagement Server,統合ユーザ管理,snapshotログ収集などの機能も提供しています。
Cosminexus Component Transaction Monitor
クライアントからのリクエストのスケジューリングを実現するための構成ソフトウェアです。
Cosminexus Performance Tracer
リクエストが処理されるときに,決められたポイントごとに各機能が出力する性能解析情報をファイルに出力するための構成ソフトウェアです。
Cosminexus アプリケーションサーバ
アプリケーションサーバを中核とした,性能および信頼性の高いアプリケーションを実行および開発するためのシステム構築基盤製品です。
DB Connector
データベースに接続するためのリソースアダプタです。
DD
アプリケーションを運用環境に配置するときの定義情報を記述したものです。EJB用,Webアプリケーション用,Enterpriseアプリケーション用などがSun Microsystems, Inc.からの仕様で規定されています。
EARファイル
J2EEアプリケーションを構成する複数のEJB-JARファイル,WARファイル,およびDDをEARファイル形式でパッケージ化したものです。
EJBコンテナ
Enterprise Beanを制御する実行環境です。また,通信,トランザクション管理などのシステムレベルのサービスも提供します。Enterprise Beanの実体は,EJBコンテナの中で実行されます。
J2EEアプリケーション
JSP,サーブレット,EnterpriseBeanなどで構成されるアプリケーションです。アプリケーションサーバで扱うJ2EEアプリケーションの形式には,EARファイル形式でパッケージ化されたアーカイブ形式のアプリケーションと,アーカイブ化しない展開ディレクトリ形式のアプリケーションがあります。EARファイル形式でパッケージ化されたアプリケーションの場合,複数のEJB-JARファイル,複数のWARファイル,および一つのDDから構成されます。
J2EEコンテナ
J2EEアプリケーションを実行するためのサーバ基盤です。
J2EEコンポーネントへ各種APIを提供する,Webコンテナ,EJBコンテナから構成されます。
J2EEサーバ
J2EEコンテナを生成,実行する環境です。
JP1
日立の統合システム運用管理ソフトウェアです。
JP1/AJS3
日々の業務の中から,定型的・定期的なものを自動化して,システム運用に掛かるコストを削減し,少ない人員で確実な運用を実現するためのプログラム群です。仮想化システムでは,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,およびJP1/AJS3 - Viewを使用して連携します。
JP1/IM
企業情報システム全体を統合管理する基盤になるプログラム群です。仮想化システムでは,JP1/IM - ManagerおよびJP1/IM - Viewを使用して連携します。
JP1/PFM
企業システムを構成するデータベースやアプリケーションなどの稼働状況を監視するプログラム群です。仮想化システムでは, JP1/PFM - Manager, JP1/PFM - Web Console,およびJP1/PFM - Agent for Cosminexusを使用して連携します。
JP1イベント
システム内で何らかの事象が発生した際に,その事象に関してJP1/Baseに通知される情報です。
Management Server
運用管理ドメインを構成するサーバプログラムです。運用管理ドメイン単位に一つ配置します。
Management Serverは運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行します。
PRFデーモン
バッファに出力されたPRFトレースをPRFトレースファイルに出力するIOプロセスです。
Management Serverでは,論理サーバとして扱えます。Management Serverで扱う場合は,パフォーマンストレーサといいます。
Smart Composer機能
一般的な3階層モデルのアプリケーションサーバのシステムを,簡単に構築および運用できるよう支援する機能です。システム全体に対して,システムの設定,およびJ2EEアプリケーションやリソースアダプタのデプロイを一括で実行できるので,簡単,迅速にシステム構築ができます。
構築したシステムを一括で起動したり,一括でシステムの設定を変更したりなど,運用機能についてもサポートしています。
snapshotログ
ある時点でのJ2EEサーバやバッチサーバの状態が出力されたログファイルです。
トラブルシューティングに必要な情報が自動的に出力されます。
Management Serverを利用している場合は,次のタイミングで出力されます。
  • 論理サーバに異常が発生した時
  • 運用管理ポータルまたは運用管理コマンドによってsnapshotログの収集を要求した時
Management Serverを利用していない場合は,コマンド(snapshotlog)を実行した時に出力されます。このコマンドで出力できるのは,そのコマンドを実行したホストの情報だけです。
Webアプリケーション
Webブラウザを備えたクライアントを対象に作成されたアプリケーションです。具体的には,サーブレットプログラム,JSPファイル,HTML/XMLドキュメントなどの集合体です。
Webコンテナ
Webアプリケーションを制御する実行環境です。また,セキュリティ,トランザクションなどの各種サービスも提供します。Webアプリケーションは,Webコンテナ上で動作します。
Java Servlet2.5仕様,およびJavaServer Pages Specification v2.1仕様に準拠したWebアプリケーションを実行できます。
Webサーバ
Webブラウザからのリクエスト受信およびWebブラウザへのデータ送信に関連する処理を実行するプログラムです。アプリケーションサーバでは,Hitachi Web Server,Microsoft IIS,またはインプロセスHTTPサーバを使用できます。インプロセスHTTPサーバは,J2EEサーバプロセス内で動作するWebサーバです。
なお,Management Serverを利用する場合,Hitachi Web Serverは論理サーバとして扱えます。
Webサーバ連携
アプリケーションサーバで使用するWebサーバとして,Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISを使用する方法です。
Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISにCosminexus Component Containerが提供するリダイレクタモジュールを組み込んで使用します。
Webシステム
1台の負荷分散機(ロードバランサ)と複数のWebサーバおよびアプリケーションサーバで構築されるWebクラスタシステムで,単一の業務サービスを提供します。
(ア行)
アプリケーションサーバ
情報システムの中間に位置し,ユーザの要求(プレゼンテーション層)とデータベースなどの業務システム(データ層)の処理を橋渡しするためのアプリケーション層を構築するためのミドルウェアです。
運用管理エージェント
運用管理者の代わりに,それぞれのホスト上の論理サーバを起動したり,設定ファイルを更新したりするエージェントプログラムです。
運用管理ポータル
Management Serverを操作するためのGUIです。Webブラウザで表示します。
(カ行)
仮想化環境
仮想化ソフトウェアによって実現される仮想マシンを使用した環境のことです。
仮想化ソフトウェア
ソフトウェアで仮想マシンを実現する製品の総称です。
仮想サーバ
仮想化システムで,アプリケーションサーバを構築した仮想マシンのことです。仮想サーバ上のアプリケーションサーバは,仮想アプリケーションサーバともいいます。
仮想サーバマネージャ
仮想化システムを構築し,仮想サーバを運用管理するためのプロセスです。
仮想サーバマネージャGUI
仮想サーバマネージャで管理する,仮想サーバや管理対象マシンの稼働状況の監視や,管理ユニットの一括起動または一括停止をするためのGUIです。Webブラウザで表示します。
仮想マシン
仮想化技術によって,物理的なコンピュータ(物理マシン)を分割し,それぞれで独立したOSやソフトウェアなどが動作する論理的なコンピュータのことです。
管理ユニット
同一のデプロイメント(プロセスの配置,J2EEアプリケーションやリソースアダプタのデプロイ,定義)を適用する仮想サーバの集合です。
仮想化システムの構築・運用で使用する概念です。
現用系
最初に業務処理を実行する(実行中のサーバ)を指します。
コールドスタンバイ
システムを多重化(現用系と予備系)して信頼性を向上させる手法の一つです。通常は現用系のマシンが動作し,障害時に予備系のマシンに切り替えて運用します。
(サ行)
サーバ仮想化技術
一つのサーバを,あたかも複数のサーバであるかのように見せる技術です。この技術によって,1台の物理サーバのリソースを分割または統合して,何台もの仮想化したサーバが動作しているように見せたり,複数の物理サーバを1台のサーバのように見せたりできます。また,この仮想化されたサーバごとに,OS,アプリケーションなどを割り当てられます。
サーバ管理コマンド
サーバで管理しているアプリケーションおよびリソースの設定をするためのコマンド群です。
サーバ通信エージェント
仮想サーバマネージャから,仮想サーバ上のアプリケーションサーバをセットアップおよび操作するために,仮想サーバ上で起動するエージェントプログラムです。
ジョブ
JP1/AJSで扱うシステム運用の各作業のことです。
ジョブネット
JP1/AJSで扱うジョブの実行順序を関連づけたものです。
スケールアウト
システム全体の処理性能を向上させることを目的として,サーバの台数を増やすことをいいます。
スケールイン
システムの規模を縮小する場合などに,サーバの台数を減らすことをいいます。
セントラルコンソール
JP1/IMと連携している場合に,システムで発生した事象をJP1イベントによって集中管理することで,システムを統合管理するための仕組みです。
セントラルスコープ
JP1/IMと連携している場合に,システムの監視画面として管理者の目的に合わせた画面を提供することで,目的指向型のシステムを監視するための仕組みです。
(ハ行)
パフォーマンストレーサ
PRFデーモンのことです。
Management Serverでは,パフォーマンストレーサを論理サーバとして扱えます。
負荷分散機
Webブラウザなどからのリクエストを一元的に受け付けて,同等の機能を持つ複数のサーバに転送して各サーバの負荷を分散させるための装置です。
物理マシン
物理的なコンピュータのことです。
(ヤ行)
予備系
最初に障害に備えて待機させる系(待機中のサーバ)を指します。
(ラ行)
リソースアダプタ
J2EE Connector Architectureによって,J2EEサーバまたはバッチサーバと,EISを接続するための接続機能です。
アプリケーションサーバで構築したシステムでは,データベースに接続するためのリソースアダプタであるDB ConnectorおよびDB Connector for Cosminexus RMを提供しています。また,OpenTP1のSPPと接続するためのリソースアダプタであるuCosminexus TP1 Connector,TP1/Message Queueと接続するためのリソースアダプタであるTP1/Message Queue - Access,データベース上に実現したキューに接続するためのリソースアダプタであるCosminexus RMも使用できます。
ロードバランサ
リダイレクタを使用してリクエストを振り分ける場合に使用するワーカ定義のうち,クラスタ構成の場合に使用する特殊なワーカ定義です。振り分け先のWebコンテナのリストが定義されています。リダイレクタでは,この定義を基に,ラウンドロビン方式でリクエストの振り分け処理をします。
論理サーバ
Management Serverの運用管理の対象になる,サーバまたはクラスタです。サーバには,Webサーバ,J2EEサーバなどがあります。クラスタとは,ある共通の機能を提供するサーバの集合です。