4.7.3 シングルサーバ機能を使用する定義例

次のようなシステム構成での例を説明します。

運用例
  • ネットワークA(管理側)とネットワークB,C(被管理側)はルータ(NAT)経由で接続され,NNMiを使用してネットワーク管理をする。
  • 管理側ネットワークはグローバルIPアドレスを使用する。
  • 被管理側ネットワークはプライベートIPアドレスを使用する。
  • IPヘッダはルータ(NAT)がNAT変換し,SNMP通信データ中に含まれるIPアドレスをJP1/Cm2/IGSがNAT変換する。
  • IPアドレスとホスト名の対応付けにはhostsファイルを使用する。
システム構成・設定例
  • 管理側ネットワークのNNMiと被管理側ネットワークのSNMPエージェントがSNMP通信をする。
  • それぞれのマシンにはグローバルアドレスが割り当てられている。
  • JP1/Cm2/IGSはNNMiまたはSNMPエージェントとのインターフェースとしてSNMPプロキシを使用する。

    図4-37 シングルサーバ機能を使用したネットワーク管理の例

    [図データ]

<この項の構成>
(1) JP1/Cm2/IGSマシンでの設定
(2) 管理側ネットワークのNNMiでの設定
(3) 被管理側ネットワークのエージェントBおよびエージェントCでの設定

(1) JP1/Cm2/IGSマシンでの設定

  1. 動作モードを設定する。
    [IGS環境設定]画面(ポート統合モード/シングルサーバモードの選択)で「シングルサーバモード」を設定します。
    動作モードの設定については,「4.2.1 環境設定の共通操作」を参照してください。
  2. JP1/Cm2/IGSのシングルサーバ機能の対象となるAPコネクション(SNMP要求/応答,トラップ)を設定する。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,マネージャ(トラップ),SNMPエージェントB,C(SNMP要求/応答)の情報を設定します。
    マネージャ
    送信先APノード:111.10.10.2
    対象APポート:送信先
    ポート番号:162
    エージェントB
    送信先APノード:100.1.1.1
    対象APポート:送信先
    ポート番号:8161
    エージェントC
    送信先APノード:200.1.1.1
    対象APポート:送信先
    ポート番号:161
    適用情報の設定については,「4.2.2 通信情報の登録」を参照してください。
  3. JP1/Cm2/IGSがIPアドレスを変換するための設定をする。
    [NAT情報-スタティック情報]画面で,変換するアドレスの対応を設定します。
    エージェントB
    グローバルアドレス:100.1.1.*
    プライベートアドレス:10.1.1.*
    エージェントC
    グローバルアドレス:200.1.1.*
    プライベートアドレス:10.1.1.*
    IPアドレスの変換については,「4.2.4(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する」を参照してください。
  4. SNMPプロキシの要求応答を定義する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[要求応答の設定]タブで,SNMPエージェントB,Cの情報を追加します。
    エージェントB
    ターゲット:100.1.1.1(複数ノードを指定する場合は「100.1.1.1-100」などとします)
    コミュニティ名:public
    設定コミュニティ名:agent
    タイムアウト時間:任意
    リモートポート番号:8161
    エージェントC
    ターゲット:200.1.1.1(複数ノードを指定する場合は「200.1.1.1-100」などとします)
    コミュニティ名:public
    設定コミュニティ名:agent
    タイムアウト時間:任意
    リモートポート番号:161
    SNMPプロキシの要求応答の定義については,「4.2.3(1) SNMP要求応答を定義する」を参照してください。
  5. SNMPトラップ通知を定義する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブで,トラップ送信元付加の設定をします。
    • 「トラップの送信元をソース名として付加する」
    • 「すべてのSNMPトラップに付加する」
    • 「ホスト名で付加する」
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,送信先マネージャのアドレスを追加します。
    • 送信先マネージャのアドレス:111.10.10.2
    SNMPトラップ通知の定義については,「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。
  6. オプション定義ファイル(igsopt.conf)を設定する。
    cooperation:agentを設定してください。
    オプション定義ファイルについては「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
  7. hostsファイルを設定する。
    hostsファイルにエージェントBおよびエージェントCのIPアドレスに対応するホスト名を追加します。
    • 100.1.1.1:agent-b
    • 200.1.1.1:agent-c

(2) 管理側ネットワークのNNMiでの設定

  1. NNMiのSNMP設定をする。
    NNMiの通信の設定の[特定ノードの設定]で,次の設定をします。
    ターゲットのホスト名読み取りコミュニティ文字列SNMPプロキシアドレスSNMPプロキシポート
    100.1.1.1100.1.1.1111.10.10.1(JP1/Cm2/IGSマシン)20229(プロキシに指定したJP1/Cm2/IGSマシンで,サービス名cm2proxysnmpに指定されたポート番号)
    200.1.1.1200.1.1.1
     
  2. hostsファイルを設定する。
    hostsファイルにエージェントBおよびエージェントCのIPアドレスに対応するホスト名を追加します。
    • 100.1.1.1:agent-b
    • 200.1.1.1:agent-c

(3) 被管理側ネットワークのエージェントBおよびエージェントCでの設定

SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンのグローバルアドレスを設定します。