ログは異常が発生した場合に,その原因を調査するためにシステム管理者が使用します。拡張MIB定義機能を使用している場合はMIB取得時に実行しているコマンドのトレースを出力して問題個所の特定に使用します。
マスターエージェントおよびサブエージェントは,デフォルトで次の内容でログを常時出力します。
なお,取得するログの種類,ログの出力先およびログのファイルサイズと面数は,次の方法で変更できます。
(1) ログの種類
取得するログの種類は,ログマスクによって選択できます。ログマスクは,ログの取得内容の種類を特定するものです。
マスターエージェントとサブエージェントとでは,ログマスクは異なります。マスターエージェントのログマスクを次の表に示します。
表6-1 マスターエージェントのログマスク
ログマスク(snmpdm -mで指定する値) | 意味 | ||
---|---|---|---|
文字列 | 10進数 | 16進数 | |
- | 0 | 0x | ログの抑止 |
FACTORY_TRACE | 8388608 | 0x00800000 | トレースログの出力 |
FACTORY_WARN | 268435456 | 0x10000000 | 警告ログの出力 |
FACTORY_ERROR | 536870912 | 0x20000000 | エラーログの出力 |
マスターエージェントは,ログマスクの指定を省略すると,ログマスク値にはエラーログと警告ログとを加算した値が設定されます。
マスターエージェントのログを変更するには,現在稼働中のマスターエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。
/usr/sbin/snmpdm -m 8388608
複数のログマスクを指定したい場合に,10進数,16進数を指定するとき,それぞれのログマスク値を加算した値を指定してください。文字列で指定するときは,-mに続けて文字列を指定してください。例を次に示します。
/usr/sbin/snmpdm -m FACTORY_TRACE FACTORY_WARN FACTORY_ERROR
-mオプションを文字列で指定する場合で,ほかのオプションと組み合わせて指定するとき,-mオプションは最後に指定してください。
サブエージェントのログマスク値を次の表に示します。
表6-2 サブエージェントのログマスク値
ログマスク(各サブエージェントの コマンドのオプションとして指定) | 意味 |
---|---|
-aperror | エラーログ |
-apwarn | エラー,および警告 |
-aptrace | トレース |
-apconfig | 構成ファイル |
-appacket | パケットの組み立て,および解析 |
-aptrap | トラップメッセージ |
-apaccess | エージェント処理 |
-apemanate | マスターエージェント・サブエージェント |
-apverbose | 冗長ログ |
-apuser | ユーザーログ |
-apall | すべてのログ |
サブエージェントは,ログマスクの指定を省略するとログを取得しません。サブエージェントのログを取得するには,現在稼働中のサブエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。
/usr/sbin/extsubagt -aperror
複数のログマスクを指定する場合は,指定したいログマスク値を続けて指定します。例を次に示します。
/usr/sbin/extsubagt -aperror -apwarn -aptrace
(2) ログの出力先
ログの出力先はsnmpdmプロセスの環境変数定義ファイル(SnmpMaster)のSR_LOG_DIR環境変数で変更できます。なお,ファイル名はsnmpd.lognで固定です。変更はできません。
SR_LOG_DIR環境変数については,「5. コマンド」の「snmpdm」を参照してください。
ログの出力先を変更する手順を次に示します。
また,資料採取コマンドのjp1esalog.sh.defは,デフォルトでは/var/adm/snmpd.lognを収集する設定になっています。jp1esalog.sh.defコマンド実行でのログ出力先を変更したい場合は,viエディタなどを使用してログの出力先を変更します。jp1esalog.sh.defコマンドの編集例を次に示します。
COLFILE="$COLFILE ./var/adm/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt" |
COLFILE="$COLFILE ./tmp/esalog/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt" |
jp1esalog.sh.defコマンドを編集する前に,jp1esalog.sh.defコマンドのバックアップを必ず取得してください。
(3) ログファイルの面数とサイズ
ログファイルの面数とサイズは次の環境変数で変更できます。
ログファイルの面数とサイズを変更する手順を次に示します。
注※ 手順2.と手順3.はどちらを先に操作してもかまいません。
(4) 注意事項