2.6.3 機器の制御

機器を管理対象にすると、対象の機器を制御できるようになります。ここでは、次に示すような機器の制御について説明しています。

利用者にメッセージを通知する
コンピュータの利用者に個別にメッセージを通知できます。複数のコンピュータを指定して、一斉にメッセージを通知することもできます。
コンピュータのネットワーク接続を制御する
コンピュータのネットワークの接続可否を設定できます。
利用者情報を取得する
利用者のコンピュータに[利用者情報の入力]画面を表示させて、利用者が入力した情報を取得できます。
コンピュータの電源を制御する
コンピュータの電源をON/OFFにしたり、再起動したりできます。
最新の機器情報を取得する
任意のタイミングで最新の機器情報を取得できます。
使用禁止ソフトウェアを設定する
コンピュータにインストールされているソフトウェアを確認して、使用禁止ソフトウェアとして設定できます。使用禁止ソフトウェアを設定することで、セキュリティ画面でソフトウェアの利用状況についての危険レベルを確認できるようになります。また、ソフトウェアの使用を抑止したり、アンインストールしたりもできます。
コンピュータからソフトウェアをアンインストールする
コンピュータにインストールされているソフトウェアを確認して、アンインストールできます。
コンピュータをリモートコントロールする
離れた場所にあるコンピュータに接続して、呼び出したコンピュータの画面に対して操作できます。
スマートデバイスを制御する
管理対象のスマートデバイスに対して、スマートデバイスのロック、パスコードのリセット、初期化を実行できます。
この項の構成
(1) 電源制御の条件
(2) AMTを利用するための前提条件

(1) 電源制御の条件

コンピュータの電源を制御するための条件について説明します。

コンピュータの電源をONにするための条件

機器情報の「AMTファームウェアバージョン」の値がある場合はAMTを利用して、値がない場合はWake on LANを利用して電源をONにします。コンピュータの電源をONにするためには、次の条件を満たすようにしてください。

注意
無線LAN環境の場合、コンピュータの電源をONにできません。
管理用サーバ側の条件
AMTを利用する場合
  • 設定画面の[機器]-[AMT の設定]画面で、接続先のAMTのユーザーIDとパスワードを登録している。
  • AMTで使用する16992ポートで通信できる。
Wake on LANを利用する場合
  • 特になし。
コンピュータ側の条件
AMTを利用する場合
  • 対象のコンピュータにエージェントが導入されている。
  • AMTをサポートしている。
    対象のコンピュータがAMTをサポートしているかどうかは、収集した機器情報の「AMTファームウェアバージョン」の値が表示されるかどうかで確認できます。
  • BIOSの設定で、AMTにアクセスするためのユーザー名とパスワードが設定されている。
  • AMTで使用する16992ポートで通信できる。
参考
エージェント導入済みのコンピュータの場合、エージェント設定からAMTの設定ができます。各コンピュータのBIOSを操作する手間を軽減できます。
参考
AMTのユーザーIDとパスワードは管理用サーバに一つだけ登録できます。そのため、AMTを利用して電源操作するときは、すべてのコンピュータでAMTのIDとパスワードを統一しておく必要があります。
Wake on LANを利用する場合
  • 対象のコンピュータにエージェントが導入されている。
  • Wake on LANをサポートしている。
  • Wake on LANでMagic Packetの設定を有効にしている。

コンピュータの電源をOFFにするための条件

コンピュータの電源をOFFにするためには、次の条件を満たすようにしてください。

管理用サーバ側の条件
特になし。
コンピュータ側の条件
エージェントがインストールされている。

コンピュータの電源をOFFにする場合、コンピュータ側で[コンピュータのシャットダウン]ダイアログが表示されます。

[図]

利用者がダイアログを操作しない場合、ダイアログが表示されてから180秒後に自動でシャットダウンされます。ただし、次に示す状態の場合はシャットダウンされません。

なお、コンピュータがOSにログオンする前の状態のときは、[コンピュータのシャットダウン]ダイアログは表示されないでシャットダウンされます。

コンピュータを再起動するための条件

コンピュータを再起動するためには、次の条件を満たすようにしてください。

管理用サーバ側の条件
特になし。
コンピュータ側の条件
エージェントがインストールされている。

コンピュータを再起動する場合、コンピュータ側で[コンピュータの再起動]ダイアログが表示されます。

利用者がダイアログを操作しない場合、ダイアログが表示されてから180秒後に自動で再起動されます。ただし、次に示す状態の場合は再起動されません。

なお、コンピュータがOSにログオンする前の状態のときは、[コンピュータの再起動]ダイアログは表示されないで再起動されます。

(2) AMTを利用するための前提条件

利用する機能に応じて、対象のコンピュータに必要なAMTのバージョンが異なります。

AMTを利用する場合に必要なバージョンを次の表に示します。

機能説明必要なAMTのバージョン
コンピュータの電源制御接続先のコンピュータの電源を制御します。2.0以降
AMTファームウェアバージョンの取得AMTのバージョンを機器情報として取得できます。
IDEリダイレクションの利用リモートコントロール時にリモートCD-ROM機能を利用できます。
RFBでの接続によるリモートコントロールの使用RFB接続でリモートコントロールを使用します。6.0以降
AMTの設定IDEリダイレクションの有効化AMTのIDEリダイレクション機能を使用できるようにします。6.1以降
リモートKVMの有効化エージェント設定で対象のコンピュータのリモートKVMを有効にして、RFB接続でリモートコントロールできるようにします。
また、対象のコンピュータをリモートコントロールするときの認証情報も設定できます。
AMTの有効化および管理者権限のパスワード設定AMTが無効の場合に有効にします。また、AMTの管理者権限(adminユーザー)のパスワードを設定します。7.0以降

また、これらの機能を利用するためには、管理用サーバで次に示す設定が必要です。

コンピュータのAMTを自動的に有効にする場合
AMTを利用した機能を使うためには、コンピュータのAMTが有効になっている必要があります。
コンピュータのAMTを自動的に有効にするには、設定画面-[AMTの設定]画面で、コンピュータのAMTに設定する管理者権限のパスワードを設定してください。
コンピュータのAMTを自動的に有効化して、管理者権限でアクセスできるようになります。
なお、コンピュータのAMTに管理者権限のパスワードが未設定の場合は、ここで設定したパスワードがAMTに登録されます。管理者権限のパスワードが登録済みの場合、パスワードは設定できません。登録済みのパスワードを指定してください。また、管理者権限のパスワードが設定済みでかつAMTが無効になっているときは、あらかじめコンピュータのAMTを有効にしておく必要があります。
AMTを利用してコンピュータの電源を制御する、およびAMTファームウェアバージョンを取得する場合
設定画面-[AMTの設定]画面で、コンピュータのAMTと通信するための認証情報([認証情報])を設定してください。
コンピュータの電源制御が実行されると、AMTが利用されるようになります。また、機器情報を取得するタイミングで、AMTのファームウェアバージョンも取得されるようになります。
RFBでの接続によるリモートコントロール、およびIDEリダイレクションを利用する場合
コンピュータのAMTでリモートKVM機能とIDEリダイレクション機能が有効になっている必要があります。
設定画面-[エージェント設定]画面からエージェント設定を編集します。このとき、[AMTの設定]で[リモートKVMを有効にする]および[IDEリダイレクションを有効にする]のチェックをオンにしてください。
コンピュータのAMTが有効な場合、エージェント設定が適用されたタイミングでAMTの設定が変更されます。コンピュータのAMTが無効な場合は、自動的に有効にする設定が必要です。
このように設定することで、リモートコントロール機能でコンピュータに接続する場合に、標準接続に失敗するとRFBで接続されるようになります。[リモートコントロール]ウィンドウの[ファイル]-[接続]メニューから接続するときは、RFBで接続するように指定できます。また、リモートコントロール中に、IDEリダイレクション機能を利用できるようになります。

関連リンク