これから作成する規模は,管理するクライアント数が1,000台,1クライアント当たりの1日に取得する稼働監視履歴数を2,000件,8か月分をデータベースに格納すると仮定します。この場合,1日に発生する稼働情報件数は200万件,ひとつき(20日間)に発生する稼働情報件数は4,000万件です。これは中規模ユーザに相当するため,月単位にデータパーティションを作成して格納できるようにします。
JP1/NETM/DMのデータベースを新規に作成する場合,「ソフトウェア稼働監視履歴データベースデバイス」以外についてもデータベース容量を見積もります。詳細は,マニュアル「導入・設計ガイド」の「5.4.2 Microsoft SQL Serverのデータベース容量の見積もり」を参照してください。「ソフトウェア稼働監視履歴データベースデバイス」と「1か月分のソフトウェア稼働監視履歴データパーティション」については,1か月分単位で見積もります。なお,ここでは稼働時間取得対象のプログラム数を10とします。
JP1/NETM/DMの既存のデータベースをデータパーティションに変更する場合,「1か月分のソフトウェア稼働監視履歴データパーティション」について見積もります。
したがって,JP1/NETM/DMのデータベースを新規に作成する場合,40ギガバイトのソフトウェア稼働監視履歴データベースデバイスを予備領域としてデータベースマネージャで作成し,80ギガバイトのソフトウェア稼働監視履歴データパーティションを8か月分,SQL Server Management Studioを使って作成します。
JP1/NETM/DMのデータベースをデータパーティションに変更する場合,既存のソフトウェア稼働監視履歴データベースデバイスを予備領域とし,80ギガバイトのソフトウェア稼働監視履歴データパーティションを8か月分,SQL Server Management Studioを使って作成します。
予備領域を作成するために,ここでは次の三つのディスクを用意したと仮定します。
データパーティションを作成するためのクエリスクリプトを作成します。
表7-6 クエリスクリプト(データパーティションを作成する場合)
項番 | クエリスクリプト名 | 説明 | サンプル |
---|---|---|---|
1 | DropTable.sql | データベースマネージャで作成される既定のnetmdm_monitoring_securityテーブルを削除します。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.1 |
2 | AddFilegroup.sql | データパーティションを割り当てるファイルグループを追加します。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.2 |
3 | AddFiletoEdrive.sql | Eドライブに実ファイルを追加して,ファイルグループに割り当てます。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.3 |
4 | AddFiletoFdrive.sql | Fドライブに実ファイルを追加して,ファイルグループに割り当てます。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.4 |
5 | CreatePartition.sql | パーティション関数(PARTITION FUNCTION)とパーティション構成(PARTITION SCHEME)を作成します。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.5 |
6 | CreateTable.sql | パーティション構成上にnetmdm_monitoring_securityテーブルを作成します。 サンプルを基にクエリスクリプトを作成する場合,次の項目を変更してください。
| 付録F.6 |
表7-6のクエリスクリプトを実行することで表7-7,表7-8に示すデータパーティションを作成できます。
表7-7 ファイルとファイルグループ(データパーティションを作成する場合)
項番 | 論理名 | ファイル名 | 初期サイズ | 上限値 | 増加量 | ファイルグループ名 |
---|---|---|---|---|---|---|
1※ | NETMDM_MONI_DEVICE | D:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDB¥MSSQL¥MONITOR.sdf | 40,000MB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_seg |
2 | NETMDM_DP_0001 | E:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0001.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0001 |
3 | NETMDM_DP_0002 | E:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0002.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0002 |
4 | NETMDM_DP_0003 | E:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0003.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0003 |
5 | NETMDM_DP_0004 | E:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0004.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0004 |
6 | NETMDM_DP_0005 | F:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0005.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0005 |
7 | NETMDM_DP_0006 | F:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0006.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0006 |
8 | NETMDM_DP_0007 | F:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0007.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0007 |
9 | NETMDM_DP_0008 | F:¥NETMDP¥MONITOR_DP_0008.ndf | 80GB | UNLIMITED | 10% | netmdm_moni_dp_0008 |
表7-8 パーティション関数名とパーティション構成名(データパーティションを作成する場合)
パーティション関数名 | パーティション構成名 |
---|---|
netmdm_monitoring_security_pf | netmdm_monitoring_security_ps |
このパーティション関数とパーティション構成によって,次の表に示すように稼働監視履歴が,イベントの開始時刻に対して月ごとに格納されます。
表7-9 格納される稼働監視履歴(データパーティションを作成する場合)
項番 | ファイルグループ名 | パーティション番号 | 格納される稼働監視履歴 |
---|---|---|---|
1 | netmdm_moni_seg | 1 | イベントの開始時刻<2011/01/01 |
2 | netmdm_moni_dp_0001 | 2 | 2011/01/01≦イベントの開始時刻<2011/02/01 |
3 | netmdm_moni_dp_0002 | 3 | 2011/02/01≦イベントの開始時刻<2011/03/01 |
4 | netmdm_moni_dp_0003 | 4 | 2011/03/01≦イベントの開始時刻<2011/04/01 |
5 | netmdm_moni_dp_0004 | 5 | 2011/04/01≦イベントの開始時刻<2011/05/01 |
6 | netmdm_moni_dp_0005 | 6 | 2011/05/01≦イベントの開始時刻<2011/06/01 |
7 | netmdm_moni_dp_0006 | 7 | 2011/06/01≦イベントの開始時刻<2011/07/01 |
8 | netmdm_moni_dp_0007 | 8 | 2011/07/01≦イベントの開始時刻<2011/08/01 |
9 | netmdm_moni_dp_0008 | 9 | 2011/08/01≦イベントの開始時刻 |
JP1/NETM/DMのデータベースを新規作成する方法については,「7.5.1 データベースを新規作成する」を参照してください。このとき,ソフトウェア稼働監視履歴データベースファイルには,表7-7項番1の初期サイズ,上限値,増加量を指定します。
JP1/NETM/DMの既存のデータベースをデータパーティションに変更する場合については,「7.5.4 データベースをアップグレードする」を参照してください。
SQL Server Management Studioを使って表7-6のクエリスクリプトを実行することで,データパーティションを作成します。
JP1/NETM/DMのデータベースを新規作成する手順
JP1/NETM/DMの既存のデータベースをデータパーティションに変更する手順