5.4.2 Serverをセットアップする(実行系・待機系)
クラスタシステムでのServerのセットアップについて次に説明します。
- <この項の構成>
- (1) Serverの通信環境を設定する
- (2) インスタンスフォルダを共有ディスクに配置する
- (3) JP1/Baseの論理ホスト名を指定する
(1) Serverの通信環境を設定する
次の場合はServerのセットアップが必要になります。
- JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定していない場合
- JP1/AJS3 - User Job Operationの使用するデフォルトのポート番号(35200/tcpまたは35300/tcp)が使用できない場合
これらのセットアップの方法については,「4.3.3(2) Serverのセットアップ」を参照してください。
(2) インスタンスフォルダを共有ディスクに配置する
実行系で障害が発生してフェールオーバーが行われると,共有ディスクの接続は,実行系から待機系へ切り替わります。実行系が使用するインスタンスフォルダをあらかじめ共有ディスク上に配置しておくことで,待機系は環境設定情報や公開ジョブネットの定義情報を実行系から引き継ぐことができます。これによって,待機系でも実行系と同じ環境で業務を継続して運用できます。
インスタンスフォルダの詳細については,「6.4 インスタンスの設定」を参照してください。
インスタンスフォルダを共有ディスクに配置する手順を次に示します。
- 実行系ホストおよび待機系ホストでJP1/AJS3 - User Job Operationサービスが停止していることを確認する。
- インスタンスフォルダを配下のファイルも含めて共有ディスクへコピーする。
この手順は,実行系または待機系のどちらかで実施してください。
インスタンスフォルダのパスを次に示します。
Serverのインストール先フォルダ¥instances¥instance
- 実行系のインスタンス設定ファイルをテキストエディターで開く。
インスタンス設定ファイルのパスを次に示します。
Serverのインストール先フォルダ¥conf¥instances.xml
- 設定されているインスタンスフォルダのパスを,共有ディスクのインスタンスフォルダのパスに変更する。
instanceタグの属性値pathに設定されているインスタンスフォルダのパスを,手順2でコピーした共有ディスクのインスタンスフォルダに変更してください。
インスタンスフォルダのパスの変更例を次に示します。
図5-2 インスタンスフォルダのパスの変更例
![[図データ]](figure/zu050020.gif)
- インスタンス設定ファイルを保存して閉じる。
- 待機系で手順3~5を実行する。
(3) JP1/Baseの論理ホスト名を指定する
JP1/Baseをクラスタシステムで運用している場合,JP1/Baseの論理ホスト名をServerの環境設定ファイルに設定する必要があります。
環境設定ファイルにJP1/Baseの論理ホスト名を指定する手順を次に示します。
- 実行系ホストおよび待機系ホストでJP1/AJS3 - User Job Operationサービスが停止していることを確認する。
- 共有ディスク上の環境設定ファイルをテキストエディターで開く。
環境設定ファイルは,「(2) インスタンスフォルダを共有ディスクに配置する」の手順に従ってコピーしたインスタンスフォルダの配下にあります。環境設定ファイルのパスを次に示します。
共有ディスク上のインスタンスフォルダのパス¥conf¥config.xml
- 論理ホスト名の設定値を変更する。
evtsrvタグにJP1/Baseをインストールした論理ホスト名を指定します。
- 環境設定ファイルを保存して閉じる。