4.24 dcmuidi.exe(ユーザインベントリの一括入力)
(1) 機能
ローカルホスト上の配布管理システムに接続し,CSV形式ファイルで作成した複数のユーザインベントリを一括して入力します。
入力するユーザインベントリは,CSV出力ユティリティまたはdcmcsvuコマンドで,「ユーザ資産情報」テンプレートを使って出力したCSV形式ファイルを編集して作成してください。ファイル形式は,「ユーザ資産情報」テンプレートと同じになります。
CSV形式ファイルの例を次に示します。
![[図データ]](figure/com0045.gif)
コマンドを実行すると,あて先を識別する運用キーとして使用しているホスト名,IPアドレス,またはホスト識別子のどれかをキーとして,既存のユーザインベントリとCSV形式ファイルの内容が比較され,既存のユーザインベントリと一致したホストのユーザインベントリだけが入力されます。
したがって,配布管理システムのシステム構成に登録されていないホストのユーザインベントリを新規に入力することはできません。
(2) 形式
dcmuidi.exe /if 入力用のCSV形式ファイル名 [/LC {ON|OFF}]
(3) 引数
- /if
入力用のCSV形式ファイル名のフルパスを指定してください。
- /LC
タスクスケジューラやJP1/AJSを使用してコマンドをバックグラウンドサービスとして実行している場合にWindowsをログオフしても,コマンド処理を継続するかどうかを「ON」または「OFF」で指定します。
- ON
Windowsをログオフしても,コマンド処理を継続します。
- OFF
Windowsをログオフすると,コマンド処理を強制終了します。
この引数は,次に示すOSでコマンドをサービスから実行した場合に,有効となります。
- Windows 2000
- Windows XP
- Windows Server 2003(Windows Server 2003 (IPF)を除く)
コマンドプロンプトからコマンドを実行する場合は,フォアグラウンドプログラムとして実行されるため,「/LC ON」を指定しないでください。
Windowsをログオフしてもコマンド処理を継続するかどうかは,レジストリでも設定できます。レジストリでの設定については,マニュアル「構築ガイド」の「4.6 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Manager)」を参照してください。
なお,/LCでの指定と,レジストリでの設定の組み合わせで,動作が異なります。詳細については,「4.28 レジストリ設定とログオフオプションによるログオフ時のコマンドの動作」を参照してください。
(4) リターンコード
dcmuidiコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード | 意味 | 対処 |
---|
0 | 正常終了した。該当するホストが存在しなかった。またはユーザインベントリに変更がなかった。 | なし。 |
2 | コマンドの引数に不正な値が指定されている。 | コマンドの引数の設定値を確認してください。 |
3 | 配布管理システムへの接続またはアクセス時にエラーが発生した。 | 配布管理システム,データベースサーバが動作しているか,またはその設定に誤りがないか確認してください。 |
4 | 入力用のCSV形式ファイルのオープンエラーが発生した。 | ファイルのパスを確認してください。 |
12 | そのほかのエラーが発生した。 | イベントログを参照してください。 システムエラー,入力用のCSV形式ファイルに不正なデータが指定された,または処理が拒否されたなどが考えられます。 |
また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。
(5) 注意事項
dcmuidiコマンドを使ってCSV形式ファイルからユーザインベントリを入力するときの注意事項を次に示します。
- dcmuidiコマンドを使ってCSV形式ファイルからユーザインベントリを一括入力する前に,実行中の「システム情報の取得」ジョブがないことを確認してください。「システム情報の取得」ジョブの実行中にユーザインベントリを一括入力すると,「システム情報の取得」ジョブで取得した情報がデータベースに反映されることがあります。
- 配布管理システムでユーザインベントリを一括入力した場合,クライアントの情報も合わせて更新してください。クライアントの情報を更新しないと,「システム情報の取得」ジョブが実行されたとき,クライアントから収集した情報がデータベースに反映されてしまいます。
- CSV形式ファイルの入力時,次の事項はチェックされません。
- 「選択入力」項目の場合,入力した値が選択項目に含まれていること。
- テキスト入力できる文字を限定している項目の場合,入力を許可されていない文字が含まれていないこと。
- 必須入力項目の場合,値が入力されていること。
- 階層化された項目の場合,上位項目の選択項目と下位項目の選択項目が,正しく関連づけられていること。
不適当な値を入力して,クライアント側に転送した場合,クライアントユーザがユーザ情報を入力するとき,その項目は空欄になっています。階層化された項目の場合,上位項目に不適当な値が入力されていたとき,下位項目もすべて空欄になります。
- CSV形式ファイルから不要な情報を削除する場合は,行単位(クライアント単位)で削除してください。また,ホスト名称,IPアドレス,ホスト識別子の列(項目)を削除すると,エラーとなります。
(6) 実行例
入力用のCSV形式ファイルをC:¥tempフォルダ下に保存した場合,次のように指定します。
dcmuidi.exe /if C:¥temp¥dcmuidi.csv