3.5 ジョブ定義スクリプトを解析して実行する

WindowsまたはUNIXの実行環境では,ジョブ定義スクリプトを解析して実行します。ジョブ定義スクリプトの作成の詳細については,「4. エディタの操作」および「5. ジョブ定義スクリプトの文法」を参照してください。

ジョブ定義スクリプトを解析して実行する機能は,次の2種類に分かれます。

シェル標準コマンドの機能を次の表に示します。

表3-1 シェル標準コマンドの機能

機能説明
構文解析ジョブ定義スクリプトに記述された構文を解析し,展開します。
条件判定条件によって実行する処理に遷移するために必要な制御文および条件判定を行います。
算術演算算術式を使って数値演算を実行します。
シェル変数UNIX標準で使用するシェル変数の中で,JP1/Advanced Shellで設定および使用できるシェル変数のことです。
シェルオプションJP1/Advanced Shellで使用できるシェルのオプションのことです。
組み込みコマンドJP1/Advanced Shellが提供する,ジョブ定義スクリプト内で使用できる組み込みコマンドです。
障害情報の出力障害情報出力方法には,メッセージの出力とトレースの取得があります。
メッセージの出力とは,標準出力または標準エラー出力にメッセージを出力する機能です。トレースの取得とは,トレース情報を採取する機能です。

シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの機能を次の表に示します。

表3-2 シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの機能

機能詳細項目説明
共通拡張コマンドの文法シェル運用コマンドおよびスクリプト拡張コマンドの文法を解析します。
終了コードジョブコントローラおよびスクリプト拡張コマンドの終了コードを設定します。
ジョブ定義スクリプトからファイルを使用する通常ファイル通常ファイルのファイルパスをシェル変数および環境変数に割り当て,ジョブおよびジョブステップ終了時に後処理を実施します。
一時ファイル一時ファイルを作成し,ファイルパスをシェル変数および環境変数に割り当てます。ジョブおよびジョブステップ終了時に後処理を実施します。
プログラム出力データファイル出力データファイルのファイルパスを生成し,シェル変数および環境変数に割り当てます。
ジョブの実行を制御するジョブ定義スクリプトファイルの定義ジョブ全体で有効な属性を定義します。
ジョブ打ち切り条件の定義ジョブステップ終了時に,ジョブを打ち切るかどうかを判断する条件を定義します。
ジョブステップの定義ジョブ定義スクリプトの一部分を,コマンド群としてグループ化します。
ジョブステップ内のローカルのシェル変数ジョブステップ内で独立したシェル変数を定義します。
終了コードを無視するコマンド終了コードに関係なく常に正常終了とするコマンドを指定します。
実行プログラムのパス追加PATH環境変数に,ディレクトリパスを追加します。
外部スクリプトの展開外部のジョブ定義スクリプトファイルの内容を,現在実行中のジョブ定義スクリプトファイルに挿入します。
ジョブ定義スクリプトで変数を使用するジョブステップ終了コードのシェル変数への設定JP1/Advanced Shellがジョブステップの終了コードをシェル変数に格納します。
ジョブ情報の環境変数の設定JP1/Advanced Shellがジョブ開始時やジョブステップ開始時に,ジョブ名,ジョブ識別子およびジョブステップ名を環境変数に設定し,ジョブステップに指定したユーザープログラムから参照できるようにします。
ジョブの実行ログを採取するジョブ・ジョブステップの実行状況出力(JOBLOG)ジョブおよびジョブステップの開始・終了時にコマンド実行結果などのメッセージを出力します。
ファイル準備・後処理結果の表示(JOBLOG)ファイルの準備・後処理の結果をジョブ実行ログへ出力します。
ジョブ定義スクリプト内容の表示入力されたジョブ定義スクリプトファイルの内容をジョブ実行ログへ出力します。
各ジョブステップの標準出力(stdout),標準エラー出力(stderr)ユーザープログラムが出力した,標準出力や標準エラー出力のデータを,ジョブ実行ログとしてスプールに出力します。
ジョブを強制終了する強制終了時の後処理JP1/Advanced Shellが終了シグナルを受信(UNIXの場合)またはtaskkillコマンドなどによって強制終了した場合(Windowsの場合),JP1/Advanced Shellは実行中の子プロセスを強制終了し,ファイルの後処理を実施します。
スクリプト拡張コマンドを使用するバッチジョブを実行するコマンド(adshexecコマンド)ジョブ定義スクリプトファイルを入力として読み込み,ジョブを実行するコマンドです。
環境ファイルを設定する環境ファイルの解析JP1/Advanced Shellの環境ファイルを解析し,文法チェックを行います。
複数起動(複数環境)とクラスタ運用JP1/Advanced Shellが動作するJP1の論理ホストごとに,異なる環境ファイルを指定できます。
環境ファイルの設定JP1/Advanced Shell起動時に,環境ファイルを読み込んで環境変数を一括して指定し,環境設定パラメーターを設定します。
カバレージ情報を使用するカバレージ情報の蓄積ジョブ定義スクリプト実行時にカバレージ情報を蓄積します。
カバレージ情報の表示蓄積されたカバレージ情報を表示します。
カバレージ情報のマージ2つのカバレージ情報をマージします。
カバレージ採取の一括有効化バッチジョブの実行時にカバレージ情報を採取するオプション(-tまたは-d)を指定しなくても有効にします。