11.1.2 JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせる場合の環境構築

JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせる場合の環境構築手順を次に示します。

なお,OSがWindows Server 2008の場合は,「クラスタアドミニストレータ」を「フェールオーバークラスタ管理」と読み替えてください。OSがWindows Server 2012の場合は,「クラスタアドミニストレータ」を「フェールオーバークラスターマネージャー」と読み替えてください。

<この項の構成>
(1) Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによるグループ・リソース作成
(2) データベースサーバにフェールオーバー機能を適用させるクラスタ環境の作成
(3) フェールオーバー機能使用時の環境作成
(4) JP1/NETM/DM Manager直下のシステムを環境構築する手順
(5) 各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定
(6) ファイアウォールを使用した環境での設定
(7) フェールオーバー発生後の対処

(1) Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによるグループ・リソース作成

JP1/NETM/DM用のグループを作成し,IPアドレスリソース,ネットワーク名リソース,および共有ディスク(物理ディスク)リソースを登録します。

Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterの初期導入時には,あらかじめ「Cluster Group」というグループが作成されますが,これとは別に作成してください。また,実行系として動作させるサーバを優先サーバに設定します。

作成方法の詳細については,Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのマニュアルを参照してください。

(2) データベースサーバにフェールオーバー機能を適用させるクラスタ環境の作成

Microsoft SQL Server 2012,Microsoft SQL Server 2008をクラスタシステム上で使用する場合
Microsoft SQL Serverインストールウィザードによるフェールオーバークラスタのセットアップが必要です。
クラスタを構成する実行系サーバのローカルディスクにMicrosoft SQL Serverをインストールします。SQL Sereverインストールセンターで[SQL Serverフェールオーバークラスタの新規インストール]を選択することによって,フェールオーバークラスタのインストールが開始されます。その後,[SQL Serverフェールオーバークラスタにノードを追加します]を選択し,待機系サーバを追加します。
Microsoft SQL Serverのインストールおよびセットアップ方法の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
Microsoft SQL Server 2005をクラスタシステム上で使用する場合
Microsoft SQL Serverインストールウィザードによるフェールオーバークラスタのセットアップが必要です。
クラスタを構成する実行系サーバのローカルディスクにMicrosoft SQL Serverをインストールします。このとき,[インストールするコンポーネント]ダイアログボックスで,「フェールオーバークラスタの作成」チェックボックスをオンにすることによって,フェールオーバークラスタのインストールが開始されます。その後,[クラスタノードの構成]ダイアログボックスで,待機系サーバを「選択したノード」に追加します。
Microsoft SQL Serverのインストールおよびセットアップ方法の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
Microsoft SQL Server 2000をクラスタシステム上で使用する場合
Microsoft SQL Serverインストールウィザードによるフェールオーバークラスタのセットアップが必要です。
クラスタを構成する実行系サーバのローカルディスクにMicrosoft SQL Serverをインストールします。このとき,[仮想サーバ]を選択し,仮想サーバ名を入力することによって,フェールオーバークラスタのセットアップが実行されます。その後,待機系サーバのローカルディスクにMicrosoft SQL Serverを「ノードの追加」でインストールします。Microsoft SQL Serverのインストールおよびセットアップ方法の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
なお,Microsoft SQL Serverをクラスタシステム環境で使用する場合,Microsoft SQL ServerとMicrosoft SQL Serverクライアント間の通信には,TCP/IPを使用することをお勧めします。
Microsoft SQL Server 7.0をクラスタシステム上で使用する場合
Microsoft SQL Serverフェールオーバークラスタウィザードによるクラスタ化サービスのセットアップが必要です。
クラスタを構成する実行系サーバのローカルディスクにMicrosoft SQL Serverをインストール後,フェールオーバークラスタウィザードでクラスタ化サービスをセットアップしてください。Microsoft SQL Serverのインストールおよびセットアップ方法の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
Oracleをクラスタシステム上で使用する場合
クラスタを構成する実行系サーバ,待機系サーバのそれぞれのローカルディスクにOracleサーバを構成するソフトウェアおよびOracle Fail Safe Serverをインストールしてください。その後,Oracle Fail Safe Managerでクラスタ化サービスをセットアップします。また,Oracleデータベース・インスタンスは,共有ディスク上に作成してください。Oracleクラスタ環境のセットアップ方法の詳細については,OracleのFail Safeについてのマニュアルを参照してください。

(3) フェールオーバー機能使用時の環境作成

JP1/NETM/DMのフェールオーバー機能を使用する環境の作成方法を,手順に沿って説明します。

(a) 実行系サーバにJP1/NETM/DM Managerをインストールする

インストール,セットアップ,データベースマネージャの順に設定してください。

なお,インストールするコンポーネントの設定によっては,表示されない設定項目があります。また,表に記載されていない項目については,通常どおりに設定してください。インストール,セットアップ,およびデータベースマネージャの設定の詳細については,次の個所を参照してください。

JP1/NETM/DM Managerの「サーバ」および「Asset Information Manager Limited」のインストール時に必要な設定を次の表に示します。

表11-2 JP1/NETM/DM Managerの設定方法

プログラム設定項目設定内容サーバAIM Limited
インストールJP1/NETM/DM Managerの種別「マネージャ」を選択する。
インストールコンポーネントの選択「サーバ」および「Asset Information Manager Limited」のうち,使用するコンポーネントを選択する。
インストールディレクトリの設定ローカルディスクを指定する。
データベースの設定(Microsoft SQL Serverを使用する場合)Microsoft SQL Serverをクラスタシステム上に構築している場合は,データベースサーバのホスト名に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。
データベースの設定(Oracleを使用する場合)Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合は,データベースサーバのホスト名に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。
パッケージ格納ディレクトリの設定共有ディスクを指定する。
ソフトウェア操作履歴格納ディレクトリの設定共有ディスクまたはネットワークドライブを指定する。
サービスの設定(新規インストールの場合だけ)「スタートアップの種類」に「手動」を選択する。
接続先の設定(リモートインストールマネージャ)論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。
Asset Information Manager Limitedの仮想ディレクトリの設定共有ディスクを指定する。
セットアップ[クラスタ設定]パネル
  • 「クラスタシステム環境で使用する」チェックボックスをオンにする。
  • JP1/NETM/DM Managerの論理ホスト名を,ドメイン名付きで指定する。
[稼働監視]パネル「操作履歴を格納ディレクトリから圧縮して退避する」のラジオボタンを選択する場合,「退避ディレクトリ」に共有ディレクトリを指定する。
[監査ログ]パネル「監査ログを出力する」のチェックボックスをオンにする場合,「監査ログの出力ディレクトリ」にローカルディスクを指定する(ただし,JP1/NETM/Auditと連携する場合だけ)。
SQL Serverクライアントネットワークユティリティ
(Microsoft SQL Serverを使用する場合)
使用するネットワークライブラリの設定クラスタシステム上のMicrosoft SQL Serverに接続する場合,接続のネットワークライブラリにTCP/IPを使用する。SQLクライアント設定ユティリティで,Microsoft SQL Serverの論理ホスト名を使用した設定を追加する。
Oracle Net8 AssistantまたはNet Manager
(Oracleを使用する場合)
ネット・サービス名の作成「NETM_論理ホスト名」で作成する。
Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合,アドレスの構成で指定するホスト名に,接続先のOracleの論理ホスト名を指定する。
データベースマネージャ(実行系だけ)データベースの詳細設定(Microsoft SQL Serverの場合)すべてのデータベースファイルについて,共有ディスクを指定する。
表領域の詳細設定(Oracleの場合)
データベースマネージャ
(Embedded RDBの場合)
HiRDB.iniファイルの編集(サーバ本体機能インストールPCが複数NIC環境の場合)サーバ本体機能インストールPCの以下ディレクトリに格納されているHiRDB.iniファイルのクライアント環境変数PDCLTRCVADDRに論理IPアドレスを指定する。

[JP1/NETM/DMインストールパス]¥NETMDM¥Setup_Input¥ini¥HiRDB.ini
[JP1/NETM/DMインストールパス]¥NETMDM¥Setup_Input_HA¥ini¥HiRDB.ini

クラスタシステム環境の設定「クラスタシステム環境で使用する」をチェックして,「実行系」または「待機系」を選択する。論理ホスト名と実行系ホスト名を指定する。
管理データベースの設定管理データベース領域パスに共有ディスクを指定する。作業表領域パスにローカルディスクを指定する。
「自動増分を行う」チェックボックスは,実行系サーバと待機系サーバで同じ設定にする。
データベースの詳細設定すべてのデータベースファイルに,共有ディスクを指定する。
Asset Information Manager Limitedの環境設定(データソース/ネット・サービスの作成)
(Oracleを使用する場合)
ネット・サービスの作成Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合は,「サーバ」に接続先のOracleの論理ホスト名を指定する。
Asset Information Manager Limitedの環境設定(データベースマネージャ)
(Microsoft SQL ServerまたはOracleを使用する場合,実行系だけ)
データベースの詳細設定すべてのデータベースファイルについて,共有ディスクを指定する。
Asset Information Manager Limitedの環境設定(データベースマネージャ)
(Embedded RDBを使用する場合)
クラスタシステム設定「クラスタシステム環境で使用する」をチェックして,「実行系」または「待機系」を選択する。論理ホスト名と実行系ホスト名を指定する。
実行系サーバと待機系サーバでは,同じポート番号を指定する。
データベースの詳細設定格納先フォルダ名に,共有ディスクを指定する。
実行系サーバと待機系サーバでは,同じ「格納先フォルダ名」および「サイズ」を指定する。
(凡例)
○:コンポーネント選択時に設定が必要な項目
-:コンポーネント選択時に設定が不要な項目

注※ AIM Limited:Asset Information Manager Limited


すでにJP1/NETM/DM Managerをフェールオーバーさせない構成で環境を構築済みで,JP1/NETM/DM Managerを上書きインストールした場合,[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]から,「Remote Install Server」サービスをダブルクリックし,スタートアップの種類を「自動」から「手動」に変更してください。

JP1/NETM/DM Managerインストール完了時に再起動を要求された場合は,ここでコンピュータを再起動します。

(b) クラスタアドミニストレータでグループを移動する

これによって所有者が待機系サーバになります。

(c) 待機系サーバにJP1/NETM/DM Managerをインストールする

待機系サーバの環境を構築します。インストール手順および設定内容については,「(a) 実行系サーバにJP1/NETM/DM Managerをインストールする」を参照してください。

(d) クラスタアドミニストレータでグループを移動する

これによって所有者が実行系サーバになります。

(e) クラスタアドミニストレータで,JP1/NETM/DM Managerのリソースを新規作成する

設定内容を表11-3~表11-8に示します。

表11-3 「サーバ」を使用する場合のリソース設定内容

登録リソース設定項目設定内容
Remote Install Server名前任意の名称を指定する。
リソースの種類「汎用サービス」を設定する。
グループMicrosoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。
実行可能な所有者実行系および待機系のノードを設定する。
依存関係
  • Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。
  • Microsoft SQL ServerまたはOracleを使用している場合に,RDBMSを同一グループに設定しているときは,RDBMSのリソースを設定する。
  • Embedded RDBを使用する場合は,表11-4の「HiRDBClusterService_JN1」のリソースを設定する。
汎用サービスパラメータRemote Install Server
レジストリの複製
OSが32ビット版の場合
SOFTWARE¥HITACHI¥NETM/DM
OSが64ビット版の場合
SOFTWARE¥Wow6432Node¥Hitachi¥NETM/DM
注※
Windows Server 2012のフェールオーバークラスターマネージャーでは「レジストリの複製」の設定ができません。Windows Server 2012では,Windows PowerShellコマンドレットを使用して設定してください。
汎用サービス名"Remote Install Server"とした場合の例を以下に示します。
設定を追加する場合
Add-ClusterCheckpoint -ResourceName "Remote Install Server" -RegistryCheckpoint SOFTWARE¥Wow6432Node¥Hitachi¥NETM/DM
設定を確認する場合
Get-ClusterCheckpoint -ResourceName "Remote Install Server" -RegistryCheckpoint
設定を削除する場合
Remove-ClusterCheckpoint -ResourceName "Remote Install Server" -RegistryCheckpoint

表11-4 Embedded RDBを使用する場合の「HiRDB/ClusterService_JN1」のリソース設定内容

登録リソース設定項目設定内容
HiRDBClusterService_JN1名前任意の名称を指定する。
リソースの種類「汎用サービス」を設定する。
グループMicrosoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。
実行可能な所有者実行系および待機系のノードを設定する。
依存関係Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。
汎用サービスパラメータHiRDBClusterService_JN1
レジストリの複製指定しない。

クラスタアドミニストレータで,汎用サービスリソース「Remote Install Server」をオンラインにします。以降,Remote Install Serverサービスを停止・開始するときは,クラスタアドミニストレータを使用して状態をオフラインやオンラインにしてください。

表11-5 「Asset Information Manager Limited」を使用する場合のリソース設定内容

登録リソース設定項目設定内容
Asset Information Synchronous Service名前任意の名称を指定する。
リソースの種類「汎用サービス」を設定する。
グループMicrosoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。
実行可能な所有者実行系および待機系のノードを設定する。
依存関係
  • Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。
  • Microsoft SQL ServerまたはOracleを使用している場合に,RDBMSを同一グループに設定しているときは,RDBMSのリソースを設定する。
  • Embedded RDBを使用する場合は,表11-6の「HiRDBClusterService_AM1」のリソースを設定する。
汎用サービスパラメータAssetInformationSynchronousService
レジストリの複製指定しない。

表11-6 Embedded RDBを使用する場合の「HiRDB/ClusterService_AM1」のリソース設定内容

登録リソース設定項目設定内容
HiRDBClusterService_AM1名前任意の名称を指定する。
リソースの種類「汎用サービス」を設定する。
グループMicrosoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。
実行可能な所有者実行系および待機系のノードを設定する。
依存関係Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。
汎用サービスパラメータHiRDBClusterService_AM1
レジストリの複製指定しない。

表11-7 「Asset Information Manager Limited」を使用する場合のMicrosoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows 2000およびWindows Server 2003の場合)

登録リソース設定項目設定内容
Microsoft Internet Information Services名前任意の名称を指定する。
リソースの種類次の値を設定する。
Windows 2000の場合
IIS Server Instance
Windows Server 2003の場合
汎用スクリプト
グループMicrosoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。
実行可能な所有者実行系および待機系のノードを設定する。
依存関係Microsoft Cluster Serviceeのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。
パラメータ
(Windows 2000の場合)
フェールオーバーするサービスに設定する。「IIS」で「WWW」のラジオボタンを選択状態にし,「IISサーバー」のコンボボックスで「既定のWebサイト」を選択する。
スクリプトのファイルパス
(Windows Server 2003の場合)
次の値を設定する。

%systemroot%¥System32¥Inetsrv¥Clusweb.vbs

表11-8 「Asset Information Manager Limited」を使用する場合のMicrosoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows Server 2008の場合)

リソースの種類スクリプトファイルパスへの
入力内容
依存関係
汎用スクリプト%systemroot%¥System32¥Inetsrv¥Clusweb.vbs「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。
Windows Server 2008のクラスタ環境でリソースを設定するためのスクリプトファイル(Clusweb.vbs)は,標準でインストールされていません。Microsoft Internet Information Services 7.0の役割サービスの追加で「IIS 6 管理互換」の「IISスクリプトツール」をインストールすると,スクリプトファイルが所定のパス(%systemroot%¥System32¥Inetsrv)に格納されます。
したがって,クラスタ環境でリソースを設定する場合は,事前に「IISスクリプトツール」をインストールしておいてください。インストール方法の詳細については,Microsoft Internet Information Servicesのマニュアルを参照してください。
Microsoft Internet Information Services 7.5を利用する場合,役割サービスの追加で「IIS 6 管理互換」の「IIS スクリプトツール」をインストールしても,Clusweb.vbsは作成されません。Microsoftが公開している技術情報(KB970759)を参照し,汎用スクリプトのサンプルをダウンロードしてご利用ください。

(4) JP1/NETM/DM Manager直下のシステムを環境構築する手順

JP1/NETM/DM Manager直下の中継システムまたはクライアントの環境を構築するときの手順を次に示します。

  1. TCP/IPの定義に,JP1/NETM/DM Managerの論理ホスト名とIPアドレスを設定する。
  2. セットアップを設定する。
    接続先上位サーバの設定に論理ホスト名または論理IPアドレスを指定してください。

(5) 各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定

JP1/NETM/DMの各機能を使用する場合に,インストール時の接続先には論理ホスト名または論理IPアドレスを使用してください。

各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定方法を次の表に示します。

表11-9 各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定方法

コンポーネントダイアログボックス名設定内容
サーバ本体機能サーバセットアップ
([AIM関連]パネル)
Asset Information Manager Limitedをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合,「AIMのURL」に接続先の論理ホスト名または論理IPアドレス指定する。
リモートインストールマネージャ接続先の設定
(インストーラ)
リモートインストールマネージャの接続先に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。
JP1/NETM/DM ログオン
(ログオン画面)
パッケージャ接続先の設定パッケージャの接続先に論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。

(6) ファイアウォールを使用した環境での設定

JP1/NETM/DM Managerをクラスタシステム構成,かつファイアウォールを使用した構成にする場合,通過アドレスには物理アドレスと論理アドレスを設定してください。

(7) フェールオーバー発生後の対処

フェールオーバーが発生した場合のユーザの対処方法を次の表に示します。なお,リレーショナルデータベース環境にOracleのクラスタ環境を使用する場合は,通信エラーによる再接続を行うことなく業務を続けることができます。

表11-10 フェールオーバー後のユーザの対処内容

項番フェールオーバー発生時に実行中の処理フェールオーバー後の対処内容
1リモートインストールマネージャ・インベントリビューア起動中通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,JP1/NETM/DM サーバに再接続してください。
2ジョブ登録中通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再度,ジョブを登録してください。
3ジョブ実行待ちジョブを再実行してください。
4ジョブ実行中(20%)エラーとなったジョブだけ再実行してください。(実行待ち・起動失敗・中断中・インストール/収集待ち・インストール拒否・完了・正常終了状態のジョブは対処不要)
5進行度20%以上のジョブに対するジョブ再実行中ジョブ実行状況のフォルダ「中継下ノード再実行」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。
6IDの編集(ID管理中継,クライアントの追加削除,パスワード変更)後ジョブ実行状況のフォルダ「IDグループの編集」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。
7JP1/NETM/DM Managerの[サーバセットアップ]-[システム構成関連]パネルで「システム構成情報の自動反映」と「システム構成変更時の連携」の設定を有効にしている場合ジョブ実行状況のフォルダ「システム構成情報の編集」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。
8ジョブ定義編集中通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再度,ジョブ定義を新規作成してください。編集中のジョブ定義は,使用できなくなっているため削除してください。
9CSV出力ユティリティ実行中通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再実行してください。
10データベースマネージャ実行中データベースアクセスエラーのダイアログ出力後,場合に応じて対処してください。
  • 新規にデータベースを作成中の場合
    データベースを削除後,再実行してください。
  • 管理ファイルを移行中の場合
    データベースを削除・新規作成後,再実行してください。
  • データベース回復中の場合
    バックアップからデータベースを復元し,再実行してください。
  • データベースアップグレード中の場合
    バックアップからデータベースを復元し,再実行してください。
  • 資源をファイルシステムに移行中の場合
    パッケージ格納先ディレクトリ上のファイルをすべて削除し,再実行してください。
  • そのほかの場合
    データベースマネージャを再起動してください。
11コマンド実行中通信エラーまたは接続エラーを返却したコマンドを再実行してください。
12パッケージャでパッケージング中通信エラーのダイアログ出力後,リモートインストールマネージャでパッケージングに失敗したパッケージを削除し,再度パッケージングしてください。
13IDへの登録・削除中通信エラーのダイアログ出力後,再度IDへ登録・削除してください。
14パッケージセットアップマネージャでパッケージをインストール中エラーの検知後,パッケージを再インストールしてください。
15[操作ログ一覧]ウィンドウ表示中[操作ログ一覧]ウィンドウを閉じてから,再度表示してください。
16「データメンテナンス」および「操作履歴の取り込み」のタスク実行中タスクが途中で停止した状態になります。タスクを再度実行してください。