各コマンドの共通引数の形式

ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式,およびインフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式について説明します。

(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式

ジョブ制御機能のコマンドで共通の「R/3あて先情報」,「R/3ログオン情報」,および「リダイレクション情報」の詳細形式について説明します。

R/3あて先情報

R/3あて先情報は,R/3システムとの接続を確立するための引数です。R/3あて先情報の詳細形式を次に示します。

R/3あて先情報
-h ホスト名 [-s NN]|-d あて先

R/3あて先情報のオプションは,R/3システムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。

saprfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

R/3ログオン情報

R/3ログオン情報は,R/3システムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。R/3ログオン情報の詳細形式を次に示します。

R/3ログオン情報
-c R/3クライアント -u R/3ユーザー名 {-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語]

-c R/3クライアント
ログオン先のR/3システムで有効なR/3クライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1~3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,R/3クライアント番号をR/3システムに送るときには,1~2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。
例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,R/3システムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。
-u R/3ユーザー名
ログオン先のR/3システムで有効なR/3ユーザー名を指定します。
指定できるR/3 ユーザーについては「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
R/3ユーザー名に指定できる文字列の長さは,1~12バイトです。
R/3システムに対する制御は,このR/3ユーザーの権限で実行されます。
-p パスワード
-uオプションに指定したR/3ユーザーに対応するパスワードを指定します。
パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
パスワードに指定できる文字列の長さは,1~8バイトです。
-p2 拡張パスワード
-uオプションに指定したR/3ユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。
拡張パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1~40バイトです。
-l 言語
使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。使用する言語には,R/3システムで使用できる言語を指定してください。「J」を指定すると,日本語が設定されます。「E」を指定すると,英語が設定されます。
なお,次の場合,ログオン先のアプリケーションサーバで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。
  • -lオプションを省略した場合
  • ログオン先のアプリケーションサーバで定義されていない言語種別を指定した場合

なお,R/3ログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。

r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

リダイレクション情報

コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定するための引数です。リダイレクション情報の形式を次に示します。

-so 標準出力ファイル名
コマンド実行時の標準出力先を指定します。
標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとUNIX系OSとで異なります。
  • Windowsの場合
    標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~259バイトです。
  • UNIX系OSの場合
    標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~255バイトです。
標準出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。
コマンド実行時の標準出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。
-se 標準エラー出力ファイル名
コマンド実行時の標準エラー出力先を指定します。
標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとUNIX系OSとで異なります。
  • Windowsの場合
    標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~259バイトです。
  • UNIX系OSの場合
    標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~255バイトです。
標準エラー出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。
コマンド実行時の標準エラー出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。

(2)インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式

インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の「SAP BWあて先情報」および「SAP BWログオン情報」の詳細形式について説明します。

SAP BWあて先情報

SAP BWあて先情報は,SAP BWシステムとの接続を確立するための引数です。SAP BWあて先情報の詳細形式を次に示します。

SAP BWあて先情報
-h ホスト名 [-s NN]|-d あて先

SAP BWあて先情報のオプションは,SAP BWシステムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。

saprfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

SAP BWログオン情報

SAP BWログオン情報は,SAP BWシステムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。SAP BWログオン情報の詳細形式を次に示します。

SAP BWログオン情報
-c SAP BWクライアント -u SAP BWユーザー名 {-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語]

-c SAP BWクライアント
ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWクライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1~3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,SAP BWクライアント番号をSAP BWシステムに送るときには,1~2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。
例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,SAP BWシステムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。
-u SAP BWユーザー名
ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWユーザー名を指定します。
指定できるSAP BWユーザーについては「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
SAP BWユーザー名に指定できる文字列の長さは,1~12バイトです。
SAP BWシステムに対する制御は,このSAP BWユーザーの権限で実行されます。
-p パスワード
-uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応するパスワードを指定します。
パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
パスワードに指定できる文字列の長さは,1~8バイトです。
-p2 拡張パスワード
-uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。
拡張パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1~40バイトです。
-l 言語
使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。使用する言語には,SAP BWシステムで使用できる言語を指定してください。「J」を指定すると,日本語が設定されます。「E」を指定すると,英語が設定されます。
なお,次の場合,ログオン先のSAP BWシステムで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。
  • -lオプションを省略した場合
  • ログオン先のSAP BWシステムで定義されていない言語種別を指定した場合

なお,SAP BWログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。

r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。