Windowsを使用している場合に,SSOクラスタシステムの実行系および待機系のクラスタ環境を構築する方法について説明します。
なお,ここでは次に示す設定内容を例にして説明します。
(1) 実行系のクラスタ環境の構築
実行系のクラスタ環境の構築は,次の順序で実施します。
次に,それぞれの内容について説明します。
(a) 共有ディスクのマウント
実行系が共有ディスクをマウントしている状態であることを確認します。
(b) SSOクラスタ環境の設定
クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)を実行して,実行系のSSOクラスタ環境の設定を実施します。クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)については,「6. コマンド ssoclustersetup.vbs」を参照してください。
クラスタ環境設定コマンドの引数には,次の内容を指定してください。
引数 | 指定する値 |
---|---|
第一引数 | -construction(構築指定) |
第二引数 | -primary(実行系指定) |
第三引数 | 共有ディスク上の共有データフォルダ※ |
第四引数 | 論理IPアドレス(XXX.XXX.XXX.XXX 形式) |
共有ディスク上にあるフォルダにSSOフォルダ(K:¥shared¥SSO)を作成し,論理IPアドレス(133.108.120.4)を指定して共有フォルダとして設定するコマンドの指定例を次に示します。
cscript.exe $SSO_BIN¥ssoclustersetup.vbs -construction -primary K:¥shared¥SSO 133.108.120.4 |
エラーが発生した場合は,画面に出力されたメッセージを参照して問題を解決してください。問題が解決したら,コマンドを再実行してください。
(c) JP1認証論理ホストの設定
認証方式にJP1認証方式を採用し,論理ホストでJP1認証を実施する場合,クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)を実行してSSOのJP1認証論理ホストの設定を実施します。クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)については,「6. コマンド ssoclustersetup.vbs」を参照してください。
クラスタ環境設定コマンドの引数には,次の内容を指定してください。
引数 | 指定する値 |
---|---|
第一引数 | -logicalset(JP1論理ホスト指定) |
第二引数 | JP1論理ホスト名 |
JP1論理ホスト名(rhost)を設定するコマンドの指定例を次に示します。
cscript.exe $SSO_BIN¥ssoclustersetup.vbs -logicalset rhost |
エラーが発生した場合は,画面に出力されたメッセージを参照して問題を解決してください。問題が解決したら,コマンドを再実行してください。
(d) クラスタ制御スクリプトの作成
SSOが提供するクラスタ制御スクリプトのサンプルデータを基に,クラスタ制御スクリプトを作成します。
クラスタ制御スクリプトの作成手順を次に示します。
$SSO_SAMPLE¥ha¥sso_cluster.vbs
表11-2 カスタマイズするキー名および設定例
項番 | キー名 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|---|
1 | c_installdir | C:¥Program Files (x86)¥Hitachi¥JP1Cm2SSO | SSOのインストールフォルダを設定します。 インストール先をデフォルトから変更した場合は,このキーの値を変更してください。 |
2 | c_mustrun | - | SSOの監視プロセス名を設定します。 デフォルトは空指定で,SSOのプロセスを監視対象としないで,NNMiのフェールオーバーを契機に切り替えが実施されます。 SSOのプロセスを契機としてフェールオーバーする場合,監視プロセス名を半角カンマで区切り,次のように指定します。 (例) c_mustrun="ssospmd.exe,ssoapmon.exe" |
3 | c_term_retry_count | 5(回) | オフラインに切り替わる際,SSOの停止処理をリトライする回数を設定します。 |
4 | c_term_retry_interval | 30(秒) | オフラインに切り替わる際,SSOの停止処理のリトライ間隔を設定します。 |
c_term_retry_count × c_term_retry_interval + 120 < 待ちのタイムアウト
c_term_retry_count × c_term_retry_interval + 120 < 保留タイムアウト
SSOの全プロセスを監視する場合の設定例(太字部分)を次に示します。
Function IsAlive( ) |
(e) NNMiリソースグループへのSSOリソースの追加
クラスタアドミニストレータウィンドウ上で,NNMiが作成したリソースグループに対し,SSOリソースを追加します。リソース追加時の設定項目および設定例を,次の表に示します。
表11-3 リソース追加時の設定項目
クラスタ名 | 設定項目 | 設定例 | |
---|---|---|---|
MSCS/WSFC | リソースの名前 | jp1cm2sso | |
リソースの種類 | 汎用スクリプト | ||
リソースの依存関係 | NNMiリソース | jp1cm2nnmi | |
論理IPアドレス | 133.108.120.4 | ||
共有ディスク | K: | ||
MSCS | 汎用スクリプトパラメタ | %TEMP%¥sso_cluster.vbs | |
待ちのタイムアウト | 300(秒) | ||
しきい値 | 0 | ||
WSFC | スクリプトファイルパス | %TEMP%¥sso_cluster.vbs | |
保留タイムアウト | 5(分) | ||
指定期間内での再起動の試行回数 | 0(回) |
次に,それぞれの設定項目について,MSCS(Windows Server 2003)の場合とWSFC(Windows Server 2008)の場合に分けて説明します。
(f) NNMiへの接続情報の追加
ssonnmsetup コマンドを実行して,NNMiへの接続情報を追加します。ssonnmsetup コマンドについては,「6. コマンド ssonnmsetup」を参照してください。
(2) 待機系のクラスタ環境の構築
待機系のクラスタ環境の構築は,次の順序で実施します。
次に,それぞれの内容について説明します。
(a) 共有ディスクの切り替え(Windows Server 2003の場合だけ)
MSCS上にクラスタ環境を構築している場合,系切り替えを実施して待機系から共有ディスクにアクセスできる状態にします。クラスタアドミニストレータウィンドウ上でNNMiリソースグループを選択し,「グループの移動」を実行してください。
(b) SSOクラスタ環境の設定
クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)を実行して,待機系のSSOクラスタ環境の設定を実施します。クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbs)については,「6. コマンド ssoclustersetup.vbs」を参照してください。
クラスタ環境設定コマンドの引数には,次の内容を指定してください。
引数 | 指定する値 |
---|---|
第一引数 | -construction(構築指定) |
第二引数 | -secondary(待機系指定) |
第三引数 | 共有ディスク上の共有データフォルダ |
コマンドの指定例を次に示します。
cscript.exe $SSO_BIN¥ssoclustersetup.vbs -construction -secondary K:¥shared¥SSO |
エラーが発生した場合は,画面に出力されたメッセージを参照して問題を解決してください。問題が解決したら,コマンドを再実行してください。
(c) クラスタ制御スクリプトの作成
「(1)(d) クラスタ制御スクリプトの作成」を参照して,クラスタ制御スクリプトをコピーし,カスタマイズを実施します。スクリプトの内容および保存先のパスは,実行系と同じ内容になるようにしてください。
(d) 共有ディスクの切り替え(Windows Server 2003の場合だけ)
MSCS上に構築している場合,系切り替えを実施し,実行系から共有ディスクにアクセスできる状態にします。クラスタアドミニストレータウィンドウ上でNNMiリソースグループを選択し,「グループの移動」を実行してください。
以上の設定が完了すると,NNMiリソースグループが起動できるようになります。クラスタアドミニストレータウィンドウでSSOリソースを選択し,起動してください。