8.2.2 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能で採取する資料

インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能を使用している場合にトラブルが発生したときは,次の資料を採取します。

<この項の構成>
(1) Windowsの場合
(2) UNIX系OSの場合

(1) Windowsの場合

保守情報として次の資料を採取します。

(a) OSのログ情報

表8-7 OSのログ情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類採取資料
Windowsイベントログトラブルが発生した時間帯についての,Windowsが採取しているアプリケーションログおよびシステムログ(Windowsの「イベントビューア」ウィンドウの,「システムログ」および「アプリケーションログ」の内容)
システム情報Windowsが管理しているシステム情報(Windowsの[アクセサリ]-[システムツール]-[システム情報]の内容)
ダンプ情報(ワトソンログファイル)(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でアプリケーションエラーが発生した場合)
以下のログファイル(*.log)とダンプファイル(*.dump)
Windows Server 2003の場合
ユーザー指定フォルダ¥drwtsn32.log
ユーザー指定フォルダ¥user.dump
Windows Server 2008の場合
「ワトソン博士」は「問題のレポートと解決策」に変更されています。
以下の問題レポートとユーザーダンプを採取してください。
(1)問題レポート
JP1/AJS3 for EAPのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
1.[ファイル名を指定して実行]のテキストボックスに「wercon」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
 [問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが開きます。
2.左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
 問題の履歴が一覧で表示されます。
3.該当する問題をダブルクリックする。
 問題レポートの詳細が表示されます。
4.「クリップボードにコピー」を選択する。
5.コピーした内容を,テキストファイルにコピーして保存する。
6.保存した問題レポートを,障害調査用の資料として採取する。
(2)ユーザーダンプ
JP1/AJS3 for EAPのプロセスがアプリケーションエラーで停止し,エラーダイアログボックスが表示されている場合,次の手順でユーザーダンプを採取してください。
注意事項
エラーダイアログボックスが表示されている状態で採取してください。
1.タスクマネージャを起動する。
2.[タスクマネージャ]ダイアログボックスの「プロセス」タブをクリックする。
3.アプリケーションエラーで停止したJP1/AJS3 for EAPのプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの作成]を選択する。
4.ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。

注※ デフォルトでは,「システムドライブ¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥Microsoft¥Dr Watson」となります。


(b) JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報

表8-8 JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類採取資料
トレース情報以下のファイル
confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定している場合
TargetFileキーで指定したファイル
confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定していない場合
インストール先フォルダ¥bwsta¥log下にあるファイル
これらのファイルに追加して,以下のファイルを採取します。
インストール先フォルダ¥log¥jr3chrfc.log
標準エラー出力情報(JP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドが異常終了した場合)
標準エラー出力に出力されるエラーメッセージテキスト
標準エラー出力の出力先
コマンド実行の場合
コマンド実行画面または-seオプションで指定したファイル
コマンドをJP1/AJSで実行した場合
JP1/AJSで定義した標準エラー出力先ファイル,JP1/AJSカスタムジョブで定義した標準エラー出力先ファイル,またはコマンドの-seオプションで指定したファイル
形名・バージョン・パッチ情報以下のversionおよびpatchlog.txtファイル
インストール先フォルダ¥system¥version
インストール先フォルダ¥system¥patchlog.txt
環境設定ファイル以下のconfファイル
インストール先フォルダ¥bwsta¥conf¥conf
RFCトレースファイル(SAP BWシステム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラーが発生した場合)
JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリに作成されるSAP BWシステムとの通信トレース情報を記録したファイル(dev_rfc.trcという名称のファイル)
RFCライブラリ状態管理ファイル以下のjr3chrfcファイル
インストール先フォルダ¥system¥jr3chrfc

(c) SAP BWシステムで採取する情報

表8-9 SAP BWシステムで採取する情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類採取資料
システムログSAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションSM21を使用して,下記の選択条件で採取した資料
  • ユーザー:指定なし
  • トランザクションコード:指定なし
  • SAPプロセス:指定なし
  • 障害クラス:全メッセージ
  • 開始日/時刻,終了日/時刻:その障害が発生した時間帯
システムログの詳細については,SAP BWのマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。
リリース・パッチ情報
  • SAPフロントエンドソフトウェアでメニュー「システム→ステータス」を選択したときに表示される画面のハードコピー
  • 上記の画面から表示される以下の画面のハードコピー
    [システム:ステータス]画面
    [システム:コンポーネント情報]画面
    [システム:カーネル情報]画面
インフォパッケージの実行結果(インフォパッケージ制御の場合)(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるインフォパッケージ実行でエラーが発生した場合)
SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSA1のモニター画面を使用して採取する,トラブルが発生したインフォパッケージの実行結果(ヘッダー,ステータス,詳細タブの内容)
プロセスチェーンの実行結果(プロセスチェーン制御の場合)(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるプロセスチェーンの実行でエラーが発生した場合)
SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSPCのログビューを使用して採取する,プロセスチェーンの実行結果とトラブルが発生したプロセスの実行ログ(プロセスログ(処理タブの内容),プロセスのジョブログ(Backgタブの内容))
開発者トレース(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でエラーが発生した場合)
SAP BWシステム上の開発者トレース(SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションST11を使用して採取する,dev_w*,dec_rfc*,およびdev_rdファイル)

(d) オペレーション内容

トラブル発生時のオペレーションの内容について,以下の情報を確認してください。

(2) UNIX系OSの場合

保守情報として次の資料を採取します。

(a) OSのログ情報

表8-10 OSのログ情報(UNIX系OSの場合)

採取する情報の種類採取資料
syslogファイルトラブルが発生した時間帯についての,/etc/syslog.confファイルで定義された出力先のうち「user」機能を含む出力先に出力されているシステムログ
バージョン情報uname -aコマンドの実行結果
インストール済み日立製品の情報/etc/.hitachi/pplistd/pplistdファイル

(b) JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報

表8-11 JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報(UNIX系OSの場合)

採取する情報の種類採取資料
トレース情報以下のファイル
confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定している場合
TargetFileキーで指定したファイル
confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定していない場合
/var/opt/jp1_am_r3/bwsta/log下にあるファイル
これらのファイルに追加して,以下のファイルを採取します。
/var/opt/jp1_am_r3/log/jr3chrfc.log
標準エラー出力情報(JP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドが異常終了した場合)
標準エラー出力に出力されるエラーメッセージテキスト
形名・バージョン・パッチ情報以下の.versionおよび.patch_histファイル
/etc/opt/jp1_am_r3/.version
/etc/opt/jp1_am_r3/.patch_hist
環境設定ファイル以下のconfファイル
/etc/opt/jp1_am_r3/bwsta/conf/conf
RFCトレースファイル(SAP BWシステム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラーが発生した場合)
JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリに作成されるSAP BWシステムとの通信トレース情報を記録したファイル(dev_rfcという名称のファイル)
RFCライブラリ状態管理ファイル以下の.jr3chrfcファイル
/etc/opt/jp1_am_r3/.jr3chrfc

(c) SAP BWシステムで採取する情報

表8-12 SAP BWシステムで採取する情報(UNIX系OSの場合)

採取する情報の種類採取資料
システムログSAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションSM21を使用して,下記の選択条件で採取した資料
  • ユーザー:指定なし
  • トランザクションコード:指定なし
  • SAPプロセス:指定なし
  • 障害クラス:全メッセージ
  • 開始日/時刻,終了日/時刻:その障害が発生した時間帯
システムログの詳細については,SAP BWのマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。
リリース・パッチ情報
  • SAPフロントエンドソフトウェアでメニュー「システム→ステータス」を選択したときに表示される画面のハードコピー
  • 上記の画面から表示される以下の画面のハードコピー
    [システム:ステータス]画面
    [システム:コンポーネント情報]画面
    [システム:カーネル情報]画面
インフォパッケージの実行結果(インフォパッケージ制御の場合)(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるインフォパッケージ実行でエラーが発生した場合)
SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSA1のモニター画面を使用して採取する,トラブルが発生したインフォパッケージの実行結果(ヘッダー,ステータス,詳細タブの内容)
プロセスチェーンの実行結果(プロセスチェーン制御の場合)(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるプロセスチェーンの実行でエラーが発生した場合)
SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSPCのログビューを使用して採取する,プロセスチェーンの実行結果とトラブルが発生したプロセスの実行ログ(プロセスログ(処理タブの内容),プロセスのジョブログ(Backgタブの内容))
開発者トレース(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でエラーが発生した場合)
SAP BWシステム上の開発者トレース(SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションST11を使用して採取する,dev_w*,dec_rfc*,およびdev_rdファイル)

(d) オペレーション内容

トラブル発生時のオペレーションの内容について,以下の情報を確認してください。