アプリケーションからの通信を,IGSコネクションを経由して送信する場合は,次の運用方式があります。
使用する環境に合わせて,選択してください。なお,運用方式はアプリケーションサーバごとに選択できます。ネットワーク内で運用方式を混在させることもできます。
(1) JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する場合
JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバマシン専用として運用する場合は,ゲートウェイサーバとしての機能を停止させることができます。設定については「4.2.5(4) プロキシ専用マシンとしての設定」を参照してください。
なお,JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する場合,ICMPプロトコルのパケットをカプセル化することはできません。
対象プロトコルごとに,システム構成例を示します。
(a) SNMPのプロキシサーバとして運用する
次の製品を使って,SNMPによるネットワーク管理をする場合に使用します。マネージャからJP1/Cm2/IGSを経由して,ネットワークを介したエージェントの管理ができます。
この運用方式では,NNMiを管理側ネットワークのJP1/Cm2/IGSマシンと同じマシンにインストールして運用することもできます。また,NNMiまたはNNMと連携するエージェント製品をJP1/Cm2/IGSマシンと同じマシンにインストールして運用することもできます。
図1-6 JP1/Cm2/IGSをSNMPのプロキシサーバとして運用するシステム構成例
(b) TCP/IP,UDP/IPのプロキシサーバとして運用する
プロキシ機能を適用するように設定されたアプリケーションデータだけが,Proxy OptionによってInternet Gateway Serverに送信されます。ゲートウェイの設定は必要ありません。
なお,この方式ではICMPプロトコルのパケットをカプセル化することはできません。
図1-7 JP1/Cm2/IGSをTCP/IP,UDP/IPのプロキシサーバとして運用するシステム構成例
(2) JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用する場合
アプリケーションサーバのゲートウェイをJP1/Cm2/IGSに向け,アプリケーションのデータを,JP1/Cm2/IGSを介して送信します。JP1/Cm2/IGSは,TCP/IP,UDP/IP,ICMPプロトコルのパケットの中から,指定されたアプリケーションのパケットをカプセル化します。そのほかのパケットは,JP1/Cm2/IGSで破棄されます。次の図のように,JP1/Cm2/IGSを経由して通信をするアプリケーションサーバが複数ある場合は,各アプリケーションサーバに対するゲートウェイを設定します。
図1-8 JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用するシステム構成例
この運用方式では,アプリケーションサーバとJP1/Cm2/IGSマシンは別のマシンにする必要があります。JP1/Cm2/IGSと同じマシンにインストールされたアプリケーションからのデータは,JP1/Cm2/IGSを介して通信することはできません。
(3) JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバ兼ゲートウェイサーバとして運用する場合
JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバ兼ゲートウェイサーバとして運用することもできます。
JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバ兼ゲートウェイサーバとして運用する場合のシステム構成例を次の図に示します。このシステム構成例では,アプリケーションAの通信についてはJP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用し,NNMiとSNMPエージェント間の通信についてはJP1/Cm2/IGSをSNMPのプロキシサーバとして運用しています。
図1-9 JP1/Cm2/IGSをSNMPのプロキシサーバ兼ゲートウェイサーバとして運用するシステム構成例