9.7.4 JP1/NETM/DM未導入ホストの検出
(1) 検出手順
ホスト探索を実行してJP1/NETM/DM未導入ホストを検出する手順と注意事項を次に示します。
- [JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスを表示する。
- [JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスから,[ホスト探索]ダイアログボックスを表示する。
ホスト探索は,[ホスト探索]ダイアログボックスから実行します。[ホスト探索]ダイアログボックスを表示する方法,および[ホスト探索]ダイアログボックスの操作方法については,「(3) [ホスト探索]ダイアログボックスの操作」を参照してください。
- ホスト探索の詳細を設定する。
ホスト探索は,探索するネットワークの範囲や探索スケジュールを設定した「ホスト探索設定」に従って実行されます。ホスト探索設定を設定する方法については,「(4) ホスト探索の詳細設定」を参照してください。
また,探索されたホストの情報を保管しておく期間を設定できます。探索されたホストの情報を保管しておく期間の設定については,「(5) 探索結果の有効期間の設定」を参照してください。
- ホスト探索を実行する。
ホスト探索を実行する方法については,「(6) 探索の実行」を参照してください。
探索が完了すると,自動的にJP1/NETM/DM未導入ホストが検出されます。
- 検出結果を表示する。
[JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスの[最新情報]ボタンをクリックして,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果を表示してください。
JP1/NETM/DM未導入ホスト検出時の注意事項を次に示します。
- 複数のネットワークアダプタを使用しているUNIX版JP1/NETM/DMのホストは,一つのMACアドレスだけが配布管理システムに登録されます。そのため,ホストが持つほかのMACアドレスによってJP1/NETM/DM未導入ホストとして検出されてしまいます。
この場合,ほかのMACアドレスによって検出されたJP1/NETM/DM未導入ホストを検出対象外に指定して対処してください。
- 中継マネージャでJP1/NETM/DM未導入ホストを検出する場合,中継マネージャが管理しているシステム構成の範囲内でホスト探索を実行してください。中継マネージャが管理している範囲外のホストは,すべてJP1/NETM/DM未導入ホストとして検出されます。
- JP1/NETM/DM未導入ホストの検出中に,システム構成の自動登録やシステム情報の通知によって,配布管理システムにホストが新規登録された場合,新規登録されたホストが,JP1/NETM/DM未導入ホストとしても検出されてしまうときがあります。このとき,[未導入ホストを検出する]メニューから再度検出を実行してください。JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果から,配布管理システムに登録されたホストの情報が削除されます。正しく登録されているかどうかは,配布管理システムのシステム構成情報と,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果を比較して確認してください。
(2) ホストとして探索される条件
ホスト探索では,SNMPを使用して,ホスト探索設定で指定したIPアドレスの範囲内で電源がオンのホストを探索します。電源がオフのホストは探索されません。
また,ホスト探索時にはホストの情報も取得します。取得したホストの情報はJP1/NETM/DM未導入ホストの情報として管理できます。
なお,探索されるホストがSNMPをサポートしているかどうかによって,取得できるホストの情報が異なります。ホスト探索で取得できるホストの情報を次の表に示します。
表9-4 ホスト探索で取得できるホストの情報
ホストの情報 | SNMPをサポートしているホスト | SNMPをサポートしていないホスト |
---|
MACアドレス※1 | ○ | ○ |
IPアドレス | ○ | ○ |
ホスト名※2 | ○ | ○ |
サブネットマスク※3 | ○ | × |
ノード種別※4 | ○ | × |
説明※3 | ○ | × |
(凡例)○:取得できる ×:取得できない
- 注※1
- ルータがSNMPをサポートしている場合に情報を取得できます。
- 注※2
- IPアドレスからホスト名を名前解決できる場合に情報を取得できます。
- 注※3
- MIBに値が設定されている場合に情報を取得できます。
- 注※4
- 種別を判定できない場合,またはSNMPをサポートしていないホストの場合,「コンピュータ」が設定されます。
(3) [ホスト探索]ダイアログボックスの操作
[ホスト探索]ダイアログボックスでは,ホスト探索を実行したり,ホスト探索設定を追加・変更したりできます。[ホスト探索]ダイアログボックスを表示する手順を次に示します。
- [JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスの[探索/検出]ボタンをクリックする。
- 表示されるメニューの[ホスト探索画面を起動する]を選択する。
[ホスト探索]ダイアログボックスが表示されます。
図9-42 [ホスト探索]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/mnt0360.gif)
![[図データ]](figure/mnt0370.gif)
- [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスが表示され,ホスト探索設定を作成できます。
![[図データ]](figure/mnt0380.gif)
- 「ホスト探索設定」で選択している設定を削除します。
![[図データ]](figure/mnt0390.gif)
- 「ホスト探索設定」で選択している設定で,ホスト探索を開始します。
![[図データ]](figure/mnt0400.gif)
- 「ホスト探索設定」で選択した,実行中のホスト探索を停止します。
![[図データ]](figure/mnt0410.gif)
- ホスト探索の実行状況(ステータス)の表示を最新の状態に更新します。
- ホスト探索設定
- [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスで設定したホスト探索設定の内容や,ホスト探索の状況などが表示されます。[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスでの設定方法については,「(4) ホスト探索の詳細設定」を参照してください。
- また,表示されているホスト探索設定の内容を変更することもできます。ホスト探索を実行中のホスト探索設定の内容を変更する場合は,ホスト探索を停止させる必要があります。
- ホスト探索設定の内容を変更するには,変更したいホスト探索設定を選択して,[編集]-[変更]から[ホスト探索設定の変更]ダイアログボックスを表示します。[ホスト探索設定の変更]ダイアログボックスでの設定方法は,[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスでの設定方法と同様です。ただし,変更時にはホスト探索設定の「名称」は変更できません。
- 名称
- [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスで設定した,ホスト探索設定の名称です。必ず表示されます。
- IPアドレス範囲
- [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスで設定した,ホスト探索を実行するネットワークの範囲です。必ず表示されます。
- スケジュール
- [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスで設定した,ホスト探索のスケジュールです。デフォルトで表示されます。
- ステータス
- ホスト探索の実行状況です。デフォルトで表示されます。
- 実行状況は自動的に更新されます。更新の間隔は,[表示オプション]ダイアログボックスで設定できます。
- 完了数
- 「IPアドレス範囲」に含まれるIPアドレスのうち,ホスト探索を実行したIPアドレスの数です。デフォルトでは表示されません。
- 開始日時
- ホスト探索を開始した日時です。デフォルトでは表示されません。
- 終了日時
- ホスト探索が終了した日時です。デフォルトでは表示されません。
- [開始]ボタン
- 「ホスト探索設定」で選択している設定で,ホスト探索を開始します。
- [停止]ボタン
- 「ホスト探索設定」で選択した,実行中のホスト探索を停止します。
- [閉じる]ボタン
- [ホスト探索]ダイアログボックスを閉じます。
なお,「ホスト探索設定」の表示項目や,ホスト探索の実行状況(ステータス)の表示の更新間隔を変更したい場合は,[表示オプション]ダイアログボックスから設定を変更できます。
[表示オプション]ダイアログボックスは,[表示]-[表示オプション]から表示できます。
図9-43 [表示オプション]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/mnt0420.gif)
- 表示列
- 「ホスト探索設定」に表示される項目を設定します。表示したい項目はチェックボックスをオンに,非表示にしたい項目はチェックボックスをオフにしてください。
- なお,「名称」および「IPアドレス範囲」は必ず表示されます。
- デフォルトは,「スケジュール」および「ステータス」チェックボックスがオンです。
- 自動更新間隔
- 「ホスト探索設定」に表示される,探索の実行状況(ステータス)を更新する間隔を,0~60分で設定します。デフォルトは15分です。0分を指定した場合,表示は更新されません。
(4) ホスト探索の詳細設定
ホスト探索を実行するためには,ホスト探索の対象となるネットワーク上のIPアドレスの範囲や,ホスト探索の実行日時などを指定したホスト探索設定を設定する必要があります。
ホスト探索設定は,[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスで設定します。[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスを表示する方法を次に示します。
- [ホスト探索]ダイアログボックスで
をクリックする。 - [ホスト探索]ダイアログボックスで[編集]-[追加]を選択する。
[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスを次に示します。
図9-44 [ホスト探索設定の追加]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/mnt0430.gif)
- 探索設定
- ホスト探索設定の名称,およびネットワークの探索範囲を指定します。
- 名称
- ホスト探索設定の名称を半角で64文字(全角で32文字)以内で指定します。ホスト探索設定は複数追加できるため,管理しやすい名称を指定することをお勧めします。この項目は,省略することもできます。
- IPアドレス-開始(必ず指定)
- ホスト探索を実行するネットワークの範囲の,IPアドレスの開始値を指定します。
- IPアドレス-終了(必ず指定)
- ホスト探索を実行するネットワークの範囲の,IPアドレスの終了値を指定します。
- コミュニティ名(必ず指定)
- ホスト探索で使用するSNMPのコミュニティ名を255文字以内で指定します。デフォルトでは,「public」が指定されています。
- コミュニティ名は,一つのホスト探索設定につき10個まで登録できます。
- コミュニティ名を登録する場合は,[追加]ボタンをクリックして登録するコミュニティ名を指定してください。「コミュニティ名」に表示されているコミュニティ名を変更または削除する場合は,該当するコミュニティ名を選択して,[変更]ボタンまたは[削除]ボタンをクリックしてください。
- スケジュール設定
- ホスト探索をすぐに実行するか,日時を指定して実行するかを選択します。
- 即時実行
- 「即時実行」を選択した場合,[保存して開始]ボタンをクリックすると,ホスト探索設定を設定するのと同時にホスト探索を実行します。
- スケジュール実行
- 指定した日時にホスト探索を実行します。
- 「毎月」を選択した場合,「日」プルダウンリストから,ホスト探索を実行する日付を選択してください。なお,日付に「31日」を指定した場合の4月など,該当する日付がないときは,その月の最終日にホスト探索が実行されます。
- 「毎週」を選択した場合,「日」プルダウンリストから,ホスト探索を実行する曜日を選択してください。
- ホスト探索を実行する時刻は,次の範囲で指定してください。
- オプション
- ホストの情報を取得する方法を選択します。
- ホスト名を取得する
- ホスト探索でホスト名を取得する場合にチェックボックスをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオンです。
- JP1/NETM/DM未導入ホストの情報としてホスト名が不要な場合は,このチェックボックスをオフにしてください。名前解決を行わなくなるため,ホスト探索が完了する時間を短縮できるときがあります。
- なお,SNMPをサポートしているホストは,チェックボックスをオフにしていてもホスト名が取得されます。
- 情報取得範囲
- ホストの情報を取得する範囲を選択します。デフォルトは,「ルータから情報取得」です。
- ルータから情報取得
- ルータから探索できたホストに対して,SNMPを使用してホストの情報を取得します。通常は,この項目を選択することをお勧めします。
- 全端末から情報取得
- 探索範囲として指定されたIPアドレスすべてに対して,SNMPを使用してホストの情報を取得します。VPN環境など,探索経路にSNMPに応答しないルータが含まれる場合は,この項目を選択してください。また,「ルータから情報取得」を選択してホスト探索を実行した結果,実際のホスト数に比べて探索結果が少ない場合に選択してください。
- なお,指定されたIPアドレスを持つホストが存在しなかったり,ホストの電源がオフであったりしてもホストの情報の取得を試みるため,ホスト探索が完了するまでに時間が掛かります。
- 起動確認する
- 「全端末から情報取得」を選択した場合に「起動確認する」チェックボックスをオンにすると,ホストの起動を確認してから,ホストの情報の取得を試みます。
- 探索範囲として指定されたIPアドレスのうち半数以上が,ホストが存在しなかったり,ホストの電源がオフだったりする場合は,チェックボックスをオンにするとホスト探索が完了する時間を短縮できるときがあります。
- なお,ネットワークの探索範囲に,OSがWindows XP Service Pack 2やWindows Server 2003 Service Pack 1などのICMPポートが使用できないホストが存在する場合は,チェックボックスをオフにしてください。
- [保存]ボタン
- ホスト探索設定を設定します。ホスト探索設定は,[ホスト探索]ダイアログボックスの「ホスト探索設定」に表示されます。
- [保存して開始]ボタン
- ホスト探索設定を設定して,ホスト探索を開始します。「即時実行」を選択した場合は,ホスト探索設定を設定するのと同時にホスト探索が実行されます。「スケジュール実行」を選択した場合は,設定した日時になるとホスト探索が実行されます。
- ホスト探索設定は,[ホスト探索]ダイアログボックスの「ホスト探索設定」に表示されます。
- [キャンセル]ボタン
- ホスト探索設定を設定しないで,[ホスト探索設定の追加]ダイアログボックスを閉じます。
(5) 探索結果の有効期間の設定
探索しても情報を取得できなかったホストが,電源がオフの状態なのか,ネットワーク上から撤去されたのかを判定するために,探索結果の有効期間を設定できます。
探索しても情報を取得できなかったホストは,ホスト探索完了時のJP1/NETM/DM未導入ホストの検出で,ネットワーク上に存在しないと判断されてしまいます。これを避けるために,情報を取得できなかった場合でもホストの情報を有効にしておく期間を設定します。
最後にホストが探索された日から,設定した期間を過ぎてホスト探索を実行した場合,探索しても情報を取得できなかったホストは,ネットワーク上から撤去されたと見なされ,JP1/NETM/DM未導入ホストとして検出されなくなります。
探索結果の有効期間は,[探索]-[探索オプション]から表示される,[探索オプション]ダイアログボックスで設定します。
図9-45 [探索オプション]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/mnt0440.gif)
- 有効期間
- 探索されたホストの情報を有効にしておく期間を設定します。1~365日で設定してください。デフォルトは90日です。
(6) 探索の実行
ホスト探索を実行するには,[ホスト探索]ダイアログボックスで実行したいホスト探索設定を選択し,
または[開始]ボタンをクリックします。
ホスト探索が開始されると,「ステータス」に「実行中」と表示されます。
ホスト探索が完了すると,「ステータス」の表示が「完了」となり,JP1/NETM/DM未導入ホストが自動的に検出されます。
なお,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出結果は,[JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスに反映されません。検出結果を表示するには,[JP1/NETM/DM未導入ホスト検出]ダイアログボックスの[最新情報]ボタンをクリックして,表示を更新する必要があります。
ホスト探索を途中で停止する場合は,
または[停止]ボタンをクリックしてください。「ステータス」の表示が「キャンセル」となり,ホスト探索が停止します。ホスト探索を途中で停止した場合,停止するまでに探索されたホストの情報は,配布管理システムに登録されます。ただし,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出は実行されません。