2.7.5 仮想イメージテンプレートの管理

利用者に提供する複数の仮想ホストをデプロイする場合,仮想イメージテンプレートを使用することをお勧めします。よく利用する項目をあらかじめ仮想イメージテンプレートに設定しておくことで,同じ項目を何度も入力することなく,仮想ホストをデプロイできます。仮想イメージテンプレートは,設定画面の[仮想イメージテンプレート管理]エリアで追加,編集,削除して管理できます。

注意事項
  • SCVMMが管理する仮想ホストを仮想イメージテンプレート化する際に,対象とする仮想ホストのディスクにチェックポイントが設定されている場合,jirmimageimportコマンドを実行するとエラーになります。
  • デプロイ後,Hyper-V上の仮想ホストのダイナミックメモリを有効にする場合は,テンプレート化する際に,対象とする仮想ホストのダイナミックメモリを有効にしておく必要があります。
  • バージョンが09-50以前のJP1/ITRMで作成した仮想イメージテンプレートを使用してデプロイする場合,対象の仮想ホストのダイナミックメモリが有効だったとしても,無効の状態でデプロイされます。
<この項の構成>
(1) 仮想イメージテンプレートの追加
(2) 仮想イメージテンプレートの編集
(3) 仮想イメージテンプレートの削除

(1) 仮想イメージテンプレートの追加

テンプレート名,CPU,ユーザースクリプトなどの項目を設定して,仮想イメージテンプレートを作成します。仮想イメージテンプレートは,[仮想イメージテンプレート追加]画面でライブラリに追加できます。

図2-32 仮想イメージテンプレートの追加

[図データ]

仮想ホストの構築時に実行するユーザースクリプトは,仮想イメージテンプレートに含まれるミドルウェアを初期設定するためのものです。ユーザースクリプトは,仮想ホスト上で実行されます。ユーザースクリプトを使用する場合は,動作を十分に確認してから実行してください。

JP1/ITRMでは,ユーザースクリプトの実行中の状態や,実行後の結果を表示できません。実行結果を確認したい場合は,ユーザーがプログラムから確認してください。

ユーザースクリプトを指定する場合は,次の点に注意してください。

なお,ユーザースクリプトのファイルとして指定できるファイルはOSによって異なります。

Windowsの場合
  • exeファイル
  • cmdファイル
  • batファイル
関連づけられたファイルを実行したい場合,関連づけられたファイルだけをユーザースクリプトの項目に入力しても実行できません。指定できるファイルと合わせてユーザースクリプトの項目に入力してください。なお,ファイルのパスには,環境変数を含めた文字列,およびパーセント(%)を含むファイル名やフォルダ名は指定できません。
入力例
C:¥windows¥system32¥cscript.exe C:¥tasks¥task01.vbs
Linuxの場合
  • シェルスクリプト
  • 実行ファイル

OSがWindowsの場合,Windowsのコマンドをユーザースクリプトとして指定するときは,cmdコマンドを使用してコマンドを指定してください。

OSがLinuxの場合,Linuxのnohupコマンドを使用してユーザースクリプトを指定してください。このコマンドを使用すると,仮想ホストの接続を切断してもユーザースクリプトが実行されます。ユーザースクリプトの実行結果を確認する必要はないので,仮想ホストの接続を切断しても問題ありません。

nohupコマンドの仕様では,リダイレクトしない場合,標準出力および標準エラー出力にログファイル(nohup.out)を出力します。しかし,JP1/ITRMでのユーザースクリプトでは,内部でリダイレクトしているためログファイルを出力しません。ログファイルを出力したい場合は,ユーザースクリプトにリダイレクトを付けて実行するか,ログファイルを出力するユーザースクリプトを実行してください。

ユーザースクリプト実行時に標準エラー出力にメッセージが出力されると,JP1/ITRMでメッセージを解析します。その結果,ユーザースクリプトが実行失敗と判定されても,処理を中断しないでユーザースクリプトが実行されます。ユーザースクリプトが実行失敗と判定されるのを避けるため,ユーザースクリプトでは,標準エラー出力を出力しないようにしてください。標準エラー出力が出力される場合は,リダイレクトしてください。

入力例
/usr/bin/script.sh > /home/user/output.log

OSがLinuxの場合で,ユーザースクリプトを指定するときは,ASCIIコードの制御文字以外の0x20~0x7eの範囲で文字を使用してください。

ユーザースクリプトは,OSユーザーのシェル環境を使用して実行されます。そのため,「?」や「*」のようにシェル環境が特別な意味と解釈する文字は,スクリプトファイルのパスに指定できません。

指定できない例を次に示します。

注※
次の引数を除きます。
  • シェルスクリプトおよび実行ファイル内で使う引数
  • リダイレクト
HVMで管理する仮想イメージテンプレートを追加する場合の注意事項
JP1/SC/DPMの更新モード中の場合,JP1/ITRMから仮想イメージテンプレートを追加できません。更新モード以外のモードのときに追加してください。JP1/SC/DPMの更新モードの注意事項の詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。

(2) 仮想イメージテンプレートの編集

CPUのデフォルト値,CPU占有種別など,作成した仮想イメージテンプレートの情報を[仮想イメージテンプレート詳細]画面で編集します。

図2-33 仮想イメージテンプレートの編集

[図データ]

(3) 仮想イメージテンプレートの削除

仮想イメージテンプレートは,必要に応じて削除できます。仮想イメージテンプレートを削除すると,データベースに保存されている仮想イメージテンプレートの情報が削除されます。