ホストやストレージなど,どんな種類のITリソースがどのくらいあるのかを把握するために,JP1/ITRMでITリソースを管理する最初のステップとして,探索機能を使ってITリソースの情報を収集します。探索を実行するには,探索ウィザードを使用する方法と,設定画面にある[探索条件設定]画面を使用する方法があります。
ここでは,画面上で各設定項目の説明を確認しながら探索できる,探索ウィザードを使った方法について説明します。
■操作
- 画面左上の[実行]メニューから[探索ウィザード開始]を選択する。
- [はじめに...]画面で,[次へ]ボタンをクリックする。
- [1. 探索範囲を設定する]画面で,[探索範囲の追加]ボタンをクリックする。
- [探索範囲の追加]画面で,探索範囲の名称や探索するIPアドレスの範囲などを指定して,[OK]ボタンをクリックする。
手順3~4を,探索するIPアドレスの範囲の数だけ繰り返します。
- [1. 探索範囲を設定する]画面で,[次へ]ボタンをクリックする。
- [2. 認証情報を登録する]画面で,[認証情報の追加]ボタンをクリックする。
- [認証情報の追加]画面で,認証情報の名称や管理対象に接続するための認証情報などを指定して,[OK]ボタンをクリックする。
手順6~7を,管理対象の認証情報の数だけ繰り返します。
- [2. 認証情報を登録する]画面で,[次へ]ボタンをクリックする。
- [3. 認証情報を割り当てる]画面で,それぞれのIPアドレスの範囲に対して,接続に使用する認証情報を設定して,[次へ]ボタンをクリックする。
- [4. スケジュールを設定する]画面で,運用に合わせて次の内容を設定し,[次へ]ボタンをクリックする。
- 一定の時刻に探索する場合は,[探索スケジュール]をチェックし,開始時刻や繰り返しの単位,内容を設定します。
- 探索ウィザードの完了後,すぐに探索する場合は[このウィザードを完了後,すぐに探索を実行する]をチェックします。
- [5. 完了通知を設定する]画面で,探索結果を通知するユーザーをチェックし,通知元メールアドレスおよびSMTPサーバを設定して,[次へ]ボタンをクリックする。
- [6. 設定内容を確認する]画面で,これまでに設定した内容を確認して,[完了]ボタンをクリックする。
- [次にすること]画面に表示される作業を実施する場合は,それぞれのボタンをクリックする。
作業を実施しない場合は,[閉じる]ボタンをクリックします。
便利メモ- 探索が終了したら,メールで通知するよう設定することもできます。探索終了時のメールでの通知については,「5.7.1(2) 探索が終了したらメールで通知する」を参照してください。
便利メモ- 導入前のホストを予約の対象としたいなど,探索で発見されないITリソースをJP1/ITRMで管理したい場合は,ITリソースを手動でJP1/ITRMに追加して管理対象にします。ITリソースの手動での追加は,設定画面の[設定メニュー]から[管理リソース一覧]を選択し,[手動追加リソース設定]ボタンをクリックすることで行えます。
■設定項目
- [探索範囲の追加]画面
- [名称]
IPアドレスの範囲に名前を付けて管理します。探索範囲の部署名や探索目的などがわかる名前を付けると管理しやすくなります。
- [開始IPアドレス],[終了IPアドレス]
探索するIPアドレスの範囲を指定します。ただし,探索するIPアドレスの範囲には,「0.0.0.0」,「255.255.255.255」のアドレス,マルチキャストアドレス,およびブロードキャストアドレスを設定しないでください。
また,探索に時間が掛かる場合には,IPアドレスの範囲を狭めて再探索を試してください。
- [Pingによる探索]
探索範囲のうち,Pingに応答するホストだけを探索したい場合には,[有効]を選択します。
- [認証情報の追加]画面
図3-1 [認証情報の追加]画面の表示例
![[図データ]](figure/un030003.gif)
- [名称]
認証の設定内容に名前を付けて管理します。例えば,IPスイッチ用の認証情報を設定している場合は,SNMPと名前を付けると管理しやすくなります。
- [プロトコル]※1※2
利用するプロトコルを選択します。選択したプロトコルとポート番号の対応づけが正しいかどうかを確認してください。
また,[プロトコル]で[HVM]を選択する場合は,IPアドレス認証を使うため,JP1/ITRMのIPアドレスをあらかじめHVMに登録しておいてください。
- [ユーザーID]
探索先となるITリソースにログインするユーザーIDを入力します。
- [パスワード]
探索先となるITリソースにログインするユーザーIDのパスワードを入力します。プロトコルでWMIまたはSSHを選択した場合で,パスワードを設定しないときには,[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]をチェックしてください。
- [パスワード確認]
確認のため,パスワードを再入力してください。
- [ドメイン名]
ITリソースが所属するドメインの名前を入力します。
ドメインの名前はFQDNドメイン名(例:SCVMMのFQDNがscvmm.scvmmdomain.comの場合,scvmmdomain.com)を指定します。
- [ルートパスワード]
探索するホストにrootでログインするユーザーのパスワードを入力します。
- [ルートパスワードの再入力]
確認のため,rootパスワードを再入力してください。
- [SSL]
使いたいセキュア通信の種類を選択します。
- [ポート番号]
選択したプロトコルに対応づいているポート番号を入力します。
- [ネームスペース]
SMI-S WBEM認証用の名前空間を入力します。
- [コミュニティ名]
SNMPコミュニティ名を入力します。
- [使用できるデバイス]
使用できるITリソースの種類が確認できます。
- 注※1
- [プロトコル]で[SSH]を選択する場合,認証するユーザーの種類によって,次のとおり事前に設定が必要な場合があります。
- 一般ユーザーで認証する場合
情報の取得に使用する一部のコマンドの実行でroot権限が必要です。探索先となるホストがLinuxの場合はsudo,HP-UXおよびAIXの場合はRBACについて,事前に設定してください。設定方法については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の管理対象となる物理ホストの設定の,Linux,HP-UX,AIXについての説明を参照してください。
- rootユーザーで認証,または一般ユーザーの認証情報とrootパスワードを使用して認証する場合
事前の設定は不要です。
- 注※2
- 探索の対象がストレージの場合,種類によって使用するプロトコルが次のように異なります。
- Hitachi AMS/WMS/SMSシリーズ
[Hitachi Storage]を使用します。ストレージにAccount AuthenticationまたはPassword Protectionを設定しているときは,[名称],[ユーザーID],[パスワード],[パスワード確認]を設定してください。ストレージに認証機能を設定していないときは,[名称]だけ設定してください。なお,ストレージにPassword Protectionを設定している場合,複数のユーザーが同時に接続できないため,JP1/ITRMからのログインが失敗するおそれがあります。この場合は,Account Authenticationを使うことをお勧めします。
Hitachi AMSシリーズをHVMで使用する場合は,[SMI-S WBEM]を使用します。Hitachi Device Managerの管理者またはJP1/ITRM用の[ユーザーID]と[パスワード]を設定し,[ネームスペース]には,「root/smis/smis14」または「root/smis/smis15」を設定してください。
- SMI-Sストレージ(SANRISE9500V,Hitachi USP V/VM,Hitachi VSPシリーズ)
[SMI-S WBEM]を使用します。Hitachi Device Managerの管理者またはJP1/ITRM用の[ユーザーID]と[パスワード]を設定し,[ネームスペース]には,「root/smis/smis13」,「root/smis/smis14」,または「root/smis/smis15」を設定してください。
- SMI-Sストレージ(他社製ストレージ)
[SMI-S WBEM]を使用します。[ユーザーID],[パスワード],[ネームスペース]については,対象のストレージのマニュアルを参照してください。
- [3. 認証情報を割り当てる]画面
- [探索範囲で使用する認証情報]
探索範囲ごとに使用する認証情報を選択できます。どの認証方法を使用してもよい場合は[すべて]を選択し,特定の認証方法を使用する場合は[選択]を選択してから使用する認証情報を選んでください。
- [4. スケジュールを設定する]画面
図3-2 [4. スケジュールを設定する]画面の表示例
![[図データ]](figure/un030005.gif)
- [探索スケジュール]
定期的に探索したい場合に,この項目をチェックします。
- [開始時刻]
定期的に探索を開始する時刻を指定します。
- [繰り返し単位]
探索の実行頻度を選択します。
- [繰り返し内容]
[繰り返し単位]で選択した探索の実行頻度によって設定内容が異なります。
[日単位]を設定している場合:
毎日実行するか,または指定した数値の日数おきに実行するかを指定できます。
[週単位]を設定している場合:
何週おきに実行するか,およびどの曜日に実行するかを指定できます。
[月単位]を設定している場合:
毎月何日または何曜日(例えば,毎月第1日曜日)に実行するかを指定できます。
- [このウィザードを完了後,すぐに探索を実行する]
この探索ウィザードの設定が終了次第,探索をしたい場合には,この項目をチェックしてください。
- [5. 完了通知を設定する]画面
- [探索完了の通知先]
メールの通知先となるユーザーを指定します。メールでの通知は,JP1/ITRMに登録されているすべてのユーザーが対象です。
- [通知元アドレス]
通知元にはメールの通知元アドレスを指定できます。なお,未指定の場合,通知元の表示はEメールのソフトウェアの設定に依存します。
- [ホスト名],[ポート番号]
メールサーバを使用するために,SMTPサーバ名およびポート番号を指定します。
- [セキュリティ保護の接続]
セキュア接続を利用してSMTPサーバに接続する場合に,利用したいセキュリティプロトコルを指定します。
- [SMTP認証を使用する]
SMTPサーバでユーザー認証が必要な場合に,この項目をチェックして,メール送信ユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
- [テストメール送信]
テスト用のメールを送信する場合にクリックします。
便利メモ- jirminfocollectコマンドでも,ITリソースの構成情報を収集できます。jirminfocollectコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。