6.2.7 HVMを管理対象にするための設定

ここでは,JP1/ITRMでHVMを管理するために必要な準備について説明します。

HVMを管理対象とする場合,HVM上に仮想ホストをデプロイして起動,停止などの操作をするかどうかによって,必要となる準備が異なります。ここでは,仮想ホストをデプロイして操作する場合とデプロイしない(構成情報と性能情報を管理するだけ)場合に分けて,説明します。

<この項の構成>
(1) HVM上に仮想ホストをデプロイして操作する場合
(2) 構成情報と性能情報を管理するだけの場合

(1) HVM上に仮想ホストをデプロイして操作する場合

HVMおよびHVM上の仮想ホストの構成情報と性能情報を管理したり,HVM上に仮想ホストをデプロイして起動,停止などの操作をする場合,次の図に示すプログラムやサーバを設定する必要があります。

図6-1 HVM上に仮想ホストをデプロイして操作をする場合に設定が必要なプログラムやサーバ

[図データ]

(a) ITリソース管理サーバの設定

次のとおり設定してください。

また,デプロイ先として指定するDPプールが存在するストレージに対して,認証情報のネームスペースに「root/smis/smis14」または「root/smis/smis15」を指定してください。そのあと探索を実行して,構成情報を取得しておいてください。ストレージのネームスペースの設定については,「6.2.9(2)(d) ノードの接続情報」を参照してください。

(b) 管理サーバ for DPM,Webサーバ for DPMの設定

OSの配布イメージの管理,LPARへのOSの配布などを実行するJP1/SC/DPMを構成するプログラムです。次のとおり設定してください。

詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。

(c) 複製用情報ファイル格納用フォルダの設定

デプロイ時のOSカスタマイズ情報を記述するファイルを格納するフォルダです。次の手順で管理サーバ for DPMとITリソース管理サーバから共有できるよう設定してください。

  1. JP1/SC/DPMのWebコンソールのメインウィンドウ画面で,[設定]メニューから[詳細設定]を選択します。
    [詳細設定]画面が表示されます。
  2. [全般]タブの[共有フォルダ]に指定されているフォルダを確認します。
  3. [共有フォルダ]に指定されているフォルダに対して,Windowsからネットワーク共有を設定して,さらに読み取りおよび書き込みを許可します。
(d) 日立ストレージの設定

デプロイ時にLUが作成されます。次のとおり設定してください。

なお,サポート対象のストレージについては,サポートサービスサイトのJP1/ITRMについて説明しているページを参照してください。

(e) Hitachi Device Managerの設定

JP1/ITRMからの要求を基に,LPARに割り当てるLUとホストグループを作成します。次のとおり設定してください。

(f) DHCPサーバの設定

LPARで使用するPXEブート用のIPアドレスを配布できるよう設定してください。

(g) HVMの設定

HVMを管理対象とする場合,HVMは次のとおり設定してください。

注意事項
プロセッサグループの設定はしないでください。
●BSMx IP AddressまたはHVM CLIx IP Addressの設定

HVMの管理画面(System Configuration)から,HVMのBSMx IP AddressまたはHVM CLIx IP AddressにITリソース管理サーバのIPアドレスを指定してください。BSMx IP Addressの設定方法の詳細については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。

●ネットワークトポロジーの設定

ITリソース管理サーバが複数のセグメントに接続されるネットワーク構成の場合,HVMへ接続する方のNICポートを優先ルートとして,ルーティングテーブルにHVMの管理IPを登録してください。また,ITリソース管理サーバが同一セグメントに複数のNICを接続するネットワーク構成の場合は,ITリソース管理サーバが HVMに優先的に接続するNICの管理IPを,BSM IP AddressまたはHVM CLI IP Addressに登録してください。設定方法については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。

●NICの設定

共有NICは,それぞれのLPARに接続してください。また,LPARの管理LANは,共有NICを指定してください。ただし,NICを占有させる場合,同じLPARに占有させるNICと共有NICを混在できます。

なお,デプロイ時,NICの設定は4つまで有効になります。5つ目以降のNICは,DHCPによって自動的にIPアドレスが取得されます。

●クラスタ環境の設定

ITリソース管理サーバをクラスタ環境で運用している場合,実行系および待機系のITリソース管理サーバにHvmSh.exeを格納してください。また,BSM IP AddressまたはHVM CLI IP Addressには,論理IPアドレスではなく,実行系サーバおよび待機系サーバのIPアドレスを,HVMに設定してください。

●LPARの設定

HVMのネットワークセグメントおよび各LPARに振り分けるネットワークセグメントを,同じネットワークセグメントに配置してください。HVMのネットワークセグメントとは,HVMシステムを構築するときにHVMの管理画面から設定する情報です。

(2) 構成情報と性能情報を管理するだけの場合

HVMおよびHVM上の仮想ホストの構成情報と性能情報を管理するだけの場合,次の内容を実施してください。

(a) HvmSh.exeの設定

ハードウェアに添付されているHVM Utility CDに格納されているHvmSh.exeファイルを,次のフォルダに格納してください。

ITRMパス¥JP1ITRM¥system¥HVM¥bin

なお,対応するバージョンは4.1以降です。ただし,HVMの物理NIC(共有時)の状態および性能を取得する場合は,バージョン5.4以降が必要です。最新版のHvmSh.exeファイルの入手方法については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。

(b) BSMx IP AddressまたはHVM CLIx IP Addressの設定

HVMの管理画面(System Configuration)から,HVMのBSMx IP AddressまたはHVM CLIx IP AddressにITリソース管理サーバのIPアドレスを指定してください。BSMx IP Addressの設定方法の詳細については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。

(c) ネットワークトポロジーの設定

ITリソース管理サーバのIPアドレスを設定する必要があります。NICによって,ITリソース管理サーバが複数のIPアドレスを所持している場合は,JP1/ITRMが使用するIPアドレスをHVMに設定してください。設定方法については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。

(d) 共有NICの設定

それぞれのLPARに接続してください。また,LPARの管理LANは,共有NICを指定してください。ただし,NICを占有させる場合,同じLPARに占有させるNICと共有NICを混在できます。

(e) クラスタ環境の設定

ITリソース管理サーバをクラスタ環境で運用している場合,実行系および待機系のITリソース管理サーバにHvmSh.exeを格納してください。また,論理IPアドレスではなく,実行系サーバおよび待機系サーバのIPアドレスを,HVMに設定してください。

(f) LPARの設定

HVMのネットワークセグメントおよび各LPARに振り分けるネットワークセグメントを,同じネットワークセグメントに配置してください。HVMのネットワークセグメントとは,HVMシステムを構築するときにHVMの管理画面から設定する情報です。