4.7.3 シングルサーバ機能を使用する定義例
次のようなシステム構成での例を説明します。
- 運用例
- ネットワークA(管理側)とネットワークB,C(被管理側)はルータ(NAT)経由で接続され,NNMiを使用してネットワーク管理をする。
- 管理側ネットワークはグローバルIPアドレスを使用する。
- 被管理側ネットワークはプライベートIPアドレスを使用する。
- IPヘッダはルータ(NAT)がNAT変換し,SNMP通信データ中に含まれるIPアドレスをJP1/Cm2/IGSがNAT変換する。
- IPアドレスとホスト名の対応付けにはhostsファイルを使用する。
- システム構成・設定例
- <この項の構成>
- (1) JP1/Cm2/IGSマシンでの設定
- (2) 管理側ネットワークのNNMiでの設定
- (3) 被管理側ネットワークのエージェントBおよびエージェントCでの設定
(1) JP1/Cm2/IGSマシンでの設定
- 動作モードを設定する。
[IGS環境設定]画面(ポート統合モード/シングルサーバモードの選択)で「シングルサーバモード」を設定します。
動作モードの設定については,「4.2.1 環境設定の共通操作」を参照してください。
- JP1/Cm2/IGSのシングルサーバ機能の対象となるAPコネクション(SNMP要求/応答,トラップ)を設定する。
[IGS環境設定-適用情報]画面で,マネージャ(トラップ),SNMPエージェントB,C(SNMP要求/応答)の情報を設定します。
- マネージャ
- 送信先APノード:111.10.10.2
- 対象APポート:送信先
- ポート番号:162
- エージェントB
- 送信先APノード:100.1.1.1
- 対象APポート:送信先
- ポート番号:8161
- エージェントC
- 送信先APノード:200.1.1.1
- 対象APポート:送信先
- ポート番号:161
適用情報の設定については,「4.2.2 通信情報の登録」を参照してください。
- JP1/Cm2/IGSがIPアドレスを変換するための設定をする。
[NAT情報-スタティック情報]画面で,変換するアドレスの対応を設定します。
- エージェントB
- グローバルアドレス:100.1.1.*
- プライベートアドレス:10.1.1.*
- エージェントC
- グローバルアドレス:200.1.1.*
- プライベートアドレス:10.1.1.*
IPアドレスの変換については,「4.2.4(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する」を参照してください。
- SNMPプロキシの要求応答を定義する。
[IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[要求応答の設定]タブで,SNMPエージェントB,Cの情報を追加します。
- エージェントB
- ターゲット:100.1.1.1(複数ノードを指定する場合は「100.1.1.1-100」などとします)
- コミュニティ名:public
- 設定コミュニティ名:agent
- タイムアウト時間:任意
- リモートポート番号:8161
- エージェントC
- ターゲット:200.1.1.1(複数ノードを指定する場合は「200.1.1.1-100」などとします)
- コミュニティ名:public
- 設定コミュニティ名:agent
- タイムアウト時間:任意
- リモートポート番号:161
- SNMPプロキシの要求応答の定義については,「4.2.3(1) SNMP要求応答を定義する」を参照してください。
- SNMPトラップ通知を定義する。
[IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブで,トラップ送信元付加の設定をします。
- 「トラップの送信元をソース名として付加する」
- 「すべてのSNMPトラップに付加する」
- 「ホスト名で付加する」
[IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,送信先マネージャのアドレスを追加します。
- 送信先マネージャのアドレス:111.10.10.2
SNMPトラップ通知の定義については,「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。
- オプション定義ファイル(igsopt.conf)を設定する。
cooperation:agentを設定してください。
オプション定義ファイルについては「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
- hostsファイルを設定する。
hostsファイルにエージェントBおよびエージェントCのIPアドレスに対応するホスト名を追加します。
- 100.1.1.1:agent-b
- 200.1.1.1:agent-c
(2) 管理側ネットワークのNNMiでの設定
- NNMiのSNMP設定をする。
NNMiの通信の設定の[特定ノードの設定]で,次の設定をします。
ターゲットのホスト名 | 読み取りコミュニティ文字列 | SNMPプロキシアドレス | SNMPプロキシポート |
---|
100.1.1.1 | 100.1.1.1 | 111.10.10.1(JP1/Cm2/IGSマシン) | 20229(プロキシに指定したJP1/Cm2/IGSマシンで,サービス名cm2proxysnmpに指定されたポート番号) |
200.1.1.1 | 200.1.1.1 |
- hostsファイルを設定する。
hostsファイルにエージェントBおよびエージェントCのIPアドレスに対応するホスト名を追加します。
- 100.1.1.1:agent-b
- 200.1.1.1:agent-c
(3) 被管理側ネットワークのエージェントBおよびエージェントCでの設定
SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンのグローバルアドレスを設定します。