形式1
jr3bjsub [R/3あて先情報]
[R/3ログオン情報]
[リダイレクション情報]
-jn ジョブ名
[-class ジョブクラス]
ジョブステップ情報...
[{-tgh ターゲットホスト | -tgs ターゲットサーバ}]
[{-rs | -ri}]
[-wait [-time 監視時間 [-cancel]]
[-ival 監視間隔]
[-jo R/3ジョブログファイル名]
[-with_child]]
形式2
jr3bjsub -help
機能
R/3システムにバックグラウンドジョブを登録します。
登録できるR/3システムのバックグラウンドジョブは,トランザクションコードSM36で定義/実行できるバックグラウンドジョブです。
ジョブの登録に成功すると,R/3システムでは,登録されたジョブにジョブを識別できるジョブ番号が割り当てられます。このジョブ番号は,メッセージの一部として標準出力に出力されます。
ユーザーは,登録時に指定したジョブ名とこのジョブ番号を使用して,登録したジョブの状態を参照したり,ジョブの実行をキャンセルしたりできます。
R/3システムに登録したジョブを削除したい場合は,jr3bjdelコマンドを使用して削除してください。
引数
R/3あて先情報
ジョブを登録するR/3システムを指定します。通常,登録したジョブは,ジョブを実行できるアプリケーションサーバ間で負荷分散されて実行されます。ただし,-tghまたは-tgsオプションを使用すると,ジョブの実行先のシステムを指定できます。R/3あて先情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。
R/3ログオン情報
ジョブを登録するR/3システムで有効なR/3ログオン情報を指定します。通常,ジョブの実行時に有効となるユーザーは,R/3ログオン情報で指定したR/3ユーザーです。ただし,ジョブステップ情報の-authオプションを使用するとジョブの実行時に有効となるR/3ユーザーを変更できます。
なお,R/3ログオン情報の-lオプションで指定した言語は,登録したジョブ(ジョブステップにABAPプログラムがある場合)の実行時に影響しません。ジョブの実行時に,ジョブステップとして定義したABAPプログラムの言語種別をR/3システムのデフォルトから変更させる場合は,ジョブステップ情報の-langオプションで言語を指定してください。
R/3ログオン情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。
リダイレクション情報
コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定します。リダイレクション情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。
-jn ジョブ名
登録するR/3ジョブの名称を指定します。ジョブ名に指定できる文字列の長さは,1~32バイトです。
-jnオプションの指定は省略できません。
-class ジョブクラス
登録するR/3ジョブのジョブクラス(ジョブ実行時の優先度)を指定します。指定できる記号と意味は,次のとおりです。
A:優先度「高」
B:優先度「中」
C:優先度「低」
通常は「C」,優先して実行したいときは「B」,緊急時に直ちに実行させたいときなどは「A」を指定します。デフォルトは「C」です。
ジョブステップ情報...
プログラム(ABAPプログラムまたは外部プログラム)を,ジョブを構成するジョブステップとして指定します。ジョブステップ情報を複数指定すると,複数のジョブステップをジョブに割り当てることができます。ジョブステップ情報は,99個まで指定できます。ジョブに指定したジョブステップは,指定した順序で実行されます。
ジョブステップ情報の形式は,ジョブステップとして指定するプログラムの種類によって異なります。ジョブステップ情報の形式をプログラムごとに示します。
-pa ABAPプログラム [-var バリアント]
[-auth 権限ユーザー]
[-lang 言語]
[-armode 保管モード]
[-out 出力先]
[-ln 行] [-col 列]
[-fmt 書式]
[-cc 印刷部数]
[-shwpwd 権限]
[-ip][-dp]
[-rpd スプール保存期間]
[-title スプール依頼表題]
[-sapcvr SAP表紙]
[-selcvr]
[-receiver 受信者]
[-dpt 部署]
[-objtyp オブジェクトタイプ]
[-doctyp 文書タイプ]
[-info 情報ID]
[-text 情報テキスト]
-px 外部プログラム -xpgtgh 対象ホスト
[-arg 引数]
[-auth 権限ユーザー]
-tgh ターゲットホスト
登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのホスト名を指定します。ターゲットホストに指定できる文字列の長さは,1~32バイトです。ホスト名には,トランザクションSM51でホスト名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたホスト名を使用できます。
このオプションを指定すると,指定されたホストで稼働しているアプリケーションサーバの中から任意のサーバを選択し,ジョブの実行先を決定します。
このオプションを省略し,-tgsオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは,-tgsオプションと同時に使用できません。
-tgs ターゲットサーバ
登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのサーバ名またはジョブサーバグループ名を指定します。ターゲットサーバに指定できる文字列の長さは,1~20バイトです。サーバ名には,トランザクションSM51でサーバ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたサーバ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。また,ジョブサーバグループ名には,トランザクションSM61でジョブサーバグループ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバがグルーピングされたジョブサーバグループ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。
このオプションを省略し,-tghオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは,-tghオプションと同時に使用できません。
-rs
ジョブの登録後にジョブをできる限り早くリリースします。
ジョブをできる限り早くリリースするとは,ジョブを実行するために必要なシステムリソースを確保してからジョブをリリースすることです。
-ri
ジョブの登録後にジョブをすぐにリリースします。ただし,R/3システムのシステムリソースを確保できない場合,リリースに失敗します。
-wait
リリースしたジョブの実行が終了するまでジョブを監視します(ジョブの実行が終了するまで,コマンドラインからコマンドを実行できなくなります)。
なお,終了監視中のジョブがR/3システムによって割り込まれた場合は,終了監視処理が終わらないことがあります。その場合は,メッセージKAJM1836-Wが表示されるので,そのメッセージに従って対処してください。
-waitオプションは,-rsまたは-riオプションを指定した場合に有効です。
-time 監視時間
ジョブの終了を監視する時間(単位:分)を指定します。監視時間に指定した時間,ジョブの終了を監視できます。監視時間は,-ivalオプションで指定した監視間隔より長くなるように指定してください。監視時間に指定できる値は,1~65,535です。-timeオプションの指定を省略した場合,監視時間は無限になります。
なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視するための時間になります。
また,指定した監視時間内にジョブが終了しない場合は,ジョブの監視がタイムアウトになり,ジョブの状態に関係なくコマンドが終了します。
-timeオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。
-cancel
-timeオプションで指定した監視時間内にジョブが終了しない場合,監視しているジョブを打ち切ります。打ち切ることができるのは,「実行中」(Active)の状態のジョブだけです。次の条件のジョブを打ち切ることはできません。
なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブが打ち切られます。
また,-cancelオプションを指定しない場合,ジョブの実行はそのままR/3システムで継続します。
-cancelオプションは,-timeオプションを指定した場合に有効です。
-ival 監視間隔
ジョブを監視する時間間隔(単位:秒)を指定します。ジョブが終了するまで,監視間隔に指定した周期でジョブを監視できます(ジョブのポーリング監視)。監視間隔に指定できる値は,1~65,535です。-ivalオプションの使用時に監視間隔の指定を省略した場合,監視間隔に5が設定されます。
なお,デフォルトの監視間隔(5秒)は,環境設定ファイルで変更できます。
-ivalオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。
-jo R/3ジョブログファイル名
R/3ジョブログの出力先を指定します。R/3ジョブログは,ジョブの実行が終了した場合(-waitオプションの指定時に戻り値が0または1の場合)に取得できます。R/3ジョブログファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとUNIX系OSとで異なります。
R/3ジョブログファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。
R/3ジョブログの出力形式は,「書き込み日付 書き込み時刻 メッセージコード(メッセージクラスとメッセージ番号) メッセージテキスト」です。
R/3ジョブログは,このファイルに追加書きで書き込みます。
環境設定ファイルのCommandセクションのJoblogAddToStderrキーに"YES"を設定した場合には,R/3ジョブログは指定したファイルと同時に標準エラー出力ファイルにも出力できます。
なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了監視が終わった時点(タイムアウト時を含む)で,「終了」または「中止」の状態になっているすべてのジョブのログが取得されます。
また,-joオプションの指定を省略した場合,JP1/AJS3 for EAPのシステムにR/3ジョブログは出力されません。
-with_child
ジョブの実行中に生成された子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視します(親/子ジョブの終了監視)。終了監視の対象となる子ジョブは,終了監視中のジョブが終了または中止されたときに検出される子ジョブです。終了監視できるジョブの最大数は,子ジョブの世代数には関係なく,100個です。
終了監視対象のジョブが最大数を超えた場合は,メッセージKAJM1872-Wが表示され,終了監視可能なジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。
終了監視中のジョブが削除された場合は,メッセージKAJM1837-WまたはKAJM1871-Wが表示され,ほかの終了監視対象ジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。
なお,リリースされていない子ジョブが検出された場合は,終了監視処理が終わらないことがあります。その場合は,メッセージKAJM1838-Wが表示されるので,そのメッセージに従って対処してください。
-with_childオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。
-help
このコマンドの使用方法を表示します。
戻り値
注意事項
次の条件のどちらかに該当する場合には,jr3bjsubコマンドで指定したジョブ実行先指定オプション(-tghまたは-tgsオプション)は無効となります。
このような場合は,R/3上に登録されたジョブには実行先が設定されません。
このジョブを特定の実行先ホスト/サーバで実行させたい場合には,jr3bjrelコマンドの-tghまたは-tgsオプションで実行先を指定し,ジョブをリリースしてください。jr3bjrelコマンドで実行先を指定しないでジョブをリリースした場合には,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。
補足事項
使用例
jr3bjsub -d R3SERV1 -c 001 -u R3USER1 -p HT0110 -jn R3JOB1 -pa PROG1 -var STANDARD1 -auth JP1USRA -px PROG2 -xpgtgh 111.11.11.11 -arg STANDARD2 -rs -wait -jo JOBLOG1 -so STDOUT1 -se STDERR1