4.7.2 NAT環境でネットワークを監視する定義例

次のようなシステム構成での例を説明します。

運用例
  • ネットワークAとネットワークBはインターネット経由で接続され,NNMiを使用して,インターネットを介したネットワーク管理をする。
  • NNMiおよびSNMPエージェント間は,グローバルアドレスで通信をする。送信先および送信元IPアドレスだけでなく,通信データ中に含まれるIPアドレスの変換もする。
システム構成・設定例
  • 管理側ネットワークのNNMiと被管理側ネットワークA,BのSNMPエージェントがSNMP通信をする。
  • それぞれのマシンにはグローバルアドレスが割り当てられている。
  • JP1/Cm2/IGSはNNMiまたはSNMPエージェントとのインターフェースとしてSNMPプロキシを使用する。

    図4-36 NAT環境でネットワークを監視する例

    [図データ]

<この項の構成>
(1) 管理側ネットワークのJP1/Cm2/IGSでの設定
(2) 被管理側ネットワークAのJP1/Cm2/IGSマシンでの設定
(3) 被管理側ネットワークBのJP1/Cm2/IGSマシンBでの設定
(4) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントAでの設定
(5) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントB,Cでの設定

(1) 管理側ネットワークのJP1/Cm2/IGSでの設定

  1. 接続先となる被管理側JP1/Cm2/IGSマシンAを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,JP1/Cm2/IGSマシンAの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:100.10.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  2. IGSコネクションとSNMPエージェントAに対するAPコネクション(SNMP要求/応答)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,SNMPエージェントAの情報を設定します。
    • 送信先APノード:100.10.10.10
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:8161
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. 接続先となる被管理側JP1/Cm2/IGSマシンBを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,JP1/Cm2/IGSマシンBの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:101.10.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. IGSコネクションとSNMPエージェントB,Cに対するAPコネクション(SNMP要求/応答)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,SNMPエージェントAの情報を設定します。
    • 送信先APノード:101.10.10.*
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:161
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  5. サーバマシンのIPアドレスを変換するための設定をする。
    [NAT情報-スタティック情報]画面で,変換するアドレスの対応を設定します。
    • グローバルアドレス:111.10.*.*
    • プライベートアドレス:172.16.*.*
    詳細については「4.2.4(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する」を参照してください。
  6. SNMPプロキシの設定をする。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[要求応答の設定]タブで,SNMPエージェントAの情報を追加します。
    • ターゲット:100.10.10.10
    • コミュニティ名:public
    • 設定コミュニティ名:agent
    • タイムアウト時間:任意
    • リモートポート番号:8161
    詳細については「4.2.3(1) SNMP要求応答を定義する」を参照してください。
  7. 続けて,SNMPエージェントB,Cに対するSNMPプロキシを設定する。
    [要求応答の追加/変更]画面で,SNMPエージェントBおよびCの情報を追加します。
    • ターゲット:101.10.10.1-10
    • コミュニティ名:get
    • 設定コミュニティ名:set
    • タイムアウト時間:任意
    • リモートポート番号:161
  8. NNMiのプロキシを設定する。
    NNMiの通信の設定の[特定ノードの設定]で,次の設定をします。
    ターゲットのホスト名読み取りコミュニティ文字列SNMPプロキシアドレスSNMPプロキシポート
    100.10.10.10100.10.10.10172.16.10.120229(プロキシに指定したJP1/Cm2/IGSマシンで,サービス名cm2proxysnmpに指定されたポート番号)
    101.10.10.1101.10.10.1
    101.10.10.10101.10.10.10

(2) 被管理側ネットワークAのJP1/Cm2/IGSマシンでの設定

  1. オプション定義ファイルで,NNMiとの共存設定を設定する。
    • cooperation:agent
    詳細については「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
  2. 接続先となる管理側JP1/Cm2/IGSマシンを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:111.10.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. IGSコネクションとNNMiに対するAPコネクション(SNMPトラップ)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • 送信先APノード:111.10.10.1
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:162
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. SNMPエージェントAのIPアドレスを変換するための設定をする。
    [NAT情報-スタティック情報]画面で,変換するアドレスの対応を設定します。
    • グローバルアドレス:100.*.*.*
    • プライベートアドレス:10.*.*.*
    詳細については「4.2.4(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する」を参照してください。
  5. SNMPプロキシを設定する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,JP1/Cm2/IGSマシンAの情報を追加します。
    • 送信先マネージャのアドレス:111.10.10.1
    詳細については「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。

(3) 被管理側ネットワークBのJP1/Cm2/IGSマシンBでの設定

  1. オプション定義ファイルで,NNMiとの共存設定を設定する。
    • cooperation:agent
    詳細については「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
  2. 相手先となる管理側JP1/Cm2/IGSマシンを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:111.10.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. IGSコネクションとNNMiに対するAPコネクション(SNMPトラップ)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • 送信先APノード:111.10.10.1
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:162
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. SNMPエージェントB,CのIPアドレスを変換するための設定をする。
    [NAT情報-スタティック情報]画面で,変換するアドレスの対応を設定します。
    • グローバルアドレス:101.*.*.*
    • プライベートアドレス:10.*.*.*
    詳細については「4.2.4(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する」を参照してください。
  5. SNMPプロキシを設定する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を追加します。
    • 送信先マネージャのアドレス:111.10.10.1
    詳細については「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。

(4) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントAでの設定

SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンAのプライベートアドレスを設定します。

(5) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントB,Cでの設定

SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンBのプライベートアドレスを設定します。