2.5.1 ネイティブエージェントアダプターの機能

ネイティブエージェントアダプターは,ネイティブエージェントとSNMPエージェントを接続するためのアダプター機能です。この機能を使用すると,ネイティブエージェントが提供するMIBオブジェクトと,mib-2配下にあるsystemおよびsnmp以外のグループのMIBもSNMPを通じて取得できます。ネイティブエージェントアダプターとネイティブエージェントの間は,SNMPv1で通信します。

ネイティブエージェントから取得するMIBグループの一覧を次の表に示します。

表2-3 ネイティブエージェントから取得するMIBグループの一覧

MIBグループ名称MIBオブジェクトread/write適用OS
SolarisAIXLinux,
Linux (IPF)
interfaces.1.3.6.1.2.1.2read
at.1.3.6.1.2.1.3read
ip.1.3.6.1.2.1.4read
icmp.1.3.6.1.2.1.5read
tcp.1.3.6.1.2.1.6read
udp.1.3.6.1.2.1.7read
host.1.3.6.1.2.1.25read
(凡例)
○:取得できる。
-:取得できない。

ネイティブエージェントアダプターの動作を次の図に示します。

図2-3 ネイティブエージェントアダプターの動作

[図データ]

注※1 マスターエージェントがSNMP要求受信用ポートとして,次のUDPポートをバインドして起動します。
  • Solaris,AIXの場合:UDPポート161
  • Linux,Linux (IPF)の場合:UDPポート22161
注※2 ネイティブエージェントがSNMP要求受信用ポートとして,次のUDPポートをバインドして起動します。
  • Solaris,AIXの場合:UDPポート8161
  • Linux,Linux (IPF)の場合:UDPポート161

次に,ネイティブエージェントアダプターの起動時,およびNNMまたはNNMiからのSNMP要求時の動作について説明します。なお,動作の番号は図2-3での番号を示します。

ネイティブエージェントアダプター起動時の動作
  1. ネイティブエージェントアダプターは起動時にnaa.cnf定義ファイルを読み込みます。
  2. ネイティブエージェントアダプターは,naa.cnf定義ファイルに指定されたMIBオブジェクトを,ネイティブエージェントアダプターが処理するMIBオブジェクトとして,マスターエージェントに登録します。
NNMまたはNNMiからのSNMP要求時の動作
  1. NNMまたはNNMiからnaa.cnf定義ファイルに定義したMIBオブジェクトについてのSNMP要求が送信されます。
  2. マスターエージェントは,MIB値操作要求(リクエスト)をネイティブエージェントアダプターに配信します。
  3. ネイティブエージェントアダプターは,SNMP要求をSNMPパケットに再構築して,UDPポート(Solaris,AIXの場合は8161,Linux,Linux (IPF)の場合は161)に送信します。UDPポートに送信された要求はネイティブエージェントに受信されます。
  4. ネイティブエージェントはSNMP応答をネイティブエージェントアダプターに送信します。ネイティブエージェントにとっては,ネイティブエージェントアダプターはSNMPマネージャーのように働きます。
  5. ネイティブエージェントアダプターはマスターエージェントにMIB値操作応答を返します。
  6. マスターエージェントは,NNMまたはNNMiにSNMP応答を返します。

ネイティブエージェントアダプターの対象となるネイティブエージェントを次の表に示します。

表2-4 ネイティブエージェントアダプターの対象となるネイティブエージェント

適用OS対象となるネイティブエージェント
Solaris 9/usr/lib/snmp/snmpdx
Solaris 10/usr/sfw/sbin/snmpd
/usr/lib/snmp/snmpdx
AIX/usr/sbin/snmpd
Linux,Linux (IPF)/usr/sbin/snmpd
注※
Linux,Linux (IPF)では,ネイティブエージェントは,CD-ROMで提供されているか,OSインストール時にインストールするかを選択できます。