8.3.3 クライアントの登録方法

IDへクライアントを登録させる方法には次の4種類があります。なお,オフラインマシンはIDに登録できません。

<この項の構成>
(1) クライアントからIDに登録する
(2) 配布管理システムからファイルを使ってクライアントをIDに登録する
(3) ID管理中継からクライアントをIDに登録する
(4) IDの自動メンテナンスを使用してクライアントをIDに登録する

(1) クライアントからIDに登録する

クライアントは,メニューの[IDへの登録]を選択して表示される[IDへの登録]ダイアログボックスを使用して,IDへ登録します。

IDへの登録は,ID管理中継と接続されている状態で処理します。しかし,ID管理中継と接続されていない状態でも,IDへの登録やIDからの登録解除を待ち状態にすることができます。ID管理中継と接続できる状態になってからあとにログオンした時,または[IDへの登録]メニューを選択した時に,実際の登録や登録解除をID管理中継に通知します。そのため,プレインストールやシステム構築の準備段階でもIDへの登録ができます。また,クライアントがリモートインストールなどを実行している最中は,ID管理中継とは別機能で接続している状態です。この場合も,ID管理中継と接続されていないときと同じように扱われます。

クライアントでのIDへの登録方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「11.2.1 IDへの登録」を参照してください。

(2) 配布管理システムからファイルを使ってクライアントをIDに登録する

バージョン05-20以降のJP1/NETM/DM ManagerおよびJP1/NETM/DM Client(中継システム)で構成されたシステムでは,配布管理システム上で,ファイルを使ってクライアントをIDに登録できます。新規導入時などに,大量のクライアントをIDに登録する必要がある場合などに便利です。ファイルには,複数クライアントのID登録情報を設定しておきます。このようなファイルをIDファイルと呼びます。ファイルを使ってクライアントをIDに登録する方法を次に示します。

(a) IDファイルを作成する

IDファイルでは,一つのホストごとに,ホスト名,ホスト識別子,ID名称,ID管理中継名称などを設定します。

ファイルはテキスト形式で,1カラム目に「'」(シングルクォーテーション)または「#」を付けると,その行はコメントと見なされます。

形式

ホスト名 HID=ホスト識別子,MAC=MACアドレス,ID=ID名称,MASTER=ID管理中継名称

説明
●ホスト名(必ず設定)
IDに追加するホスト名またはIPアドレスを指定します。64バイトまで指定できます。
●HID=ホスト識別子
ホストを一意に認識する識別子を設定します。[ファイル]-[IDホストをファイルへ保存]でファイルに出力したIDにホスト識別子が設定されていた場合は,[ファイルからID登録]でクライアントをIDへ登録する場合にも,このホスト識別子を必ずそのまま設定してください。なお,[IDホストをファイルへ保存]で出力したファイルのIDにホスト識別子が設定されていないホスト,または新規に追加するホストについては,このオペランドを指定しないでください。
●MAC=MACアドレス
ホストのMACアドレスを設定します。MACアドレスの情報は,Wake on LAN機能などに関連する情報のため,基本的にこのオペランドは変更しないでください。変更すると機能が動作しないおそれがあります。
●ID=ID名称(必ず設定)
追加するID名称を指定します。32バイトまで指定できます。
●MASTER=ID管理中継名称
追加するIDが存在する中継システムまたは中継マネージャの名称を指定します。中継システムの場合は,ホスト名,IPアドレス,またはホスト識別子を指定します。中継マネージャの場合は,ホスト名またはホスト識別子を指定します。[IDホストをファイルへ保存]でIDをファイルに出力し,ホスト識別子が設定されていた場合は,必ずこのホスト識別子をそのまま設定してください。
64バイトまで指定できます。配布管理システムまたは中継マネージャでこのパラメタを省略した場合,配布管理システム上のIDにクライアントを登録します。また,中継システム上ではこのパラメタを指定しても無視されます。この場合,中継システム上のIDに登録されます。
(b) ファイルを使ってクライアントをIDに登録する

作成したIDファイルを使ってクライアントをIDに登録するには,配布管理システムの[あて先]ウィンドウで,メニューの[ファイル]-[ファイルからID登録]を選択し,作成したIDファイルを選択します。

なお,バージョンが05-20より前のJP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM SubManagerで構成されたシステムでは,ファイルからのID登録を実行しても,クライアントがIDに登録されません。[あて先]ウィンドウに「登録中」のクライアントが残るので,削除してください。また,[ジョブ実行状況]ウィンドウの[IDグループの編集]フォルダ下のID名称のフォルダに,「エントリの追加」というジョブが残るので,削除してください。

(c) IDをファイルに出力する

配布管理システムに設定したIDと,IDに登録されているホストの情報をファイルに出力するには,[あて先]ウィンドウで,[ファイル]-[IDホストをファイルへ保存]を選択します。なお,この操作は,[最新の情報に更新]を実行したあと,行ってください。自動反映によって画面の状態と内部データの不一致が発生した場合,正しい情報が出力されないことがあります。

IDの情報のファイルへの出力例を次に示します。

図8-18 IDの情報のファイルへの出力例

[図データ]

(3) ID管理中継からクライアントをIDに登録する

JP1/NETM/DM SubManagerをインストールしたPCをID管理中継として使用している場合,[あて先]ウィンドウで,自システムに接続しているクライアントをIDへ登録できます。IDへ登録するクライアントが多数ある場合,ID管理中継側で一括して登録できるため,クライアント側で登録する手間が省けます。

ID管理中継でクライアントをIDに登録する場合,クライアントの接続先が,自システム(ID管理中継)であることを確認してください。

クライアントをIDに登録するには,メニューを使用する方法とドラッグ&ドロップで操作する方法とがあります。

(a) メニューを使用する方法
  1. リモートインストールマネージャの[あて先]ウィンドウで,クライアントを追加するIDを選択する。
  2. [ファイル]-[IDへホストを追加]を選択する。
    [IDへホストを追加]ダイアログボックスが表示されます。

    図8-19 [IDへホストを追加]ダイアログボックス

    [図データ]

    ID名
    [あて先]ウィンドウで選択したIDの名称が表示されます。
    IDへ追加するホスト
    IDへ追加するクライアントのホスト名またはIPアドレスを指定します。
    なお,IDへ追加できるのは,接続先として自システムを設定しているクライアントだけです。クライアントの接続先が自システムであることを確認してください。
  3. [追加]ボタンをクリックする。
    指定したクライアントがIDに登録されます。
(b) ドラッグ&ドロップで登録する方法
  1. リモートインストールマネージャの[あて先]ウィンドウで,IDに登録するクライアントを選択する。
    あて先グループ,ID,およびIDに属しているホストは選択できません。
  2. 登録先のIDへドラッグしたあと,ドロップする。
    クライアントがIDに登録されます。

(4) IDの自動メンテナンスを使用してクライアントをIDに登録する

IDの自動メンテナンスを使用して,一定の条件に一致したクライアントを自動的にIDに登録できます。

IDの自動メンテナンスを使用してクライアントをIDに登録する方法については,「9.4 IDの自動メンテナンス」を参照してください。