4.4.1 論理サーバ構成情報を設定するSetV-ServerConf)

SLBの設定で論理サーバ構成情報を設定する場合,ncvclcmdコマンド実行時にSetV-ServerConfコマンドを指定します。SetV-ServerConfコマンドの定義内容を,あらかじめ構成パラメーター定義ファイル上に定義しておきます。

SetV-ServerConfコマンドの定義内容は,SetV-ServerConfパラメーターを使用して定義します。SetV-ServerConfパラメーターは,名前空間nc-x.xを使用して定義しますが,スイッチ固有の定義内容については,該当するスイッチの名前空間で定義します。なお,名前空間nc-x.xのバージョンは任意です。

SetV-ServerConfパラメーター内で使用する名前空間について次の表に示します。

表4-13 SetV-ServerConfパラメーター内で使用する名前空間

名前空間名説明略称
http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip1500-1.0BIG-IP1500に関するパラメーターを記述するときに使用する名前空間です。bigip1500-1.0
http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip6400-1.0BIG-IP6400に関するパラメーターを記述するときに使用する名前空間です。bigip6400-1.0
注※
このマニュアル内で使用する名前空間名の略称です。

構成パラメーター定義ファイルのSetV-ServerConfパラメーター部分について,使用する名前空間ごとに説明します。

<この項の構成>
(1) SetV-ServerConfパラメーターの内容(名前空間nc-x.x部分)
(2) SetV-ServerConfパラメーターの内容(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

(1) SetV-ServerConfパラメーターの内容(名前空間nc-x.x部分)

構成パラメーター定義ファイルのSetV-ServerConfパラメーターのうち,名前空間nc-x.xを使用して定義する部分について説明します。名前空間nc-x.xのバージョンは任意です。

(a) 形式

SetV-ServerConfパラメーターの形式(名前空間nc-x.x部分)を次に示します。ここでは,名前空間nc-1.0を使用した形式を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ncvcl_nc xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/nc-1.0">
 <CommandList>
   <SLB>
     <SetV-ServerConf>
       <SetV-ServerConf_Work Name="ワーク名" SwitchName="スイッチ名">
         <V-ServerConf_Local>
                     :
                    スイッチ固有の定義内容
                     :
         </V-ServerConf_Local>
       </SetV-ServerConf_Work>
     </SetV-ServerConf>
   </SLB>
 </CommandList>
</ncvcl_nc>

注※
該当するスイッチの名前空間を使用して,スイッチ固有の定義内容を指定する部分です。

(b) パラメーターの内容

SetV-ServerConfパラメーターを構成する各パラメーター(名前空間nc-x.x部分)を次の表に示します。

表4-14 SetV-ServerConfパラメーターを構成するパラメーター(名前空間nc-x.x部分)

パラメーター定義内容説明区分
SetV-ServerConf_WorkSetV-ServerConfのワークSetV-ServerConfについて,ワークを定義します。
NameおよびSwitchNameを属性に指定します。
配下に論理サーバ構成情報を設定します。
ワークは,複数定義でき,それぞれがコマンドに対して独立しています。
必須
Nameワーク名SetV-ServerConf_Workの属性です。ワーク名を255バイト以内で定義します。使用できる文字は,半角英数字および記号です。
この属性で指定した値は,ncvclcmdコマンド実行時に,-wオプションでワーク名を指定する場合に使用します。
必須
SwitchNameスイッチ名SetV-ServerConf_Workの属性です。設定対象スイッチ名を255バイト以内で指定します。必須
V-ServerConf_Localスイッチ固有パラメーターリストSetV-ServerConf_Workの配下に指定します。
配下に各種スイッチ固有のパラメーターを複数設定できます。ただし,スイッチ固有のパラメーターは,スイッチごとに一とおりだけ設定できます。
スイッチ固有のパラメーターが複数ある場合,設定対象スイッチに対応したパラメーターが選択され,ほかの設定は無視されます。
任意
(凡例)
必須:必ず指定する。
任意:任意に指定する。
注※
文字列を指定するパラメーターの場合,XMLの文法上使用できない文字(「<」,「>」,「"」,「'」,「&」)を使用したい場合は,実体参照を使用してください。
実体参照については,「4.5(3) XMLの文法上使用できない文字を使用する場合」を参照してください。

(2) SetV-ServerConfパラメーターの内容(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

構成パラメーター定義ファイルのSetV-ServerConfパラメーターのうち,名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0を使用して定義する部分について説明します。

(a) 形式

SetV-ServerConfパラメーターの形式(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)を次に示します。ここでは,BIG-IP6400の設定をする場合の形式を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ncvcl_nc xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/nc-1.0">
                     :
                    名前空間nc-1.0を使用した定義内容
                     :
         <V-ServerConf_Local>
           <V-ServerConf xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip6400-1.0">
             <V-ServerList>
               <V-Server Operation="操作種別" V-ServerName="論理サーバ名">
                 <V-ServerStatus>論理サーバの状態</V-ServerStatus>
                 <V-PortList>
                   <V-Port Operation="操作種別" V-PortName="論理サーバポート名">
                     <V-PortNum>論理サーバポート番号</V-PortNum>
                     <V-PortStatus>論理サーバポートの状態</V-PortStatus>
                   </V-Port>
                 </V-PortList>
               </V-Server>
             </V-ServerList>
           </V-ServerConf>
         </V-ServerConf_Local>
                     :
                    名前空間nc-1.0を使用した定義内容
                     :
</ncvcl_nc>

注※
BIG-IP1500またはBIG-IP6400固有の定義内容を指定するために,名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0を指定します。

(b) パラメーターの内容

SetV-ServerConfパラメーターを構成する各パラメーター(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)を次の表に示します。

表4-15 SetV-ServerConfパラメーターを構成するパラメーター(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

パラメーター定義内容説明区分
V-ServerConf論理サーバ構成情報名前空間nc-1.0のV-ServerConf_Localの配下に指定します。必須
V-ServerList論理サーバリストV-ServerConfの配下に指定します。
論理サーバを複数設定できます。
任意
V-Server論理サーバV-ServerListの配下に指定します。
OperationおよびV-ServerNameを属性に指定します。
論理サーバを追加する場合,V-Portを使用して,該当する論理サーバに論理サーバポートを必ず一つ以上設定してください。
任意
Operation操作種別V-Serverの属性です。
名前空間nc-1.0のSwitchNameで指定した設定対象スイッチに対して実行する論理サーバの操作を次の中から指定します。
  • add
    論理サーバリストに論理サーバを追加します。
  • change
    追加済みの論理サーバについて,設定を変更します。
  • delete
    論理サーバリストから,論理サーバを削除します。
必須
V-ServerName論理サーバ名V-Serverの属性です。
論理サーバ名として,IPアドレスをIPv4形式(nnn.nnn.nnn.nnn)で指定します。
V-Serverの属性Operationにaddを選択した場合は,新規に追加する論理サーバの名称を設定します。V-Serverの属性Operationにchange,またはdeleteを選択した場合は,操作する論理サーバを指定します。
必須
V-ServerStatus論理サーバの状態V-Serverの配下に指定します。
論理サーバの状態を次の中から選択します。選択内容は,該当する論理サーバに設定されたすべての論理サーバポートに設定されます。
  • enable
    該当する論理サーバを有効にします。
  • disable
    該当する論理サーバを無効にします。
V-Serverの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを指定した場合は必須
  • changeを指定した場合は任意
  • deleteを指定した場合は指定不可
V-PortList論理サーバポートリストV-Serverの配下に指定します。
配下に複数の論理サーバポートを設定できます。
V-Serverの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを指定した場合は必須
  • changeを指定した場合は任意
  • deleteを指定した場合は指定不可
V-Port論理サーバポートV-PortListの配下に指定します。
OperationおよびV-PortNameを属性に指定します。
V-Serverの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを指定した場合は必須
  • changeを指定した場合は任意
  • deleteを指定した場合は指定不可
Operation操作種別V-Portの属性です。
論理サーバポートへ実行する操作を次の中から指定します。
  • add
    V-PortNameで指定するポートを,論理サーバに加えます。
  • change
    V-PortNameで指定する論理サーバポートの設定を変更します。ただし,ポート名は変更できません。
  • delete
    V-PortNameで指定するポートを,論理サーバから削除します。
必須
V-PortName論理サーバポート名V-Portの属性です。
操作対象のポート名を1~255バイトで指定します。
使用できる文字は次のとおりです。
  • 英数字
  • 「.」(ピリオド)
  • 「-」(ハイフン)
  • 「_」(アンダースコア)
文字列の最初は必ず英字で始まるように指定してください。
必須
V-PortNum論理サーバポート番号V-Portの配下に指定します。V-Portの属性Operationの対象となるTCP/UDPポート番号を0~65535の範囲で指定します。
すでに設定されている番号の論理サーバポートは指定できません。
V-Portの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを指定した場合は必須
  • changeを指定した場合は任意。ただし「__$NCEMPTYSTRING」は指定できない。
  • deleteを指定した場合指定不可
V-PortStatus論理サーバポートの状態V-Portの配下に指定します。論理サーバポートの状態を次の中から指定します。
  • enable
    該当するポートを有効にします。
  • disable
    該当するポートを無効にします。
V-Portの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを指定した場合は必須
  • changeを指定した場合は任意
  • deleteを指定した場合は指定不可
(凡例)
必須:必ず指定する。
任意:任意に指定する。
指定不可:指定できない。
文字列を指定するパラメーターの場合,XMLの文法上使用できない文字(「<」,「>」,「"」,「'」,「&」)を使用したい場合は,実体参照を使用してください。
実体参照については,「4.5(3) XMLの文法上使用できない文字を使用する場合」を参照してください。