付録E.2 JP1/NETM/DMが提供しているテンプレート

JP1/NETM/DMでは,Windows Installerに対応したソフトウェアをサイレントインストールするために,AITファイルのテンプレートを2種類,用意しています。テンプレートはMicrosoft Office Project 2003用とMicrosoft Office 2003 Resource Kit用の2種類ですが,テンプレートをカスタマイズすれば,ほかのソフトウェアのインストールにも使えます。この2種類のテンプレートは,テンプレート中で定義されている処理が異なります。ほかのソフトウェア用にカスタマイズするときは,実行したい処理に近い方のテンプレートを使用してください。

<この項の構成>
(1) 各テンプレートの特長
(2) テンプレートの定義内容

(1) 各テンプレートの特長

2種類のテンプレートの仕様を次の表に示します。

表E-1 JP1/NETM/DMが提供する2種類のテンプレート

定義項目Microsoft Office Project 2003用
テンプレート
Microsoft Office 2003 Resource Kit用
テンプレート
パッケージ名Microsoft Office Project Standard 2003Microsoft Office 2003 Resource Kit
バージョン20032003
パッケージ識別IDMSOFFICE-2003-PROJECT-STANDARDMSOFFICE-2003-RESOURCE-KIT
インストーラ名PRJSTDE.MSIORK.MSI
テンプレートファイル名インストール先ディレクトリ¥MASTER¥DMAIT¥TEMPLATE¥OFFICE-2003¥Office2003PrjStandard.aisインストール先ディレクトリ¥MASTER¥DMAIT¥TEMPLATE¥OFFICE-2003ORK¥Office2003RKTOOLS.ais
実行するコマンドラインMSIEXEC.EXE /qn /i PRJSTDE.MSI /Lime MSIEXEC.LOG TRANSFORMS=TransformList.mst REBOOT=RMSIEXEC.EXE /qn /i OSK.MSI
テンプレートに定義されている処理
  • インストーラ画面を表示しない。
  • ログファイルを作成し,ステータスメッセージ,メモリ不足メッセージ,エラーメッセージを出力する。
  • トランスフォームを利用する。
  • インストール後に再起動しない。
  • インストーラ画面を表示しない。
  • ログファイルを作成しない。
  • トランスフォームを利用しない。
  • インストール後の再起動を抑制しない。

Microsoft Office Project 2003用テンプレートには,オプションやトランスフォームを指定してインストールするための処理が定義されています。設定を細かく定義してインストールしたい場合に向いています。

Microsoft Office 2003 Resource Kit用テンプレートには,最小限のオプションだけが定義されています。このテンプレートは,あまりカスタマイズすることなく,最小限の設定でインストールしたい場合に向いています。

(2) テンプレートの定義内容

ここでは,Microsoft Office Project 2003用のテンプレートを例に,テンプレートの定義内容をセクションごとに説明します。

(a) PACKAGE_INFOセクション

インストールするソフトウェアのパッケージ情報とセットアップに必要な情報を指定するセクションです。

別のソフトウェアをインストールする場合は,このセクションの変更が必要です。

Microsoft Office Project 2003用テンプレートのPACKAGE_INFOセクションを次に示します。左側の数字はテンプレートの先頭からの行数です。

図E-2 Microsoft Office Project 2003用テンプレートのPACKAGE_INFOセクション

[図データ]

(b) DEFINEセクション

変数や定数を定義するセクションです。このセクションには,トランスフォームのファイル名,MSIEXECコマンドに指定するオプション,インストールするソフトウェアのプロパティ名などが定義されています。これらを変更したい場合は,このセクションの変更が必要です。

Microsoft Office Project 2003用テンプレートのDEFINEセクションを次に示します。左側の数字はテンプレートの先頭からの行数です。

図E-3 Microsoft Office Project 2003用テンプレートのDEFINEセクション

[図データ]

(c) MAINセクション

インストール時に行う処理を定義するセクションです。このセクションには,Windows InstallerのMSIEXECコマンドを呼び出す処理などが定義されています。MSIEXECコマンドのコマンドラインを変更する場合には,このセクションの変更が必要です。

Microsoft Office Project 2003用テンプレートのMAINセクションを次に示します。左側の数字はテンプレートの先頭からの行数です。

図E-4 Microsoft Office Project 2003用テンプレートのMAINセクション

[図データ]

なお,AITファイルからMSIEXECコマンドを呼び出す場合,MSIEXECコマンドの実行結果を取得するために,DMPWINISコマンドを介して呼び出します。AITファイルを新しく作成する場合もMSIEXECコマンドのコマンドラインを,DMPWINISコマンドの引数として指定してください。

このスクリプトの実行結果は,保守コードおよび保守コードのユーザステータスとして返されます。このスクリプトが返す実行結果については,「付録E.7 リモートインストールの実行」を参照してください。