SNMPエージェントのマスターエージェントやサブエージェントは,通常,システムの起動とともに自動的に起動されます。システムの起動時に実行されるファイルについては,「(5) システムの起動時に実行されるファイル」を参照してください。
手動で起動する場合は,スーパーユーザーでsnmpstartコマンドを実行します。snmpstartコマンドの詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「snmpstart」を参照してください。
SNMPエージェントの各プロセスはインストール時のデフォルトの状態で動作できますが,SNMPエージェントが提供するプロセスの起動オプションおよび環境変数の定義をご使用の環境に合わせて設定することもできます。
次に,SNMPエージェントが提供するプロセスの起動オプションおよび環境変数の定義を常に有効にするための設定(カスタマイズ)について説明します。
(1) プロセスの起動オプションのカスタマイズおよび環境変数の定義
SNMPエージェントを構成するエージェントは,そのエージェントのプロセスの起動オプションおよび環境変数を定義するファイル(環境変数定義ファイル)を持っています。プロセスの起動オプションおよび環境変数の定義は環境変数定義ファイルに設定します。なお,プロセスの起動オプションは環境変数で指定します。そのため,特に断りがない場合,環境変数にプロセスの起動オプションを含みます。
環境変数定義ファイルに設定した環境変数の値は,SNMPエージェント起動時に有効になります。
次に,環境変数定義ファイルの設定手順を示します。
SNMPエージェントの各プロセスの環境変数の詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」を参照してください。
(2) SNMPエージェントが提供する環境変数定義ファイル
SNMPエージェントはプロセスの環境変数定義ファイルを提供しています。プロセスの環境変数定義ファイル,およびそのファイルのディレクトリ名を次の表に示します。
表3-1 SNMPエージェントが提供するプロセスの環境変数定義ファイル
SNMPエージェントが提供するプロセス | ファイル名 | ディレクトリ名 |
---|---|---|
snmpdm | SnmpMaster |
|
extsubagt | SnmpExtAgt | |
hp_unixagt | SnmpHpunix | |
htc_unixagt1 | SnmpHtcunix1 | |
htc_unixagt2 | SnmpHtcunix2 | |
htc_unixagt3 | SnmpHtcunix3 | |
htc_monagt1 | SnmpHtcMonagt1 | |
naaagt | SnmpNaa | |
trapdestagt | SnmpTrpDst |
(3) 環境変数定義ファイルで指定できる起動オプション
プロセスの起動オプションは起動オプション環境変数で指定してください。プロセスの起動オプション環境変数とその環境変数で指定できるオプションを,次の表に示します。
表3-2 プロセスの起動オプションを指定する環境変数と指定できるオプション
SNMPエージェントが提供するプロセス | 起動オプション環境変数 | 指定できるオプション※ |
---|---|---|
snmpdm | SNMP_MASTER_OPTIONS | -aperror,-apwarm,-apverbose,-authfail,-Contact,-hexdump,-Location,-mask,-sysDescr,-tcplocal,-vbdump |
extsubagt | SNMP_EXTAGT_OPTIONS | -e,-E,-aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry,-fcmdguard,-pipeguard,-invokeid |
hp_unixagt | SNMP_HPUNIX_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry |
htc_unixagt1 | SNMP_HTCUNIX1_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry |
htc_unixagt2 | SNMP_HTCUNIX2_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry |
htc_unixagt3 | SNMP_HTCUNIX3_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry |
htc_monagt1 | SNMP_HTCMONAGT1_OPTIONS | -i,-t,-s,-d |
naaagt | SNMP_NAA_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-port,-readcomm,-writecomm,-timeout |
trapdestagt | SNMP_TRAPDEST_OPTIONS | -aperror,-apwarn,-apconfig,-appacket,-aptrap,-apaccess,-apemanate,-apverbose,-apuser,-retry |
注※ プロセスの起動オプションの詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」を参照してください。なお,snmpdmプロセスの起動オプション環境変数SNMP_MASTER_OPTIONSで指定できる-aperrorオプションおよび-apwarmオプションは,それぞれsnmpdmプロセスの-maskオプションのログマスク値(FACTORY_WARN,FACTORY_ERROR)に対応します。
extsubagtプロセスの起動オプションを常に有効にするための設定例を次に示します。
SNMP_EXTAGT_OPTIONS="-fcmdguard 15 -pipeguard 25 -invokeid"
export SNMP_EXTAGT_OPTIONS
これ以降,システムの起動時または/opt/CM2/ESA/bin/snmpstartを実行すると,このオプションが有効となります。
(4) プロセスで指定できる環境変数
SNMPエージェントが提供するプロセスの環境変数定義ファイルには,次の表に示す環境変数が指定できます。なお,プロセスの起動オプション環境変数については,表3-2を参照してください。
表3-3 環境変数定義ファイルに指定できる環境変数
SNMPエージェントが提供するプロセス | 指定できる環境変数※ |
---|---|
snmpdm | SR_SNMP_TEST_PORT SNMP_HTC_AUTH_LOG SR_TRAP_TEST_PORT SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT |
extsubagt | SR_SNMP_TEST_PORT |
hp_unixagt | SR_SNMP_TEST_PORT SNMP_HTC_SOLARIS_SWAP_RESERVED(Solarisの場合) SNMP_HTC_AIX_EXCEPT_FILECACHE(AIXの場合) |
htc_unixagt1 | SR_SNMP_TEST_PORT SNMP_HTC_FILE_EXTEND |
htc_unixagt2 | SR_SNMP_TEST_PORT |
htc_unixagt3 | SR_SNMP_TEST_PORT |
htc_monagt1 | SNMP_HTCMONAGT1_START SNMP_HTC_AIX_CPU_SMT(AIXの場合) |
naaagt | SR_SNMP_TEST_PORT |
trapdestagt | SR_SNMP_TEST_PORT |
注※ 環境変数の詳細については,「5. コマンドとプロセス」の「プロセス」の「外部への影響」の説明を参照してください。
(5) システムの起動時に実行されるファイル
システムの起動時に実行されるファイルを,OS別に次に示します。