付録G 用語解説

(英字)
AIR
HTMLやJavaScriptなどのWeb関連技術をデスクトップで実行できるようにした技術です。AIRを使うことで,Webブラウザー上で動くFlashやJavaScriptなどを使ったWebアプリケーションを,デスクトップ上で実行できるようになります。
Client
JP1/AJS3 - User Job Operationのコンポーネントの一つで,JP1/AJS3 - User Job Operation/Clientの略称です。
Definerで操作が許可された公開ジョブネットを実行したり監視したりするための,業務の担当者向けのクライアントプログラムです。
Definer
JP1/AJS3 - User Job Operationのコンポーネントの一つで,JP1/AJS3 - User Job Operation/Definerの略称です。
Clientを使用するユーザーや公開ジョブネットを定義するための,システム管理者向けの設定プログラムです。
JP1/AJS3
JP1/Automatic Job Management System 3の略称です。
JP1/AJS3は,業務を自動的に運用するためのプログラムです。処理を順序付けて定期的に実行したり,特定の事象が発生したときに処理を開始したりできます。
JP1/AJS3 - User Job Operation
JP1/AJS3と連携して,業務の担当者がルートジョブネットを実行および監視できるようにするためのプログラムです。Server,Definer,およびClientの三つのコンポーネントで構成されています。
JP1/AJS3接続用JP1ユーザー
Clientからの操作要求をJP1/AJS3 - Managerで実行するJP1ユーザーです。
Serverは,DefinerおよびClientから受け取った操作要求をJP1/AJS3のコマンドに置換します。置換された操作要求(コマンド)は,リモート実行機能を使用してJP1/AJS3 - Manager上で処理されます。JP1/AJS3接続用JP1ユーザーは,コマンドの実行ユーザーとして設定されます。
JP1/Base
イベントサービス機能を提供するプログラムです。サービスの起動順序を制御したり,JP1イベントを送受信したりできます。また,JP1/Baseは,JP1/IM,JP1/AJS3,JP1/Power Monitorなどの前提プログラムです。JP1/IM,およびJP1/AJS3を使ったシステムを導入する場合,JP1ユーザーの操作を制限する機能を提供します。
JP1/NETM/Audit - Manager
内部統制の有効性を評価するために必要な証跡記録を一元管理し,内部統制の報告書作成や監査業務を支援する製品です。ユーザー情報やシステム構成の変更などの証跡記録を利用して,業務の正当性を確認したり,リソースへの操作やアクセス状況を監査したりできます。
JP1/NETM/DM
ソフトウェアの配布およびクライアントの管理を,ネットワークを利用し一括して行うシステムの総称です。
JP1イベント
システム内で何らかの事象が発生した際に,その事象の発生を通知する情報です。JP1イベントは,JP1/Baseを経由して,ほかのシステムなどに通知されます。
JP1権限レベル
JP1/AJS3で定義した業務やイベントなどの管理対象(資源)に対して,JP1ユーザーがどのような操作をできるかを表した名称です。JP1/Baseで定義します。
JP1資源グループ
JP1/AJS3の各ユニットに対するJP1ユーザーのアクセスを制御するために,ユニットに設定する名称です。
JP1ユーザー
JP1/AJS3やJP1/IMを使用するときのユーザー名です。JP1ユーザーとして認証サーバに登録すると,管理対象(資源)へのアクセスが制御されます。
LDAPユーザー
LDAPで管理するユーザーのうち,公開ジョブネットを操作できるように設定されたClientユーザーです。LDAPと連携することで使用できます。
LDAPユーザーグループ
LDAPと連携している場合に,LDAP部署をそのままユーザーグループとして設定したものです。LDAPユーザーグループのメンバーは,LDAP部署に所属するLDAPユーザーです。
Server
JP1/AJS3 - User Job Operationのコンポーネントの一つで,JP1/AJS3 - User Job Operation/Serverの略称です。
Definerで定義した情報を管理したり,DefinerやClientで発行された公開ジョブネットの操作要求の処理をJP1/AJS3に依頼したりするためのサーバプログラムです。
Server監視プロセス
JP1/AJS3 - User Job Operationのプロセスの一つで,Serverプロセスを監視するプロセスです。Serverプロセスが停止した場合は,一定間隔でリトライしてServerプロセスを再起動します。
Serverプロセス
JP1/AJS3 - User Job Operationのプロセスの一つです。DefinerおよびClientからの操作要求を受け付け,スレッドに処理を委任するプロセスです。
UJOユーザー
JP1/AJS3 - User Job Operationで独自に定義するClientユーザーです。UJOユーザーはDefinerで登録および削除します。
UJOユーザーグループ
グループのメンバーをClientユーザーの中から自由に選んで登録できるユーザーグループのことです。UJOユーザーグループは,UJOユーザーとLDAPユーザーのどちらもメンバーとして登録できます。
(ア行)
異常終了
JP1/AJS3に定義したジョブネットの処理の一部が正しく実行されないで,その時点でジョブネットを終了することです。障害が発生した部分からあとに定義されている処理は実行されないで,ジョブネットは中断されます。
インスタンス設定ファイル
インスタンスフォルダの設定ファイルです。Serverでは,環境設定情報や定義情報など,一つのサービスで使用する情報をまとめて一つのインスタンスとして管理しています。インスタンス設定ファイルは,インスタンスとしてまとめられた情報を管理します。
(カ行)
ガイド
公開ジョブネットの公開設定で設定することで,Clientの詳細情報を表示する画面および実行結果を通知するダイアログボックスから参照できるものです。監視している公開ジョブネットの状態や,実行したジョブネットの結果によって,Clientユーザーが何らかの対処をする必要がある場合に,対処の助けとなる情報をガイドに設定しておく,という使い方ができます。
確定実行登録
スケジュール定義に基づいてあらかじめ実行日時を算出しておき,その日時に従ってジョブネットを起動し,処理を開始する場合の実行登録方法です。
環境設定ファイル
JP1/AJS3 - User Job Operationの動作環境を設定するファイルのことです。一つのインスタンスにつき一つの環境設定ファイルを配置できます。
監視アイコン
Clientの監視画面に表示されるアイコンです。監視アイコンには業務を監視する「業務監視アイコン」と業務グループを監視する「業務グループ監視アイコン」の2種類があります。
起動条件
特定の事象を契機としてジョブネットを実行させる場合に,どのような条件が成立したときにジョブネットを実行させるか定義したもののことです。
起動条件付きジョブネット
起動条件が設定されているジョブネットのことです。
強制終了
実行中のユニットを強制終了します。
ルートジョブネットを強制終了した場合,すべての実行中のジョブが強制終了され,新たなジョブは実行されません。
強制終了と中断の違いは,実行中のジョブを強制終了するかどうかです。
業務アイコン
Clientの実行画面に表示されるアイコンです。クリックすることで業務を実行できます。
業務が実行中または予約中の場合は,その状態を示す業務アイコンが表示されます。
業務監視アイコン
Clientの監視画面に表示されるアイコンです。監視対象の業務の状態に対応する色で表示されます。
業務グループ
公開ジョブネットをまとめて管理するグループのことです。
業務グループ監視アイコン
Clientの監視画面に表示されるアイコンです。監視対象の業務グループの配下にある業務のうち,最も優先度の高い状態を持つ業務の業務監視アイコンと同じ色で表示されます。
クラスタシステム
クラスタシステムとは,複数のサーバシステムを連携して一つのシステムとして運用するシステムで,障害が発生しても業務を継続できるようにすることを目的としています。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。
なお,クラスタシステムという用語には,並列処理による負荷分散機能という意味もありますが,このマニュアルでは,系を切り替えて業務の中断を防ぐ機能のことだけを指します。
計画実行登録
スケジュール定義に基づいてジョブネットを起動し,処理を開始する場合の実行登録方法です。
系切り替えシステム
「クラスタシステム」を参照してください。
公開ジョブネット
DefinerユーザーによってClientユーザーに操作が許可されたルートジョブネットのことです。Definerユーザーは,JP1/AJS3 - User Job Operationに登録したスケジューラーサービスの中から任意のルートジョブネットを公開ジョブネットとして定義できます。
(サ行)
ジョブ
コマンド,シェルスクリプト,Windows実行ファイルなどの集まりです。
ジョブグループ
複数の業務を分類して管理するためのフォルダです。
ジョブ実行多重度
同時に実行できるジョブの数のことです。
ジョブネット
実行順序を関連づけたジョブの集まりです。ジョブネットを実行すると,ジョブネット中のジョブが実行順序に従って自動的に実行されます。
スケジューラーサービス
ジョブネットを実行するスケジュールを管理し,スケジュールに従って,処理を実行します。スケジューラーサービスは,スケジューラーサービス名と同じ名称のルートジョブグループ配下のユニットを管理します。
スケジューラーサービスは,一つのJP1/AJS3 - Managerで複数起動できます。スケジューラーサービスを複数起動すると,スケジューラーサービスごとにルートジョブグループを管理できるようになります。例えば,スケジューラーサービスを業務ごとに分けて起動すると,それぞれのスケジューラーサービスが,他スケジューラーサービスの影響を受けることなく,独立して業務(ジョブネットおよびジョブ)を並行実行できます。
正常終了
ジョブネットに定義した処理がすべて正しく実行されて,ジョブネットが終了することです。
(タ行)
中断
実行中のユニットを中断します。
ルートジョブネットを中断した場合,実行中のジョブの実行終了を待ってからルートジョブネットの実行が中断され,新たなジョブは実行されません。
中断と強制終了の違いは,実行中のジョブの実行終了を待つかどうかです。
(ナ行)
ネストジョブネット
ジョブネット中に定義したジョブネットです。
(ハ行)
物理ホスト
クラスタシステムを構成する各サーバに固有な環境のことです。物理ホストの環境は,フェールオーバー時にも他サーバに引き継がれません。
(マ行)
マクロ変数
後続ジョブでイベント受信情報を参照するために定義する変数です。イベントジョブに情報を引き継ぐためのマクロ変数名を定義し,引き継ぐイベントのマクロ変数を後続ジョブで指定します。
マクロ変数は「?AJS2xxxxxxxxx?:引き継ぎ情報名」の形式で指定します。
マネージャーホスト
マネージャーホストは,ジョブネットの定義情報やスケジュール情報をデータベースで管理し,ジョブの実行をエージェントホストに依頼して実行させます。マネージャーホストには,JP1/AJS3 - Managerをインストールします。
マネージャーホストでは,定義されたスケジュール情報を基に,ジョブネットの実行予定が作成されます。実行開始時刻になると,マネージャーホストは,ジョブとして定義された実行ファイルを起動して,ジョブ定義情報をエージェントホストに転送し,エージェントホストにジョブを実行させます。実行が終わると,エージェントホストでのジョブの実行結果を受け取り,データベースに反映します。その反映された情報を基に,後続ジョブを実行したり,次回の実行予定を作成したりします。
(ヤ行)
ユーザーグループ
Clientユーザーをまとめて管理するためのグループのことです。
ユニット
JP1/AJS3で自動化する業務を構成する一つ一つの要素(ジョブグループ,ジョブネット,ジョブなど)です。
(ラ行)
論理ホスト
クラスタシステムでの運用時にJP1の実行環境となる論理上のサーバのことです。障害の発生時には,論理ホスト単位で系が切り替わります。
論理ホストは専用のIPアドレスを持ち,フェールオーバー時にはそのIPアドレスを引き継いで動作します。そのため,障害で物理的なサーバがフェールオーバーした場合も,クライアントからは同じIPアドレスでアクセスでき,一つのサーバが常に動作しているように見えます。