8.4.4 ID管理中継からの自動通知が遅延した場合の対処

ID管理中継からの自動通知が遅延している間に,クライアントが経路を変更すると,経路情報が反映されなかったり,IDへの登録が解除されなかったりします。これらの問題への対処方法について説明します。なお,ここではIDを作成し,ID管理中継を管理する配布管理システムまたは中継マネージャを「ID管理マネージャ」と表記します。

<この項の構成>
(1) ID所属情報に経路変更が反映されないときの対処
(2) IDの登録解除が適用されないときの対処

(1) ID所属情報に経路変更が反映されないときの対処

ID管理中継からのIDの登録通知が遅延している間に,クライアントがID管理マネージャに経路を変更した場合,ID所属情報の経路情報が反映されません。経路情報が反映されていないクライアントについては,IDファイルとクライアントの情報ファイルを比較して抽出できます。経路情報が反映されていないクライアントの抽出方法および対処方法について説明します。

(a) IDファイルを作成する

クライアントを管理しているID管理中継を把握するため,IDファイルを出力します。なお,IDファイルはNDI形式で出力されます。比較しやすくするため, CSV形式のIDファイルを作成する方法を,次に示します。

  1. ID管理マネージャのリモートインストールマネージャの「あて先」ウィンドウで,[ファイル]-[IDホストをファイルへ保存]を選択する。
    IDファイル(.NDI形式ファイル)が出力されます。
  2. ファイルをテキストエディタなどで開き,「△HID=」,「△MAC=」,「△ID=」および「,MASTER=」を「,」(コンマ)に置換する。
    ID名称に含まれる「,MASTER=」は「,」に置換しないでください。また,「△」は半角スペース示しています。
  3. IDファイルをCSV形式で保存する。

IDファイルに出力される情報については,「8.3.3(2)(a) IDファイルを作成する」を参照してください。

(b) クライアントの情報ファイルを作成する

ID管理マネージャで管理しているクライアントの情報をCSV形式ファイルで出力します。CSV出力ユティリティであて先属性テンプレートを選択し,次の情報を出力してください。

クライアントの情報ファイルの出力方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「9.1 CSV出力ユティリティでファイルを出力する」を参照してください。

(c) 経路変更が反映されていないクライアントを抽出する

IDファイルとクライアントの情報ファイルを比較し,経路情報が反映されていないクライアントを抽出する方法を示します。

  1. IDファイルから,経路情報を確認したいクライアントが所属しているID管理中継のホスト識別子を確認し,そのID管理中継のホスト名(またはIPアドレス)を把握する。
  2. 経路情報を確認したいクライアントについて,手順1.で把握したID管理中継のホスト名(またはIPアドレス)と,クライアントの情報ファイルの経路情報を後方一致で比較する。
    後方一致しないクライアントは,経路情報が反映されていません。
    なお,ID管理中継のホスト識別子が「#」だけのクライアントについては,確認不要です。
(d) 経路情報を修正する

経路情報が反映されていないクライアントの経路情報を修正します。次のどちらかの方法を実施してください。

IDファイルを編集し再登録する

  1. ID管理マネージャのリモートインストールマネージャの「あて先」ウィンドウで,[ファイル]-[IDホストをファイルへ保存]を選択する。
    IDファイルが出力されます。
  2. ファイルをテキストエディタなどで開き,経路情報が反映されていないクライアントのID管理中継のホスト識別子を修正する。
  3. ID管理マネージャのリモートインストールマネージャの「あて先」ウィンドウで,[ファイル]-[ファイルからIDへの登録]を選択する。
    IDにクライアントが登録されます。

ID管理中継でID所属情報を削除し,クライアントからIDに再登録する

  1. ID管理マネージャのリモートインストールマネージャの「あて先」ウィンドウで,削除するクライアントを選択し,[編集]-[削除]を選択する。
    選択したクライアントがIDから削除されます。
  2. IDから削除したクライアントに,IDへの再登録を依頼する。

(2) IDの登録解除が適用されないときの対処

ID管理中継からのIDの登録解除通知が遅延している間に,クライアントがID管理マネージャに経路を変更した場合,IDの登録解除が適用されません。このような場合の対処として,次のどちらかの方法を実施してください。

注意事項
この問題の防止方法として,経路を変更する直前に,IDの登録解除をしないでください。また,経路を変更したあとは,クライアントでIDの登録解除が適用されているかどうか確認してください。