8.1.4 システム構成情報をファイルから作成する
(1) システム構成情報ファイルを作成する
システム構成情報ファイルでは一つのホストごとに,IPアドレス,ホスト名,ホストのタイプ,作成日時,コメント,経路などを設定します。ただし,作成日時を設定できるのは,JP1/NETM/DM Managerだけです。
ファイルはテキスト形式で,1カラム目に「'」(シングルクォーテーション)または「#」(シャープ)を付けると,その行はコメントと見なされます。
- 形式
IPアドレス ホスト名 HID=ホスト識別子,TYPE=ホストのタイプ,MAC=MACアドレス,COMMENT=コメント,ROOT=経路,DATE=作成日時
- 説明
- ホスト識別子以降の順序は任意です。
- IPアドレス(必ず設定)
ホストのIPアドレスを設定します。
設定したIPアドレスは,JP1/NETM/DM Manager上では管理されませんが,TCP/IPのhostsファイルと形式を一致させるために設定します。
TCP/IPのhostsファイルを,システム構成情報ファイルとして直接入力することもできます。この場合は,すべてのホストがクライアントとして設定されます。
TCP/IPのhostsファイルを基に,ホストのタイプ(TYPE),コメント(COMMENT),経路(ROOT)を追加すると,より簡単にシステム構成情報ファイルを作成できます。
- ホスト名(必ず設定)
ホスト名の指定方法については,「8.1.2 JP1/NETM/DMでのホスト名の付け方」を参照してください。
- HID=ホスト識別子
ホストを一意に認識するホスト識別子を設定します。[システム構成]ウィンドウで[ファイル]-[ファイルへ保存]を選択してシステム構成情報をファイルに出力し,ホスト識別子が設定されていた場合,必ずこのホスト識別子をそのまま設定してください。なお,[ファイルへの保存]で出力したシステム構成情報ファイルに,ホスト識別子が設定されていないホスト,または新規に追加するホストについては,このオペランドを指定しないでください。
- TYPE=ホストのタイプ
ホストのタイプとして,「MASTER」(中継システム,オフラインフォルダ)または「CLIENT」(クライアント,オフラインマシン)を設定します。省略したときは,デフォルトで「CLIENT」が設定されます。
TCP/IPのhostsファイルとシステム構成情報ファイルを共用する場合は,「TYPE」の前に「#」を指定します。「#」と「TYPE」の間には半角スペースを指定してください。TCP/IPのhostsファイルでは,「#」以降の記述はコメントと見なされます。
- MAC=MACアドレス
ホストのMACアドレスを設定します。MACアドレスの情報は,Wake on LAN機能などに関連する情報のため,基本的にこのオペランドは変更しないでください。変更すると機能が動作しないおそれがあります。
- COMMENT=コメント
コメントを設定します。コメントに「,」は使用できません。半角で64文字までの文字列が設定できます。
- ROOT=経路
複数の中継システムを経由する場合に,上位の中継システムから下位の中継システムまでのフルパスを,ホスト名,IPアドレス,またはホスト識別子のどれかで設定します。二つ以上の中継システムを経由する場合は,「¥」または「!」で区切って設定します。JP1/NETM/DM Managerと接続するホストの場合は,設定する必要はありません。
- DATE=作成日時
ホストをマネージャまたは中継マネージャに初めて登録する(した)日時です。年月日時分秒をYYYY/MM/DD/hh/mm/ssの形式で入力します。YYYYに指定できる値は1971~2037で,hhに指定できる値は0~23です。
省略した場合は,[ファイルから作成]を実行したときの日時が設定されます。
(2) ファイルからシステム構成情報を作成する
ファイルからシステム構成情報を作成する方法を次に示します。
- [システム構成]ウィンドウで,[ファイル]-[ファイルから作成]を選択する。
ファイルを選択するためのダイアログボックスが表示されます。
- 作成したシステム構成情報ファイルを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
ファイルに設定されたシステム構成情報から,システム構成情報が作成されます。
ファイルからシステム構成情報を作成する場合,次の点に注意してください。
- すでにシステム構成情報を作成していた場合,[システム構成]ウィンドウの内容はファイルに設定された内容に置き換えられます。既存のシステム構成情報にあって,ファイルに記述されていないホストは,システム構成情報から削除されます。なお,ホストが削除された場合,削除されたホストのインベントリ情報がデータベースに残ります。削除されたホストのインベントリ情報は,データベースマネージャを使って削除できます。削除方法については,「7.5.6 データベース上の不要なインベントリ情報を削除する」を参照してください。
- 既存の[あて先]ウィンドウの内容は,IDの情報以外はすべて削除されます。
- 既存の[システム構成]ウィンドウの内容にホスト識別子が設定されている場合,必ずホスト識別子をそのまま設定してください。
- ホスト識別子を使用した環境で,ファイルからシステム構成情報を作成中に,システム構成の自動登録機能の処理が発生すると,「root不正」のエラーになることがあります。この場合,しばらく待ってから実行し直してください。
(3) システム構成情報をファイルに出力する
[システム構成]ウィンドウに表示したシステム構成情報をファイルに出力できます。システム構成情報を変更する場合は,変更前のシステム構成情報をファイルに出力し,このファイルを編集すると便利です。
なお,配布管理システムを階層化している場合,マネージャで出力したファイルには,中継マネージャ配下のシステム構成情報は含まれません。中継マネージャ配下のシステム構成情報を出力する場合は,中継マネージャでシステム構成情報をファイルに出力してください。
システム構成情報をファイルに出力する方法を次に示します。
- [システム構成]ウィンドウで,[ファイル]-[ファイルへ保存]を選択する。
[システム構成の保存]ダイアログボックスが表示されます。なお,この操作は,[最新の情報に更新]を実行したあと,行ってください。自動反映によって画面の状態と内部データの不一致が発生した場合,正しい情報が出力されないことがあります。
- ファイル名を設定し,[OK]ボタンをクリックする。
システム構成情報がファイルに出力されます。
システム構成情報のファイル出力例を次に示します。
図8-1 システム構成情報のファイル出力例
![[図データ]](figure/sys0010.gif)
なお,システム構成からファイルを作成した場合,IPアドレスの位置に「xxx.xxx.xxx.xxx」が設定されます。出力したファイルを利用して,ホストをIPアドレスで管理する場合,テキストエディタなどでIPアドレスを記述する必要があります。