6.8.1 ユーザ定義の判定項目を追加する

判定ポリシー編集(ユーザ定義の判定)画面で,ユーザ定義の判定項目を追加する手順を次に示します。

  1. 判定ポリシー編集(ユーザ定義の判定)画面で[追加]ボタンをクリックする。
    [追加(判定項目情報)]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  2. 判定項目名を入力する。
    登録する判定項目名を255バイト以内の文字列で入力します。必ず設定してください。
  3. ユーザ定義の判定条件を定義する。
    ユーザ定義の判定条件を,追加・変更・削除します。それぞれボタンをクリックして表示されるダイアログで編集します。
  4. 危険レベルを選択する。
    危険レベルをプルダウンメニューから選択します。デフォルトは「注意」です。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
    [追加(判定項目情報)]ダイアログを閉じて判定ポリシー編集(ユーザ定義の判定)画面に戻ります。

[追加(判定項目情報)]ダイアログのボタンをクリックして表示されるダイアログ名およびメッセージボックス名を次の表に示します。

表6-28 [追加(判定項目情報)]ダイアログから表示されるダイアログ名およびメッセージボックス名

項番ボタンダイアログ名およびメッセージボックス名
1[追加][追加(判定条件)]ダイアログ
2[変更][変更(判定条件)]ダイアログ
3[削除][削除(判定条件)]メッセージボックス

次に,ユーザ定義の判定条件の追加・変更・削除の手順,および判定条件の設定例について説明します。

<この項の構成>
(1) ユーザ定義の判定条件を追加する
(2) ユーザ定義の判定条件を変更する
(3) ユーザ定義の判定条件を削除する
(4) クライアントが省電力化に対応しているか判定する場合の設定例

(1) ユーザ定義の判定条件を追加する

[追加(判定項目情報)]ダイアログで,ユーザ定義の判定条件を追加する手順を次に示します。

  1. [追加(判定項目情報)]ダイアログで[追加]ボタンをクリックする。
    [追加(判定条件)]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  2. ユーザ定義の判定条件を入力する。
    設定項目を次の表に示します。

    表6-29 [追加(判定条件)]ダイアログの設定項目

    項番画面項目名設定内容デフォルト
    1クラスユーザ定義の判定で使用する情報が格納されているクラスとプロパティをプルダウンメニューから選択します。選択肢は,表6-30を参照してください。
    必ず設定してください。
    資産情報
    2プロパティ固有情報Area-1
    3比較条件「プロパティ」の型が数値の場合比較条件をプルダウンメニューから選択します。選択肢は次の4種類です。
    • 「一致」
    • 「不一致」
    • 「以下」
    • 「以上」
    一致
    「プロパティ」の型が文字列の場合比較条件をプルダウンメニューから選択します。選択肢は次の7種類です。
    • 「完全一致」
    • 「部分一致」
    • 「前方一致」
    • 「後方一致」
    • 「不一致」
    • 「以下」
    • 「以上」
    完全一致
    「プロパティ」の型が日時の場合比較条件をプルダウンメニューから選択します。選択肢は次の4種類です。
    • 「一致」
    • 「不一致」
    • 「以下」
    • 「以上」
    一致
    4比較値「プロパティ」の型が数値の場合プロパティと比較する数値を1~19桁までの正の数,または20桁までの負の数(先頭だけ「-」を入力できる)で入力します。
    必ず設定してください。
    「プロパティ」の型が文字列の場合プロパティと比較する文字列を,プロパティのサイズ以内の任意の文字列(改行を除く)で入力します。
    プロパティのサイズについては,表6-30を参照してください。
    必ず設定してください。
    「プロパティ」の型が日時の場合プロパティと比較する日時を次の項目から一つ以上,設定します。
    年:1~9999
    月:1~12
    日:1~31
    時:0~23
    分:0~59
    秒:0~59
    [追加(判定条件)]ダイアログを表示したときの日時
    5プロパティに値が設定されていなかったときの扱い「プロパティに値が設定されていなかったときの扱い」をプルダウンメニューから選択します。選択肢は次の4種類です。
    • 「判定条件を満たしたこととする」
    • 「判定条件を満たしていないこととする」
    • 「この条件の判定をスキップする」
    • 「危険レベルを不明とする」
    危険レベルを不明とする
    (凡例)
    -:デフォルトの設定なし
     

    注意
    • クラス,プロパティ,比較条件,比較値が同一の判定条件は追加できません。
    • クラス,プロパティ,比較条件(部分一致および不一致を除く)が同一の判定条件は追加できません。
    • クラス,プロパティ,比較値が同一の判定条件は追加できません(「プロパティ」の型が文字列で比較条件が前方一致または後方一致の場合を除く)。
     
    なお,[追加(判定条件)]ダイアログは,「プロパティ」の型によって表示項目が異なります。「プロパティ」の型については,表6-30を参照してください。

    図6-16 「プロパティ」の型が数値の場合

    [図データ]

    図6-17 「プロパティ」の型が文字列の場合

    [図データ]

    図6-18 「プロパティ」の型が日時の場合

    [図データ]

     
    ユーザ定義の判定で使用できるクラスとプロパティの一覧を次の表に示します。

    表6-30 ユーザ定義の判定で使用できるクラスとプロパティの一覧

    管理情報名
    (クラス)
    プロパティ名プロパティの表示名サイズ
    (バイト)
    資産情報
    (AssetInfo)
    AssetID資産ID数値10
    AssetKind資産種別文字列3
    AssetNo資産番号文字列60
    AssetStatus機器状態文字列3
    AssetWorkKind稼働管理種別文字列3
    DMLastUpdateTimeDM最終更新日付日時8
    DMStatusDM導入状態文字列3
    EndDate使用終了日日時8
    GroupID部署ID文字列64
    GroupName部署文字列512
    GroupName_EN部署(英名)文字列512
    HrdInvUpdateDateDMハードウェア更新日付日時8
    InsPkgUpdateDateDMパッケージ更新日付日時8
    InventoryKey引き当てキー文字列128
    LLUpdateDateLL更新日付日時8
    LocationID設置場所ID文字列64
    LocationName設置場所文字列512
    LocationName_EN設置場所(英名)文字列512
    ManagerialGroup管理部署文字列512
    ManagerialGroup_EN管理部署(英名)文字列512
    ManagerialGroupID管理部署ID文字列64
    ManagerialUser管理者文字列255
    ManagerialUser_EN管理者(英名)文字列255
    ManagerialUserID管理者ユーザID文字列64
    NNMUpdateDateNNM更新日付日時8
    Note備考文字列255
    PurchasePrice購入金額文字列15
    Purpose用途文字列255
    RegistrationDate登録日日時8
    SoftInvUpdateDateDMソフトウェア更新日付日時8
    SoftwareStatusソフトウェア状態文字列3
    StartDate使用開始日日時8
    StocktakingDate棚卸日付日時8
    UpdateUser変更者文字列255
    UserIDユーザID文字列64
    UserNameユーザ名文字列255
    UserName_ENユーザ名(英名)文字列255
    UserPropertyArea_1~2固有情報Area-1~2文字列255
    UserPropertyCode_1~6固有情報Code-1~6文字列64
    UserPropertyDate_1~6固有情報Date-1~6日時8
    UserPropertyField128_1~2固有情報Field128-1~2文字列128
    UserPropertyField255_1~2固有情報Field255-1~2文字列255
    UserPropertyField32_1~6固有情報Field32-1~6文字列32
    UserPropertyField64_1~2固有情報Field64-1~2文字列64
    UserPropertyUint_1~6固有情報Uint-1~6数値10
    UsrInvUpdateDateDMユーザ更新日付日時8
    ハードウェア
    資産情報
    (HardwareInfo)
    AssetID資産ID数値10
    CircuitSpeed回線速度数値10
    ComputerIDコンピュータID文字列200
    CPUClockCPUクロック数数値10
    CPUNumberCPU数数値5
    CPUTypeCPU文字列5
    Developer製造者文字列60
    HostNameホスト名文字列64
    IPAddressIPアドレス文字列15
    MACAddressMACアドレス文字列17
    MachineKind機器種別文字列5
    MBSAVersionMBSAバージョン文字列200
    MemorySizeメモリサイズ数値19
    Model型式文字列60
    ModelKind構成種別文字列3
    MonitorKindモニタ種別文字列3
    MonitorResolutionモニタ解像度文字列3
    MonitorSizeモニタサイズ数値5
    Name名称文字列255
    NNMSelectionNameNNM選択名文字列255
    NumberOFPortポート数数値10
    OSInfoOS情報文字列200
    OSVersionOSバージョン文字列200
    RemainHDSize空ディスク容量数値19
    SerialNo製造番号文字列30
    Specification仕様文字列255
    TotalHDSizeディスク容量数値19
    UserPropertyArea_1~4固有情報Area-1~4文字列255
    UserPropertyCode_1~12固有情報Code-1~12文字列64
    UserPropertyDate_1~6固有情報Date-1~6日時8
    UserPropertyField128_1~8固有情報Field128-1~8文字列128
    UserPropertyField255_1~8固有情報Field255-1~8文字列255
    UserPropertyField32_1~8固有情報Field32-1~8文字列32
    UserPropertyField64_1~8固有情報Field64-1~8文字列64
    UserPropertyUint_1~6固有情報Uint-1~6数値10
    注※
    プロパティの表示名はデフォルトです。プロパティの表示名は,AIMの管理項目編集画面(業務メニューの「システム定義」の「管理項目編集」)で変更できます。管理項目編集画面の詳細については,マニュアル「JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド」を参照してください。

     
    注意
    ユーザ定義の判定条件として指定するプロパティは,AIMのインベントリ情報の引き当て画面(業務メニューの「システム定義」の「インベントリ情報の引き当て」)または「jamimportコマンド(CSVファイルから資産管理データベースへ資産情報を一括して取り込むインポートコマンド)」によって,あらかじめ情報を設定しておく必要があります。
    「インベントリ情報の引き当て」および「jamimportコマンド」の詳細については,マニュアル「JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド」を参照してください。
     
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    [追加(判定条件)]ダイアログを閉じて,[追加(判定項目情報)]ダイアログに戻ります。入力した判定条件が追加されます。

(2) ユーザ定義の判定条件を変更する

[追加(判定項目情報)]ダイアログで,ユーザ定義の判定条件を変更する手順を次に示します。

  1. [追加(判定項目情報)]ダイアログで,変更したいユーザ定義の判定条件を選択し,[変更]ボタンをクリックする。または,変更したいユーザ定義の判定条件をダブルクリックする。
    [変更(判定条件)]ダイアログが表示されます。
    なお,変更したいユーザ定義の判定条件を複数選択している場合は,[変更]ボタンは非活性となります。

    [図データ]

  2. ユーザ定義の判定条件を変更する。
     
    注意
    • クラス,プロパティ,比較条件,比較値が同一の判定条件には変更できません。
    • クラス,プロパティ,比較条件(部分一致および不一致を除く)が同一の判定条件には変更できません。
    • クラス,プロパティ,比較値が同一の判定条件には変更できません(「プロパティ」の型が文字列で比較条件が前方一致または後方一致の場合を除く)。
     
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    [変更(判定条件)]ダイアログを閉じて,[追加(判定項目情報)]ダイアログに戻ります。入力した判定条件が変更されます。

(3) ユーザ定義の判定条件を削除する

[追加(判定項目情報)]ダイアログで,ユーザ定義の判定条件を削除する手順を次に示します。

  1. [追加(判定項目情報)]ダイアログで削除したいユーザ定義の判定条件をクリックして選択する。
    削除するユーザ定義の判定条件は複数選択できます。
  2. [削除]ボタンをクリックする。
    [削除(判定条件)]メッセージボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. メッセージを確認したあと,[OK]ボタンをクリックする。
    [削除(判定条件)]メッセージボックスを閉じて,[追加(判定項目情報)]ダイアログに戻ります。選択した判定条件が削除されます。

(4) クライアントが省電力化に対応しているか判定する場合の設定例

クライアントの資産情報に応じてユーザ定義の判定項目を設定することで,クライアントが省電力化に対応しているかどうかを判定できます。

(a) 省電力対応のCPUを搭載しているかについて判定する場合

クライアントが,省電力対応CPUを搭載しているかどうかの判定条件の設定例を次の表に示します。

表6-31 省電力対応CPUを搭載しているかどうかの判定条件の設定例

項番項目設定値
1クラスハードウェア資産情報
2プロパティCPU
3比較条件不一致
4比較値(文字列)省電力対応のCPU種別のコード
5プロパティに値が設定されていなかったときの扱い危険レベルを不明とする
注※
CPU種別を複数指定する場合は,判定条件を複数追加してください。
CPU種別コードについては,マニュアル「JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド」を参照してください。

(b) 一定の時間でモニタ電源を切る設定をしているかについて判定する場合

クライアントのモニタ電源が,一定の時間(10分)で切れる設定をしているかどうかの判定条件の設定例を次の表に示します。なお,この判定を実施するにはJP1/NETM/DM Clientのバージョン08-51以降が必要です。

表6-32 10分でモニタ電源が切れる設定をしているかどうかの判定条件の設定例

項番項目設定値
1クラス次に示すインベントリの引き当て先のクラス名
モニタがAC電源で動作している場合
  • モニタの電源を切る(AC)
モニタがDC電源で動作している場合
  • モニタの電源を切る(DC)
2プロパティ次に示すインベントリの引き当て先のプロパティ名
モニタがAC電源で動作している場合
  • モニタの電源を切る(AC)
モニタがDC電源で動作している場合
  • モニタの電源を切る(DC)
3比較条件以上
4比較値(文字列)0000000600
5プロパティに値が設定されていなかったときの扱い危険レベルを不明とする
注※
モニタの電源を切るまでの時間(秒単位)を10桁の文字列で指定します。

参考
クライアントの省電力設定については,モニタ電源の判定と同様,次の項目も判定条件に設定できます。なお,次に示す項目を判定条件に設定する場合は,JP1/NETM/DM Clientのバージョン08-52以降が必要です。
  • ハードディスクの電源を切るまでの時間
  • システムスタンバイまたはスリープ状態になるまでの時間
  • システム休止状態までの時間
判定条件の設定については,表6-31を参考にしてください。

(c) CPU(プロセッサ)の省電力設定をしているかについて判定する場合

プロセッサの電源管理状態が,省電力設定になっているかどうかの判定条件の設定例を次の表に示します。なお,この判定を実施するにはJP1/NETM/DM Clientのバージョン08-51以降が必要です。

表6-33 プロセッサの電源管理状態が省電力設定になっているかどうかの判定条件の設定例

項番項目設定値
1クラス次に示すインベントリの引き当て先のクラス名
プロセッサがAC電源で動作している場合
  • プロセッサ調整(AC)
プロセッサがDC電源で動作している場合
  • プロセッサ調整(DC)
2プロパティ次に示すインベントリの引き当て先のプロパティ名
プロセッサがAC電源で動作している場合
  • プロセッサ調整(AC)
プロセッサがDC電源で動作している場合
  • プロセッサ調整(DC)
3比較条件不一致
4比較値(文字列)許可するプロセッサ調整の設定値
5プロパティに値が設定されていなかったときの扱い危険レベルを不明とする
注※
設定値を複数指定する場合は,判定条件を複数追加してください。
設定値の詳細を次に示します。
NONE:常に最大のパフォーマンス状態で動作します。
ADAPTIVE:パフォーマンス状態がCPUの状態に基づいて選択されます。
DEGRADE:最小のパフォーマンス状態で起動し,バッテリーの放電に合わせてリニアパフォーマンスの低下メカニズム(ロック調整停止機能)を使用します。
CONSTANT:常に最小のパフォーマンス状態で動作します。