仮想ホストの提供を終了する際,提供していた仮想ホストの設定やソフトウェアの内容を一時保存できます。提供期間が終了した仮想ホストを再度使いたい場合,仮想ホストの状態を一時保存しておくと,仮想ホストのデプロイや再設定をする手間が省けて便利です。
一時保存した仮想ホストのデータを,退避イメージと呼びます。仮想ホストを退避イメージとして保存すると,仮想化ソフトウェアからは削除され,ライブラリに保存されます。ライブラリとは,仮想イメージテンプレートや退避イメージを保存し管理するフォルダのようなものです。
退避イメージを使うと,保存した状態の仮想ホストをすぐに再作成できます。退避イメージを使って再度仮想ホストを作成することを,復元と呼びます。
ここでは,ライブラリに仮想ホストの退避イメージを保存する手順を説明します。
- ■流れ
- 大まかな手順を次に示します。太字の部分がJP1/ITRMで実施する作業です。
- 退避イメージを保存する際の要件を決める。【任意】
- 退避イメージを保存する。【必須】
- <この項の構成>
- (1) 退避イメージを保存する際の要件を決める
- (2) 退避イメージを保存する
退避イメージは,手動で保存することも,あらかじめ設定した日時に自動で保存することもできます。
■操作の前に
退避イメージを保存する場合,次の前提条件があります。
- VMwareの場合はvCenter,Hyper-Vの場合はSCVMMといったように,対象となる仮想化ソフトウェアを,仮想化環境管理ソフトウェアで管理していること
- 対象となる仮想ホストの仮想化ソフトウェアが起動していること
- 仮想ホストのOSがLinuxの場合,ネットワーク設定を特定のNICに固定する設定がされていないこと
もし設定されている場合は解除してください。手順については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の管理対象となるホストの設定についての説明を参照してください。
- 対象が次の状態で操作しないこと
操作した場合はエラーとなり,処理が終了します。
- 仮想ホストのネットワークアダプタまたはハードディスクが1つも接続されていない
- 対象がVMwareの仮想ホストの場合,次の状態で操作しないこと
操作した場合はエラーとなり,処理が終了します。
- 仮想ホストが接続する仮想スイッチおよびポートグループが存在しない
- 仮想ホストが分散仮想スイッチのVLANトランクポートに接続されている
- 仮想ホストを退避する場合,vCenter上で仮想ホストに設定していたアフィニティルールの設定は破棄されるので,設定内容を控えておき,操作後にVMware管理クライアントを使って再設定すること
退避イメージを保存した仮想ホストは削除待ち状態になり,30日後に自動的に削除されます。削除待ち状態の仮想ホストは,設定画面の[設定メニュー]-[リソースの探索]-[削除待ちリソース一覧]画面で確認できます。
(a) 退避イメージを手動で保存する
■操作
- [リソース管理]タブを選択する。
- 退避イメージを保存する仮想ホストを選択する。
- トポロジービューで[アクション]メニューから[リソース操作]-[退避]を選択する。
VMwareの場合,ポートグループの削除は成功,失敗のどちらでも正常終了となります。
ポートグループの削除が失敗している場合,どの仮想ホストも使用しないポートグループが残ることがあります。必要に応じて削除してください。
■設定項目
- [退避設定]画面
- 退避イメージの詳細情報を確認し,コメントを入力できる画面です。仮想ホストを複数選択した場合,入力したコメントはすべての退避イメージに設定されます。
- コメントには,退避イメージにインストールされているアプリケーションやミドルウェアなど,退避イメージの復元の際に役立つメモを入力しておくと便利です。
(b) 退避イメージを自動で保存する
退避イメージを自動で保存するには,スケジュール画面で保守期間のタスクとして設定します。ここでは,保守期間を予約して,退避イメージを自動で保存するタスクを設定する手順を説明します。
■操作
- [スケジュール]タブを選択する。
- [スケジュールメニュー]で,退避イメージを保存する仮想ホストが所属する業務グループを選択する。
- 予約一覧エリアで,退避イメージを保存するホストの予約を選択し,[アクション]メニューから,[予約編集]を選択する。
- 予約画面で退避イメージを保存するホストをチェックして,[期間とタスク]ボタンをクリックする。
- [ホスト名の期間設定]エリアで,[期間の追加]ボタンをクリックする。
- [種別]で[保守期間]を選択し,期間名,開始日時および終了日時を設定する。
- 追加した保守期間のチェックボックスをチェックし,[タスクの追加]ボタンをクリックする。
- [期間名のタスク設定]エリアへ追加されたタスクに,次の内容を設定する。
- タスク:退避
- 作業種別:自動
- 実行予定時間:退避イメージを保存する日時
便利メモ- [タスク詳細設定]ボタンをクリックすると,[退避設定]画面が表示され,コメントを入力できます。
- [期間とタスク設定]画面で[OK]ボタンをクリックする。
- 予約画面で[OK]ボタンをクリックする。
タスクで設定した日時に,退避イメージの保存が行われたかどうか確認する手順を次に示します。
■操作
- [タスク]タブを選択する。
- [タスクメニュー]から,退避イメージを保存するホストが所属する業務グループを選択する。
- [完了]タブを選択し,目的のタスクが表示されるか確認する。
VMwareの場合,ポートグループの削除は成功,失敗のどちらでも正常終了となります。
ポートグループの削除が失敗している場合,どの仮想ホストも使用しないポートグループが残ることがあります。必要に応じて削除してください。
■設定項目
- 予約画面
- 予約画面の設定項目については,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の「■設定項目」を参照してください。
- [期間とタスク設定]画面
- [期間とタスク設定]画面の設定項目については,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の「■設定項目」を参照してください。
- [退避設定]画面
- [退避設定]画面の設定項目については,「4.7.3(2)(a) 退避イメージを手動で保存する」の「■設定項目」を参照してください。