9.4 資料の採取方法

ここでは,トラブルが発生した場合に資料を採取する方法を説明します。

<この節の構成>
(1) jirmgetlogsコマンドを実行する
(2) オペレーション内容を確認する
(3) 画面上のエラー情報を採取する
(4) ユーザーダンプを採取する
(5) Hitachi Device Managerのログを採取する
(6) 管理対象のコマンドの実行結果を採取する

(1) jirmgetlogsコマンドを実行する

コマンドプロンプトを起動して,jirmgetlogsコマンドを実行します。

jirmgetlogsコマンドで採取する資料の総容量は膨大になるため,コマンドを実行する前に容量を見積もり,使用マシンの空き容量を確認してください。jirmgetlogsコマンドで採取する資料サイズについては,JP1/ITRMのリリースノートを参照してください。

Windowsのコマンドプロンプト上で,jirmgetlogsコマンドを実行する例を次に示します。

C:¥>"C:¥Program Files (x86)¥HITACHI¥jp1itrm¥bin¥jirmgetlogs" -f 資料格納フォルダ

資料格納フォルダは,絶対パスまたは相対パスで指定してください。また,資料格納フォルダが空白を含むフォルダの場合,"(ダブルクォーテーション)で囲んで指定してください。

jirmgetlogsコマンドを実行すると,資料格納フォルダに指定したフォルダ下にJP1ITRMRasInfoフォルダが作成され,採取した資料がコピーされます。

(2) オペレーション内容を確認する

トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録します。確認が必要な情報を次に示します。

(3) 画面上のエラー情報を採取する

画面にエラー情報が表示された場合は,その情報も採取します。次に示すハードコピーを採取してください。

(4) ユーザーダンプを採取する

Windows Server 2008 R2でJP1/ITRMのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合は,エラーダイアログボックスが表示されている状態で,ユーザーダンプを採取してください。

注意
エラーダイアログボックスを消してしまうと正常なダンプは取得されないため,ユーザーダンプを採取できなくなってしまいます。誤って[OK]ボタンをクリックするなどして,ダンプの採取前にエラーダイアログボックスを消してしまった場合は,現象を再現させてからユーザーダンプを採取してください。

ユーザーダンプの採取方法を次に示します。

  1. タスクマネージャを起動する。
    タスクマネージャは,次のどちらかの手順で起動できます。
    • タスクバーの空いている場所で右クリックをして[タスクマネージャ]を選択する。
    • [Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押す。
  2. [プロセス]タブをクリックする。
  3. アプリケーションエラーで停止したJP1/ITRMのプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの生成]を選択する。
  4. ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。

(5) Hitachi Device Managerのログを採取する

Hitachi Device Managerのログの採取方法については,次のマニュアルを参照してください。

(6) 管理対象のコマンドの実行結果を採取する

認証プロトコルにSSHを使用しているITリソース(Linux,HP-UX,およびAIX)について,[ドライブ]タブや[パフォーマンス]タブに情報が表示されなかったり,不正な値が表示されたりする場合は,該当するOSのコマンドの実行結果を採取してください。なお,コマンドを実行する際は,JP1/ITRMの認証情報に設定したユーザーで管理対象にログインする必要があります。

ドライブおよびパフォーマンスに関する各種表示項目とOSのコマンドとの対応関係を表9-8と表9-9に示します。

表9-8 [ドライブ]タブに表示される情報に対応するOSコマンド

OSコマンド
Linuxmount
df -P -l -B 1024
HP-UX/usr/bin/bdf -l
/usr/bin/df -nl
AIX/usr/bin/df -k -P
/usr/sbin/mount

 

表9-9 [パフォーマンス]タブに表示される情報に対応するOSコマンド

OS種別コマンド
Linux※1CPU使用率/bin/cat /proc/stat
メモリ使用率cat /proc/meminfo
ネットワーク平均パケット送受信量/bin/cat /sys/class/net/ネットワークアダプタ名※2/statistics/tx_packets
/bin/cat /sys/class/net/ネットワークアダプタ名※2/statistics/rx_packets
1セクタ当たりのディスク平均転送時間ls -lQ /dev/disk/by-path/
ls -lQ /dev/disk/by-id/
cat /sys/block/sdX/stat
cat /sys/block/dm-N/stat
ディスク空き容量df -P -l -B 1024
mount
FC-HBA平均フレーム送受信量cat /sys/class/fc_host/hostN/statistics/tx_frames
cat /sys/class/fc_host/hostN/statistics/rx_frames
ディスク書き込み/読み込み転送速度ls -lQ /dev/disk/by-path/
ls -lQ /dev/disk/by-id/
cat /sys/block/sdX/stat
cat /sys/block/dm-N/stat
HP-UXCPU使用率/usr/sbin/sar -Mu 3 1
メモリ使用率/usr/contrib/bin/machinfo
/usr/bin/vmstat
ネットワーク平均パケット送受信量/usr/sbin/lanscan -ia
/usr/bin/netstat -niw
ディスク転送処理の平均時間
共通
/usr/bin/sar -d 1 1
HP-UX 11i v2(IPF)
/usr/sbin/ioscan -FnkC disk
HP-UX 11i v3(IPF)
/usr/sbin/ioscan -FNkC disk
/usr/sbin/ioscan -Fm hwpath
ディスク空き容量/usr/bin/bdf -l
/usr/sbin/mount
AIXCPU使用率/usr/sbin/sar -P ALL 3 1
/usr/sbin/smtctl
メモリ使用率/usr/bin/vmstat
/usr/sbin/prtconf -m
ネットワーク平均パケット送受信量/usr/bin/netstat -in
/usr/sbin/lsdev -l en[0-9]* -Fname
ディスク転送処理の平均時間/usr/sbin/sar -d 1 1
/usr/sbin/lsdev -C -c disk -Fname:location
ディスク空き容量/usr/bin/df -k -P
/usr/sbin/mount
(凡例)
X:アルファベットが入ります。
N:数字が入ります。
*:文字列が入ります。
注※1
Linuxの/sys以下のファイルは,構成によって存在しない場合があります。
注※2
ネットワークアダプタ名は,次に示す名称に対応しています。なお,「N」には数字,「*」には文字列が入ります。
ethN,vlanN*bond*,emN,pNpN,ibftN