クラスタ運用でJP1/ITRMをバージョンアップする手順について説明します。なお,ここでは,現用系が実行系として動作している場合を想定して説明します。予備系が実行系として動作している場合は,あらかじめ系を切り替えておいてください。なお,手順中で実行するコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。
- jirmexportコマンドを実行してユーザー設定プロパティファイルやJP1/ITRMの使用ポート番号の情報およびデータベースに格納されているデータをエクスポートする。
- 現用系で,WSFCを使って次に示す順序でサービスを停止する。
- JP1/ITRM Web Service
- JP1/ITRM Service
- JP1/ITRM DB Cluster Service
- JP1/ITRM DB Service
- jirmcontrolserviceコマンドを実行して現用系のJP1/ITRMサービスを起動したあと,再度jirmcontrolserviceコマンドを実行してJP1/ITRMサービスを停止して,データベースを停止する。
この手順は,必ずWSFCに登録したJP1/ITRMのリソースがオフラインで,かつ共有ディスクと論理IPアドレスがオンラインの状態で実行してください。
- WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
- jirmcontrolserviceコマンドを実行して予備系のJP1/ITRMサービスを起動したあと,再度jirmcontrolserviceコマンドを実行してJP1/ITRMサービスを停止して,データベースを停止する。
この手順は,必ずWSFCに登録したJP1/ITRMのリソースがオフラインで,かつ共有ディスクと論理IPアドレスがオンラインの状態で実行してください。
- WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
- 現用系でJP1/ITRMを上書きインストールする。
新規インストールのときに入力した情報は,上書きインストール時に引き継がれます。また,インストールが完了したらシステムを再起動してください。
- WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
すでに予備系が実行系になっている場合はこの操作は不要です。
- 予備系でJP1/ITRMを上書きインストールする。
新規インストールのときに入力した情報は,上書きインストール時に引き継がれます。また,インストールが完了したらシステムを再起動してください。
- WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
すでに現用系が実行系になっている場合はこの操作は不要です。
- 現用系でjirmbackupコマンドを実行してバックアップデータを取得する。
コマンド実行前に次のサービスを起動し,コマンド実行後に停止してください。
- 現用系で次のサービスが停止していることを確認する。
- JP1/ITRM Web Service
- JP1/ITRM Service
- JP1/ITRM DB Cluster Service
- JP1/ITRM DB Service
- 現用系でjirmsetupコマンドを実行してJP1/ITRMをセットアップする。
jirmsetupコマンドは-rオプションを指定して実行してください。
バージョンアップのセットアップに失敗した場合,エクスポートデータかバックアップデータを使用してデータを復旧してください。データを復旧したあとにjirmsetupコマンドを-rオプションを指定して実行してください。
- 現用系でHTMLマニュアルを上書きする。
HTMLマニュアルの組み込み手順については,「5.6 HTMLマニュアルの組み込み手順」を参照してください。
- WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
- 予備系で次のサービスが停止していることを確認する。
- JP1/ITRM Web Service
- JP1/ITRM Service
- JP1/ITRM DB Cluster Service
- JP1/ITRM DB Service
- 予備系でjirmsetupコマンドを実行してJP1/ITRMをセットアップする。
jirmsetupコマンドは-rオプションを指定して実行してください。
- 予備系でHTMLマニュアルを上書きする。
HTMLマニュアルの組み込み手順については,「5.6 HTMLマニュアルの組み込み手順」を参照してください。
- WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
- 現用系で,WSFCを使って次に示す順序でサービスを起動する。
- JP1/ITRM DB Service
- JP1/ITRM DB Cluster Service
- JP1/ITRM Service
- JP1/ITRM Web Service
- 新規インストールをする場合,ITリソースを管理対象に設定する。
ITリソースを管理対象に設定する方法については,「6.2 ITリソースを管理対象にするために必要な設定」を参照してください。
- バージョンアップする場合,現用系と予備系でITリソースを管理対象にする設定がすべて完了しているか,「6.2 ITリソースを管理対象にするために必要な設定」を参照して再度確認する。
- 次のどちらかの方法でITリソースの情報を再収集する。
- 設定画面の[監視間隔設定]エリアで,[すべてを再収集]ボタンをクリックする。
- jirminfocollectコマンドを-allオプションと-dオプションを指定して実行する