6.2.5 VMwareを管理対象にするための設定

ここでは,JP1/ITRMでVMwareを管理するために必要な準備について説明します。VMwareを管理対象として設定する前に,次の内容を実施してください。

<この項の構成>
(1) VMware ESXのドメイン名の設定
(2) VMware ESXiのロックダウンモードの設定
(3) VMware ESXのメンテナンスモードの設定
(4) VMware ESXとのHTTPS接続の設定
(5) 仮想マルチコアCPU構成の設定
(6) 仮想ホストのゲストOSの設定
(7) ハードウェアの条件の確認
(8) VMware上で仮想ホストをデプロイ,削除,復元,コールドマイグレーションする場合の設定
(9) VMware上で仮想ホストをホットマイグレーションする場合の設定

(1) VMware ESXのドメイン名の設定

VMware ESXを管理するためには,ドメイン名の設定が必要です。VMware ESXの[DNSおよびルーティング]のプロパティで,ドメイン名を設定してください。

なお,VMware ESXではドメイン名は必須項目のため,一度ドメイン名を設定すると,空白に戻すことはできません。

(2) VMware ESXiのロックダウンモードの設定

管理対象のVMware ESXiのロックダウンモードを無効にしてください。ロックダウンモードが有効になっていると,JP1/ITRMでVMwareを管理できません。

(3) VMware ESXのメンテナンスモードの設定

管理対象のVMware ESXがメンテナンスモードを無効にしてください。メンテナンスモードが有効になっていると,JP1/ITRMでVMwareを管理できません。

(4) VMware ESXとのHTTPS接続の設定

JP1/ITRMが次に示すVMware ESXとHTTPS接続できるよう設定してください。

デプロイおよび復元を実施する場合
デプロイおよび復元先のVMware ESX
コールドマイグレーションを実施する場合
コールドマイグレーションの移動元と移動先のVMware ESX
退避および仮想イメージテンプレートの作成を実施する場合
退避および仮想イメージテンプレートの作成で指定した仮想ホストを実行しているVMware ESX

(5) 仮想マルチコアCPU構成の設定

VMware ESX 4.1以降の場合,ソケット当たりのコア数を設定できますが,JP1/ITRMでVMware上の仮想ホストに対して,次に示す機能を使用するときは,該当する仮想ホストのソケット当たりのコア数を1に設定してください。

(6) 仮想ホストのゲストOSの設定

VMwareを管理対象にするために必要なゲストOSの情報をVMware ESXから取得させるため,仮想ホストのゲストOSごとにVMware Toolsをインストールしてください。

インストールしなかった場合,次のような事象が発生します。

VMware Toolsのインストールは,仮想ホストのゲストOSのインストール後にVMware Infrastructure Clientなどの,VMware管理クライアントから実行します。

なお,VMware Toolsのインストーラーは,ISOイメージファイルとしてVMware ESXに組み込まれます。

また,1つのvCenterで管理する仮想化ソフトウェアのホスト名は,重複しないように設定してください。

(7) ハードウェアの条件の確認

VMware ESXのシステム要件を満たしたハードウェア構成であるか,確認してください。

なお,VMwareを管理するために,独自に必要なハードウェア条件はありません。

(8) VMware上で仮想ホストをデプロイ,削除,復元,コールドマイグレーションする場合の設定

デプロイ時は,仮想スイッチを作成して,ネットワークを設定してください。デプロイ先は,リソースプールおよびVMware ESXのどちらか,または両方を指定できます。

デプロイ,復元,およびコールドマイグレーションでは,仮想スイッチの名称の先頭に「ITRM」が付いたポートグループを作成します。また,退避,削除およびコールドマイグレーションでは,名称の先頭に「ITRM」が付いたポートグループを削除します。そのため,仮想スイッチのポートグループ名として,先頭に「ITRM」を指定しないでください。

(9) VMware上で仮想ホストをホットマイグレーションする場合の設定

JP1/ITRMからVMware上の仮想ホストをホットマイグレーションするには,vCenterのVMware vMotion機能を使用します。そのためJP1/ITRMからのホットマイグレーションを実行する前に,vCenterで操作対象となる仮想ホストにVMware vMotionを使用するための設定が完了している必要があります。