9.5.2 自動メンテナンスポリシーファイルの編集方法

自動メンテナンスポリシーファイルは,「//」で始まるコメントおよび<POLICY>と</POLICY>のタグに囲まれたポリシーによって構成されます。

自動メンテナンスポリシーファイルの出力例を次の図に示します。

図9-38 自動メンテナンスポリシーファイルの出力例

[図データ]

<POLICY>と</POLICY>内のタグの記述を変更することで,ポリシーの設定を変更できます。

自動メンテナンスポリシーファイルで使用するタグを次の表に示します。

表9-2 自動メンテナンスポリシーファイルで使用するタグ

タグ説明必須のタグ
<DEST>自動メンテナンスの種別を設定します。
<KIND>ポリシーの種別を指定します。
<COND>選択したポリシー種別の条件を設定します。×
<PATH>あて先グループのグルーピングを実行する経路を設定します。×
<NAME>あて先グループ/ID名を設定します。×
<TARGET>ホスト種別を設定します。×
<SUBVER>OSのサブバージョンを設定します。×

(凡例)○:該当する ×:該当しない


次に,<POLICY>と</POLICY>内に記述するタグの記述ルール,説明形式,および詳細な記述方法について説明します。

<この項の構成>
(1) タグの記述ルール
(2) タグの説明形式
(3) <DEST>(自動メンテナンス種別の設定)
(4) <KIND>(ポリシー種別の設定)
(5) <COND>(条件の設定)
(6) <PATH>(経路の設定)
(7) <NAME>(あて先グループ名またはID名)
(8) <TARGET>(ホスト種別の設定)
(9) <SUBVER>(OSサブバージョンの有無の設定)

(1) タグの記述ルール

タグを記述するときの記述ルールを説明します。

(2) タグの説明形式

自動メンテナンスポリシーファイルの各タグを次の形式で説明します。

形式
タグの記述形式を示します。
説明
タグの記述方法を説明します。
注意事項
タグを記述するときの注意事項を説明します。
記述例
タグの値が数字以外の場合,記述例を示します。

(3) <DEST>(自動メンテナンス種別の設定)

自動メンテナンス種別を設定します。このタグは必ず設定してください。

形式
<DEST>自動メンテナンス種別
説明
自動メンテナンス種別を,0または1で指定してください。
自動メンテナンス種別
あて先グループ0
ID1
注意事項
  • 0または1以外の値は指定できません。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。

(4) <KIND>(ポリシー種別の設定)

ポリシー種別を指定します。このタグは必ず設定してください。

形式
<KIND>ポリシー種別
説明
ポリシー種別を,0~3で指定してください。なお,<DEST>の値によって,ポリシー種別に指定できる値が異なります。
<DEST>の値ポリシー種別
0(あて先グループ)IPアドレス0
新規作成ホスト1
OS種別2
ユーザインベントリ項目3
1(ID)新規作成ホスト1
ユーザインベントリ項目3
注意事項
  • 上記以外の組み合わせはできません。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。

(5) <COND>(条件の設定)

<KIND>で指定したポリシー種別の条件を設定します。

なお,<DEST>と<KIND>の値によって記述するタグが異なります。

<DEST>および<KIND>の組み合わせに応じて記述するタグを次の表に示します。

<DEST>の値<KIND>の値記述するタグ
0(あて先グループ)0(IPアドレス)<COND IP_ADRESS>
2(OS種別)<COND OS>
3(ユーザインベントリ項目)<COND USER>
1(ID)3(ユーザインベントリ項目)<COND USER_VALUE>

各タグの記述方法を次に示します。

(a) <COND IP_ADRESS>(IPアドレスの設定)

あて先グループの自動メンテナンスの条件にIPアドレスを設定する場合に,自動メンテナンスの対象となるIPアドレスの範囲を指定します。

形式
<COND IP_ADRESS>IPアドレスの範囲
説明
IPアドレスの範囲を,「-」(ハイフン)でつないで指定してください。
IPアドレスに指定できる範囲は,0.0.0.0~255.255.255.254です。
一けたまたは二けたの値の場合は,値の前に0は不要です。
注意事項
  • 必ず値が小さいIPアドレスを「-」の前に,値が大きいIPアドレスを「-」の後に記述してください。
  • 「-」の前後に半角スペースおよびタブは記述できません。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。
記述例
  • <COND IP_ADRESS>172.16.10.0-172.16.10.255
(b) <COND OS>(OS種別の設定)

あて先グループの自動メンテナンスの条件にOS種別を設定する場合に,自動メンテナンスの対象となるOS種別を指定します。

形式
<COND OS>OS種別
説明
OS種別を,0~22で指定してください。一度に指定できる値は,一つだけです。
OS種別
Windows 950
Windows 981
Windows Me2
Windows NT3
Windows 20004
Windows XP5
Windows Server 20036
MS-DOS+Windows7
Windows CE8
Windows CE .NET9
HP-UX10
Solaris11
AIX12
HP Tru64 UNIX13
HI-UX/WE214
Linux15
Windows Vista19
Windows Server 200820
Windows 721
Windows Server 2008 R222
Windows 823
Windows Server 201224
注意事項
  • 複数のOS種別をポリシーに設定したい場合は,異なるポリシーを作成してください。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。
(c) <COND USER>(ユーザインベントリ項目の設定(あて先グループ))

あて先グループの自動メンテナンスの条件にユーザインベントリ項目を設定する場合に,自動メンテナンスの対象となるユーザインベントリ項目を指定します。

形式
<COND USER>ユーザインベントリ項目(1階層目),・・・,ユーザインベントリ項目(6階層目)
説明
ユーザインベントリ項目を,階層ごとに「,」(コンマ)で区切って指定してください。ユーザインベントリ項目は6階層まで指定できます。
注意事項
  • ユーザインベントリ項目の値には,半角スペースおよびタブだけを記述することはできません。
  • 最後の階層の後には,「,」は付けられません。
  • 「,」と「,」間に何も記述されていない場合,エラーとなります。
  • 末尾の半角スペースは無視されます。
記述例
  • <COND USER>本部名,部名,社員番号
(d) <COND USER_VALUE>(ユーザインベントリ項目の設定(ID))

IDに自動メンテナンスの条件にユーザインベントリ項目を設定する場合に,IDへの登録の対象となるユーザインベントリ項目とユーザインベントリ項目の選択項目を指定します。

形式
<COND USER_VALUE>ユーザインベントリ項目,ユーザインベントリ項目の選択項目
説明
ユーザインベントリ項目とユーザインベントリ項目の選択項目を「,」(コンマ)で区切って指定してください。一つのポリシー内に同時に10個まで設定できます。
注意事項
  • ユーザインベントリ項目の値には,半角スペースおよびタブだけを記述することはできません。
  • 末尾の半角スペースは無視されます。
記述例
<COND USER_VALUE>本部,ソフトウェア開発部
<COND USER_VALUE>部,公共部
<COND USER_VALUE>課,第1課

(6) <PATH>(経路の設定)

あて先グループが作成される経路を設定します。

形式
<PATH>経路
説明
グループが作成される経路を指定してください。
複数の経路を「¥」で区切って指定することもできます。各経路は32バイト以内で指定してください。複数の経路を指定する場合,あて先グループ名および区切り文字の「¥」を含めて190バイトまで記述できます。
また,経路の名称には,「¥」「/」「*」「"」「'」「:」「!」「|」「.」「<」「>」「?」「@」「%」および半角スペースは使用できません。
注意事項
  • <DEST>1を指定した場合,<PATH>を指定しても無視されます。
  • それぞれの経路で,同じ経路名は指定できません。
  • 新しい経路を記述した場合,自動メンテナンス実行時に新たに経路が作成されます。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。
記述例
<PATH>¥group1¥group2¥group

(7) <NAME>(あて先グループ名またはID名)

自動メンテナンスの対象となる,あて先グループ名またはID名を設定します。

形式
<NAME>あて先グループ名またはID名
説明
あて先グループ名またはID名を記述してください。あて先グループ名およびID名は32バイト以内で指定してください。ただし,「¥」「/」「*」「"」「'」「:」「!」「|」「.」「<」「>」「?」「@」「%」および半角スペースは使用できません。
注意事項
  • <DEST>0を指定し,<KIND>の入力値が0,1,および2の場合は,必ずあて先グループ名を指定してください。
  • <DEST>1を指定した場合,必ずID名を入力してください。
  • 経路で指定したあて先グループ名と同じ名称は指定できません。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。

(8) <TARGET>(ホスト種別の設定)

自動メンテナンスの対象となるホスト種別を設定します。このタグは省略できます。

形式
<TARGET>ホスト種別
説明
ホスト種別を,0または1で指定してください。
ホスト種別
すべてのホスト0
クライアントだけ1
注意事項
  • <KIND>の値が0および2の場合は,<TARGET>の値を統一してください。
  • タグを省略した場合,<DEST>0を指定していると自動的に0が指定されます。<DEST>1を指定していると自動的に1が指定されます。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。

(9) <SUBVER>(OSサブバージョンの有無の設定)

ポリシー種別にOS種別を指定している場合の,OSサブバージョンの有無を設定します。このタグは省略できます。

<SUBVER>はポリシー種別にOS種別を選択した場合だけ指定できます。

形式
<SUBVER>OSサブバージョンの有無
説明
OSサブバージョンの有無を,0または1で指定してください。
OSサブバージョンの有無
0
1
注意事項
  • タグを省略した場合,自動的に0が指定されます。
  • OS種別以外のポリシー種別を選択した場合,このタグは指定しても無視されます。
  • 値の前後の半角スペースおよびタブは無視されます。