付録M.2 システムの移設手順
サーバのリプレースなどでシステムを移設するときの移設手順について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提条件
- (2) 移設対象ファイル
- (3) 移設手順
- (4) 注意事項
(1) 前提条件
移設に当たっての前提条件を次に示します。
(a) 移設元サーバ
SSOのバージョンは,09-00以降であることが前提です。
(b) 移設先サーバ
- 移設元サーバと同じバージョンのSSOの新規インストールが完了していることが前提です。なお,移設が完了するまでSSOは起動しないでください。
- リソース収集データベースのデータを移設する場合は,移設先サーバのホスト名およびIPアドレスが,移設元サーバと同じであることが前提です。ただし,ssoextractlog -logfileコマンドによるデータ抽出だけを目的とする移設の場合は,ホスト名およびIPアドレスが同一である必要はありません。
(2) 移設対象ファイル
移設対象のファイルを次に示します。
表M-6 移設対象ファイル一覧
項番 | 分類 | ファイル名 | 移設方法 |
---|
コマンド※1 | 手動 |
---|
1 | 資料採取コマンド※2 | - UNIXの場合
- $SSO_BIN/jp1ssolog.sh
- Windowsの場合
- $SSO_BIN¥jp1ssolog.bat
| × | ○ |
2 | 定義・設定ファイル | - $SSO_CONF配下の全ファイル
- $SSO_IMAGE/カテゴリ名※3配下の全ファイル
| ○ | ○ |
任意の場所に格納した定義ファイル | × | ○ |
3 | リソース収集データベース | $SSO_DB配下の全ファイル | ○※4 | ○※4 |
4 | レポートファイル | $SSO_REPORT配下の全ファイル | ○ | ○ |
- (凡例)
- ○:移設できます。
- ×:移設できません。
- 注※1
- ssobackupコマンドおよびssorestoreコマンドを使用します。
- 注※2
- 移設元サーバと移設先サーバの環境が,UNIX同士またはWindows同士の場合だけ移設できます。
- 注※3
- カテゴリ名は,ユーザリソース定義ファイルで設定したカテゴリ名です。ユーザリソース定義ファイルについては,「7.3.14 ユーザリソース定義ファイル」を参照してください。
- 注※4
- ssoextractlog -logfileコマンドによるデータ抽出だけを目的とする移設の場合は,コマンドで移設することはできません。手動で$SSO_DB以外のディレクトリに移設してください。
(3) 移設手順
移設手順を次に示します。なお,移設作業はroot権限(UNIXの場合)またはAdministrator権限(Windowsの場合)を持つユーザが実施してください。
(a) 移設元サーバでの作業
- SSOを停止する。
SSOのウィンドウが開いている場合は,ウィンドウを閉じます。また,SSOが動作している場合は,次のコマンドを実行してSSOを停止します。
ssostop
移設元サーバのOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「停止」にすることでも,SSOを停止できます。
- 注意
- NNMiは停止しないでください。
- SSOのデータをバックアップする。
次のコマンドを実行して,移設対象ファイルをバックアップします。移設対象ファイルについては,「(2) 移設対象ファイル」を参照してください。また,ssobackupコマンドの引数については,「6. コマンド ssobackup」を参照してください。
ssobackup {-all | -conf | -db} [-d バックアップ先ディレクトリ]
なお,ssobackupコマンドでバックアップできない移設対象ファイルについては,手動でバックアップしてください。
- バックアップしたデータを,移設先サーバに転送する。
- 移設元サーバと移設先サーバのIPアドレスが異なる場合は,SSOを再起動する。
次のコマンドを実行します。
ssostart
なお,移設元サーバのOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「開始」にすることでも,SSOを起動できます。
- 移設元サーバと移設先サーバのIPアドレスが異なる場合は,APMの移設元サーバに関する定義をすべて削除する。
次のコマンドを実行します。
ssopsset -sd
(b) 移設先サーバでの作業
- 移設元サーバから転送されたデータをリストアする。
次のコマンドを実行して,必要なファイルをリストアします。ssorestoreコマンドの引数については,「6. コマンド ssorestore」を参照してください。
ssorestore {-all | -conf | -db} [-d リストア元ディレクトリ]
- 注意
- ssorestoreコマンドには,ssobackupコマンドの実行時と同じ引数を指定してください。
なお,ssorestoreコマンドでリストアできない移設対象ファイルについては,手動でリストアしてください。
また,移設先サーバのOSがUNIXの場合は,移設対象ファイルのリストア後に,ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を設定し直す必要があります。ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を次の表に示します。
表M-7 移設対象ファイルの設定内容
所有者 | グループ | アクセス権 |
---|
bin | bin | -rw-r--r-- (0644) |
なお,移設先ファイルパスが任意のファイルについては,表M-7に示す所有者やグループ以外にもアクセス権を付与できます。
- SSOをセットアップする。
セットアップについては,「3.4 SSOのセットアップ」を参照してください。
- 注意
- SSOは起動しないでください。
- 必要に応じて,定義ファイルや設定ファイルを変更する。
移設先サーバの環境や,移設後のシステムの運用方法に合わせて,定義ファイルや設定ファイルを変更します。
- リソース収集データベースを移設しない場合は,ssocollectdデーモンプロセス,およびssocolmngデーモンプロセスを起動する。
次のコマンドを実行します。
ssostart ssocollectd
ssostart ssocolmng
- リソース収集データベースを移設しない場合は,リストアしたリソース収集データベースを削除する。
次のコマンドを実行します。
ssodbdel -all
(4) 注意事項
移設時の注意事項を次に示します。
- Windows環境とUNIX環境では,テキスト形式の移設対象ファイルの改行コードが異なりますが,SSOの動作には影響しません。必要に応じて改行コードを変更してください。
- 移設元サーバと移設先サーバの言語環境が異なる場合は,移設した定義ファイル内に,日本語またはマルチバイトコードの文字が含まれていることがあります。必要に応じて,移設先サーバの言語環境に合わせて修正してください。
- 移設元サーバと移設先サーバのレポート出力言語が異なる場合は,レポート出力言語を変更してレポートを作成し直してください。
レポートを作成する操作については,「4.8 レポート条件の設定およびレポートファイルの作成」を参照してください。
- リソース収集データベースのデータは,Windows環境からUNIX環境への移設はできません。