9.7.8 ネットワーク構成情報ファイルの作成

ホスト探索を実行する代わりに,ネットワーク上に存在するホストのMACアドレス,IPアドレスなどの情報を記述したCSV形式ファイル(ネットワーク構成情報ファイル)を入力して,JP1/NETM/DM未導入ホストを検出できます。

ネットワーク構成情報ファイルを作成するには,次の方法があります。

ここでは,ネットワーク構成情報ファイルの記述形式と,記述する項目について説明します。また,ツールを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する例として,JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する方法についても説明します。JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する方法については,「(3) JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ネットワーク構成情報ファイルの記述形式
(2) ネットワーク構成情報ファイルの項目
(3) JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する

(1) ネットワーク構成情報ファイルの記述形式

ネットワーク構成情報ファイルは,CSV形式で記述します。1行目に「タイトル行」を記述し,2行目以降で1行ごとに各ホストの情報を記述します。

ネットワーク構成情報ファイルの記述例を次の図に示します。

図9-46 ネットワーク構成情報ファイルの記述例

[図データ]

タイトル行では,ホスト情報に記述する項目の順序を定義します。タイトル行は任意の順序で項目を記述できますが,タイトル行に記述する項目の順序と,ホスト情報に記述する項目の順序は,同じにする必要があります。

なお,ネットワーク構成情報ファイルは,次に示す範囲内で記述してください。

(2) ネットワーク構成情報ファイルの項目

ネットワーク構成情報ファイルのタイトル行に記述する項目と,ホスト情報に記述する項目について説明します。

(a) タイトル行に記述する項目

タイトル行に記述する項目と,各項目の形式を次に示します。

同じ項目は複数記述しないでください。「MACアドレス」と「IPアドレス」以外の項目は省略できます。

タイトル行に,形式が異なる項目や記述できない項目が含まれる場合,その項目は無視されます。また,その項目の記述位置に対応するホスト情報の項目も無視されます。例えば,タイトル行の三つ目に「機器情報」という項目を記述した場合,「機器情報」は記述できない項目なので,ネットワーク構成情報ファイル内の3列目に位置するホスト情報の項目が,すべて無視されます。

(b) ホスト情報に記述する項目

タイトル行に記述した項目,および項目の順序に対応するよう,ホストごとに次に示す項目を記述します。

(c) ネットワーク構成情報ファイル作成時の注意事項

(3) JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する

JP1/NETM/DMシステムとJP1/NetInsight II -PortDiscoveryを同じネットワーク内で運用している場合,JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成できます。

JP1/NetInsight II -PortDiscoveryは,ネットワークに接続している機器の情報を収集し,ネットワークの構成情報の一覧を作成するプログラムです。ネットワークに接続されている機器の種別やIPアドレスなどの情報を一覧形式で確認できます。また,定期的にネットワークの構成情報を収集したり,不正な接続を監視したりすることもできます。JP1/NetInsight II -PortDiscoveryの機能および操作方法の詳細については,マニュアル「JP1/NetInsight II -PortDiscovery Advance」を参照してください。

JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する方法について説明します。

  1. JP1/NetInsight II -PortDiscoveryのエクスプロ-ラを起動する。
  2. エクスプローラの[コントローラ]画面で,JP1/NETM/DM未導入ホストを検出したいネットワークの範囲を指定して,[探索]-[実行]を選択する。
    指定した範囲内に接続されている機器の情報が取得されます。
    探索結果が,JP1/NetInsight II -PortDiscoveryのエクスプローラに表示されます。
  3. エクスプローラで,[編集]-[検索]を選択する。
    [検索]ダイアログボックスが表示されます。探索結果から,ネットワーク構成情報ファイルに記載する情報を抽出します。
    [検索]ダイアログボックスでの指定方法について説明します。
    • [検索条件]パネル

      図9-47 [検索条件]パネル

      [図データ]

    検索項目
    「クラス」を指定します。
    比較条件
    「=」を指定します。
    ホストの情報を抽出するので,「端末」を指定します。
    OSのルータ機能を使用しているホストや,プリンタサーバ用のソフトウェアをインストールしているホストは,クラスが「ルータ」「プリンタ」として探索されます。そのため,探索されたすべてのホストをJP1/NETM/DM未導入ホストの検出の対象にするには,「ルータ」と「プリンタ」も検索条件に加えてください。
    各項目を設定したら,[OR追加]ボタンをクリックして「検索条件一覧」に検索条件を追加します。
    • [出力項目]パネル

      図9-48 [出力項目]パネル

      [図データ]

    出力対象
    ネットワーク構成情報ファイルに記載する項目を指定します。
    MACアドレス(必ず指定),IPアドレス(必ず指定),サブネットマスク,ノード名称,およびノードの説明をそれぞれ選択し,[追加]ボタンをクリックして「出力項目一覧」に追加します。
    出力項目一覧
    ネットワーク構成情報ファイルに記載される項目が表示されます。項目の順序は任意に設定してください。
  4. [検索開始]ボタンをクリックする。
    [検索結果表示]ダイアログボックスに,検索結果が表示されます。

    図9-49 [検索結果表示]ダイアログボックス

    [図データ]

  5. [検索結果表示]ダイアログボックスで,[ファイル出力]ボタンをクリックする。
    検索結果がCSV形式ファイルで出力されます。出力されたCSV形式ファイルは,そのまま,ネットワーク構成情報ファイルとして使用できます。