7.3.1 Embedded RDBの環境設定

Embedded RDBを使用している場合,運用開始後に環境設定を変更するときは,次の手順に従ってください。なお,設定の変更に使用するファイルは,バックアップを取得してください。設定を誤るとデータベースが起動できなくなるおそれがあります。

<この項の構成>
(1) 運用開始後のホスト名の変更
(2) イベントログへのメッセージ出力の抑止
(3) データベースを操作するコマンドの実行監視時間を設定する

(1) 運用開始後のホスト名の変更

運用開始後に,OSのホスト名を変更するときの手順について説明します。

JP1/NETM/DMおよびEmbedded RDBを終了させてから,ホスト名を変更してください。

  1. リモートインストールマネージャを停止する。
  2. [コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを停止する。
  3. JP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている製品を停止する。
    例えば,JP1/NETM/Asset Information ManagerからJP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている場合,JP1/NETM/Asset Information Managerのサービス,コマンド,タスクなどをすべて停止します。
  4. JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリ¥BINに格納されているnetmdb_stop.batコマンドを実行してデータベースを停止する。
  5. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB¥confに格納されているpdsysファイルをテキストエディタで開く。
  6. 「pdunit -x 変更前ホスト名 -u unt1 -d "JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB"」の「変更前ホスト名」を変更する。※1※2
  7. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB¥confに格納されているpdutsysファイルをテキストエディタで開く。
  8. 「set pd_hostname = 変更前ホスト名」がある場合は「変更前ホスト名」を変更する。※1※3
  9. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB¥conf¥embに格納されている次の五つのファイルをテキストエディタで開く。
    • HiRDB.iniファイル
    • reload.batファイル
    • reorganization_al.batファイル
    • reorganization_tb.batファイル
    • unload.batファイル
  10. 「PDHOST=変更前ホスト名」の「変更前ホスト名」を変更する。※2
  11. OSのホスト名を変更する。
  12. OSを再起動する。
注※1
定義の1行の長さは最大80文字です。80文字を超える場合は,複数行に分けて記述してください。このとき,定義途中の行の末尾には継続記号である"¥"を記述します。
記述例

pdunit -x jp1sdmanager.domain -u unt1 ¥
-d "C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM¥NETMDB"

注※2
クラスタシステム環境でJP1/NETM/DMのフェールオーバー機能を使用する場合は,論理ホスト名を指定します。
注※3
クラスタシステム環境でJP1/NETM/DMのフェールオーバー機能を使用する場合は,物理ホスト名を指定します。
注意事項
運用開始後にホスト名を変更するときの注意事項を次に示します。
  • ホスト名の指定方法は,「8.1.2 JP1/NETM/DMでのホスト名の付け方」を参照してください。
  • 次のどれかのジョブがある場合は,これらのジョブを削除し,削除完了したことを確認してからホスト名を変更してください。
     ・ 実行状態が正常終了またはエラー終了していないジョブ
     ・ 「クライアントユーザによるインストール」ジョブ
     ・ 定期的にインベントリ情報を取得するジョブ
    これらのジョブを削除しないでホスト名を変更すると,実行中のジョブが止まったり,下位システムのジョブを連携して削除できなくなったりします。

(2) イベントログへのメッセージ出力の抑止

Embedded RDBがイベントログに出力するメッセージで,運用上必要のないメッセージの出力を抑止するときの手順について説明します。Embedded RDBのメッセージについては,マニュアル「HiRDB Version 8 メッセージ」を参照してください。

JP1/NETM/DMおよびEmbedded RDBを終了させてから,メッセージ出力の抑止を設定してください。

インフォメーションメッセージ(メッセージIDの末尾が「I」)だけ出力を抑止してください。警告メッセージ(メッセージIDの末尾が「W」)およびエラーメッセージ(メッセージIDの末尾が「E」)の出力を抑止すると,トラブル発生時に解決が困難になるおそれがあります。

  1. リモートインストールマネージャを停止する。
  2. [コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを停止する。
  3. JP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている製品を停止する。
    例えば,JP1/NETM/Asset Information ManagerからJP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている場合,JP1/NETM/Asset Information Managerのサービス,コマンド,タスクなどをすべて停止します。
  4. JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリ¥BINに格納されているnetmdb_stop.batコマンドを実行してデータベースを停止する。
  5. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB¥confに格納されているpdsysファイルをテキストエディタで開く。
  6. 出力を抑止したいメッセージのIDを「pdmlgput -s N -m メッセージID,メッセージID,メッセージID」の行に追加する。
    メッセージIDには,「-」(ハイフン)以下のメッセージの重要度は記述しません。複数指定する場合は,「,」(コンマ)で区切って指定してください。80カラムを超える場合は,末尾に「¥」を付けて改行してください。
    KFPS00010-I,KFPS00011-I,KFSP00012-I,KFSP00013-Iの出力を抑止するために,既存の設定値に追加する場合の指定例を次に示します。

    [図データ]

  7. JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリ¥BINに格納されているnetmdb_start.batコマンドを実行してデータベースを開始する。
  8. [コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを開始する。

(3) データベースを操作するコマンドの実行監視時間を設定する

次のデータベースを操作するコマンドを実行中に,何らかの障害(通信障害またはディスク障害など)が発生すると,コマンドが無応答になることがあります。

Windowsのタスク機能やJP1/AJSを使用してコマンドを自動で実行しているなどにより,無応答になったコマンドを手動で強制終了できない場合に,コマンドの実行監視時間を設定して,無応答となったコマンドの実行を打ち切るときの手順について説明します

JP1/NETM/DMおよびEmbedded RDBを終了させてから,コマンドの実行監視時間を設定してください。

  1. リモートインストールマネージャを停止する。
  2. [コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを停止する。
  3. JP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている製品を停止する。
    例えば,JP1/NETM/Asset Information ManagerからJP1/NETM/DMのデータベースにアクセスしている場合,JP1/NETM/Asset Information Managerのサービス,コマンド,タスクなどをすべて停止します。
  4. JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリ¥BINに格納されているnetmdb_stop.batコマンドを実行してデータベースを停止する。
  5. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥NETMDB¥confに格納されているpdsysファイルをテキストエディタで開く。
  6. 「set pd_utl_exec_time = コマンドの実行監視時間」の行を追加する。※1
  7. JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリ¥BINに格納されているnetmdb_start.batコマンドを実行してデータベースを開始する。
  8. [コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを開始する。
注※1
pd_utl_exec_time = コマンドの実行監視時間
次のデータベースを操作するコマンドの実行時間を監視する場合,その監視時間を0~35791394の範囲で指定します。単位は分です。省略または0を指定した場合は,コマンドの実行時間を監視しません。
  • データベースのアップグレード
  • データベースの再編成(netmdb_reorganization.batコマンド)
  • データベースのバックアップ(netmdb_unload.batコマンド)
  • データベースの復元(netmdb_reload.batコマンド)
  • 削除した操作ログの領域解放(netmdb_reclaim.batコマンド)
ここで指定した監視時間を超えてもコマンドが終了しない場合,実行中のコマンドは異常終了します。
このオペランドの指定値にはコマンド実行時間の実績値の最大値に余裕を持たせた値を指定してください。
例えば,データベースのアップグレードの最大実行時間が90分程度で,データベースの再編成の最大実行時間が60分程度の場合,pd_utl_exec_time=120と余裕を持った値を指定してください。
これは,通常90分で終了する処理が120分過ぎても応答が返ってこないのは無応答障害のおそれがあると判断しています。
また,以下のコマンド実行時には,監視時間を0にして実行する事を推奨します。
  • データベースのアップグレード,
  • データベースの復元(netmdb_reload.batコマンド)
記述例

#
#------------------------------------------------------------------
# set form
#
:
(中略)
:
set pd_utl_exec_time = 120
#
#------------------------------------------------------------------
# putenv form
#