4.2.8 [運用キー]パネル
(1) キー項目
ホスト間で通信するときに,通信する相手先ホストを決定する情報の種類を「ホスト名」または「IPアドレス」で指定します。相手先ホストの運用キーの設定に合わせて「ホスト名」または「IPアドレス」のどちらかを指定してください。デフォルトは「ホスト名」です。キー項目としてホスト名を選択した場合,[アドレス解決の方法]および[アドレス解決できないあて先へのジョブ]を指定してください。
中継マネージャーでは,上位システムの運用キーに関わらず,独自に運用キーを設定する事ができます。
- アドレス解決の方法
- ジョブ作成または実行時にアドレス解決する方法として,「Windowsネットワークを使用する」または「JP1/NETM/DMのシステム構成を使用する」のどちらかを選択します。デフォルトは「Windowsネットワークを使用する」です。
- Windowsネットワークを使用する
- ジョブ作成または実行時にWindowsネットワークからIPアドレスを取得します。アドレス解決には,hostsファイルやネームサーバを使用します。アドレス解決に失敗した場合,JP1/NETM/DMのシステム構成からIPアドレスを取得します。
- JP1/NETM/DMのシステム構成を使用する
- ジョブ作成または実行時にJP1/NETM/DMのシステム構成からだけIPアドレスを取得します。したがって,システム構成のIPアドレスは常に正しい状態を保持する必要があります。DHCP環境などのIPアドレスが動的に変化する環境では,システム構成の自動登録機能を使用することで,システム構成のIPアドレスを正しい状態に保持することができます。
- 夜間などネームサーバが停止した状態でジョブを作成および実行するような環境では,「Windowsネットワークを使用する」を選択しても,アドレス解決に失敗し,ジョブを作成できないことがあります。しかし,「JP1/NETM/DMのシステム構成を使用する」を選択すると,アドレス解決に失敗するまでに掛かっていた時間を短縮できるメリットがあります。
- なお,この指定ではアドレス解決をしないで,システム構成情報からIPアドレスを取得することでジョブのあて先を決定します。このため,次の場合はジョブを実行できないことがあります。
- ホスト識別子運用の場合
詳細は,マニュアル「運用ガイド1」の「8.2.4(4) あて先を設定するときの注意事項」およびマニュアル「運用ガイド2」の「4.26.9 JOB_DESTINATION(あて先の指定)」を参照してください。
- NAT機能を使用している場合
この場合,あて先に対するジョブ実行要求の送信ができません。しかし,あて先からポーリングを実施することでジョブを実行できます。ポーリングの方法については,マニュアル「導入・設計ガイド」の「2.13.1(2)(b) 任意のタイミングでジョブを実行する」を参照してください。
- アドレス解決できないあて先へのジョブ
- ジョブ実行時にあて先のアドレス解決ができなかった場合に,そのジョブをエラーとするかどうかを選択します。デフォルトは「エラーとしない」です。「エラーとしない」を選択した場合,アドレス解決ができないジョブの実行状態は「実行待ち」となります。実在しないあて先へのジョブの実行状態も「実行待ち」のまま変化しません。
- WINSサーバを使用している環境では,ジョブ実行時にクライアントPCの電源がOFFの場合,あて先のアドレス解決ができません。したがって「エラーとする」の設定では,休日や夜間にジョブを実行してシステム起動時ポーリングでインストールする運用ができなくなります。このような場合は,「エラーとしない」を設定してください。
- なお,「エラーとしない」を選択した場合,実行したジョブにアドレス解決できないあて先が含まれていると,リモートインストールマネージャの動作が遅くなるなどの影響があります。
(2) キー項目を変更する場合の注意事項
運用の途中でキー項目を変更する場合,次に示す情報をリモートインストールマネージャから削除しておいてください。
なお,パッケージ情報は引き継ぐことができるため,削除する必要はありません。
システム構成情報は,削除する前にファイルに出力しておくと便利です。キー項目を変更したあと,出力したシステム構成情報ファイルを編集し,インポートすることでシステム構成情報を設定できます。出力したシステム構成情報ファイルをインポートする場合,各ホストのホスト名またはIPアドレスが正しく記述されているか確認してください。例えば,キー項目をホスト名からIPアドレスに変更する場合,出力したシステム構成情報ファイルに正しくIPアドレスが記述されている必要があります。修正が必要なときは,テキストエディタなどでファイルを編集してください。システム構成情報のファイルの内容と出力方法については,「8.1.4 システム構成情報をファイルから作成する」を参照してください。
(3) ホスト識別子の使用
JP1/NETM/DMのシステム全体で,ホストを一意に管理する情報としてホスト識別子を使うかどうかを選択します。デフォルトは使用「する」です。
なお,「Asset Information Manager Limited」を使用している場合に,「ホスト識別子の使用」の設定を変更するときには,「Asset Information Manager Limited」の「運用キー」の設定変更が必要になります。運用キーの設定については,「10.2.5 JP1/NETM/DM連携の設定」を参照してください。
(4) ホスト識別子を使用する場合の注意事項
システムの運用後にキーを変更した場合,次の点に注意してください。
- ホスト識別子を使用しない運用からホスト識別子を使用する運用に変更する場合
ホスト識別子を使用する場合は次の2点を確認してください。
- データベースのバックアップを取得していること
- ホスト識別子を使用する設定で運用を始めると,再度使用しない設定に変更した場合に,データベースに記録されたパッケージ以外の情報は使用できません。したがって,ホスト識別子を使用しない設定で記録されたデータベースがある場合は,バックアップを取得してください。
- 上位マネージャがホスト識別子を使用する設定であること
- 中継マネージャでホスト識別子を使用する場合は,接続先の上位マネージャに設定したJP1/NETM/DM Managerがホスト識別子に対応しているバージョン(JP1/NETM/DM Manager 05-21以降)で,かつホスト識別子を使用する設定になっている必要があります。
- 接続先の上位マネージャに設定したJP1/NETM/DM Managerがホスト識別子に対応していないバージョンである場合,またはJP1/NETM/DM Managerのセットアップでホスト識別子を使用しない設定の場合は,中継マネージャではホスト識別子を使用しないでください。
- ホスト識別子を使用する運用からホスト識別子を使用しない運用に変更する場合
ホスト識別子を使用しない設定に変更すると,ホスト識別子を使用する設定で記録されていたデータベースの情報は,パッケージ以外使用できなくなります。
この場合,次のどちらかの方法で回避してください。
- ホスト識別子を使用しない設定に変更する前に,すべてのデータベースの情報を削除してください。
- 以前にホスト識別子を使用しない設定で記録されていたデータベースのバックアップがある場合は,バックアップから回復してください。