2.2.2 パケットのカプセル化

IGSコネクション上では,カプセル化されたパケットを送受信します。パケットのカプセル化とは,アプリケーションサーバ間で送受信するパケット(APパケット)をJP1/Cm2/IGS間で送受信するパケットで梱包することです。このとき,APパケットはJP1/Cm2/IGSのデータ部として扱われます。

カプセル化されるパケットの範囲は,アプリケーションとJP1/Cm2/IGS間の通信方法によって異なります。プロキシ通信の方式では,APパケットのデータ部がカプセル化の対象となります。アプリケーションのゲートウェイをJP1/Cm2/IGSへ向ける方式では,APパケットのデータ部とAPパケットのヘッダ部がカプセル化の対象になります。

パケットの送信側でパケットがカプセル化され,パケットの受信側でカプセル化が解除されます。なお,カプセル化の対象となるのはTCP/IP,UDP/IP,ICMPのパケットです。

IGSの運用方法ごとに,カプセル化によるパケットの変化を説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する方式
(2) JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用する方式

(1) JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する方式

IGSコネクション上を流れるデータは,カプセル化されるときに,元のパケットのデータ部分がTCP/IPのアプリケーションデータとして転送されます。

JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する場合のカプセル化概要を,次の図に示します。

図2-2 パケットのカプセル化(JP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして運用する場合)

[図データ]

(2) JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用する方式

IGSコネクション上を流れるデータは,カプセル化されるときに,元のパケットのヘッダ部およびデータ部分がTCP/IPのアプリケーションデータとして転送されます。

JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用する場合のカプセル化概要を,次の図に示します。

図2-3 パケットのカプセル化(JP1/Cm2/IGSをゲートウェイサーバとして運用する場合)

[図データ]

IGSコネクションの設定の詳細については「4.2.2(1) IGSコネクション情報を登録する」を参照してください。