1.1 JP1/Cm2/NCとは

JP1/Cm2/NCとは,スイッチの設定,管理をサポートするプログラムです。

近年VLAN機能,サーバロードバランシング(以降SLBと略します)機能などをサポートしたスイッチの普及によって,多くの企業がそれらの機能を利用したネットワークを導入するようになりました。しかし,ネットワークの規模が大きくなればなるほど,スイッチへの設定・管理作業は,大変な手間と労力を必要とします。その理由として,次のような要因が挙げられます。

スイッチごとに仕様を理解する必要がある。
スイッチの設定は,スイッチに付属しているコンソール端末,またはリモート端末からtelnetなどを使って,物理的なネットワークを構成しているそれぞれのスイッチに,直接コマンド入力で設定するのが一般的です。しかし,スイッチの仕様はメーカーごとに大きく異なります。また,同一メーカーのスイッチであっても,異なる場合があります。したがって,スイッチを設定するためには,各スイッチの仕様を理解しておく必要があります。
ネットワークが現在どのような構成になっているか理解するために,スイッチから取得したデータを整理する必要がある。
スイッチの設定状況を知るために,通常はスイッチからデータを直接取得します。しかし,スイッチから取得できるデータは,スイッチに設定されている各情報の設定値を示すだけの情報です。表示も英数値の羅列で,読み取りやすい情報として整理されていません。ネットワークが現在どのような構成になっているか理解するためには,各スイッチから取得したデータを改めて整理する必要があります。

ネットワークの規模が大きくなり,管理するスイッチが増加すれば,スイッチの数だけ仕様を理解したり,スイッチから取得したデータを整理したりする必要があります。これらの作業に掛かる手間は膨大になり,スムーズなネットワークの運用が難しくなってしまいます。

JP1/Cm2/NCを使用すると,このような問題を解決し,スイッチを使ったネットワーク管理がスムーズになります。次の節ではJP1/Cm2/NCの特長について説明します。