形式
adshcollect 保守情報出力先ディレクトリ [-f 定義ファイル名] [-e 環境ファイル名] |
機能
adshcollectコマンドによって,障害調査のための資料を一括して収集できます。
このコマンドは,障害発生時の実行ユーザーの権限で実行する必要があります。
引数
使用方法
JP1/Advanced Shellを標準的な構成でインストールした場合のコマンドの使用手順を次に示します。
/opt/jp1as/maintenance/adshcollect /tmp |
定義ファイルと環境ファイルの設定
定義ファイルと環境ファイルでadshcollectコマンドの動作を定義します。定義ファイルは,キーワードと値をスペースで区切って記述します。ファイル名はすべて絶対パスで指定します。
定義ファイルのキーワードと指定の関係について次の表に示します。定義ファイルにはCOREおよびDUMP以外を指定できません。例えば,コメントなどは記入できません。
表10-6 定義ファイルのキーワードと指定の関係
キーワード | 内容 | 指定 | 複数指定 | ワイルドカード |
---|---|---|---|---|
DUMP【Windows限定】 | ワトソンログなど,Windowsで採取したいダンプファイルを指定します。ワトソンログについては,Windowsの資料を参照してください。 パスにスペースがある場合は,ダブルクォーテーションで囲ってください。 | 任意 | ○※ | × |
CORE【UNIX限定】 | coreファイルを障害情報として採取する必要があるとき,ファイルを格納しているディレクトリ名を指定します。指定したディレクトリ以下にある,名前の一部に「core」と付いたファイルを一括して採取します。 | 任意 | ○ | × |
環境ファイルのキーワードと指定の関係について次の表に示します。なお,環境ファイルに指定がない場合,パス名のデフォルト値の各情報を採取します。
表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係
キーワード | 内容 | 指定 | 複数指定 | ワイルドカード |
---|---|---|---|---|
SPOOL_DIR | スプールディレクトリのパス名 パス名のデフォルト値は次のとおりです。
| 任意 | × | × |
LOG_DIR | システム実行ログ出力先ディレクトリのパス名 パス名のデフォルト値は次のとおりです。
| 任意 | × | × |
TRACE_DIR | トレースログ出力先ディレクトリのパス名 パス名のデフォルト値は次のとおりです。
| 任意 | × | × |
定義ファイルと環境ファイルの指定例【Windowsの場合】
定義ファイルの指定例を次に示します。
#-adsh_conf DUMP "C:¥Program Files¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASE¥dump" |
環境ファイルの指定例を次に示します。
#-adsh_conf SPOOL_DIR "C:¥Documents and Settings¥All Users¥Documents¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASE¥spool" |
定義ファイルと環境ファイルの指定例【UNIXの場合】
定義ファイルの指定例を次に示します。
#-adsh_conf CORE /home/user1/program1 |
環境ファイルの指定例を次に示します。
#-adsh_conf SPOOL_DIR /var/opt/jp1as/spool |
ディスク使用量
adshcollectコマンドで採取するファイルの一覧
adshcollectコマンドで採取するファイルと最大サイズは,次の表に示すようにWindowsとUNIXで異なります。
表10-8 adshcollectコマンドで採取するファイルと最大サイズ【Windows限定】
ファイルの種類 | ファイル名 | 最大サイズ | 採取 |
---|---|---|---|
スプール | [環境ファイルのSPOOL_DIR]¥adsh.jobid 環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | 1KB程度 | ○ |
システム実行ログ(JP1/Advanced Shell) | [環境ファイルのLOG_DIR]¥AdshLog.log [環境ファイルのLOG_DIR]¥AdshLog_n.log(nは面数) 環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | [環境ファイルのLOG_FILE_SIZE]×(n+1) MB | ○ |
[環境ファイルのLOG_DIR]¥AdshLog.conf 環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | 1KB程度 | ○ | |
UXPLの実行ログ | 共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASE¥uxpl¥spool¥uxpllog[n].txt(nは面数:最大2面) | 5MB | ○ |
共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASD¥uxpl¥spool¥uxpllog[n].txt(nは面数:最大2面) | 5MB | ○ | |
共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥misc¥uxpl¥spool¥uxpllog[n].txt(nは面数:最大2面) | 5MB | ○ | |
トレースログ (JP1/Advanced Shell) | [環境ファイルのTRACE_DIR]¥AdshTrace_[n].log(nは面数:4面固定) 環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | [環境ファイルのTRACE_FILE_SIZE]×nMB | ○ |
トレースログ(カスタムジョブ) | 共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASV¥trace¥AdshTrace_1.log | 1MB | ○ |
トレースログ(エディタ) | 共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASD¥adshedit¥trace¥AdshTrace_1.log | 1MB | ○ |
トレースログ (JP1/Advanced Shell,JP1/Advanced Shell - Developer共通コマンド) | 共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥misc¥trace¥AdshTrace_[n].log(nは面数) | 8MB | ○ |
トレースログ(エディタ独自機能) | 共通APデータフォルダ¥Hitachi¥JP1AS¥JP1ASD¥adshedit¥trace¥adshedit.txt | ユーザー環境の設定による | ○ |
dumpファイル | 定義ファイルのDUMP以下のdumpファイル | ユーザー環境の設定による | △ |
環境ファイル | 環境変数ADSH_ENVのファイルまたは-eオプションで指定したファイル | 1KB程度 | △ |
マシンに設定されているホスト名 | システムルートフォルダ¥system32¥drivers¥etc¥hosts | ユーザー環境の設定による | ○ |
マシンに設定されているサービスポート | システムルートフォルダ¥system32¥drivers¥etc¥services | ユーザー環境の設定による | ○ |
環境情報ファイル | ADSHTMPyyyymmddhhmmss.txt (yyyymmddはadshcollectコマンドを起動した日付,hhmmssはadshcollectコマンドを起動した時刻) | ユーザー環境の設定による | ○ |
表10-9 adshcollectコマンドで採取するファイルと最大サイズ【UNIX限定】
ファイルの種類 | ファイル名 | 最大サイズ | 採取 |
---|---|---|---|
スプール | [環境ファイルのSPOOL_DIR]/.jobid デフォルト値あり。環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | 1KB程度 | ○ |
システム実行ログ | [環境ファイルのLOG_DIR]/AdshLog.log デフォルト値あり。環境ファイルで変更できます。 [環境ファイルのLOG_DIR]/AdshLog_[n].log(nは面数) パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | [環境ファイルのLOG_FILE_SIZE]×(n+1) MB | ○ |
[環境ファイルのLOG_DIR]/AdshLog.conf デフォルト値あり。環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | 1KB程度 | ○ | |
トレースログ | [環境ファイルのTRACE_DIR]/AdshTrace_[n].log(nは面数) デフォルト値あり。環境ファイルで変更できます。パス名のデフォルト値については,「表10-7 環境ファイルのキーワードと指定の関係」を参照してください。 | [環境ファイルのTRACE_FILE_SIZE]×nMB | ○ |
coreファイル | 定義ファイルのCOREのcoreファイル | ユーザー環境の設定による | △ |
環境ファイル | 環境変数ADSH_ENVのファイルまたは-eオプションで指定したファイル | 1KB程度 | △ |
インストール済みの日立製品 | /etc/.hitachi/pplistd/pplistd | ユーザー環境の設定による | ○ |
環境変数 | /etc/environment | ユーザー環境の設定による | ○ |
環境情報ファイル | ADSHTMPyyyymmddhhmmss.txt (yyyymmddはadshcollectコマンドを起動した日付,hhmmssはadshcollectコマンドを起動した時刻) | ユーザー環境の設定による | ○ |
tarのログ | ADSHTARyyyymmddhhmmss.txt (yyyymmddはadshcollectコマンドを起動した日付,hhmmssはadshcollectコマンドを起動した時刻) | 1KB程度 | ○ |
注意事項