4.4.2 物理サーバ構成情報を設定するSetR-ServerConf)

SLBの設定で論理サーバ構成情報を設定する場合,ncvclcmdコマンド実行時にSetR-ServerConfコマンドを指定します。SetR-ServerConfコマンドの定義内容を,あらかじめ構成パラメーター定義ファイル上に定義しておきます。

SetR-ServerConfコマンドの定義内容は,SetR-ServerConfパラメーターを使用して定義します。SetR-ServerConfパラメーターは,名前空間nc-x.xを使用して定義しますが,スイッチ固有の定義内容については,該当するスイッチの名前空間で定義します。なお,名前空間nc-x.xのバージョンは任意です。

SetR-ServerConfパラメーター内で使用する名前空間について次の表に示します。

表4-16 SetR-ServerConfパラメーター内で使用するスイッチ別の名前空間

名前空間名説明略称
http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip1500-1.0BIG-IP1500に関するパラメーターを記述するときに使用する名前空間です。bigip1500-1.0
http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip6400-1.0BIG-IP6400に関するパラメーターを記述するときに使用する名前空間です。bigip6400-1.0
注※
このマニュアル内で使用する名前空間名の略称です。

構成パラメーター定義ファイルのSetR-ServerConfパラメーター部分について,使用する名前空間ごとに説明します。

<この項の構成>
(1) SetR-ServerConfパラメーターの内容(名前空間nc-x.x部分)
(2) SetR-ServerConfパラメーターの内容(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

(1) SetR-ServerConfパラメーターの内容(名前空間nc-x.x部分)

構成パラメーター定義ファイルのSetR-ServerConfパラメーターのうち,名前空間nc-x.xを使用して定義する部分について説明します。名前空間nc-x.xのバージョンは任意です。

(a) 形式

SetR-ServerConfパラメーターの形式(名前空間nc-x.x部分)を次に示します。ここでは,名前空間nc-1.0を使用した形式を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ncvcl_nc xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/nc-1.0">
 <CommandList>
   <SLB>
     <SetR-ServerConf>
       <SetR-ServerConf_Work Name="ワーク名" SwitchName="スイッチ名">
         <R-ServerConf_Local>
             :
            スイッチ固有の定義内容
             :
         </R-ServerConf_Local>
       </SetR-ServerConf_Work>
     </SetR-ServerConf>
   </SLB>
 </CommandList>
</ncvcl_nc>

注※
該当するスイッチの名前空間を使用して,スイッチ固有の定義内容を指定します。

(b) パラメーターの内容

SetR-ServerConfパラメーターを構成する各パラメーター(名前空間nc-x.x部分)を次の表に示します。

表4-17 SetR-ServerConfパラメーターを構成するパラメーター(名前空間nc-x.x部分)

パラメーター定義内容説明区分
SetR-ServerConf_WorkSetR-ServerConfのワークSetR-ServerConfについて,ワークを定義します。
NameおよびSwitchNameを属性に指定します。
配下に物理サーバ構成情報を設定します。
ワークは,複数定義でき,それぞれがコマンドに対して独立しています。
必須
Nameワーク名SetR-ServerConf_Workの属性です。ワーク名を255バイト以内で定義します。使用できる文字は,半角英数字および記号です。
この属性で指定した値は,ncvclcmdコマンド実行時に,-wオプションでワーク名を指定する場合に使用します。
必須
SwitchNameスイッチ名SetR-ServerConf_Workの属性です。設定対象スイッチ名を255バイト以内で指定します。必須
R-ServerConf_Localスイッチ固有パラメーターリストSetR-ServerConf_Workの配下に指定します。
配下に各種スイッチ固有のパラメーターを複数設定できます。ただし,スイッチ固有のパラメーターは,スイッチごとに一とおりだけ設定できます。
スイッチ固有のパラメーターが複数ある場合,設定対象スイッチに対応したパラメーターが選択され,ほかの設定は無視されます。
任意
(凡例)
必須:必ず指定する。
任意:任意に指定する。
注※
文字列を指定するパラメーターの場合,XMLの文法上使用できない文字(「<」,「>」,「"」,「'」,「&」)を使用したい場合は,実体参照を使用してください。
実体参照については,「4.5(3) XMLの文法上使用できない文字を使用する場合」を参照してください。

(2) SetR-ServerConfパラメーターの内容(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

構成パラメーター定義ファイルのSetR-ServerConfパラメーターのうち,名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0を使用して定義する部分について説明します。

(a) 形式

SetR-ServerConfパラメーターの形式(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)を次に示します。ここでは,BIG-IP6400の設定をする場合の形式を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<ncvcl_nc xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/nc-1.0">
                     :
                    名前空間nc-1.0を使用した定義内容
                     :
         <R-ServerConf_Local>
           <R-ServerConf xmlns="http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/jp1cm2nc/ncvcl/namespaces/bigip6400-1.0">
             <PoolList>
               <Pool Operation="操作種別" PoolName="プール名">
                 <SLBMethod>ロードバランシング方法</SLBMethod>
                 <R-PortList>
                   <R-Port Operation="操作種別" R-IPaddr="IPアドレス" R-PortNum="ポート番号">
                     <R-Ratio>ウェイト</R-Ratio>
                     <R-PortStatus>物理サーバポートの状態</R-PortStatus>
                   </R-Port>
                 </R-PortList>
               </Pool>
             </PoolList>
           </R-ServerConf>
         </R-ServerConf_Local>
                     :
                    名前空間nc-1.0を使用した定義内容
                     :
</ncvcl_nc>

注※
BIG-IP1500またはBIG-IP6400固有の定義内容を指定するために,名前空間bs1500-1.0またはbs6400-1.0を指定します。

(b) パラメーターの内容

SetR-ServerConfパラメーターを構成する各パラメーター(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)を次の表に示します。

表4-18 SetR-ServerConfパラメーターを構成するパラメーター(名前空間bigip1500-1.0またはbigip6400-1.0部分)

パラメーター定義内容説明区分
R-ServerConf物理サーバ構成情報名前空間nc-1.0のR-ServerConf_Localの配下に指定します。必須
PoolListプールリストR-ServerConfの配下に指定します。
プールを複数設定できます。
任意
PoolプールPoolListの配下に指定します。
OperationおよびPoolNameを属性に指定します。
任意
Operation操作Poolの属性です。
名前空間nc-1.0のSwitchNameで指定した設定対象スイッチに対して実行するプールの操作を次の中から指定します。
  • add
    プールリストにプールを追加します。
  • change
    プールリストのプールの設定を変更します。
  • delete
    プールリストのプールを削除します。
必須
PoolNameプール名Poolの属性です。
  • Poolの属性Operationにaddを選択した場合
    新規に追加するプール名の名称を設定します。
  • Poolの属性Operationにchange,またはdeleteを選択した場合
    操作するプール名を指定します。
プール名は,1~255バイトの範囲で指定します。使用できる文字は次のとおりです。
  • 英数字
  • 「.」(ピリオド)
  • 「-」(ハイフン)
  • 「_」(アンダースコア)
文字列の最初は必ず英字で始まるように指定してください。
必須
SLBMethodロードバランシング方法Poolの配下に指定します。
ロードバランシング方法を次の中から指定します。
  • round_robin:「ラウンドロビン」
  • ratio:「比率」
  • ratio_member:「比率メンバー」
  • dynamic_ratio:「動的比率」
  • fastest:「最速」
  • fastest_member:「最速メンバー」
  • least_conn:「最少接続」
  • least_conn_member:「最少接続メンバー」
  • observed:「観測」
  • observed_member:「観測メンバー」
  • predictive:「予測」
  • predictive_member:「予測メンバー」
Poolの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを選択した場合は必須
  • changeを選択した場合は任意
  • deleteを選択した場合は指定不可
R-PortList物理サーバポートリストPoolの配下に指定します。
配下に複数の物理サーバポートを設定できます。
任意。
ただし,Poolの属性Operationにdeleteを指定した場合は,指定不可。
R-Port物理サーバポートR-PortListの配下に指定します。
Operation,R-IPaddr,R-PortNameを属性に指定します。
任意
Operation操作R-Portの属性です。
物理サーバポートへ実行する操作を次の中から指定します。
  • add
    新規物理サーバポートをプールに指定します。
  • change
    設定済み物理サーバポートの設定を変更します。
  • delete
    設定済み物理サーバポートをプールから削除します。
必須
R-IPaddrIPアドレスR-Portの属性です。
設定する物理サーバのIPアドレスを,IPv4形式(nnn.nnn.nnn.nnn)で指定します。
必須
R-PortNumポート番号R-Portの属性です。
設定する物理サーバのポートを0~65535の範囲で指定します。
すでに設定されている物理サーバポートは指定できません。
必須
R-RatioウェイトR-Portの配下に指定します。
ポートの比率のウェイト値を1~65535の範囲で指定します。
R-Portの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを選択した場合は必須
  • changeを選択した場合は任意
  • deleteを選択した場合は指定不可
R-PortStatus状態R-Portの配下に指定します。
ポートの状態を次の中から選択します。
  • enable
    該当する物理サーバポートでトラフィックを受け付けます。
  • disable
    既存の接続が完了するまで受け付けを維持しますが,新しい接続は既存セションに属するトラフィックしか受け付けません。
R-Portの属性Operationの設定によって区分が変わります。
  • addを選択した場合は必須
  • changeを選択した場合は任意
  • deleteを選択した場合は指定不可
(凡例)
必須:必ず指定する。
任意:任意に指定する。
指定不可:指定できない。