4.9 スケールアウト用ホスト定義ファイル

<この節の構成>
(1) 形式
(2) ファイルの格納先
(3) 機能
(4) 設定できる要素
(5) 記述例

(1) 形式

XML形式です。

(2) ファイルの格納先

任意の作業場所に格納してください。

(3) 機能

Smart Composer機能のコマンドで構築した,ホスト単位管理モデルのWebシステムをスケールアウトする場合に使用する定義ファイルです。複製先のホストの,Webシステムの情報を定義します。

次のテンプレートファイルをコピーして利用してください。

 

参考
テンプレートファイルの文字エンコーディングは,UTF-8です。

(4) 設定できる要素

スケールアウト用ホスト定義ファイルには,追加するホスト,および複製先のWebシステムで使用する負荷分散機を定義します。

スケールアウト用ホスト定義ファイルの構造を次に示します。<host-scaleout>タグおよび<web-system>タグは,このままの形式で指定します。

スケールアウト用ホスト定義ファイルの構造

<host-scaleout xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/HostScaleOut-2.5">
 <!-- 複製先のWebシステムの定義 -->
 <web-system>
   <!-- Webシステムの属性定義 -->
   <name>Webシステム名</name>

   <!-- 複製先のWebシステムで使用する負荷分散機の定義 -->
   <load-balancer>
     <!-- cookieスイッチングの定義 -->
     <cookie-switching>
       <server-id-rule>最小値-最大値</server-id-rule>
     </cookie-switching>
   </load-balancer>
 </web-system>

 <!-- 複製先のホストの定義 -->
 <host>
   <host-name>ホスト名またはIPアドレス</host-name>
   <display-name>ホストの表示名</display-name>
   <description>ホストのコメント</description>
   <agent-host>Cosminexus運用管理エージェントのホスト名またはIPアドレス</agent-host>
 </host>
</host-scaleout>

各タグの説明とデフォルト値を次に示します。

タグ名称内容デフォルト
web-system※1複製先のWebシステムを定義します。
複製先のWebシステムの定義を変更する場合に指定します。複数のWebシステムを定義する場合は,<web-system>タグを複数指定します。
なし
name※1設定を変更する複製先のWebシステムの名称を指定します。なし
load-balancer※1※2複製先のWebシステムで使用する負荷分散機を定義します。なし
cookie-switching※1※2cookieスイッチング機能の設定を変更します。なし
server-id-rule※1※2負荷分散機でリクエスト振り分け先(サービスユニットのWebサーバ)を識別するサーバIDの割り当てルールを,<最小値>-<最大値>の形式で指定します。
ここではBIG-IP 1500を指定します。
すべてのサービスユニットで一意となるサーバIDを割り当てられる範囲を指定します。
また,スケールアウトするホスト間で設定範囲が重ならないように指定してください。
設定範囲
1000~9999の範囲で指定します。
指定例:1024-2048
なお,範囲外の値が指定された場合,業務リクエストが正しく振り分けされません。
なし
host※3複製先のホストを定義します。
ホストは複数のWebシステムで共有できます。
なし
host-name運用用のホスト名またはIPアドレスを指定します。ホスト名を指定する場合は,32文字以下で指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。IPアドレスを指定する場合は,ドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0~255の整数を指定します。なし
display-nameホストの表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。なし
descriptionホストのコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。なし
agent-hostCosminexus運用管理エージェントのホスト名,またはIPアドレスを指定します。ホスト名を指定する場合は,32文字以下で指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。IPアドレスを指定する場合は,ドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0~255の整数を指定します。<host-name>タグに指定した値
注※1
複製先のWebシステムの定義は,複製元のWebシステムで負荷分散機のCookieスイッチング機能を使用していない場合は省略できます。
注※2
バッチアプリケーションを実行するシステムでは負荷分散機の定義は不要です。
注※3
ホストの定義を省略した場合は,複製先のホストのホスト名が<host-name>タグに仮定され,ホストが定義されます。

(5) 記述例

複製元のホストと複製先のホストの設定項目例を次に示します。

表4-3 複製元のホストと複製先のホストの設定項目例

設定項目複製元のホスト複製先のホスト
Webシステム名MyWebSystemMyWebSystem
サーバIDの割り当てルール1001-10101011-1020
ホスト名apsvAapsvA
IPアドレス192.168.1.20192.168.1.21
管理IPアドレス192.168.100.20192.168.100.21

ホストapsvAを複製して作成したディスクイメージを使用してスケールアウトする例を次に示します。この例は,J2EEアプリケーションを実行するシステムをスケールアウトする場合の記述例です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<host-scaleout xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/HostScaleOut-2.1">
 <!-- 複製先のWebシステムの定義 -->
 <web-system>
   <name>MyWebSystem</name>
   <!-- 複製先のWebシステムで使用する負荷分散機の定義 -->
   <load-balancer>
     <!-- cookieスイッチングの定義 -->
     <cookie-switching>
       <server-id-rule>1011-1020</server-id-rule>
     </cookie-switching>
   </load-balancer>
 </web-system>
 <!-- 複製先のホストの定義 -->
 <host>
   <host-name>apsvA</host-name>
   <agent-host>192.168.100.21</agent-host>
 </host>
</host-scaleout>