3.3.6 資料採取ツールのセットアップ
資料採取ツールのセットアップについて説明します。JP1/Cm2/NCの各プログラムの使用中にトラブルが発生した場合,ログ情報などが必要になることがあります。
JP1/Cm2/NCでは,トラブルの解決に必要な情報を一括して採取するための資料採取ツール(サンプルバッチファイル)を各プログラムで提供しています。ログ情報を採取したいプログラムに対応した資料採取ツールを使用すると,必要な資料を採取できます。
トラブル発生時に採取が必要な資料については,マニュアル「JP1/Cm2/Network Element Configuration トラブルシューティング」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 資料採取の準備
- (2) 資料採取バッチファイルの設定
- (3) メモリーダンプおよびクラッシュダンプの設定
- (4) 問題レポートの採取(Windows Vista,Windows 7,Windows Server 2008,またはWindows Server 2008 R2の場合)
(1) 資料採取の準備
資料採取ツールは,JP1/Cm2/NCをインストールしたあと,別のフォルダにコピーして使用する必要があります。また,資料採取ツールの環境変数に設定されているパスを確認し,使用環境が異なる場合はパスを変更する必要があります。そのため,セットアップの時点で,トラブルの解決に必要な資料を採取できるように準備をしておいてください。
(2) 資料採取バッチファイルの設定
JP1/Cm2/NCの各プログラムは,トラブルの解決に必要な情報を採取するために,資料採取バッチファイルのサンプルを提供しています。資料採取バッチファイルを実行すると,統合トレースログファイル,hostsファイル,servicesファイル,ワトソン博士のログファイルなどを一括して採取します。資料採取バッチファイルを使用するための設定手順を次に示します。
- 必要な資料採取バッチファイルのサンプルを,任意のフォルダにコピーする。
サンプルファイルのパスを次に示します。
- JP1/Cm2/NC - Manager
- JP1/Cm2/NC - Managerインストール先フォルダ¥usertools¥ncmlog.bat(32ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - Managerインストール先フォルダ¥usertools¥ncmlog_x64.bat(64ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - View
- JP1/Cm2/NC - Viewインストール先フォルダ¥usertools¥ncvlog.bat(32ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - Viewインストール先フォルダ¥usertools¥ncvlog_x64.bat(64ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for AX Series
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for AXインストール先フォルダ¥usertools¥ncaaxlog.bat
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for BS Series
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for BSインストール先フォルダ¥usertools¥ncabslog.bat(32ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for BSインストール先フォルダ¥usertools¥ncabslog_x64.bat(64ビット版OSの場合)
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for Cisco Switch
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for CSインストール先フォルダ¥usertools¥ncacslog.bat
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for F5 Load Balancer
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for BIインストール先フォルダ¥usertools¥ncabilog.bat
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for GS Series
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for GSインストール先フォルダ¥usertools¥ncagslog.bat
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for HA8000-ie/Loadflowbal
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for LFインストール先フォルダ¥usertools¥ncalflog.bat
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for System Traffic Manager
- JP1/Cm2/NC - Adaptor for STインストール先フォルダ¥usertools¥ncastlog.bat
- エディターなどを使用して,コピーしたバッチファイルを編集し,任意のファイル名に変更する。
バッチファイルには,次の表に示す値が環境変数のデフォルトとして設定されています。使用環境が異なる場合は変更してください。
表3-7 資料採取バッチファイルの環境変数のデフォルト値
採取するログの種類 | デフォルト値 |
---|
JP1/Cm2/NC - Managerのログ | @set INST_DIR_NC_M=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥manager |
JP1/Cm2/NC - Viewのログ | @set INST_DIR_NC_V=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥view |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for AX Seriesのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorax |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for BS Seriesのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorbs |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for Cisco Switchのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorcs |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for F5 Load Balancerのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorbi |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for GS Seriesのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorgs |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for HA8000-ie/Loadflowbalのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorlf |
JP1/Cm2/NC - Adaptor for System Traffic Managerのログ | @set INST_DIR_NC_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1Cm2NC¥adaptorst |
HNTRLib2 | @set INST_DIR_HNTRLIB2=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥HNTRLib2 |
ワトソン博士のログ※ | - Windows 2000の場合
- @set LOG_DIR_DRWTSN=%ALLUSERSPROFILE%¥Documents¥DrWatson
- Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 R2の場合
- @set LOG_DIR_DRWTSN=%ALLUSERSPROFILE%¥Application Data¥Microsoft¥DrWatson
|
注※ Windows Vista,Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Server 2008 R2の場合,ワトソン博士のログは取得できません。
- hostsファイルまたはservicesファイルを採取しない場合は,次の行の行頭に「REM」を記述し,コメント行にする。
xcopy /C "%ETC_DIR%Hosts" "%sys_dir%" >> "%log_dir%¥NULL" 2>&1
xcopy /C "%ETC_DIR%Services" "%sys_dir%" >> "%log_dir%¥NULL" 2>&1
なお,ネットワークに関するトラブルの場合は,トラブル解析時にhostsファイルまたはservicesファイルが必要になることがあります。
また,トラブルが発生した場合にメモリーダンプおよびクラッシュダンプ(トラブル時のデバッグ情報を書き出したファイル)が必要となることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめメモリーダンプおよびクラッシュダンプが出力されるように,次の設定をしてください。
(3) メモリーダンプおよびクラッシュダンプの設定
メモリーダンプおよびクラッシュダンプを出力するための設定を次に示します。
(a) メモリーダンプの出力設定
- Windows 2000の場合
- コントロールパネルから[システム]をダブルクリックする。
[システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
- [詳細]ページの[起動/回復]ボタンをクリックする。
[起動/回復]ダイアログボックスが表示されます。
- [デバッグ情報の書き込み]で,プルダウンメニューから[完全メモリ ダンプ]を選択し,[ダンプファイル]に出力先のファイル名を指定する。
- Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 R2の場合
- コントロールパネルから[システム]をダブルクリックする。
[システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
- [詳細]ページの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
[起動と回復]ダイアログボックスが表示されます。
- [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択する。
- [ダンプファイル]に出力先のファイル名を指定する。
- Windows Vista,Windows 7,Windows Server 2008,またはWindows Server 2008 R2の場合
- コントロールパネルから[システム]をダブルクリックする。
[システム]ウィンドウが起動されます。
- [タスク]フィールドの[システムの詳細設定]を選択する。
- [詳細]ページの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
[起動と回復]ダイアログボックスが表示されます。
- [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択する。
- [ダンプファイル]に出力先のファイル名を指定する。
- 注意
- メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細については,Windowsのヘルプの「STOPエラー」の項目を参照してください。
(b) クラッシュダンプの出力設定(Windows 2000,Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 R2場合)
- Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスが表示されます。
- [名前]に「drwtsn32」を入力して,[OK]ボタンをクリックする。
Windows 2000の場合,[Windows 2000 ワトソン博士]ダイアログボックスが,Windows XP,Windows Server 2003,またはWindows Server 2003 R2の場合,[Windows ワトソン博士]ダイアログボックスが表示されます。
- [クラッシュ ダンプ]に出力先のファイルを指定する。
- [オプション]の[クラッシュ ダンプ ファイルの作成]をチェックする。
- [OK]ボタンをクリックする。
- 注意
- クラッシュダンプには,JP1だけでなくほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。
(4) 問題レポートの採取(Windows Vista,Windows 7,Windows Server 2008,またはWindows Server 2008 R2の場合)
JP1/Cm2/NCのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,問題レポートを次の手順で採取してください。
- Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスが表示されます。
- [名前]に「wercon」を入力して,[OK]ボタンをクリックする。
[問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが表示されます。
- [問題の履歴の表示]をクリックする。
問題の履歴が一覧で表示されます。
- 該当する問題をダブルクリックする。
問題レポートの詳細が表示されます。
- [クリップボードにコピー]を選択する。
- テキストエディタなどにコピーして保存する。