6.4.5 配布管理機能の設定ファイルの文法
ここでは,配布管理機能の設定ファイルに指定する内容について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 形式
- (2) 説明
(1) 形式
{AdministratorId|運用管理者ユーザID}運用管理者ユーザID設定値
{PasswordForUpload|資源アップロードパスワード}資源アップロードパスワード設定値
〔{HighEndManagementHost|上位配布管理ホスト}上位配布管理ホスト設定値〕
〔{ParallelUploadWS|並行資源登録可能なWS数}並行資源登録可能なWS数設定値〕
〔{AutoAction|自動アクション}{YES|NO}〕
〔{EventType|イベント種別}IM〕
〔{OrderResultNoticeLevel|指令結果通知レベル}{N|J}〕
〔{OrderResultNoticeKind|指令結果通知種別}{N|C|E|I}〕
〔{IDDeliveryResult|id配布結果}{ALL|ERROR|NONE}〕
〔{ClientActionProtocol|クライアント起動通信種別}{UDP|TCP}〕
〔{ClientActionRetryCount|起動失敗リトライ回数}リトライ回数〕
〔{ClientActionRetryInterval|起動失敗リトライ間隔}リトライ間隔〕
〔{SystemLogOutputLevel|システムログ出力レベル}{0|1|2|3}〕
〔{MaxEntryofMessage|メッセージログファイルの上限数}メッセージログファイルの上限数〕
〔{FileTransferSleepTime|ファイル転送休止時間}ファイル転送休止時間〕
〔{FileTransferSleepInterval|ファイル転送休止間隔}ファイル転送休止間隔〕
(2) 説明
- {AdministratorId|運用管理者ユーザID}運用管理者ユーザID設定値 ~<システムの制限値内>((システムの制限値内))
- 運用管理をするユーザのログイン名を指定します。このIDは,資源格納庫へのアクセス権,および配布管理機能の運用コマンドの使用権を持ちます。また,このIDは配布管理機能全体を管理します。配布管理機能では,指定されたログイン名のユーザIDを使用して,運用管理者の認証をします。ただし,運用操作をするユーザがスーパユーザの権限を持つ場合は,すべての操作ができます。指定したログイン名のユーザIDがほかのログイン名のユーザIDと重複していた場合は,同じユーザIDを持つログイン名はすべて運用操作できます。
- {PasswordForUpload|資源アップロードパスワード}資源アップロードパスワード設定値 ~<半角英数字>((8けた以内))
- JP1/NETM/DM Clientのパッケージングコマンド,または配布管理機能のパッケージング関数の引数で指定するパスワードを指定します。なお,配布管理機能が階層ネットワーク構成で動作する場合,上位配布管理システムで設定する次のパスワードと同じものを指定します。
上位配布管理システム | パスワード |
---|
UNIX版JP1/NETM/DM Manager | 設定ファイルのPasswordForUpload(資源アップロードパスワード)に設定したパスワード |
Windows版JP1/NETM/DM Manager | 管理ファイルをリレーショナルデータベース化している場合に設定したパスワード |
- {HighEndManagementHost|上位配布管理ホスト}上位配布管理ホスト設定値 ~<システムの制限値内>((システムの制限値内))
- 配布管理機能の配布実行状態を上位配布管理システムに通知する場合に,上位配布管理システムを定義したホストファイル名を指定します。設定ファイルの属性名「ManagingHost」で設定したシステムへ通知する場合には,「NETMDMHOST」を指定します。
- 上位配布管理システムがDNSに対応してホスト名を変更した場合は,合わせて変更する必要があります。
- この属性を省略すると,上位配布管理システムへの通知はしません。また,この属性に自ホスト名は設定できません。
- {ParallelUploadWS|並行資源登録可能なWS数}並行資源登録可能なWS数設定値 ~<半角数字>((1~9999))≪2≫
- 配布管理機能に対し,並行してパッケージングできるシステムの数を指定します。この属性はネットワーク内の転送データ量を制限するためのものです。ネットワーク構成機器の性能を考慮し,適切な値を設定する必要があります。
- {AutoAction|自動アクション} ~((YES|NO))≪NO≫
- 障害発生時などに,JP1/Baseに対してJP1イベントを通知するかどうかを指定します。JP1イベントを使用した自動アクションなどの運用については,「8. JP1/IM - Managerを使用したJP1イベントの処理」を参照してください。
- YES
- JP1イベントを通知します。
- NO
- JP1イベントを通知しません。
- {EventType|イベント種別} IM
- 発行するJP1イベントの種類として,「IM」を指定します。
- {OrderResultNoticeLevel|指令結果通知レベル}~ {N|J}≪N≫
- JP1/IM - ManagerまたはJP1/IM - Consoleに指令の処理結果を通知するかどうかを指定します。
- N
- 通知しません。
- J
- 通知します。
- Jを指定する場合,JP1/IM - ManagerまたはJP1/IM - Console,およびJP1/Baseの設定が必要です。
- {OrderResultNoticeKind|指令結果通知種別}~{N|C|E|I}≪N≫
- 指令結果通知レベルにJを指定する場合,通知したい処理結果の種別を指定します。N以外の値は複数組み合わせて指定できます。この項目は,「指令結果通知レベル(OrderResultNoticeLevel)」にNを指定した場合,無効になります。
- N
- 通知しません。
- C
- 「実行完了(COMPLETE)」の場合に通知します。
- E
- 「実行失敗(ERROR)」の場合に通知します。
- I
- 組み込みタイミングに起動時,または停止時を指定した指令の結果が「組み込み待ち(INS-WAIT)」になったときに通知します。
- {IDDeliveryResult|id配布結果}~{ALL|ERROR|NONE}≪ERROR≫
- グループidを指定した配布指令の実行完了時に,配布指令を実行管理ファイルに保持するかどうかを指定します。
- ALL
- すべての指令を保持します。
- ERROR
- エラーとなった指令だけを保持します。
- NONE
- すべての指令を削除します。
- {ClientActionProtocol|クライアント起動通信種別}~{UDP|TCP}≪UDP≫
- 配布先システムに実行を指示する場合に使用する通信プロトコルを指定します。
- システム構成にファイアウォールが存在する場合は,TCPを指定してください。
- {ClientActionRetryCount|起動失敗リトライ回数}リトライ回数 ~((1~9))≪3≫
- 配布先システムへの実行指示に失敗した場合に,リトライする回数を指定します。この指定値は,「クライアント起動種別(ClientActionProtocol)」に,TCPを指定した場合に有効となります。
- {ClientActionRetryInterval|起動失敗リトライ間隔}リトライ間隔 ~((10~1800))≪300≫(単位:秒)
- 配布先システムへの実行指示に失敗した場合に,リトライする時間間隔を指定します。この指定値は,「クライアント起動種別(ClientActionProtocol)」に,TCPを指定した場合に有効となります。
- {SystemLogOutputLevel|システムログ出力レベル} ~{0|1|2|3}≪3≫
- syslogファイルに出力するメッセージの出力レベルを設定します。
- 0
- 出力しません。
- 1
- エラーメッセージおよびシステムエラーメッセージ(メッセージIDの最後の1文字がEまたはSのメッセージ)を出力します。
- 2
- エラーメッセージ,システムエラーメッセージ,および警告メッセージ(メッセージIDの最後の1文字がE,S,またはWのメッセージ)を出力します。
- 3
- すべてのメッセージを出力します。
- また,配布管理機能がsyslogに出力するメッセージの詳細は次のとおりです。
メッセージID | ファシリティ | レベル |
---|
KDDInnnn-E | LOG_USER | LOG_ERR |
KDDInnnn-S | LOG_USER | LOG_CRIT |
KDDInnnn-W | LOG_USER | LOG_WARNING |
KDDInnnn-I | LOG_USER | LOG_INFO |
- (凡例)
- nnnn:メッセージコードとして任意の数字が表示される。
- {MaxEntryofMessage|メッセージログファイルの上限数}メッセージログファイルの上限数 ~<符号なし整数>((300~99999))≪300≫
- メッセージログファイルに保管するメッセージ数の上限を指定します。
- 上限を前より低く設定し直す場合,メッセージログファイルは最新のメッセージから新しい設定値分までで編集されます。残したいメッセージがある場合は,不要なメッセージを削除してください。編集時には,新たに設定値分のメッセージログファイル容量が一時的に必要となります。十分な空き容量があることを確認して設定してください。
- {FileTransferSleepTime|ファイル転送休止時間}ファイル転送休止時間 ~<符号なし整数>((0~4294967295))≪0≫(単位:ミリ秒)
- ファイル転送の休止時間を設定します。単位はミリ秒です。
- この項目は,「ファイル転送休止時間の間隔(FileTransferSleepInterval)」に0以外の値を設定した場合に有効です。
- {FileTransferSleepInterval|ファイル転送休止間隔}ファイル転送休止間隔 ~<符号なし整数>((0~4294967295))≪0≫(単位:パケット)
- ファイル転送の休止間隔を設定します。単位はパケットです。
- ファイル転送は,ここで指定したパケット数ごとに,「ファイル転送休止時間(FileTransferSleepTime)」で設定した休止時間が入ります。
- この項目は,「ファイル転送休止時間(FileTransferSleepTime)」に0以外の値を設定した場合に有効です。