8.7 クラスタ運用でのバージョンアップ

クラスタ運用でJP1/ITRMをバージョンアップする手順について説明します。なお,ここでは,現用系が実行系として動作している場合を想定して説明します。予備系が実行系として動作している場合は,あらかじめ系を切り替えておいてください。なお,手順中で実行するコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

  1. jirmexportコマンドを実行してユーザー設定プロパティファイルやJP1/ITRMの使用ポート番号の情報およびデータベースに格納されているデータをエクスポートする。
  2. 現用系で,WSFCを使って次に示す順序でサービスを停止する。
    • JP1/ITRM Web Service
    • JP1/ITRM Service
    • JP1/ITRM DB Cluster Service
    • JP1/ITRM DB Service
  3. jirmcontrolserviceコマンドを実行して現用系のJP1/ITRMサービスを起動したあと,再度jirmcontrolserviceコマンドを実行してJP1/ITRMサービスを停止して,データベースを停止する。
    この手順は,必ずWSFCに登録したJP1/ITRMのリソースがオフラインで,かつ共有ディスクと論理IPアドレスがオンラインの状態で実行してください。
  4. WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
  5. jirmcontrolserviceコマンドを実行して予備系のJP1/ITRMサービスを起動したあと,再度jirmcontrolserviceコマンドを実行してJP1/ITRMサービスを停止して,データベースを停止する。
    この手順は,必ずWSFCに登録したJP1/ITRMのリソースがオフラインで,かつ共有ディスクと論理IPアドレスがオンラインの状態で実行してください。
  6. WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
  7. 現用系でJP1/ITRMを上書きインストールする。
    新規インストールのときに入力した情報は,上書きインストール時に引き継がれます。また,インストールが完了したらシステムを再起動してください。
  8. WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
    すでに予備系が実行系になっている場合はこの操作は不要です。
  9. 予備系でJP1/ITRMを上書きインストールする。
    新規インストールのときに入力した情報は,上書きインストール時に引き継がれます。また,インストールが完了したらシステムを再起動してください。
  10. WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
    すでに現用系が実行系になっている場合はこの操作は不要です。
  11. 現用系でjirmbackupコマンドを実行してバックアップデータを取得する。
    コマンド実行前に次のサービスを起動し,コマンド実行後に停止してください。
    • JP1/ITRM DB Service
  12. 現用系で次のサービスが停止していることを確認する。
    • JP1/ITRM Web Service
    • JP1/ITRM Service
    • JP1/ITRM DB Cluster Service
    • JP1/ITRM DB Service
  13. 現用系でjirmsetupコマンドを実行してJP1/ITRMをセットアップする。
    jirmsetupコマンドは-rオプションを指定して実行してください。
    バージョンアップのセットアップに失敗した場合,エクスポートデータかバックアップデータを使用してデータを復旧してください。データを復旧したあとにjirmsetupコマンドを-rオプションを指定して実行してください。
  14. 現用系でHTMLマニュアルを上書きする。
    HTMLマニュアルの組み込み手順については,「5.6 HTMLマニュアルの組み込み手順」を参照してください。
  15. WSFCを使って,現用系から予備系に切り替える。
  16. 予備系で次のサービスが停止していることを確認する。
    • JP1/ITRM Web Service
    • JP1/ITRM Service
    • JP1/ITRM DB Cluster Service
    • JP1/ITRM DB Service
  17. 予備系でjirmsetupコマンドを実行してJP1/ITRMをセットアップする。
    jirmsetupコマンドは-rオプションを指定して実行してください。
  18. 予備系でHTMLマニュアルを上書きする。
    HTMLマニュアルの組み込み手順については,「5.6 HTMLマニュアルの組み込み手順」を参照してください。
  19. WSFCを使って,予備系から現用系に切り替える。
  20. 現用系で,WSFCを使って次に示す順序でサービスを起動する。
    • JP1/ITRM DB Service
    • JP1/ITRM DB Cluster Service
    • JP1/ITRM Service
    • JP1/ITRM Web Service
  21. 新規インストールをする場合,ITリソースを管理対象に設定する。
    ITリソースを管理対象に設定する方法については,「6.2 ITリソースを管理対象にするために必要な設定」を参照してください。
  22. バージョンアップする場合,現用系と予備系でITリソースを管理対象にする設定がすべて完了しているか,「6.2 ITリソースを管理対象にするために必要な設定」を参照して再度確認する。
  23. 次のどちらかの方法でITリソースの情報を再収集する。
    • 設定画面の[監視間隔設定]エリアで,[すべてを再収集]ボタンをクリックする。
    • jirminfocollectコマンドを-allオプションと-dオプションを指定して実行する