jslmmgrsetup(JP1/ITSLM - Managerのセットアップ)
機能
JP1/ITSLM - Managerの実行環境を新規作成します。また,構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境を再構築します。
JP1/ITSLM - Managerのインストール後に実行してください。
コマンドの実行結果は標準出力に出力され,コンソール画面上に表示されます。コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「10.3 メッセージの一覧」を参照してください。
コマンド実行時の実行環境の状態に応じて,次のどちらかの処理が実行されます。
- 実行環境の新規作成(実行環境がない場合)
- JP1/ITSLM - Managerの新規インストール直後,またはアンセットアップによってJP1/ITSLM - Managerの実行環境を破棄した状態でこのコマンドを実行すると,実行環境が新規に作成されます。
- 構築済みの実行環境の再構築(実行環境がある場合)
- JP1/ITSLM - Managerの実行環境がすでにある状態でこのコマンドを実行すると,構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境が再構築されます。
- 次のような場合に,実行環境の再構築を実行してください。
- 構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境で,ホスト名,IPアドレス,またはポート番号の設定値を変更する場合
- 構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境で,組み込みWebサーバの環境を再構築する場合
- 構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境に対してバージョンアップインストールを実行したあと,実行環境を再構築する場合
- なお,JP1/ITSLM - Managerの実行環境の再構築では,組み込みデータベースのRDエリアの作成は実行されません。
形式
jslmmgrsetup△[ -c△{ online | standby } ]△オプションファイルの絶対パス
実行権限
OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント
格納先フォルダ
JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ¥mgr¥bin¥
引数
-c
クラスタシステムで運用する実行環境を構築するときに指定します。指定方法を次に示します。
- online
現用系の実行環境を新規作成または再構築する場合に指定します。
現用系の実行環境を新規作成する場合,組み込みデータベースのRDエリアの作成が実行されます。
- standby
予備系の実行環境を新規作成または再構築する場合に指定します。
予備系の実行環境の新規作成では,組み込みデータベースのRDエリアの作成は実行されません。
オプションファイルの絶対パス
オプションファイルは,テキスト形式で作成して任意の場所に格納します。オプションファイルの格納先は,ファイル名称(任意)を含めた格納先での絶対パスが255バイト以内の文字列になるようにしてください。
オプションファイルのテンプレートは,次のとおり格納されています。
JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ¥mgr¥template¥mgr¥conf¥jp1itslm_setup.opt
オプションファイルの定義内容を次に示します。
manager_host=JP1/ITSLM - Managerのホスト名
manager_port=JP1/ITSLM - Managerのポート番号
psb_Listen=組み込みWebサーバのListenポート番号
psb_ServerName=組み込みWebサーバのホスト名またはIPアドレス
psb_connector_port=組み込みWebサーバの内部通信ポート番号
psb_shutdown_port=組み込みWebサーバの終了メッセージ受信ポート番号
hdb_port=組み込みデータベースのListenポート番号
hdb_area_path=組み込みデータベースのRDエリア格納フォルダ名
hdb_share_area_path=クラスタシステム運用時に組み込みデータベースのRDエリアを作成する共有フォルダのパス |
定義項目の詳細を次の表に示します。
表9-5 JP1/ITSLM - Managerのオプションファイルでの定義項目の詳細
項番 | 定義項目 | 指定の要否 | 説明 | デフォルト値 |
---|
1 | manager_host | ○ | JP1/ITSLM - Managerの実行環境を特定するための情報として,JP1/ITSLM - Managerをインストールしたホストのホスト名を指定します。 | - |
2 | manager_port | △ | JP1/ITSLM - Managerが使用するポート番号を,半角数字で1~65535の範囲※1で指定します。 | 20904 |
3 | psb_Listen | △ | 組み込みWebサーバが使用するListenポート番号を,半角数字で1~65535の範囲※2で指定します。 | 20900 |
4 | psb_ServerName | ○ | 組み込みWebサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。 | localhost |
5 | psb_connector_port | △ | 組み込みWebサーバの内部通信ポート番号を,半角数字で1~65535の範囲※1で指定します。 | 20901 |
6 | psb_shutdown_port | △ | 組み込みWebサーバの終了メッセージ受信ポート番号を,半角数字で1~65535の範囲※1で指定します。 | 20902 |
7 | hdb_port | △ | 組み込みデータベースのListenポート番号を,半角数字で5001~65535の範囲で指定します。 次の番号を指定した場合はエラーになります。
- 指定範囲外の番号
- すでにservicesファイルに設定されているポート番号
- 使用済みのポート番号
なお,エフェメラルポート番号(一時的な利用のために自由に使用できるポート番号)を指定した場合は,使用済みのポート番号に該当しやすいため注意してください。 | 20903 |
8 | hdb_area_path※3 | ○ | 組み込みデータベースのRDエリアを格納するフォルダの絶対パスです。 130文字以内で指定します。 ただし,ドライブ名(半角文字でA~Z,a~zの1文字,および「:」(コロン)で構成される文字列)で始まり,半角文字でA~Z,a~z,0~9,「_」(下線),「.」(ピリオド),「( )」(丸括弧),「¥」,半角スペースで構成された文字列でなければなりません。 また,次の指定はできません。
- UNC表記での指定。
- ネットワークドライブを含む指定。
- ドライブ名だけの指定。
- JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダを含む指定。
- JP1/ITSLM - URのインストール先フォルダを含む指定。
| - |
9 | hdb_share_area_path※3 | ● | クラスタシステム運用時に組み込みデータベースのRDエリアを作成する共有フォルダのパスを指定します。 現用系と予備系で同じ絶対パスを指定する必要があります。クラスタシステムで運用していない場合,指定は無視されます。 110文字以内で指定します。ただし,ドライブ名(半角文字でA~Z,a~zの1文字,および「:」(コロン)で構成される文字列)で始まり,半角文字でA~Z,a~z,0~9,「_」(下線),「.」(ピリオド),「( )」(丸括弧),「¥」,半角スペースで構成された文字列でなければなりません。 また,次の指定はできません。
- UNC表記での指定。
- ネットワークドライブを含む指定。
- ドライブ名だけの指定。
- JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダを含む指定。
- JP1/ITSLM - URのインストール先フォルダを含む指定。
| - |
- (凡例)
- ○:必ず指定します。
- △:指定は任意です。
- ●:クラスタシステムで運用している場合は必ず指定します。
- -:該当しません。
- 注※1
- 指定範囲外の値を指定した場合,セットアップは完了しますが,JP1/ITSLM - Managerのサービス「JP1/ITSLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)の起動時に失敗します。
- 注※2
- 指定範囲外の値を指定した場合,セットアップは完了しますが,JP1/ITSLM - Managerのサービス「JP1/ITSLM - Manager Web Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Web_Service)の起動時に失敗します。
- 注※3
- 構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境の再構築の場合,指定値を変更しないでください。
注意事項
- セットアップ中にエラーが発生した場合は,エラーの要因を取り除いたあとに再度このコマンドを実行してください。ただし,実行環境の新規作成に失敗し,かつ前回実行時とコマンドの引数を変える場合は,アンセットアップをしてからコマンドを再実行してください。
- セットアップで使用したオプションファイルは,このコマンドの実行後にファイル名称が「jp1itslm_setup.opt」に変更され,次のとおり格納されます。
JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ¥mgr¥conf¥jp1itslm_setup.opt
- このコマンドの実行中に,このコマンドを含むほかのコマンドを実行しないでください
- コマンドの実行時に下記のフォルダにオプションファイルが存在する場合,オプションファイルのファイル名に「.bk」を付けたファイル名で同じフォルダに待避されてから新しいオプションファイルが生成されます。
JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ¥mgr¥conf¥
待避時に同じ名前のファイルがある場合は上書きされます。待避に失敗した場合はセットアップに失敗します。新しいオプションファイルは,待避したオプションファイルの定義項目の指定値が引き継がれます。ただし,コマンドの実行時にオプションファイルで指定した定義項目については,オプションファイルで指定した定義項目の指定値が設定されます。コメントは引き継がれません。
- セットアップ中に,キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーやウインドウを閉じるなどの操作で,セットアップを終了しないでください。異常が発生した場合も,セットアップが完了するまで待ってください。
- セットアップでは,ほかのインストーラー,ほかのアプリケーションなど,常駐ソフトを終了させてからセットアップを実行してください。ほかのアプリケーションには,jslmursetupコマンド,jslmurunsetupコマンドも含まれます。
- コマンドに-cオプションを指定してセットアップした場合,運用中に特定のエラーが発生するとJP1/ITSLM - ManagerによってWindowsサービスが停止されます。Windowsサービスが停止するエラーについては,「6.1.3 フェールオーバーの契機」を参照してください。
- 定義項目を省略した場合はデフォルト値が使用されます。
- 構築済みのJP1/ITSLM - Managerの実行環境の再構築の場合は,前回構築時のセットアップオプションを使用しないよう注意してください。
戻り値
戻り値 | 説明 |
---|
0 | セットアップが正常に終了しました。 |
1 | セットアップに失敗しました。 |
使用例
クラスタシステムで運用しない場合
C:¥Program Files¥HITACHI¥JP1ITSLM¥mgr¥bin¥jslmmgrsetup△C:¥Users¥Administrator¥Desktop¥jp1itslm_setup.opt
クラスタシステムで運用する場合
C:¥Program Files¥HITACHI¥JP1ITSLM¥mgr¥bin¥jslmmgrsetup△-c△online△C:¥Users¥Administrator¥Desktop¥jp1itslm_setup.opt