2.3.4 smhedit - エージェントサービス環境設定コマンド(Linuxサーバ)

<この項の構成>
(1) 形式
(2) 機能
(3) 注意事項
(4) 実行権限
(5) 引数
(6) 使用例
(7) エージェントサービス環境設定メニュー(Linuxサーバ)

(1) 形式

/usr/sbin/smhedit [-s段数] [-g[幅][x高さ]] [-agent|-misc]
/usr/sbin/smhedit -h

(2) 機能

管理対象がLinuxサーバの場合のエージェントサービス環境設定のメニューを表示します。表示されるメニューは,指定するオプションによって異なります。表示されるメニューについては,「(7) エージェントサービス環境設定メニュー(Linuxサーバ)」を参照してください。

(3) 注意事項

エージェントサービス動作中に環境設定コマンドで環境設定を実施すると,設定した内容を反映するために,エージェントサービスが自動的に一時停止され,反映後,自動的に再起動します。この自動的に停止していた時間は,syslogのエージェントサービスの停止メッセージまたは起動メッセージで確認できます。また,エージェントサービス停止中は,アラートログの記録,スケジュール設定された電源制御は実行されません。

(4) 実行権限

スーパーユーザ(root)権限

(5) 引数

-s段数

段組表示されるメニューの段数を指定します。オプションを省略した場合は,画面のサイズに応じて段数が決まります。指定できる段数は1または2です。

-g[幅][x高さ]

画面サイズを文字数単位指定します。幅は10~160,高さは10~72の範囲で指定します。デフォルトは-g80x24です。

-agent|-misc

エージェントサービス環境設定のメニューを指定します。

-agent
エージェント設定メニューを表示します。エージェント設定ファイルを編集する場合に指定します。エージェント設定メニューについては,「(7)(b) エージェント設定メニュー」を参照してください。
-misc
エージェント環境設定メニューを表示します。エージェント環境設定ファイルを編集する場合に指定します。エージェント環境設定メニューについては,「(7)(c) エージェント環境設定メニュー」を参照してください。
-h

コマンドの使用方法を表示します。

指定なし

エージェントサービス環境設定のメインメニューを画面サイズ80x24で表示します。メインメニューについては,「(7)(a) メインメニュー」を参照してください。

(6) 使用例

管理対象がLinuxサーバの場合,エージェントサービス環境設定のメインメニューを画面サイズ80x60で表示します。

/usr/sbin/smhedit -g80x60

(7) エージェントサービス環境設定メニュー(Linuxサーバ)

(a) メインメニュー

smheditコマンドで,-agentおよび-miscのオプションを指定しないで起動した場合,メインメニューが表示されます。メインメニューの表示例を次に示します。

  #### JP1/ServerConductor/Agent ####
  ####  Configuration Main Menu  ####
   1.Agent Configuration File
   2.Agent Environment Configuration File

  Command(1-2/Quit)>

メニュー選択時の注意事項については,「2.3.2 環境設定メニュー入力時の注意事項」を参照してください。

メインメニューの選択項目を次に示します。

表2-7 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):メインメニューの選択項目

選択項目設定項目説明
1Agent Configuration Fileエージェント設定ファイルを編集するエージェント設定メニューが表示されます。エージェント設定メニューについては,「(7)(b) エージェント設定メニュー」を参照してください。
2Agent Environment Configuration Fileエージェント環境設定ファイルを編集するエージェント環境設定メニューが表示されます。エージェント環境設定メニューについては,「(7)(c) エージェント環境設定メニュー」を参照してください。
Quitsmheditコマンドを終了します。
(凡例)
-:該当しない

(b) エージェント設定メニュー

smheditコマンドで,-agentオプションを指定して起動した場合や,メインメニューで1を選択した場合,エージェント設定メニューが表示されます。エージェント設定メニューの表示例を次に示します。

  #### JP1/ServerConductor/Agent ####
  #### Agent Configuration File ####
   1.CommandTimeout     [90]
   2.Keepalive   [False]
  .............以下省略.............

  Command(1-11/Menu/Quit)>

表示される設定項目の数は,エージェントサービスやOSのバージョンによって異なります。

メニュー選択時の注意事項については,「2.3.2 環境設定メニュー入力時の注意事項」を参照してください。

エージェント設定メニューの選択項目を次に示します。

表2-8 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント設定メニューの選択項目

選択項目説明
各設定項目の番号該当する設定項目の変更を開始します。設定項目の詳細については,「表2-9 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント設定メニューの設定項目」を参照してください。
Menuエージェント設定メニュー表示します。
Quitメインメニューに戻ります。

エージェント設定メニューの設定項目を次に示します。なお,エージェント設定メニューの設定項目として入力できる値には入力規則があります。入力規則については,「2.3.2 環境設定メニュー入力時の注意事項」を参照してください。

表2-9 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント設定メニューの設定項目

設定項目入力値デフォルト設定内容
CommandTimeout整数90エージェントサービスからマネージャサービスへの送信に対する返信が来るまでの待ち時間を秒単位で設定します。1~600の範囲で設定します。
Keepalive論理値Falseエージェントサービスとマネージャサービス間でキープアライブするかどうかを設定します。
  • True:キープアライブする
  • False:キープアライブしない
KeepaliveInterval整数600キープアライブするときのキープアライブ間隔を秒単位で設定します。1~3,600の範囲で設定します。
キープアライブ間隔を設定する場合,必ずコマンドタイムアウト値(設定項目名:CommandTimeout)よりも大きな値を設定してください。
ShutdownDemand論理値Trueコンソールサービスからのシャットダウンを許可するかどうかを設定します。
  • True:許可する
  • False:許可しない
InformationAlert論理値Falseインフォメーションアラート(サーバの状態変化を知らせるアラート)をコンソールサービスに通知するかどうかを設定します。
  • True:通知する
  • False:通知しない
なお,True,Falseのどちらの設定でも,サーバアラートログには発生したアラートの情報が記録されます。
CautionAlert論理値True注意アラート(エラーが発生するおそれのあるレベルのアラート)をコンソールサービスに通知するかどうかを設定します。
  • True:通知する
  • False:通知しない
なお,True,Falseのどちらの設定でも,サーバアラートログには発生したアラートの情報が記録されます。
WarningAlert論理値True警告アラート(障害が発生するおそれのあるレベルのアラート)をコンソールサービスに通知するかどうかを設定します。
  • True:通知する
  • False:通知しない
なお,True,Falseのどちらの設定でも,サーバアラートログには発生したアラートの情報が記録されます。
ObstacleAlert論理値True障害アラート(すぐに対処が必要なレベルのアラート)をコンソールサービスに通知するかどうかを設定します。
  • True:通知する
  • False:通知しない
なお,True,Falseのどちらの設定でも,サーバアラートログには発生したアラートの情報が記録されます。
AlertKeepDays整数30アラートログのファイルを保存しておく日数を設定します。0~90の範囲で設定します。
0を設定すると,ユーザが削除しないかぎり,保存しておきます。
AlertCapacity整数1,024アラートログの警告値をキロバイト単位で設定します。0~1,048,576の範囲で設定します。
0を設定すると警告を通知しません。
アラートログは,一日ごとに1つのファイルとして保存されます。アラートログファイルは,/var/opt/hitachi/system_manager/logディレクトリに日付のファイル名(拡張子log)で保存されています(2008年2月25日のログファイルの場合は「20080225​.log」という名称で保存されています)。
SyslogOutput論理値Falseコンソールサービスに通知するアラートをsyslogに出力するかどうかを設定します。
  • True:出力する
  • False:出力しない
出力されるアラートは,コンソールサービスに通知されるアラートだけです。
注※
KeepaliveをTrueにするとコネクションが切断されないため,ダイヤルアップ回線など,接続時間に応じて課金される回線を使用している場合は,KeepaliveはFalseにしてください。
なお,KeepaliveをTrueにすると,エージェントサービスが停止するなど,エージェントサービスとマネージャサービスとの間の回線が切断した場合,管理コンソールに次のようなポップアップダイアログが表示されます。
「ホスト名(マネージャサービス名)への接続が切断されました」

(c) エージェント環境設定メニュー

smheditコマンドで,-miscオプションを指定して起動した場合や,メインメニューで2を選択した場合に,エージェント環境設定メニューが表示されます。

エージェント環境設定メニューの表示例を次に示します。

  ####      JP1/ServerConductor/Agent       ####
  #### Agent Environment Configuration File ####
 1.TergetMachine    [BladeSymphon...]  13.OperatorName       []
 2.ManagerAddress   ->                 14.OperatorID         []
  .............以下省略.............

  Command(1-23/Menu/Quit)>

表示される設定項目の数は,エージェントサービスやOSのバージョンによって異なります。

メニュー選択時の注意事項については,「2.3.2 環境設定メニュー入力時の注意事項」を参照してください。

エージェント環境設定メニューの選択項目を次に示します。

表2-10 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント環境設定メニューの選択項目

選択項目説明
各設定項目の番号該当する設定項目の変更を開始します。設定項目の詳細については,「表2-11 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント環境設定メニューの設定項目」を参照してください。
Menuエージェント環境設定メニューを表示します。
Quitメインメニューに戻ります。

エージェント環境設定メニューでは,[Target Machine]は必ず設定してください。

エージェント環境設定メニューの設定項目を次に示します。なお,エージェント環境設定メニューの設定項目として入力できる値には入力規則があります。入力規則については,「2.3.2 環境設定メニュー入力時の注意事項」を参照してください。

表2-11 エージェントサービス環境設定(Linuxサーバ):エージェント環境設定メニューの設定項目

設定項目入力値デフォルト設定内容
Target Machineターゲットマシン情報なし
(設定必須※1
Agentをインストールしたサーバの機種を設定します。表示される項目の中から選択できます。
ManagerAddressIPアドレスなし接続先のマネージャサービスのIPアドレスを設定します。
接続先のマネージャサービスは,4つまで登録できます。
SendTimeout整数80送信タイムアウト時間を秒単位で設定します。1~3,600の範囲で設定します。
SessionTimeout整数900エージェントサービスとマネージャサービス間の無通信状態を監視し,セッションを切断するまでの時間を秒単位で設定します。0~7,200の範囲で設定します。
マネージャサービスとの通信回線にLANなどを使っていて,課金がない場合は,0を設定してください。0を設定するとセッションを切断しません。
SITEサイト情報なしサイトの階層を8階層まで設定できます。設定した順で階層1,階層2...と定義されます。
各階層の文字数の合計は,区切り文字"/"を含めて256文字以内で次の計算式に合うように設定してください。
  [各階層の合計文字数]+([階層数]-1)≦256
  • 設定するときは,階層1に都道府県名,階層2に市町村名,以降,拠点名,フロアの階数や部署などのように,1段階ずつ設定することをお勧めします。
  • 英数字やカタカナは,半角または全角のどちらで入力するかを統一しておいてください。半角の「3F」と全角の「3F」では異なるサイトとして分類されてしまいます。また,サイト情報を設定する場合,誤字や脱字がないように注意してください。サイト名を間違えると,管理コンソールで表示するときに異なるサイトとして分類されてしまいます。
PropertyName資産情報なし社内または組織内でサーバを管理するために付けている名称や,サーバの製品名を設定します。
PropertyID資産情報なし資産名称に対する番号を設定します。
PostName資産情報なしサーバを設置している部署名を設定します。
PostID資産情報なし部署のコード番号などがある場合に設定します。
AdministratorName資産情報なしサーバを管理しているシステム管理者の名前を設定します。
AdministratorID資産情報なし社員番号など,システム管理者がわかる番号を設定します。
AdministratorInfo資産情報なしシステム管理者の所属など,詳細な情報や設定項目にない情報を設定します。
OperatorName資産情報なしサーバを運用している部署のシステム管理者名を入力します。
OperatorID資産情報なし社員番号など,運用しているシステム管理者がわかる番号を設定します。
OperatorInfo資産情報なし運用しているシステム管理者の所属など,詳細な情報や設定項目にない情報を設定します。
TelephoneNumber資産情報なし管理者の電話番号を設定します。
MailAddress資産情報なし管理者のメールアドレスを設定します。
LocationInfo資産情報なしサーバの設置場所や詳細な情報を設定します。
Structure資産情報なしサーバのCPUやメモリなどの機器の構成に関する情報を設定します。
PurchaseDate資産情報なしサーバを購入した日付を設定します。
DescriptionDate資産情報なしサーバの減価償却期間を入力します。
Note資産情報なし備考を入力します。
CompressCommand文字列なし圧縮コマンドを起動するコマンドライン文字列を設定します※2
注※1
BladeSymphonyおよびHA8000/x9モデル以降の装置の場合,インストール時に自動設定されます。
注※2
コマンドライン文字列にはマクロを使用することができ,コマンド実行時に展開されて実行されます。コマンドライン文字列に使用できるマクロを次の表に示します。

表2-12 コマンドライン文字列に使用できるマクロ

マクロ意味
%archive%出力アーカイブファイル名に置き換わります(拡張子は含まれません)。
%directory%情報取得用一時ディレクトリ(/var/opt/hitachi/system_manager/collect/コンソールごとのディレクトリ)に置き換わります。
%file%メニューの実行によって得られた個々のファイル名(フルパス)に置き換わります。このマクロが指定されていて,かつ得られたファイルが複数個ある場合は,その個数分だけコマンドが繰り返し実行されます。
圧縮ツールにLHAを使用する場合の例
lha m %archive%.lzh %directory%
または,
lha a %archive%.lzh %file% ; rm -f %file% ; rm -f %archive%.bak
と設定すると,取得したファイルをすべてLHAで圧縮し,元のファイルを削除します。一時ディレクトリにファイルが残ると,残ったファイルも転送されるため,圧縮コマンドを実行する場合には,上記の例のように一時ディレクトリにファイルが残らないようにコマンドを指定してください。