10.3.7 Embedded RDB環境でデータベースを再編成する

データベースの再編成は,運用時にメンテナンスの一環として実施する作業です。データベースを再編成するタイミングについては,マニュアル「運用ガイド2」の「5.2.3(2) データベースの再編成」を参照してください。

注意事項
  • 「Asset Information Manager Limited」のデータベースを再編成するときは,次に示す順番でサービスを停止してください。
    1. World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishing
    2. Asset Information Synchronous Service,「Asset Information Manager Limited」のコマンドおよびタスク
    3. JP1/NETM/Client Security Control - Manager(JP1/NETM/CSCと連携している場合)
    また,データベースマネージャの操作後に「Asset Information Manager Limited」を使用するときは,停止時と逆の順番でサービスを起動してください。
  • ODBCデータソースで接続プールが設定されている場合,「Asset Information Manager Limited」の業務を停止させてから,接続プールで設定されているタイムアウトの時間が経過するまで接続状態になります。そのため,接続状態の解除を待ってから,データベースを再編成してください。
  • 「Asset Information Manager Limited」のデータベースを再編成してもデータベースの容量不足になる場合は,データベースの容量を拡張してください。

Embedded RDB環境で「Asset Information Manager Limited」のデータベースを再編成するには,「Asset Information Manager Limited」のデータベースマネージャを使用する方法とjamemb_reorganization.batを使用する方法があります。それぞれについて説明します。

<この項の構成>
(1) Embedded RDB環境でデータベースを再編成する手順
(2) コマンドを使用したEmbedded RDB環境でのデータベースの再編成
(3) Embedded RDBの作業表用ファイルで自動拡張された領域の解放
(4) Embedded RDB再編成の実行監視時間の設定

(1) Embedded RDB環境でデータベースを再編成する手順

Embedded RDB環境で「Asset Information Manager Limited」のデータベースを再編成する手順を次に示します。

  1. [データベースマネージャ]ダイアログボックスで「Embedded RDBの再編成」を選択して,[次へ]ボタンをクリックする。
    [Embedded RDBの再編成]ダイアログボックスが表示されます。

    図10-21 [Embedded RDBの再編成]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. [実行]ボタンをクリックする。
    「Asset Information Manager Limited」のデータベースの再編成が実行されます。

(2) コマンドを使用したEmbedded RDB環境でのデータベースの再編成

Embedded RDB環境で「Asset Information Manager Limited」のデータベースの再編成を実行するjamemb_reorganization.batの機能,形式,オプション,戻り値,コマンド実行時の注意事項および実行例について説明します。

jamemb_reorganization.batは次のフォルダに格納されています。

「Asset Information Manager Limited」のインストール先フォルダ¥exe

再編成に失敗した場合は,「Asset Information Manager Limited」のデータベースが使用できなくなります。バックアップしたデータをリストアして「Asset Information Manager Limited」のデータベースを復旧してください。

(a) 機能

「Asset Information Manager Limited」のデータベースを再編成します。

(b) 形式

jamemb_reorganization.bat ポート番号 ユーザID パスワード -o 結果ファイルのパス [-y]

(c) オプション
ポート番号
ポート番号には,「Asset Information Manager Limited」のインストール時に指定したデータベース接続用のポート番号を指定してください。設定したポート番号は,「Asset Information Manager Limited」のインストール先フォルダ¥aimdb¥conf¥embに格納されているHiRDB.iniファイルのPDNAMEPORTで確認できます。このオプションは必ず指定してください。
ユーザID,パスワード
[サーバセットアップ]ダイアログボックスの「データベース情報」の「ログインID」で指定した値を指定してください。このオプションは必ず指定してください。
-o 結果ファイルのパス
実行結果を出力するファイルをフルパスで指定します。このオプションは必ず指定してください。
-y
このオプションを指定すると,再編成の実行前にキー応答を待たないで実行を開始します。
このオプションを指定しないとキー応答待ちになります。このとき,実行を中止したい場合は,[Ctrl]+[C]を押してください。
(d) 戻り値

次の戻り値を返します。

戻り値内容
0正常終了。結果ファイルを参照して再編成の詳細を確認できます。
11オプションの書式に誤りがあります。
101以上そのほかのエラーで終了しました。
(e) コマンド実行時の注意事項
(f) 実行例

jamemb_reorganization.bat 30010 admin admin -o C:¥temp¥backup¥kekka.log -y

(3) Embedded RDBの作業表用ファイルで自動拡張された領域の解放

Embedded RDB環境で「Asset Information Manager Limited」のデータベースを新規作成する際,自動拡張する設定にしていると,データベースを作成したドライブの空き容量が著しく減少する場合があります。

これは,Embedded RDBの作業表用ファイル(SQL文を実行するときに必要とする一時的な情報を格納するファイル)の容量が,自動拡張された影響による可能性があります。

作業表用ファイルの容量は,大量の検索結果を出力したときに自動拡張されます。「Asset Information Manager Limited」のデータベースを作成したドライブの空き容量が圧迫された際には,jamemb_workcomp.exeを実行することで,作業表用ファイルで自動拡張された領域を解放できます。

ここでは,Embedded RDBの作業表用ファイルで,自動拡張された領域を解放するjamemb_workcomp.exeの機能,形式,戻り値およびコマンド実行時の注意事項について説明します。

jamemb_workcomp.exeは次のフォルダに格納されています。

「Asset Information Manager Limited」のインストール先フォルダ¥exe

(a) 機能

Embedded RDBの作業表用ファイルで,自動拡張された領域を解放します。

(b) 形式

jamemb_workcomp.exe

(c) 戻り値

次の戻り値を返します。

戻り値内容
0正常終了。
11オプションの書式に誤りがあります。
101以上そのほかのエラーで終了しました。
(d) コマンド実行時の注意事項

Administrator権限を持つユーザでjamemb_workcomp.exeを実行してください。

(4) Embedded RDB再編成の実行監視時間の設定

Embedded RDBの再編成を実行中に,何らかの障害(通信障害またはディスク障害など)が発生すると,再編成処理が無応答になることがあります。Windowsのタスク機能やJP1/AJSを使用して再編成を自動で実行しているなどにより,無応答になった処理を手動で強制終了できない場合に,再編成処理の実行監視時間を設定し,無応答となった再編成処理の実行を打ち切るときの手順について説明します。

注意事項
  • Embedded RDB再編成処理の実行監視時間の設定する前に,資産管理サーバで,Asset Information Manager のサービス,コマンドおよびタスクをすべて停止してください。
  • Asset Information Manager のサービスは次に示す順番で停止してください。
  1. World Wide Web Publishing Service またはWorld Wide Web Publishing
  2. Asset Information Synchronous Service,Asset Information Manager のコマンド,およびタスク
  3. JP1/NETM/Client Security Control - Manager(JP1/NETM/CSC と連携している場合)
    また,Embedded RDB再編成処理の実行監視時間を変更したあとにAsset Information Manager を使用するときは,停止時と逆の順番でサービスを起動してください。
  1. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥jp1asset¥exe下のjamemb_dbstop.batコマンドを実行して,Embedded RDBを停止してください。
    Embedded RDBが停止したことをメッセージで確認してください。
  2. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥jp1asset¥jp1asset¥aimdb¥confに格納されているpdsysファイルをテキストエディタで開く。
  3. 「set pd_utl_exec_time = 再編成処理の実行監視時間」の行を追加する。※1
  4. JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ¥jp1asset¥exe下のjamemb_dbstart.batコマンドを実行して,Embedded RDBを開始してください。
注※1
pd_utl_exec_time = 再編成処理の実行監視時間
Embedded RDBを操作するコマンドの実行時間を監視する場合,その監視時間を0~35791394の範囲で指定します。単位は分です。省略または0を指定した場合は,コマンドの実行時間を監視しません。ここで指定した監視時間を超えてもコマンドが終了しない場合,実行中のコマンドは異常終了します。このオペランドの指定値にはコマンド実行時間の実績値の最大値に余裕を持たせた値を指定してください。例えば,Embedded RDB再編成処理の最大実行時間が90分程度の場合,pd_utl_exec_time=120と余裕を持った値を指定してください。これは,通常90分で終了する処理が120分過ぎても応答が返ってこないのは無応答障害のおそれがあると判断しています。
<記述例>

#
#------------------------------------------------------------------
# set form
#
:
(中略)
:
set pd_utl_exec_time = 120
#
#------------------------------------------------------------------
# putenv form
#