4.2.4 NAT情報の登録

[IGS環境設定]画面の[NAT]ボタンからは,NAT変換機能を使用する場合の設定をします。アドレス変換定義と,プロトコルデータ部のNAT変換を適用するAP情報コネクション情報を設定します。

アドレス変換定義が設定されている場合,IPヘッダ部のNAT変換が実行されます。アドレス変換定義とプロトコルデータ部のNAT変換を適用するAP情報コネクション情報の両方が設定されている場合,IPヘッダ部とデータ部のNAT変換が実行されます。

次にそれぞれの手順を示します。

<この項の構成>
(1) アドレス変換定義(スタティック情報)を設定する
(2) プロトコルデータ部NAT変換の適用情報を設定する

(1) アドレス変換定義スタティック情報)を設定する

IPアドレスの変換方法の一つに,プライベートアドレスとグローバルアドレスを1対1で変換するスタティック変換があります。

なお,シングルサーバモードの場合は,ルータ(NAT)のアドレス変換定義と同じ定義を設定してください。また,シングルサーバモードでは,プライベートアドレスを重複して設定できます。プライベートアドレスからグローバルアドレスへ変換するときに候補となるグローバルアドレスが複数ある場合は,該当するパケットの送信元IPアドレスと一致するものへ変換されます。

なお,この情報はスタティックNATデータファイルからも設定できます。スタティックNATデータファイルの詳細については,「7.5 スタティックNATデータファイル(nataddr.inf)」を参照してください。

  1. [IGS環境設定]画面の[NAT]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-設定項目選択]画面が表示されます。

    図4-21 [NAT情報設定-設定項目選択]画面

    [図データ]

  2. 「スタティック情報」をチェックし,[選択]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-スタティック情報]画面が表示されます。

    図4-22 [NAT情報設定-スタティック情報]画面

    [図データ]

  3. [追加]ボタンをクリックする。
    [変換データ追加]画面が表示されます。

    図4-23 [変換データ追加]画面

    [図データ]

  4. 変換データに定義したいグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを入力する。
    「.(ピリオド)」で区切られた数字部分にワイルドカードとして「*(アスタリスク)」を指定し,部分一致で指定することもできます。ただし,すべての数字部分に「*(アスタリスク)」を指定すること(*.*.*.*)はできません。また,「*(アスタリスク)」の位置は,グローバルアドレスとプライベートアドレスで一致させてください。なお,「*(アスタリスク)」の指定をすると,NATデータの量が著しく減ります。
  5. [登録]ボタンをクリックする。
    スタティック情報の登録が完了します。登録が完了すると,入力域がクリアされます。複数の登録が必要な場合は,手順4~5を繰り返します。最大65,536個のデータを登録できます。
  6. [戻る]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-スタティック情報]画面に戻ります。
  7. [NAT情報設定-スタティック情報]画面で,[完了]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-設定項目選択]画面に戻ります。

(a) スタティック情報を変更する

  1. [NAT情報設定-スタティック情報]画面で,変更するデータを[↑][↓]キーで選択し,[変更]ボタンをクリックする。
    [変換データ変更]画面が表示されます。
  2. 表示された内容を変更し,[更新]ボタンをクリックする。
  3. [NAT情報設定-スタティック情報]画面で[完了]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-設定項目選択]画面に戻ります。

(b) スタティック情報を削除する

  1. [NAT情報設定-スタティック情報]画面で,削除するデータを[↑][↓]キーで選択する。
    [Shift]キーを押しながら,複数のデータを選択できます。
  2. [削除]ボタンをクリックする。
  3. [NAT情報設定-スタティック情報]画面で[完了]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-設定項目選択]画面に戻ります。

(2) プロトコルデータ部NAT変換の適用情報を設定する

プロトコルデータ部にNAT変換を適用するためのAPコネクション情報の設定をします。設定した送信元APと宛先APの通信に対してだけプロトコルデータ部のNAT変換が実行されます。なお,SNMPプロキシ通信で送受信されるSNMPメッセージについては,この設定をしなくても自動的にSNMPのNAT変換が適用されます。

設定手順を次に示します。

  1. [IGS環境設定]画面の[NAT]ボタンをクリックする。
    [NAT情報設定-設定項目選択]画面が表示されます。
  2. 「プロトコルデータ部NAT変換適用情報」をチェックし,[選択]ボタンをクリックする。
    [プロトコルデータ部NAT変換適用情報一覧表示]画面が表示されます。

    図4-24 [プロトコルデータ部NAT変換適用情報一覧表示]画面

    [図データ]

  3. [追加]ボタンをクリックする。
    [プロトコルデータNAT変換適用情報設定]画面が表示されます。

    図4-25 [プロトコルデータNAT変換適用情報設定]画面

    [図データ]

    • 送信元APアドレス
      送信元アプリケーションサーバのIPアドレスです。送信元となるアプリケーションがJP1/Cm2/IGSと同一LAN内にある場合は,プライベートアドレスを指定します。同一LAN内になければ,グローバルアドレスを指定します。任意指定したい場合は,「*(アスタリスク)」を指定します。
    • 送信元ポート番号((1~65535))
      送信元アプリケーションのポート番号です。送信元ポート番号が動的に変化する場合は,「*(アスタリスク)」を指定します。
    • 宛先APアドレス
      宛先アプリケーションサーバのIPアドレスです。宛先となるアプリケーションがJP1/Cm2/IGSと同一LAN内にある場合は,プライベートアドレスを指定します。同一LAN内になければ,グローバルアドレスを入力します。任意指定したい場合は,「*(アスタリスク)」を指定します。
    • 宛先ポート番号((1~65535))
      宛先アプリケーションのポート番号です。宛先ポート番号が動的に変化する場合は,「*(アスタリスク)」を指定します。
    • プロトコル
      どのプロトコルのデータ部に,NAT変換を適用するかを選択します。
      この画面で指定した送信元および宛先のIPアドレス,ポート番号を持つパケットに対して,選択したプロトコルのデータ部に,NAT変換が適用されます。
  4. [追加]ボタンをクリックする。
    [プロトコルデータ部NAT変換適用情報一覧]画面に戻ります。
  5. [完了]ボタンをクリックする。
    プロトコルデータ部NAT変換適用情報の登録が完了し,[NAT情報設定-設定項目選択]画面に戻ります。

(a) プロトコルデータ部NAT変換情報を変更または削除する

  1. [プロトコルデータ部NAT変換適用情報一覧表示]画面で,変更または削除する情報を[↑][↓]キーで選択する。
  2. [変更]ボタンまたは[削除]ボタンをクリックする。
    • 変更の場合は,[プロトコルデータNAT変換適用情報設定]画面が表示されます。画面に表示されているデータを更新し,[変更]ボタンをクリックします。
    • 削除の場合は,選択したデータが削除されます。
    変更または削除が完了すると[プロトコルデータ部NAT変換適用情報一覧表示]画面に戻ります。
  3. [完了]ボタンをクリックする。
    変更または削除が完了し,[NAT情報設定-設定項目選択]画面に戻ります。