4.7.1 SNMPプロキシを使用してネットワークを監視する定義例

次のようなシステム構成での例を説明します。

運用例
ネットワークAのNNMiが,ネットワークBのSNMPエージェントを管理する。
システム構成・設定例
  • NATはない。
  • ファイアウォールを次のように設定している。
  • TCP通信は透過する。
  • SNMP通信は透過しない。
  • 管理側ネットワークのNNMiと被管理側ネットワークA,BのSNMPエージェントがSNMP通信をする。
  • JP1/Cm2/IGSはNNMiまたはSNMPエージェントとのインターフェースとしてSNMPプロキシを使用する。

    図4-35 SNMPプロキシを使用してネットワークを監視する例

    [図データ]

<この項の構成>
(1) 管理側ネットワークのJP1/Cm2/IGSでの設定
(2) 被管理側ネットワークAのJP1/Cm2/IGSマシンでの設定
(3) 被管理側ネットワークBのJP1/Cm2/IGSマシンBでの設定
(4) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントAでの設定
(5) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントB,Cでの設定

(1) 管理側ネットワークのJP1/Cm2/IGSでの設定

  1. 接続先となる被管理側JP1/Cm2/IGSマシンAを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,JP1/Cm2/IGSマシンAの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:10.10.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  2. IGSコネクションとSNMPエージェントAに対するAPコネクション(SNMP要求/応答)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,SNMPエージェントAの情報を設定します。
    • 送信先APノード:10.10.10.10
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:8161
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. 接続先となる被管理側JP1/Cm2/IGSマシンBを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,JP1/Cm2/IGSマシンBの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:192.168.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. IGSコネクションとSNMPエージェントB,Cに対するAPコネクション(SNMP要求/応答)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,SNMPエージェントAの情報を設定します。
    • 送信先APノード:192.168.10.*
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:161
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  5. SNMPプロキシの設定をする。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[要求応答の設定]タブで,SNMPエージェントAの情報を追加します。
    • ターゲット:10.10.10.10
    • コミュニティ名:public
    • 設定コミュニティ名:agent
    • タイムアウト時間:任意
    • リモートポート番号:8161
    詳細については「4.2.3(1) SNMP要求応答を定義する」を参照してください。
  6. 続けて,SNMPエージェントB,Cに対するSNMPプロキシを設定する。
    [要求応答の追加/変更]画面で,SNMPエージェントBおよびCの情報を追加します。
    • ターゲット:192.168.10.1-10
    • コミュニティ名:get
    • 設定コミュニティ名:set
    • タイムアウト時間:任意
    • リモートポート番号:161
  7. NNMiのプロキシを設定する。
    NNMiの通信の設定の[特定ノードの設定]で,次の設定をします。
    ターゲットのホスト名読み取りコミュニティ文字列SNMPプロキシアドレスSNMPプロキシポート
    10.10.10.1010.10.10.10172.16.10.120229(プロキシに指定したJP1/Cm2/IGSマシンで,サービス名cm2proxysnmpに指定されたポート番号)
    192.168.10.1192.168.10.1
    192.168.10.10192.168.10.10

(2) 被管理側ネットワークAのJP1/Cm2/IGSマシンでの設定

  1. オプション定義ファイルで,NNMiとの共存設定を設定する。
    • cooperation:agent
    詳細については「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
  2. 接続先となる管理側JP1/Cm2/IGSマシンを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:172.16.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. IGSコネクションとNNMiに対するAPコネクション(SNMPトラップ)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • 送信先APノード:172.16.10.1
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:162
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. SNMPプロキシを設定する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,JP1/Cm2/IGSマシンAの情報を追加します。
    • 送信先マネージャのアドレス:172.16.10.1
    詳細については「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。

(3) 被管理側ネットワークBのJP1/Cm2/IGSマシンBでの設定

  1. オプション定義ファイルで,NNMiとの共存設定を設定する。
    • cooperation:agent
    詳細については「7.2 オプション定義ファイル(igsopt.conf)」を参照してください。
  2. 相手先となる管理側JP1/Cm2/IGSマシンを決定する。
    [IGS環境設定-通信情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • IGSノードアドレス:172.16.10.1
    • ポート番号:22280
    • 接続方式:常時接続
    詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。
  3. IGSコネクションとNNMiに対するAPコネクション(SNMPトラップ)を対応付ける。
    [IGS環境設定-適用情報]画面で,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を設定します。
    • 送信先APノード:172.16.10.1
    • 対象APポート:送信先
    • ポート番号:162
    詳細については「4.2.2(2) APコネクション情報を登録する」を参照してください。
  4. SNMPプロキシを設定する。
    [IGS環境設定-SNMPプロキシ]画面の[トラップの設定]タブから[宛先追加/変更]画面を表示し,管理側JP1/Cm2/IGSマシンの情報を追加します。
    • 送信先マネージャのアドレス:172.16.10.1
    詳細については「4.2.3(2) SNMPトラップ通知を定義する」を参照してください。

(4) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントAでの設定

SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンAのプライベートアドレスを設定します。

(5) 被管理側ネットワークのSNMPエージェントB,Cでの設定

SNMPトラップの送信先にJP1/Cm2/IGSマシンBのプライベートアドレスを設定します。