JP1/Advanced Shellの環境で発生しやすいエラーの詳細に対する原因と対策を次の表に示します。表にないエラーについては,使用しているUNIXのマニュアルを参照してください。
JP1/Advanced Shellの環境で発生しやすいエラーの内容だけを記載しています。記載されていないエラーの詳細については,メッセージで表示されたエラー番号(errno)に該当するニモニックを使用しているUNIXのerrno定義ファイル(errno.h)を調べてください。
表11-6 エラーの詳細に対する原因と対策(UNIXの場合)
エラー番号(errno) | エラーの詳細 | ニモニック | 原因 | 対策 |
---|---|---|---|---|
2 | No such file or directory | ENOENT | ファイルまたはディレクトリが見つかりません。 | ファイルの存在を確認してください。 |
5 | I/O error | EIO | 入出力エラーが発生しました。 | UNIXまたはハードウェアの情報に従ってください。 |
6 | No such device or address | ENXIO | ファイルに対するアクセス権がありません。 | デバイスがあるか,またはデバイスを有効にしているかを確認してください。デバイスを有効にしていない場合は,有効にしてください。それ以外の原因の場合は,使用しているUNIXのマニュアルを参照してください。 |
7 | Arg list too long | E2BIG | 処理プログラムの引数または環境変数用の領域が不足しています。 | 処理プログラムの引数を確認します。 exportコマンドなどによる環境変数の設定やファイル管理機能のスクリプト拡張コマンドの使用方法を見直し,不要な環境変数の設定を削除します。 |
11 | Resource temporarily unavailable | EAGAIN | プロセスの数が多過ぎるか,または一時的なメモリ不足が発生しています。 | 再実行してもエラーが発生する場合は,不要なプロセスを停止させてください。 |
12 | Not enough space | ENOMEM | 次の原因が考えられます。
| 次の対策を実施します。
|
13 | Permission denied | EACCES | アクセス権限が不正です。 | ファイルに対するアクセス権限が正しいかどうかを確認してください。 |
14 | Bad address | EFAULT | アクセスできない領域に書き込みをしようとしました。書き込みをしようとしたディスクが切り離された場合があります。 | 系切り替えに伴うディスクの切り替え中の場合は,問題ないので無視してください。 誤ってディスクを切り離してしまった場合は,該当するファイルをバックアップから回復するか,または初期化してから使用してください。 上記以外の場合は,システム管理者に連絡してください。 |
17 | File exists | EEXIST | 作成しようとしたファイルはすでにあります。 | ファイル名を変更して再実行します。既存のファイルが不要の場合,削除してから再実行してください。 |
22 | Invalid argument | EINVAL | メモリ管理情報の不正を検知しました。 | システム管理者に連絡してください。 |
23 | File table overflow | ENFILE | ファイルのオープン数がシステムの上限を超えました。 | UNIXのカーネルパラメーターの,システムでオープンできるファイル最大数(maxuproc×nofiles)の指定値を大きくしてください。 |
24 | Too many open files | EMFILE | 該当するプロセスでオープンしているファイル数が多過ぎます。 | UNIXのカーネルパラメーターの,プロセスでオープンできるファイル数の最大値(nofiles)を大きくしてください。 |
27 | File too large | EFBIG | ファイルの大きさがシステム制限値を超えました。 | 使用するファイルサイズを見直してください。 |
28 | No space left on device | ENOSPC | ファイルシステムに十分な空き領域がありません。 | 空き領域を確保してください。 |
86 | File name too long | ENAMETOOLONG | ファイル名の長さが長過ぎます。 | ファイル名の長さを見直してください。 |