ここでは,JP1/ITRMおよび仮想化ソフトウェアがそれぞれ管理する仮想ホストのCPUおよびメモリの性能を,相互にどのように計算して扱うかについて説明します。構築する仮想ホストの性能を事前に計算する場合などの参考にしてください。
JP1/ITRMで構築した仮想ホストについて,仮想化ソフトウェアが管理するスペック値について説明します。
表2-25 仮想化ソフトウェアが管理する仮想ホストのCPUの性能
仮想化ソフトウェア | JP1/ITRMで設定した割り当て種別 | 仮想化ソフトウェアへ設定する仮想ホストのCPUの性能 | |
---|---|---|---|
設定項目 | 設定値および計算方法 | ||
VMware | 占有 | シェア | 仮想CPU数※1×仮想CPUのクロック数※2 |
予約 | 仮想CPU数※1×仮想CPUのクロック数※2 | ||
制限(上限) | 仮想CPU数※1×仮想CPUのクロック数※2 | ||
共有 | シェア | 仮想CPU数※1×仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×2,000 | |
予約 | 0 | ||
制限(上限) | 制限なし※3 | ||
Hyper-V | 占有 | 重み | 仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×100 |
予約 | 仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×100 | ||
限度(上限) | 仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×100 | ||
共有 | 重み | 仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×200 | |
予約 | 0 | ||
限度(上限) | 100※3 | ||
HVM | 占有 | サービス率 | - |
プロセッサキャッピング(上限) | - | ||
共有 | サービス率 | 仮想CPUのクロック数※2÷1コア当たりの物理CPUのクロック数×200 | |
プロセッサキャッピング(上限) | No※3 |
表2-26 仮想ホストに割り当てられるCPUの仮想ソケット数とソケット当たりのコア数
仮想化ソフトウェア | 仮想ソケット数 | ソケット当たりのコア数 |
---|---|---|
VMware | 指定した仮想CPU数 | 1 |
Hyper-V | 1 | 指定した仮想CPU数 |
HVM |
表2-27 仮想化ソフトウェアが管理する仮想ホストのメモリの性能
仮想化ソフトウェア | 仮想化ソフトウェアへ設定する仮想ホストのメモリの性能 | |
---|---|---|
VMware | メモリサイズ | JP1/ITRMで設定したメモリサイズが適用されます。 |
予約 | 0 | |
制限(上限) | 制限なし | |
Hyper-V | ダイナミックメモリの有効・無効および操作(デプロイまたは設定変更)によって,Hyper-Vが管理するメモリ性能が異なります。 Hyper-Vが管理するメモリ性能については,表2-28を参照してください。 | |
HVM | メモリサイズ | JP1/ITRMで設定したメモリサイズが適用されます。 |
表2-28 Hyper-Vが管理する仮想ホストのメモリ性能
前提条件 | ダイナミックメモリの有効・無効 | Hyper-Vが管理する仮想ホストのメモリの性能 (メモリサイズ,スタートアップRAM※2,最大RAM※3,メモリ優先度,メモリバッファ) | ||
---|---|---|---|---|
ダイナミックメモリの対応状況 | 仮想ホストのダイナミックメモリの設定※1 | 操作 | ||
SCVMMまたはHyper-Vが非対応 | 無効 |
| 無効 |
|
有効 | デプロイ |
| ||
設定変更 | 有効 |
| ||
SCVMMおよびHyper-Vが対応 | 無効 |
| 無効 |
|
有効 | デプロイ | 有効 |
| |
設定変更 |
|
すでに仮想化ソフトウェアで構築されている仮想ホストについて,JP1/ITRMが管理するスペック値について説明します。
表2-29 JP1/ITRMが管理する仮想ホストのCPUの性能
仮想化ソフトウェア | 仮想化ソフトウェアで設定された仮想ホストのCPUの性能 | JP1/ITRMが管理する仮想ホストのCPUの性能の扱い | |
---|---|---|---|
割り当て種別 | 仮想ホストのCPU当たりのクロック数(メガヘルツ) | ||
VMware | 予約=0以外 | 占有 | 予約(メガヘルツ)÷仮想CPU数 |
予約=0 制限=「制限なし」を指定しない | 共有 | 制限(メガヘルツ)÷仮想CPU数 | |
予約=0 制限=「制限なし」を指定する | 共有 | min(シェア÷(2,000×仮想CPU数),1)×1コア当たりの物理CPUのクロック数 | |
Hyper-V | 予約=0以外 | 占有 | 予約×1コア当たりの物理CPUのクロック数÷100 |
予約=0 限度=100以外 | 共有 | 限度×1コア当たりの物理CPUのクロック数÷100 | |
予約=0 限度=100 | 共有 | min(重み÷200,1)×1コア当たりの物理CPUのクロック数 | |
HVM | 占有 | 占有 | 1コア当たりの物理CPUのクロック数と同じ |
共有 プロセッサキャッピング=YesまたはNo | 共有 | min(サービス率÷200,1)×1コア当たりの物理CPUのクロック数 |
表2-30 仮想化ソフトウェアごとの仮想ソケット数およびソケット当たりのコア数の割り当て
仮想化ソフトウェア | 仮想ソケット数 | ソケット当たりのコア数 |
---|---|---|
VMware(バージョン4.0以前) | 仮想プロセッサ数 | 1 |
VMware(バージョン4.1以降) | 仮想ソケット数 | ソケット当たりのコア数 |
Hyper-V | 1 | CPU数 |
HVM |
表2-31 JP1/ITRMが管理するメモリの性能
仮想化ソフトウェア | 仮想化ソフトウェアで設定された仮想ホストのメモリの性能 | JP1/ITRMで仮想化ソフトウェアから取得するメモリ量(メガバイト) |
---|---|---|
VMware | 予約=0以外 | 仮想ホストのメモリサイズ |
予約=0 制限=「制限なし」を指定しない | 仮想ホストのメモリサイズ | |
予約=0 制限=「制限なし」を指定する | 仮想ホストのメモリサイズ | |
Hyper-V | 仮想ホストのダイナミックメモリが無効になっている場合 | 仮想ホストのメモリサイズ |
仮想ホストのダイナミックメモリが有効になっている場合 | 仮想ホストのスタートアップRAM | |
HVM | - | LPARのメモリサイズ |