2.3.1 リソースグループと業務グループの管理

JP1/ITRMでは,ITリソースをグループに分類して管理できます。

<この項の構成>
(1) リソースグループの管理
(2) 業務グループの管理
(3) リソースグループと業務グループの関連づけとその種別
(4) HAクラスタグループの管理
(5) ほかのリソースグループへのITリソースの移動
(6) リソースグループ・業務グループ・フォルダの削除
(7) リソースグループ・業務グループ・フォルダの命名規則

(1) リソースグループの管理

JP1/ITRMで管理対象とするITリソースは,ユーザーが作成する任意のグループで管理します。それぞれのITリソースはどれかのリソースグループに所属している必要があります。ただし,1つのITリソースが所属できるリソースグループは,1つだけです。

デフォルトでは,[_Default]というリソースグループが作成されています。管理対象に設定したITリソースは,自動的に[_Default]リソースグループに追加されます。

また,リソースグループは,任意で作成するリソースグループフォルダを使用して管理できます。リソースグループフォルダは,10階層まで作成できます。

運用に合わせて[リソースグループ選択]画面,またはドラッグ&ドロップで[_Default]リソースグループから任意のリソースグループにITリソースを移動してください。ただし,ITリソースが仮想ホストの場合は,その仮想ホストが動作しているリソースプールも,同じリソースグループに所属させてください。同じリソースグループに所属していない場合,割り当て管理などで情報が正しく表示されない場合があります。

移動できるITリソースの種類を次の表に示します。

表2-4 任意のリソースグループに移動できるITリソースの種類

リソースの分類項目
ホストリソース物理ホスト
仮想ホスト
リソースプール仮想化ソフトウェア
VMクラスタ
プール
vApp

(2) 業務グループの管理

業務グループとは,組織や業務を任意の定義でグループ化したものです。業務グループは,ユーザーが作成して,リソースグループを関連づけて使用します。リソースグループを業務グループに関連づけると,業務グループごとに予約できるホストを決めたり,業務グループごとに稼働情報を収集したりできます。

業務グループとリソースグループの関連づけについては,「2.3.1(3) リソースグループと業務グループの関連づけとその種別」を参照してください。

また,業務グループは,任意で作成する業務グループフォルダを使用して管理できます。業務グループフォルダは,10階層まで作成できます。

(3) リソースグループと業務グループの関連づけとその種別

JP1/ITRMでは,リソースグループを業務グループに関連づけて,業務グループごとに予約できるホストを決めたり,業務グループごとに稼働情報を収集したりできます。

リソースグループと業務グループの関連づけは,次のような場合に有効です。

リソースグループを複数の業務グループへ関連づけられるかどうかは,[リソースグループ設定]画面の割り当て種別によって設定できます。リソースグループに設定する割り当て種別を次の表に示します。

表2-5 リソースグループの割り当て種別

割り当て種別説明
共有リソースグループを複数の業務グループに関連づけられます。
占有1つのリソースグループは,単一の業務グループだけに関連づけられます。
占有を設定したリソースグループに所属するITリソースは,そのリソースグループに所属している間,常に割り当て予約が設定されたITリソースとして扱われます。このため,割り当て予約の検索の対象には含まれません。
割り当て不可リソースグループを業務グループに関連づけられません。

リソースグループと業務グループの関連づけは,[リソースグループ関連付け]画面から実行できます。

図2-5 リソースグループと業務グループの関連づけの例

[図データ]

なお,[_Default]リソースグループの割り当て属性には共有が設定されています。[_Default]リソースグループの割り当て属性は変更できません。

リソースグループの割り当て種別は,設定したあとに変更できます。ただし,次の場合は変更できません。

また,業務グループとの関連づけも,設定したあとに変更できます。ただし,次の場合は変更できません。

(4) HAクラスタグループの管理

HAクラスタグループを構成する物理ホストおよび仮想ホストは,通常の物理ホストおよび仮想ホストと同じように,ホスト単位で探索されます。

HAクラスタグループを作成する場合は,リソース管理画面からHAクラスタグループとして扱うホストを2台以上選択し,[アクション]メニューからHAクラスタグループを設定します。HAクラスタグループの変更,削除は設定画面の[HAクラスタグループ設定]エリアで実行します。

HAクラスタグループを構成するホストの条件を次に示します。

(5) ほかのリソースグループへのITリソースの移動

リソースグループに所属するITリソースは,ほかのリソースグループに移動できます。ただし,次の場合は所属先を移動できません。

なお,占有を設定したリソースグループに所属するITリソースは,そのリソースグループに所属している間,常に割り当て予約が設定されたITリソースとして扱われますが,ほかのリソースグループに移動した時点で割り当て予約が設定されていないITリソースとして扱われます。

(6) リソースグループ・業務グループ・フォルダの削除

リソースグループ,業務グループ,リソースグループフォルダ,および業務グループフォルダを削除します。

それぞれを削除できるかどうかは,割り当て種別,および割り当て予約の状況によって,次の表のとおり異なります。

表2-6 リソースグループ・リソースグループフォルダの削除の可否

割り当て種別割り当て予約削除の可否
占有あり削除できます。
なし
共有あり削除できません。
なし削除できます。

表2-7 業務グループ・業務グループフォルダの削除の可否

関連づけられているリソースグループの割り当て種別関連づけられているリソースの割り当て予約削除の可否
占有あり削除できます。
なし
共有あり削除できません。
なし削除できます。

リソースグループを削除すると,所属しているITリソースは[_Default]リソースグループに移動します。

また,リソースグループフォルダ,および業務グループフォルダを削除すると,それぞれのフォルダに格納されているフォルダやリソースグループ,業務グループも削除されます。

なお,[_Default]リソースグループは削除できません。

(7) リソースグループ・業務グループ・フォルダの命名規則

リソースグループ,業務グループ,リソースグループフォルダ,および業務グループフォルダの命名規則を次に示します。

注※
リソースグループの場合に限ります。