WindowsまたはUNIXの実行環境では,ジョブ定義スクリプトを解析して実行します。ジョブ定義スクリプトの作成の詳細については,「4. エディタの操作」および「5. ジョブ定義スクリプトの文法」を参照してください。
ジョブ定義スクリプトを解析して実行する機能は,次の2種類に分かれます。
シェル標準コマンドの機能を次の表に示します。
表3-1 シェル標準コマンドの機能
機能 | 説明 |
---|---|
構文解析 | ジョブ定義スクリプトに記述された構文を解析し,展開します。 |
条件判定 | 条件によって実行する処理に遷移するために必要な制御文および条件判定を行います。 |
算術演算 | 算術式を使って数値演算を実行します。 |
シェル変数 | UNIX標準で使用するシェル変数の中で,JP1/Advanced Shellで設定および使用できるシェル変数のことです。 |
シェルオプション | JP1/Advanced Shellで使用できるシェルのオプションのことです。 |
組み込みコマンド | JP1/Advanced Shellが提供する,ジョブ定義スクリプト内で使用できる組み込みコマンドです。 |
障害情報の出力 | 障害情報出力方法には,メッセージの出力とトレースの取得があります。 メッセージの出力とは,標準出力または標準エラー出力にメッセージを出力する機能です。トレースの取得とは,トレース情報を採取する機能です。 |
シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの機能を次の表に示します。
表3-2 シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの機能
機能 | 詳細項目 | 説明 |
---|---|---|
共通 | 拡張コマンドの文法 | シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの文法を解析します。 |
終了コード | ジョブコントローラおよびスクリプト拡張コマンドの終了コードを設定します。 | |
ジョブ定義スクリプトからファイルを使用する | 通常ファイル | 通常ファイルのファイルパスをシェル変数および環境変数に割り当て,ジョブおよびジョブステップ終了時に後処理を実施します。 |
一時ファイル | 一時ファイルを作成し,ファイルパスをシェル変数および環境変数に割り当てます。ジョブおよびジョブステップ終了時に後処理を実施します。 | |
プログラム出力データファイル | 出力データファイルのファイルパスを生成し,シェル変数および環境変数に割り当てます。 | |
ジョブの実行を制御する | ジョブ定義スクリプトファイルの定義 | ジョブ全体で有効な属性を定義します。 |
ジョブ打ち切り条件の定義 | ジョブステップ終了時に,ジョブを打ち切るかどうかを判断する条件を定義します。 | |
ジョブステップの定義 | ジョブ定義スクリプトの一部分を,コマンド群としてグループ化します。 | |
ジョブステップ内のローカルのシェル変数 | ジョブステップ内で独立したシェル変数を定義します。 | |
終了コードを無視するコマンド | 終了コードに関係なく常に正常終了とするコマンドを指定します。 | |
実行プログラムのパス追加 | PATH環境変数に,ディレクトリパスを追加します。 | |
外部スクリプトの展開 | 外部のジョブ定義スクリプトファイルの内容を,現在実行中のジョブ定義スクリプトファイルに挿入します。 | |
ジョブ定義スクリプトで変数を使用する | ジョブステップ終了コードのシェル変数への設定 | JP1/Advanced Shellがジョブステップの終了コードをシェル変数に格納します。 |
ジョブ情報の環境変数の設定 | JP1/Advanced Shellがジョブ開始時やジョブステップ開始時に,ジョブ名,ジョブ識別子およびジョブステップ名を環境変数に設定し,ジョブステップに指定したユーザープログラムから参照できるようにします。 | |
ジョブの実行ログを採取する | ジョブ・ジョブステップの実行状況出力(JOBLOG) | ジョブおよびジョブステップの開始・終了時にコマンド実行結果などのメッセージを出力します。 |
ファイル準備・後処理結果の表示(JOBLOG) | ファイルの準備・後処理の結果をジョブ実行ログへ出力します。 | |
ジョブ定義スクリプト内容の表示 | 入力されたジョブ定義スクリプトファイルの内容をジョブ実行ログへ出力します。 | |
各ジョブステップの標準出力(stdout),標準エラー出力(stderr) | ユーザープログラムが出力した,標準出力や標準エラー出力のデータを,ジョブ実行ログとしてスプールに出力します。 | |
ジョブを強制終了する | 強制終了時の後処理 | JP1/Advanced Shellが終了シグナルを受信(UNIXの場合)またはtaskkillコマンドなどによって強制終了した場合(Windowsの場合),JP1/Advanced Shellは実行中の子プロセスを強制終了し,ファイルの後処理を実施します。 |
スクリプト拡張コマンドを使用する | バッチジョブを実行するコマンド(adshexecコマンド) | ジョブ定義スクリプトファイルを入力として読み込み,ジョブを実行するコマンドです。 |
環境ファイルを設定する | 環境ファイルの解析 | JP1/Advanced Shellの環境ファイルを解析し,文法チェックを行います。 |
複数起動(複数環境)とクラスタ運用 | JP1/Advanced Shellが動作するJP1の論理ホストごとに,異なる環境ファイルを指定できます。 | |
環境ファイルの設定 | JP1/Advanced Shell起動時に,環境ファイルを読み込んで環境変数を一括して指定し,環境設定パラメーターを設定します。 | |
カバレージ情報を使用する | カバレージ情報の蓄積 | ジョブ定義スクリプト実行時にカバレージ情報を蓄積します。 |
カバレージ情報の表示 | 蓄積されたカバレージ情報を表示します。 | |
カバレージ情報のマージ | 2つのカバレージ情報をマージします。 | |
カバレージ採取の一括有効化 | バッチジョブの実行時にカバレージ情報を採取するオプション(-tまたは-d)を指定しなくても有効にします。 |