4.1.3 仮想ホストを構築する

リソースプールを予約した場合,仮想ホストを構築します。

■流れ
大まかな手順を次に示します。太字の部分がJP1/ITRMで実施する作業です。
  1. 仮想ホストをどうやって構築するか決める。【必須】
    仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする場合と,退避イメージを復元する場合によって,このあとの手順が異なります。
仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする場合
仮想イメージテンプレートを新たに作成して仮想ホストをデプロイする場合は,次の手順1から進めてください。ライブラリに保存されている仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする場合は,次の手順8から進めてください。
  1. 仮想ホストを,JP1/ITRMの管理対象に設定する。【必須】
  2. 仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する。【必須】
  3. 仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Administratorユーザーのパスワードを空にする。【必須】
  4. NICの冗長化構成が設定されていないことを確認する。【必須】
  5. 仮想ホストのOSがWindowsの場合,仮想ホストのドライブにnodefaultdriveletter属性が設定されていないことを確認する【必須】
  6. 仮想ホストの設定で次のデバイス構成の場合,設定を解除する。【必須】
    ・USBデバイスを構成している
    ・CD/DVDドライブに,ISOイメージ(拡張子isoのファイル)を設定している
    ・フロッピーディスクドライブに,フロッピーイメージ(拡張子flpのファイル)を設定している
  7. jirmimageimportコマンドを実行して,仮想化環境管理ソフトウェアで仮想イメージテンプレートを作成し,仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する。【必須】
    次の項目を確認してください。
    ・仮想ホストのネットワークアダプタが接続されていること
    ・仮想ホストのハードディスクが接続されていること
    ・仮想ホストが接続する仮想スイッチが存在すること
    ・仮想ホストが接続するポートグループが存在すること
  8. 仮想イメージテンプレートをライブラリに追加する。【必須】
  9. 仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする。【必須】
退避イメージを復元する場合
  1. 退避イメージを復元する。【必須】
<この項の構成>
(1) 仮想ホストをどうやって構築するか決める
(2) 仮想ホストを,JP1/ITRMの管理対象に設定する
(3) 仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する
(4) 仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Administratorユーザーのパスワードを空にする
(5) NICの冗長化構成が設定されていないことを確認する
(6) 仮想ホストのOSがWindowsの場合,仮想ホストのドライブにnodefaultdriveletter属性が設定されていないことを確認する
(7) 仮想ホストの設定で次のデバイスを構成していないことを確認する
(8) jirmimageimportコマンドを実行して,仮想イメージテンプレートを仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する
(9) 仮想イメージテンプレートをライブラリに追加する
(10) 仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする
(11) 退避イメージを復元する

(1) 仮想ホストをどうやって構築するか決める

仮想ホストは次のどちらかの方法で構築できます。運用に合わせてどちらを使うか決めてください。

(2) 仮想ホストを,JP1/ITRMの管理対象に設定する

仮想イメージテンプレートの基となる仮想ホストを,JP1/ITRMの管理対象に設定します。

仮想ホストをJP1/ITRMの管理対象に設定する方法については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,ITリソースを管理対象にするために必要な設定についての説明を参照してください。

(3) 仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する

仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する必要があります。OSカスタマイズ用応答ファイルとは,仮想イメージテンプレートから仮想ホストをデプロイするときに使用する設定ファイルです。デプロイ後の仮想ホストのOSに設定されるパラメーターが記述されています。1つのWindows Server 2003またはWindows Server 2008の仮想イメージテンプレートに対して,1つのOSカスタマイズ用応答ファイルを作成してください。

OSカスタマイズ用応答ファイルの作成手順については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,OSカスタマイズ用応答ファイルの作成についての説明を参照してください。

(4) 仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Administratorユーザーのパスワードを空にする

仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,仮想イメージテンプレートにする仮想ホストのAdministratorユーザーのパスワードを空にします。

Administratorユーザーのパスワードを空にする手順については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,仮想イメージテンプレートを作成する仮想ホストのパスワードの設定についての説明を参照してください。

(5) NICの冗長化構成が設定されていないことを確認する

NICの冗長化構成が設定されていないことを確認してください。NICの冗長化構成が設定されていた場合は解除してください。

(6) 仮想ホストのOSがWindowsの場合,仮想ホストのドライブにnodefaultdriveletter属性が設定されていないことを確認する

仮想ホストのOSがWindowsの場合,仮想ホストのドライブに,nodefaultdriveletter属性が設定されていないことを確認してください。nodefaultdriveletter属性は,diskpartコマンドで確認できます。nodefaultdriveletter属性の確認および解除手順を次に示します。

  1. 仮想イメージテンプレートの基となる仮想ホストのコマンドプロンプトで,diskpart.exeを実行する。
  2. list volumeコマンドを実行し,コンピュータの各ボリュームの情報を表示する。
  3. select volume nコマンドを実行し,指定したボリュームにフォーカスを設定する。
    nには,手順2で表示されたボリュームの番号を指定します。
  4. detail volumeコマンドを実行し,現在フォーカスが置かれているボリュームの詳細情報を確認する。
    「既定のドライブ文字がありません」が「いいえ」の場合,nodefaultdriveletter属性は設定されていません。
  5. nodefaultdriveletter属性が設定されている場合,attributes volume clear nodefaultdriveletterコマンドを実行し,設定を解除する。

(7) 仮想ホストの設定で次のデバイスを構成していないことを確認する

仮想ホストの設定で次のデバイスを構成していないことを確認してください。

仮想ホストの設定でこれらを構成している場合,解除してください。

(8) jirmimageimportコマンドを実行して,仮想イメージテンプレートを仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する

jirmimageimportコマンドを実行して,仮想イメージテンプレートを仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する手順を,仮想化ソフトウェアごとに説明します。

注意事項
次の項目を確認してください。
  • 仮想ホストのネットワークアダプタが接続されていること
  • 仮想ホストのハードディスクが接続されていること
VMwareの場合は次の項目を確認してください。
  • 仮想ホストが接続する仮想スイッチが存在すること
  • 仮想ホストが接続するポートグループが存在すること
HVMの場合は次の項目を確認してください。
  • テンプレートにするLPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズ
(a) VMwareの場合

仮想イメージテンプレートを使用するためには,次の条件を満たす必要があります。

なお,RawDeviceMappingのデバイスを対象としてテンプレートを作成することはできません。

仮想イメージテンプレートを,仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する手順について次に示します。

  1. ユーザースクリプトを,仮想ホスト上に配置する。
  2. 仮想ホストのOSがWindows Server 2008の場合,SetupComplete.cmdファイルを仮想ホスト上に配置する。
    デプロイに使用するOSカスタマイズ用応答ファイルをデプロイ後に配置される仮想ホストから削除するために,次の手順で仮想ホスト上にSetupComplete.cmdファイルを配置してください。
    1. 「%WINDIR%¥Setup¥Scripts」フォルダを作成する。
    2. 「%WINDIR%¥Setup¥Scripts¥SetupComplete.cmd」ファイル(拡張子の種類:Windowsコマンドスクリプト)を作成する。
    3. 作成したファイルに,テキストエディタで次の内容を記載する。
    DEL /Q /F c:¥sysprep¥sysprep.xml
  3. 仮想ホストをシャットダウンする。
  4. スタートメニューから[すべてのプログラム]-[JP1_IT Resource Management - Manager]-[JP1_ITRM コマンドプロンプト]を選択する。
  5. jirmimageimportコマンドを実行する。
    仮想ディスクイメージおよびデプロイに必要な情報を格納した付属ファイルが作成されます。デプロイに必要な情報とは,仮想ホストのCPU,メモリ,ネットワークデバイスなどのスペック情報です。また,仮想イメージテンプレートは,仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納されます。
    jirmimageimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。
  6. 仮想ホストのOSがWindowsの場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを配置する。
    4.1.3(3) 仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する」で作成したOSカスタマイズ用応答ファイルを,仮想イメージテンプレート格納フォルダに配置してください。
  7. 4.1.3(4) 仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Administratorユーザーのパスワードを空にする」で仮想ホストのAdministratorユーザーのパスワードを空にした場合,パスワードを再設定する。
(b) Hyper-Vの場合

仮想イメージテンプレートを,仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する手順について次に示します。

  1. ユーザースクリプトを,仮想ホスト上に配置する。
  2. sysprepを実行する。
    仮想イメージテンプレートにする仮想ホストのOS内でsysprepを実行してください。sysprepの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,仮想イメージテンプレートを使用するための設定についての説明を参照してください。
  3. SCVMMのライブラリを保管する操作を実施して,SCVMMのライブラリサーバ上にVMが退避されていることを確認する。
  4. スタートメニューから[すべてのプログラム]-[JP1_IT Resource Management - Manager]-[JP1_ITRM コマンドプロンプト]を選択する。
  5. jirmimageimportコマンドを実行する。
    仮想イメージテンプレートが,仮想イメージテンプレート格納フォルダに配置されます。コマンド実行後,正しく配置されているか確認してください。
    なお,jirmimageimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。
  6. 仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを配置する。
    4.1.3(3) 仮想化ソフトウェアがVMwareまたはHyper-Vで,仮想ホストのOSがWindows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,OSカスタマイズ用応答ファイルを作成する」で作成したOSカスタマイズ用応答ファイルを,仮想イメージテンプレート格納フォルダに配置してください。
(c) HVMの場合

仮想イメージテンプレートを,仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納する手順について次に示します。なお,jirmimageimportコマンドの実行時に,テンプレートにするLPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズの情報が必要となります。

  1. HVMのBSM IP Addressに,ITリソース管理サーバのIPアドレスを設定する。
  2. 仮想ホストにクライアントサービス for DPMをインストールする。
  3. ユーザースクリプトを,仮想ホスト上に配置する。
  4. sysprepを実行する。
    仮想イメージテンプレートにする仮想ホストのOS内でsysprepを実行してください。sysprepの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,仮想イメージテンプレートを使用するための設定についての説明を参照してください。
  5. JP1/SC/DPMから,DPMディスク複製OSインストール機能で使用するテンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル,リストアシナリオファイル,ディスク複製用情報ファイルを作成する。
    テンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル,リストアシナリオファイル,ディスク複製用情報ファイルの作成については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の,仮想イメージテンプレートを使用するための設定についての説明を参照してください。
  6. 仮想ホストをシャットダウンする。
  7. jirmimageimportコマンドを,-diskオプションにテンプレートにするLPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズを指定して実行する。
    テンプレートとなるLPARの電源がOFFであること確認して,jirmimageimportコマンドを実行してください。
    HVMとJP1/SC/DPMから,仮想イメージテンプレートが仮想イメージテンプレート格納フォルダに配置されます。コマンド実行後,正しく配置されているか確認してください。
    なお,jirmimageimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

(9) 仮想イメージテンプレートをライブラリに追加する

jirmimageimportコマンドを実行して作成した仮想イメージテンプレートを,ライブラリに追加します。

■操作

  1. [設定]タブを選択する。
  2. [設定メニュー]から[ライブラリ]-[仮想イメージテンプレート管理]を選択する。
  3. [仮想イメージテンプレート管理]画面で,[アクション]メニューから[追加]を選択する。
  4. [仮想イメージテンプレート追加]画面で,仮想イメージテンプレートを選択して,[次へ]ボタンをクリックする。
  5. 必要な情報を入力して[完了]ボタンをクリックする。

■設定項目

[仮想イメージテンプレート管理]画面
JP1/ITRMで管理している仮想イメージテンプレートを,一覧で表示する画面です。
[仮想イメージテンプレート追加]画面
jirmimageimportコマンドを実行して作成した仮想イメージテンプレートを,ライブラリに追加する画面です。仮想イメージテンプレート格納フォルダに格納された仮想イメージテンプレートが,一覧で表示されます。
[次へ]ボタンをクリックすると,仮想イメージテンプレートの詳細情報を設定する画面が表示されます。

図4-5 [仮想イメージテンプレート追加]画面(仮想イメージテンプレートの詳細情報を設定する画面)の表示例

[図データ]
[テンプレート名]
仮想イメージテンプレート名を指定します。
[基本情報],[ディスク詳細情報]
この領域は,各仮想ホストのイメージに設定された内容が表示されるため,JP1/ITRMからは変更できません。
[デフォルト値]
設定した内容は,デプロイ時の設定情報のデフォルト値となります。
  • [CPU],[メモリ]
    仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする際のデフォルト値を指定します。
  • [CPU占有種別]
    CPUを占有または共有するか指定します。[CPU占有]を選択すると,指定した値が保証されます。[CPU共有]を選択すると,ほかのITリソース利用者と共有するため,指定した値はベストエフォートとなります。
  • [ライセンス情報]
    OSのライセンス情報を指定します。
  • [ユーザー名]
    仮想イメージテンプレートのOSによって,次の値が固定で設定されます。
    Windowsの場合:Administrator
    Linuxの場合:root
  • [パスワード],[パスワード確認]
    [ユーザー名]のパスワードを指定します。なお,HVMにWindowsの仮想ホストをデプロイする場合,パスワードの文字数は,14文字以下で指定してください。15文字以上のパスワードを指定すると,デプロイに失敗します。
  • [Windowsドメイン名/ワークグループ名]
    仮想ホストが属するWindowsドメインまたはワークグループのどちらかを選択し,ドメイン名またはワークグループ名を入力します。
  • [DNSサフィックス]
    仮想ホストが属するインターネットドメイン名を指定します。DNSを使用しない場合は,空白でかまいません。
  • [ユーザースクリプト]
    デプロイ時に仮想ホスト上で実行するユーザースクリプトを指定します。ユーザースクリプトは,次の例のようにフルパスで指定してください。相対パスで指定した場合のカレントパスは不定です。
    (例1)C:¥temp¥xxxx.exe△jp1user(△は半角スペースを示します。)
    (例2)/home/tasks/job01.sh
[コメント]
コメントを入力します。

(10) 仮想イメージテンプレートを使って仮想ホストをデプロイする

仮想イメージテンプレートを使った仮想ホストのデプロイには,リソース管理画面の[アクション]メニューから実行する方法と,[期間とタスク設定]画面でタスクとして設定し実行する方法があります。

ここでは,デプロイを[期間とタスク設定]画面で自動のタスクとして設定し,実行する方法を説明します。

■操作の前に

仮想ホストをデプロイする場合,次の前提条件があります。

■操作

  1. [スケジュール]タブを選択する。
  2. [スケジュールメニュー]から,ITリソース利用者が所属する業務グループを選択する。
  3. 予約一覧エリアで,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の手順で実施した予約を選択する。
  4. [アクション]メニューから[予約編集]を選択する。
  5. 予約画面でホストのチェックボックスをチェックして[期間とタスク]ボタンをクリックする。
  6. [期間とタスク設定]画面で,保守期間のチェックボックスをチェックし,[タスクの追加]ボタンをクリックする。
    保守予約をしていない場合は,利用予約の前に保守予約をしてください。
  7. [期間名のタスク設定]エリアへタスクが追加されたら,タスクの内容を設定する。
    • タスク:デプロイ
    • 作業種別:自動または手動
    • 実行予定時間:デプロイする日時
  8. [タスク詳細設定]ボタンをクリックする。
  9. HVM上に仮想ホストをデプロイする場合,[デプロイ設定]画面で[ストレージ装置]の[選択]ボタンをクリックする。
    VMwareまたはHyper-V上に仮想ホストをデプロイする場合は,[ストレージ装置]は表示されません。手順12に進んでください。
  10. [ストレージ選択]画面上部で,デプロイに使用するストレージを選択し,[選択]ボタンをクリックする。
  11. [ストレージ選択]画面下部で,デプロイに使用するストレージプールを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
  12. [デプロイ設定]画面で[仮想イメージテンプレート名]の[選択]ボタンをクリックする。
  13. [仮想イメージテンプレート選択]画面で,デプロイしたいテンプレートを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
  14. [ネットワーク定義]の[設定]ボタンをクリックする。
  15. [ネットワーク設定]画面で,使用するネットワーク名,または仮想NIC番号を選択する。
  16. 必要に応じてその他の項目を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
  17. HVM上に仮想ホストをデプロイする場合,[デプロイ設定]画面で[FC-HBA設定]の[設定]ボタンをクリックする。
    VMwareまたはHyper-V上に仮想ホストをデプロイする場合は,[FC-HBA設定]は表示されません。手順20に進んでください。
  18. [FC-HBA設定]画面でLPARが使用するFC-HBAのチェックボックスをチェックする。
  19. チェックしたFC-HBAをシステムのブートで使用する場合は[ブート]列のラジオボタンを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
  20. [デプロイ設定]画面で必要に応じてその他の項目を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
  21. [期間とタスク設定]画面でタスクの予定を確認し,[OK]ボタンをクリックする。
    保守予約の期間に実行するタスクとして,仮想ホストのデプロイが設定されます。

デプロイ後,タスクで設定した日時にデプロイが行われたかどうかを確認する手順を次に示します。

■操作

  1. [タスク]タブを選択する。
  2. [タスクメニュー]から,仮想ホストが所属する業務グループを選択する。
  3. [完了]タブを選択して,該当のタスクを表示する。
  4. デプロイのタスクが実行済みか確認する。

■設定項目

予約画面
予約画面の設定項目については,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の「■設定項目」を参照してください。
[期間とタスク設定]画面
[期間とタスク設定]画面の設定項目については,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の「■設定項目」を参照してください。
[デプロイ設定]画面

図4-6 [デプロイ設定]画面の表示例(VMwareまたはHyper-V上に仮想ホストをデプロイする場合)

[図データ]
  • [仮想ホスト名]
    [ホスト名設定]画面で設定した仮想ホスト名が表示されます。
  • [リソースプール名]※1
    デプロイ先となる仮想化ソフトウェアのリソースプールが表示されます。
  • [仮想化ソフトウェア名]
    右横の[選択]ボタンをクリックして,デプロイ先の仮想化ソフトウェアを選択します。
  • [データストア名]※1
    右横の[選択]ボタンをクリックして,使用するデータストアを選択します。
  • [ストレージ装置]※2
    右横の[選択]ボタンをクリックして,デプロイに使用するストレージを選択します。
  • [利用ポート]※2,※3
    ストレージへの接続に使用するポートを選択します。
  • [仮想イメージテンプレート名]
    右横の[選択]ボタンをクリックして,仮想ホストのデプロイに使用する仮想イメージテンプレートを選択します。
    仮想イメージテンプレートを設定すると,画面下部の[OS]や[CPU]などの項目に,あらかじめ仮想イメージテンプレートに設定しておいたデフォルト値が入力されます。入力されたデフォルト値は変更できます。
  • [OS]
    仮想イメージテンプレートに設定されたOSが表示されます。
  • [CPU]※4
    デプロイする仮想ホストのCPUのスペックおよびCPUコア数を設定します。
  • [CPU占有種別]
    CPU を占有または共有するか設定します。[占有]を選択すると,指定した値が保証されます。[共有]を選択すると,ほかのITリソース利用者と共有するため,指定した値はベストエフォートとなります。
  • [メモリ]
    デプロイする仮想ホストのメモリのサイズを設定します。HVM上に仮想ホストをデプロイする場合は,0.25ギガバイト単位で入力してください。
  • [ライセンス情報]
    OSのライセンス情報を設定します。
  • [ユーザー名]
    仮想イメージテンプレートに設定されたユーザー名が表示されます。
  • [パスワード],[パスワード確認]
    [ユーザー名]のパスワードを設定します。なお,仮想イメージテンプレートのOSがLinuxの場合は,rootユーザーのパスワードを変更できません。また,あらかじめOSに設定されているパスワードを設定してください。もし誤ったパスワードを指定した場合,ユーザースクリプトの実行が失敗します。また,HVM上にWindowsの仮想ホストをデプロイする場合,パスワードの文字数は,14文字以下で指定してください。15文字以上のパスワードを指定すると,デプロイに失敗します。
  • [Windowsドメイン名/ワークグループ名]
    仮想ホストが属するWindowsドメインまたはワークグループのどちらかを選択し,ドメイン名またはワークグループ名を設定します。ただし,HVM上にWindows Server 2008の仮想ホストをデプロイする場合,仮想イメージテンプレートの元になったホストが参加していたワークグループが設定されます。[Windowsドメイン名/ワークグループ名]の設定は無視されます。
  • [DNSサフィックス]
    仮想ホストが属するインターネットドメイン名を設定します。DNSを使用しない場合は,空白でかまいません。仮想イメージテンプレートのOSがWindowsの場合は,[ネットワーク設定]画面で指定したネットワークごとのDNSサフィックスを使用するため,この設定はOSに反映されません。
  • [ネットワーク定義]
    右横の[設定]ボタンをクリックして,ネットワークを設定します。
  • [FC-HBA設定]※2
    右横の[設定]ボタンをクリックして,LPARの仮想HBAが使用する物理HBAを設定します。
  • [ユーザースクリプト]
    デプロイ時に仮想ホスト上で実行するユーザースクリプトを指定します。
    ユーザースクリプトは,次の例のようにフルパスで指定してください。相対パスで指定した場合のカレントパスは不定です。
    (例1)C:¥temp¥xxxx.exe△jp1user(△は半角スペースを示します。)
    (例2)/home/tasks/job01.sh
  • [SSHポート番号]
    仮想イメージテンプレートのOSがLinuxの場合,ユーザースクリプトを実行する際に使用するSSH通信のポート番号を指定します。
  • [滅却予定日時を設定する]
    仮想ホストの滅却予定日時を設定します。滅却予定日時を設定すると,設定した日時以降は仮想ホストを予約できなくなります。
注※1
VMwareまたはHyper-V上に仮想ホストをデプロイする場合にだけ表示されます。
注※2
HVM上に仮想ホストをデプロイする場合にだけ表示されます。
注※3
Hitachi Device ManagerにIPアドレスが登録されているストレージのコントローラが持つFCポートが表示されます。そのため,ストレージのすべてのコントローラをネットワークに接続し,Hitachi Storage Navigator Modularなどの管理ソフトウェアで,コントローラにIPアドレスを設定してください。その上で,Hitachi Device Managerで管理しているストレージの,すべてのコントローラのIPアドレスを設定してください。
注※4
指定したCPUコア数に対して,仮想ホストに割り当てられる仮想ソケット数とソケット当たりのコア数は,仮想化ソフトウェアごとに異なります。仮想ホストに割り当てられる仮想ソケット数とソケット当たりのコア数については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の仮想化ソフトウェアが管理するスペック値の扱いについての説明を参照してください。
[ネットワーク設定]画面

図4-7 [ネットワーク設定]画面の表示例

[図データ]
  • ネットワーク名一覧表示エリア
    [ネットワーク設定]画面の左側には,仮想イメージテンプレートから構築する仮想ホストが備える仮想NIC名と種別が表示されます。
  • [ネットワーク名]
    ネットワーク名一覧表示エリアで選択したネットワーク名が表示されます。
  • [IPアドレス]
    [管理],[業務],[未使用]のラジオボタン
    [ネットワーク名]で指定したネットワークのIPアドレスが,管理IPアドレス,業務IPアドレス,または未使用のIPアドレスかを指定します。業務IPアドレスとは,ITリソース利用者が各業務で使用するIPアドレスです。
    [自動的に取得する]
    チェックすると,DHCPで自動的にIPアドレスを取得します。
    IPアドレスのテキストボックス
    [IPアドレス選択]画面で選択したIPアドレスが表示されます。デプロイに指定するIPアドレスがほかで使用されていないことを確認してください。使用中のIPアドレスを指定した場合は,デプロイがタイムアウトで失敗します。
  • [ネットマスク]
    [ネットワーク名]で指定したネットワークのネットマスクを設定します。
  • [ゲートウェイ]
    [ネットワーク名]で指定したネットワークのゲートウェイを設定します。
  • [DNSサーバ]
    [ネットワーク名]で指定したネットワークのDNSサーバのIPアドレスを設定します。仮想イメージテンプレートのOSがLinuxの場合は,[IPアドレス]で[管理]を選択したときのDNSサーバが,OSのプライマリーDNSサーバとして設定されます。その際,[業務]や[未使用]を選択したときのDNSサーバに指定した値は無視されます。
  • [DNSサフィックス]
    [ネットワーク名]で指定したネットワークのDNSサフィックスを設定します。仮想イメージテンプレートのOSがLinuxの場合は,[デプロイ設定]画面で指定したDNSサフィックスを使用するため,この設定はOSに反映されません。
  • [仮想ネットワークデバイス名]
    [仮想ネットワークデバイス選択]画面で選択した仮想ネットワークデバイス名が表示されます。
  • [選択]ボタン
    クリックすると,[仮想ネットワークデバイス選択]画面が表示されます。
    [仮想ネットワークデバイス選択]画面では,仮想イメージテンプレートで指定した仮想化ソフトウェアの仮想ネットワークデバイスが選択できます。
    仮想ホストの複数仮想NICが同一ポートグループに接続している仮想イメージテンプレートを用いてデプロイする場合,同一ポートグループに接続していた仮想NICを同じ名前の仮想ネットワークデバイスに接続するよう設定する必要があります。異なる名前の仮想ネットワークデバイスを選択した場合,デプロイが失敗したり,設定が一部反映されないことがあります。
  • [VLAN ID]
    デプロイ先の仮想化ソフトウェアに構築された,仮想ネットワーク上のVLANのうち,[ネットワーク名]で指定した仮想NICの接続先のVLANを指定します。HVMで管理LANの場合は,HVMのネットワークセグメントと同じになるようにVLANIDには0を設定してください。
    選択した仮想ネットワークデバイスの種別が分散仮想スイッチの場合,VLANIDに4095を設定するとデプロイ実行時にエラーになります。
[IPアドレス選択]画面
[IPアドレス選択]画面の設定項目については,「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」の「■設定項目」を参照してください。
[仮想ネットワークデバイス選択]画面
仮想化ソフトウェアの仮想ネットワークデバイスを選択する画面です。
標準仮想スイッチと分散仮想スイッチの両方の仮想ネットワークデバイスが表示されます。ただし,標準仮想スイッチと同名の分散仮想スイッチがある場合,その分散仮想スイッチ名は表示されません。
注意事項
HVMでHVM拡張モードが無効,またはHVM拡張モードをサポートしていない場合,ネットワークセグメントの指定について,次に示す注意が必要です。
ネットワークセグメントを指定する際の組み合わせとして,「Na」と「Nb」(Nは数字)を選択するときは,必ずNが同じ数字になるように指定してください。また,「Na」と「Nb」を管理と業務で対になるようにLPARに割り当てる必要があります。「Na」と「Nb」の一方を管理または業務と指定し,他方を未使用と指定してデプロイを実行すると,デプロイタスクに失敗します。
なお,HVM拡張モードが有効の場合は,次のようにネットワークセグメントを指定できます。
  • 仮想ホストにネットワークセグメントをポート単位で指定する。
    これによって,ネットワークセグメントを対で指定する必要がなくなります。
  • 複数の仮想ネットワークに同じネットワークセグメントを指定する。
[ストレージ選択]画面
LPARが使用するストレージを選択する画面です。HVM上に仮想ホストをデプロイする場合にだけ使用します。
[FC-HBA設定]画面
LPARが使用するFC-HBAを選択する画面です。HVM上に仮想ホストをデプロイする場合にだけ使用します。
[図データ]便利メモ
jirmvmdeployコマンドでも仮想ホストをデプロイできます。jirmvmdeployコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

(11) 退避イメージを復元する

退避イメージを復元することで,仮想ホストを構築します。退避イメージの復元については,「4.7.4 一時保存した仮想ホストを復元する」を参照してください。