5.13.3 Asset Information Managerのフェールオーバー機能使用時の環境作成

Asset Information Managerのフェールオーバー機能を使用する場合の,クラスタ環境の作成方法について説明します。

  1. 実行系サーバにAsset Information Managerをインストールする。
    設定内容を次の表に示します。表に示した順に設定してください。
    表に記載されていない項目については,通常どおりに設定してください。
    インストールの手順については「5.2.2 Asset Information Managerのインストール」を,セットアップの手順については「5.3 資産管理サーバの設定」を参照してください。

    表5-32 Asset Information Managerの設定内容

    プログラム設定項目設定内容
    Asset Information Managerのインストールウィザードインストール先の選択ローカルディスクを指定します。
    資産管理サーバの仮想ディレクトリ(デフォルトは,Asset Information Managerのインストール先フォルダ¥wwwroot)共有ディスクを指定します。
    Asset Information Managerの[サーバセットアップ]ダイアログサービス名
    • Microsoft SQL ServerおよびEmbedded RDBを使用する場合
      ODBCデータソース名を指定します。
    • ORACLEを使用する場合
      ネット・サービス名を指定します。
    ログインID,パスワード
    (Embedded RDBを使用する場合)
    実行系と待機系で同一のログインIDおよびパスワードを指定します。
    [データベースマネージャ]ダイアログの「データベースの新規作成」
    • Microsoft SQL ServerおよびORACLEを使用する場合
      実行系でだけ実行します。
    • Embedded RDBを使用する場合
      実行系および待機系で実行します。
    SQL Serverクライアントネットワークユティリティ(Microsoft SQL Serverを使用する場合)使用するネットワークライブラリの設定クラスタシステム構成上のMicrosoft SQL Serverに接続する場合,接続のネットワークライブラリにTCP/IPを使用します。SQLクライアント設定ユティリティで,Microsoft SQL Serverの論理ホスト名を使用した設定を追加します。
    データベース領域(Microsoft SQL ServerまたはORACLEを使用する場合)データベースファイル名実行系でだけ共有ディスク上に作成します。
    データベースの基本設定のダイアログ(Embedded RDBを使用する場合)ポート番号実行系と待機系で同一のポート番号を指定します。
    データベースの詳細設定のダイアログ(Embedded RDBを使用する場合)格納先フォルダ名共有ディスクを指定します。
    実行系と待機系で同一のパスになるようにしてください。
    データベースの詳細設定のダイアログ(Embedded RDBを使用する場合)サイズ,自動拡張実行系と待機系で同一のサイズおよび自動拡張を指定します。
    [データソース/ネット・サービスの作成]ダイアログ(Microsoft SQL Serverを使用する場合)データソースの作成作成するデータベースの「サーバ」には,論理ホスト名(ネットワーク名)を使用します。
    [データソース/ネット・サービスの作成]ダイアログ(Embedded RDBを使用する場合)データソースの作成データベースの新規作成時に,セットアップの内容に従ってデータソースが自動的に作成されます。実行系のサーバではデータベースの新規作成が完了してからデータソースの接続先を論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください(データベースの新規作成直後は,データソースの接続先はlocalhostです)。
    待機系では,インストール後にデータベースを作成したあと,データソースの接続先を実行系と同一の論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください。
    [データソース/ネット・サービスの作成]ダイアログ(ORACLEを使用する場合)ネット・サービスの作成サーバをクラスタシステムのノード上に設定している場合は,ホスト名に論理ホスト名を使用します。ORACLEサーバをクラスタシステム上に構成している場合は,アドレスの構成で指定するホスト名に接続先のORACLEサーバの論理ホスト名を指定します。
    (凡例)
    -:該当なし

  2. 実行系サーバで動作を確認する。
    Embedded RDBを使用する場合,Embedded RDBのサービスが共有ディスクのファイルを参照していることがあるので,動作確認が終了したら次の作業を実行してください。
    • World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止する。
    • Administrators権限を持つユーザでjamemb_dbstop.batを実行して,資産管理データベースを停止する。
      jamemb_dbstop.batは次のフォルダに格納されています。
      Asset Information Managerのインストール先フォルダ¥exe
  3. クラスタアドミニストレータでグループを移動する。
    これによって所有者が待機系サーバになります。
  4. 待機系サーバで環境構築手順1.を設定する。
    各設定内容も同一とします。ただし,資産管理データベースの作成は不要です。
  5. クラスタアドミニストレータで,Microsoft Internet Information Servicesのリソースを新規作成する。
    使用するOS別に,設定内容を次の表に示します。

    表5-33 Microsoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows Server 2003の場合)

    設定項目設定内容
    名前任意に設定します。
    リソースの種類「汎用スクリプト」を選択します。
    グループMicrosoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定します。
    実行可能な所有者2台のノード(クラスタサーバ)を「実行可能な所有者」として追加します。
    依存関係「IPアドレス」のリソースを設定します。
    スクリプトのファイルパス%systemroot%¥System32¥Inetsrv¥Clusweb.vbs

    表5-34 Microsoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows Server 2008の場合)

    リソースの種類スクリプトファイルパスへの
    入力内容
    依存関係
    汎用スクリプト%systemroot%¥System32¥Inetsrv¥Clusweb.vbs「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。
    Windows Server 2008のクラスタ環境でリソースを設定するためのスクリプトファイル(Clusweb.vbs)は,標準でインストールされていません。Microsoft Internet Information Services 7.0または7.5の役割サービスの追加で「IIS 6 管理互換」の「IISスクリプトツール」をインストールすると,スクリプトファイルが所定のパス(%systemroot%¥System32¥Inetsrv)に格納されます。
    したがって,クラスタ環境でリソースを設定する場合は,事前に「IISスクリプトツール」をインストールしておいてください。インストール方法の詳細については,Microsoft Internet Information Servicesのマニュアルを参照してください。
     

    クラスタアドミニストレータで,「IIS Server Instance」をオンラインにすると,サービスが開始します。以降,World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止または開始するときは,クラスタアドミニストレータを使用して状態をオフラインまたはオンラインにしてください。
  6. クラスタアドミニストレータで,DBMSのサービスのリソースを作成する。
    Microsoft SQL ServerまたはORACLEを使用する場合の設定内容については,Microsoft SQL ServerまたはORACLEのマニュアルを参照してください。Embedded RDBを使用する場合は,次の表に示す設定内容でリソースを作成してください。状態をオンラインにすると,資産管理データベースが開始します。
    使用するOS別に,設定内容を次の表に示します。

    表5-35 Embedded RDBのサービスのリソース設定内容(Windows Server 2003の場合)

    設定項目設定内容
    名前任意に設定します。
    リソースの種類「汎用サービス」を選択します。
    グループMicrosoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定します。
    実行可能な所有者2台のノード(クラスタサーバ)を「実行可能な所有者」として追加します。
    依存関係「ネットワーク名」に,Asset Information Managerのインストール先フォルダのフォルダ名を含んだ「物理ディスク」の各リソースを追加します。
    RDBサーバを同一グループに設定している場合は,「RDBサーバ」のリソースも追加します。
    汎用サービスパラメーターHiRDBClusterService_AM1
    レジストリの複製指定しません。

    表5-36 Embedded RDBのサービスのリソース設定内容(Windows Server 2008の場合)

    リソースの種類選択するサービス名依存関係
    汎用サービスHiRDBClusterService_AM1「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。