JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent
SNMPエージェントはクラスタ環境での運用に対応しています。
運用管理サーバでは,主系,従系のサーバを,個々のサーバ(ノード)として管理します。したがって,SNMPエージェントは主系と従系を常に起動させておき,フェールオーバに対応した設定をする必要はありません。
なお,SNMPエージェントをクラスタシステムで運用するためには,次の設定が必要です。
- 共有ディスクの監視に必要な設定(Linux,Linux(IPF)の場合)
SNMPエージェントをクラスタシステムにインストールした場合に,監視マネージャーから共有ディスクのファイルシステム情報が取得できないときがあります。原因は,対象となるファイルシステムが/etc/fstabに記載されていないためです。これは,SNMPエージェントはファイルシステム情報の取得にOSのシステムコールを使用していますが,このシステムコールは/etc/fstabに記載されているファイルシステムだけを対象としているためです。この対策としては,/etc/fstabに共有ディスクのファイルシステム情報を追加します。
- SNMPエージェントは,共有ディスクを監視するにあたり,/etc/fstabに記述された共有ディスクのフィールドのうち,第1フィールド(ブロックスペシャルデバイス)と第2フィールド(マウントポイント)のみを意識しており,その他のフィールドの設定値について,設定値が何であるかは意識していません。
- そのため,/etc/fstabに記述された共有ディスクの他のフィールド部分に関して具体的な設定方法や設定値は,ご使用のクラスタソフトおよびOSのドキュメントを参照してください。
- 例えば,ご使用のクラスタ管理ソフトがHAモニタの場合で,共有ディスクのマウントポイントが/mnt/testであり,その共有ディスクを制御する際の要件として,OS起動時などに共有ディスクが自動マウントされないようにする場合の,/etc/fstabの設定例を以下に示します。
- (設定例)
/dev/sdb1 /mnt/test ext3 defaults,noauto 0 0- 上記は,HAモニタを使用している場合の設定例になります。設定を行う際は,HAモニタのマニュアルおよびリリースノートをご確認頂き,設定を行ってください。
- その他のクラスタソフトを使用している場合は,ご使用のクラスタソフトやOS環境の要件に合わせて適切な設定を行ってください。
- 不正な共有ディスク容量の応答抑止の設定(AIX,Linux,Linux (IPF)の場合)
SNMPエージェントは共有ディスクがアンマウントされている状態で,MIB取得要求を受けると,不正な共有ディスク容量を応答します。その抑止のため,/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの設定が必要です。/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの設定に関する詳細につきましては「4.3.2 日立企業固有MIBオブジェクトの内容」の「(20) fileSystem64グループ」を参照してください。
次に/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの記述例を示します。
- (例)
- 記述例は,共有ディスク:/mnt/test,ファイル:esatestになります。
check: /mnt/test esatest- PowerHA(HACMP)を使用する際の設定
SNMPエージェントをPowerHA(HACMP)環境で動作させる場合には,SNMPエージェントのSNMPリクエスト受信ポートを161/udpから空いているUDPポートに変更して,AIXが提供するsnmpdプロセスが161/udpを使用するように設定してください。
変更の理由としては,PowerHA(HACMP)環境下ではAIXが提供するプロセスがSNMP Requestを使用して情報の交換をしているためです。
以下の例では,SNMPエージェントのSNMP受信ポートを8161/udpに変更しています。
- (1)NNMiまたはNNMのSNMPリクエストポートの変更
- SNMPリクエストポートの変更については,NNMiをご使用の場合はNNMiのヘルプを,またNNMをご使用の場合はNNMのヘルプを参照して下さい。
- (2)SNMPエージェントのSNMP受信ポートの変更
- 以下の作業をスーパーユーザーで実行します。
- 1. SNMPエージェントを停止します。
- /usr/CM2/ESA/bin/snmpstopを実行します。
- 2. AIXの提供するsnmpdのSNMP受信ポートの変更
- ・AIX 5L V5.3/V6.1でネイティブエージェントがSNMP v1エージェントの場合
- /etc/servicesファイルのsnmp列の値が161/udpになっているのを確認してください。161/udp以外の場合は変更してください。
- ・AIX 5L V5.3/V6.1でネイティブエージェントがSNMP v3エージェントの場合
- /usr/CM2/ESA/opt/SnmpNativeを以下のように変更してください。
- SNMP_NATIVE_OPTIONS="-p 161"
- ・/etc/environmentファイルに「SNMP_PORT=」を定義している場合は以下のように変更してください。
- SNMP_PORT=161
- 3. SNMPエージェントのSNMP受信ポートを変更します。
- 以下の例ではSNMPエージェントのSNMP受信ポートを8161/udpに変更する場合で説明します。
- ポート番号は8161/udpである必要はありません。
- スーパーユーザーで以下の作業を実行します。
- /usr/CM2/ESA/opt/SnmpMasterに次の2行を追加してください。
- SR_SNMP_TEST_PORT=8161
- export SR_SNMP_TEST_PORT
- 4. SNMPエージェントのネイティブエージェントアダプターのSNMPリクエスト送信ポート変更
- スーパーユーザーで/usr/CM2/ESA/opt/SnmpNaaファイルを編集します。
- 以下の2行をファイルの最後に追加してください。
- SNMP_NAA_OPTIONS="-port 161"
- export SNMP_NAA_OPTIONS
- 上記設定を有効にするため,以下のコマンドを実行してSNMPエージェントを起動して下さい。
- /usr/CM2/ESA/bin/snmpstart
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