12.5 トラブルへの対処方法
JP1/AJS3 - User Job Operationを使用しているときに発生したトラブルの対処方法について説明します。
表12-9 一般的に想定されるトラブル
項番 | トラブルの内容 |
---|
1 | インストールできない |
2 | JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動できない |
3 | Serverにログインできない |
4 | Definerにスケジューラーサービスを登録できない |
5 | ServerがClientの要求を処理できない |
6 | ログが出力できない |
- <この節の構成>
- (1) インストールできない
- (2) JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動できない
- (3) Serverにログインできない
- (4) Definerにスケジューラーサービスを登録できない
- (5) ServerがClientの要求を処理できない
- (6) ログが出力できない
(1) インストールできない
次の要因が考えられます。
- インストールユーザーがAdministrators権限を所有していない。
Administrators権限を持つOSユーザーでログインし直してください。
- インストール対象ホストが前提条件を満たしていない。
インストール作業をする前に,前提となるOSやプログラムがインストールされていることを確認してください。特に,DefinerおよびClientの場合は,インストールするホストにAIRランタイムがインストールされている必要があります。
前提条件については,「1.3.2 前提条件」を参照してください。
(2) JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動できない
次の要因が考えられます。
- JP1/Baseを起動していない
JP1/Baseが起動されていないおそれがあります。ServerホストのJP1/BaseサービスおよびJP1/Base Eventサービスを起動してください。
- JP1/AJS3接続用ユーザーが定義されていない
インストール時にJP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定しなかったりServerをリモートインストールしたりすると,環境設定ファイルにJP1/AJS3接続用JP1ユーザーが設定されません。環境設定ファイルを編集して,JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定してください。
JP1/AJS3接続用JP1ユーザーの設定方法については,「4.3.3(2)(a) JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定していない場合のセットアップ」を参照してください。
- Serverが使用するポート番号が正しく設定されていない。
ServerがDefinerやClientとの通信などで使用するポート番号がほかのアプリケーションなどで使用されている場合は,ポート番号を変更する必要があります。Serverのポート番号を変更する方法については,「4.3.3(2)(b) デフォルトのポート番号が使用できない場合のセットアップ」を参照してください。
なお,Serverのポート番号を変更した場合,DefinerおよびClientの接続ポート番号の設定も変更する必要があります。
- Serverの環境設定ファイルの内容が不正である
Serverの環境設定ファイルが正しく設定されていることを確認してください。
(3) Serverにログインできない
次の要因が考えられます。
- JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動していない。
JP1/AJS3 - User Job Operationサービスが起動されていないおそれがあります。JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動してください。
- JP1/Baseにトラブルが発生している。
JP1/Baseにトラブルが発生しているおそれがあります。マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参考に,JP1/Base側のトラブルに対応してください。
- 接続先のServerホスト名またはIPアドレスが正しく設定されていない。
ログイン時に指定する接続先のServerホスト名またはIPアドレスが正しく設定されていることを確認してください。
- ログインユーザーが正しく設定されていない。
DefinerユーザーまたはClientユーザーが正しく設定されていないおそれがあります。
- Definerユーザーの場合
- Definerユーザーとして使用するJP1ユーザーが正しく設定されていることを確認するため,JP1/Baseの設定を見直してください。
- Clientユーザーの場合
- Clientユーザーが正しく設定されていることを確認するため,Definerの設定を見直してください。
- LDAPユーザーの場合は,LDAPサーバと接続できる状態であることを見直してください。
- なお,Active Directoryでアカウントオプションが「ユーザーは次回ログオン時にパスワード変更が必要」または「アカウントは無効」となっているユーザーは,Clientからログインできません。また,パスワードが設定されていないユーザーやアカウントの有効期限が切れたユーザーもログインできません。
- 接続先のServerのバージョンと互換性がない。
接続先のServerのバージョンと,DefinerまたはClientのバージョンに互換性がないおそれがあります。詳細は,「3.4.3 互換性について検討する」を参照してください。
(4) Definerにスケジューラーサービスを登録できない
次の要因が考えられます。
- 接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスが起動されていない。
Serverの接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスが起動されていないおそれがあります。接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスを起動してください。
- 接続先のJP1/AJS3にトラブルが発生している。
接続先のJP1/AJS3にトラブルが発生しているおそれがあります。マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング」を参考に,JP1/AJS3側のトラブルに対応してください。
- マネージャーホストとの接続情報に誤りがある。
Definerに登録するスケジューラーサービスのマネージャーホスト名およびスケジューラーサービス名が正しいことを確認してください。
(5) ServerがClientの要求を処理できない
次の要因が考えられます。
- 接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスが起動していない。
Serverの接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスが起動していないおそれがあります。接続先マネージャーホストのJP1/AJS3サービスを起動してください。
- 接続先のJP1/AJS3にトラブルが発生している。
接続先のJP1/AJS3にトラブルが発生しているおそれがあります。マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング」を参考に,JP1/AJS3側のトラブルに対応してください。
- 操作対象のルートジョブネットがない。
操作対象のルートジョブネットがJP1/AJS3 - Manager側で削除されている,または詳細定義が変更されているおそれがあります。JP1/AJS3側でのルートジョブネットの詳細定義を見直すか,またはDefinerでの公開ジョブネットの定義を見直してください。
- JP1/AJS3接続用JP1ユーザーの設定が誤っている。
JP1/AJS3接続用JP1ユーザーの設定が誤っていたり,ルートジョブネットに対して操作権限がなかったりすると,公開ジョブネットをClientで操作できなくなります。次の観点で,JP1/AJS3接続用JP1ユーザーの設定を見直してください。
- 接続先のJP1/AJS3 - Managerの認証サーバに正しく登録されているか。
- マッピングされているOSユーザーは,公開ジョブネットとして登録されているルートジョブネットに対して操作権限を持っているか。
- 公開ジョブネットとして登録されているルートジョブネットに対するJP1権限レベルは適切に設定されているか。
JP1/AJS3接続用JP1ユーザーの設定については,「4.2 JP1/AJS3のインストールとセットアップ」を参照してください。設定するJP1権限レベルについては,「3.3.3 JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを検討する」を参照してください。
(6) ログが出力できない
次の要因が考えられます。
- ログファイルおよびログフォルダのアクセス権がない。
ログファイルおよびログフォルダに対するOSユーザーのアクセス権を確認してください。アクセス権がない場合は,設定を見直してください。