通常,クライアントは,配布管理システムからのジョブの実行要求によって処理を実行します。しかし,インターネットを介したネットワーク環境では,セキュリティのために,内部ネットワークを隠していたりNAT機能を用いてアドレス変換していたりするので,配布管理システムからクライアントにジョブの実行要求が届きません。そのため,インターネットオプションを介した通信は次の契機で行われます。
ジョブは,これら下位システムからの要求に対する応答として実行されます。
HTTP Gatewayは下位システムからのJP1/NETM/DM要求をHTTPに変換し,指定されたInternet Gatewayにリクエストを行います。Internet GatewayはHTTPリクエストからJP1/NETM/DMの電文を取り出して,上位システムに送信します。また,上位システムの応答をHTTPレスポンスに変換してリクエスト側に送信します。HTTPの処理にはWebサーバ(Microsoft Internet Information Services)が使用されます。
インターネットオプションを介したジョブの流れを,次の図に示します。
図E-2 インターネットオプションを介したジョブの流れ
なお,上位システムからのジョブの実行要求は下位システムに届きませんので,上位システムのセットアップでは,「下位システムの同時実行要求数」を0に設定しておく必要があります。また,下位システムからの要求があったときだけジョブが実行されることを考慮して,下位システムのセットアップでポーリングの設定をする必要があります。
上位システムおよび下位システムの設定については,それぞれ「付録E.5(5) 上位システムのセットアップ」,「付録E.6(5) 下位システムのセットアップ」を参照してください。