(1) FTPクライアントの自IPアドレスの指定を有効にする
クライアント側からファイル伝送するときに,FTPクライアントの自IPアドレスを指定できるようになります。
FTPクライアントの自IPアドレスの指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にspecify client localhostを定義します。指定値の意味は次のとおりです。
自IPアドレスの指定を有効にした場合,FTPクライアントの自IPアドレスを指定できます。
自IPアドレスの指定を無効にした場合,FTPクライアントの自IPアドレスはOSが自動割り当てしたアドレスになります。
自IPアドレスの指定を有効にして,ホスト名を指定しなかった場合は,物理アドレス(OSのhostnameコマンドで返されるホスト名)を使用します。
機能の有効/無効と,FTPクライアントの自IPアドレス指定内容によるファイル伝送時の自IPアドレスの関係を次の表に示します。
表3-19 機能の有効/無効と自IPアドレス指定の組み合わせで決定するファイル伝送時の自IPアドレス
コマンドまたはAPI | ホスト名指定の有無 | 機能が有効の場合 | 機能が無効の場合 |
---|---|---|---|
ftstranコマンド | ホスト名指定 | 指定されたホスト名のアドレス | OS自動割り当てのアドレス |
ホスト名指定省略 | 物理アドレス | OS自動割り当てのアドレス | |
fts_ftp_open()関数 | ホスト名指定 | 指定されたホスト名のアドレス | OS自動割り当てのアドレス |
NULL指定 | 物理アドレス | OS自動割り当てのアドレス |
なお,自IPアドレス指定で指定するホスト名は,ftstranコマンドまたはfts_ftp_open()関数を呼び出すユーザプログラムが動作するホストのホスト名を指定してください。
(2) FTPサーバで送信する応答メッセージ内のFTPサーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにする
FTPサーバが送信する応答メッセージ内の自ホスト名を,接続を受けたアドレスにできます。FTPサーバが送信する応答メッセージを次に示します。
220 hostname FTP server (JP1/File Transmission Server/FTP VV-RR-SS month date year) ready.
211 hostname FTP server status:
これらのメッセージ中のhostnameが,接続を受けたアドレスになります。
応答メッセージ内のFTPサーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にresponse hostname reverse lookupを定義します。指定値の意味は次のとおりです。
(3) JP1イベント送信先を指定する
JP1イベントの送信先を指定できます。各デーモン(JP1/FTPデーモン,ログデーモン,運用管理エージェント)の起動・停止のJP1イベント送信先を指定します。対象のイベントIDは00010D20~00010D28です。
また,ファイル伝送終了時のJP1イベントは,伝送を実行した自ホストをイベント送信先とします。対象のイベントIDは00010D0B~00010D0Dです。
JP1イベントの送信先の指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にjp1event hostを定義します。指定値の意味は次のとおりです。