5.1 クラスタシステムを導入するための前提条件
Serverをクラスタシステムに導入する前に,実行系ホストおよび待機系ホストに,Serverの前提となるOSやプログラムがインストールされていることを確認しておいてください。前提条件については,「1.3.2 前提条件」を参照してください。また,実行系ホストおよび待機系ホストにクラスタソフトがインストールされていることを確認してください。
- 注意事項
- JP1/AJS3 - User Job Operationサービスは一つのホストで一つだけ起動できます。そのため,クラスタシステムでもアクティブ・スタンバイ構成の場合にだけ対応しています。アクティブ・アクティブ構成や3ノード構成には対応していません。
Serverをクラスタシステムに導入するためには,次に説明する条件を満たす必要があります。
- <この節の構成>
- (1) 論理ホスト環境の条件
- (2) JP1/Baseの条件
- (3) Serverの条件
(1) 論理ホスト環境の条件
Serverを論理ホスト環境で実行するための条件は,共有ディスクや論理IPアドレスの割り当て,削除,および動作監視がクラスタソフトによって正常に制御されていることです。
共有ディスクや論理IPアドレスが満たす必要のある前提条件を次の表に示します。
表5-1 共有ディスクおよび論理IPアドレスの前提条件
項番 | 論理ホスト環境 | 前提条件 |
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1 | 共有ディスク | - Serverを起動する前に,共有ディスクが割り当てられること。
- Serverの実行中に,共有ディスクの割り当てが解除されないこと。
- Serverを終了したあとに,共有ディスクの割り当てが解除されること。
- 実行系以外からは共有ディスクにアクセスできないよう排他制御されていること。
- システムダウンなどでファイルが消えないように,ジャーナル機能を持つファイルシステムでファイルが保護されていること。
- フェールオーバーしてもファイルに書き込んだ内容が保証されて引き継がれること。
- フェールオーバー時に共有ディスクを使用中のプロセスがあっても,強制的にフェールオーバーできること。
- 共有ディスクの障害を検知した場合,クラスタソフトなどがリカバリー処理を制御し,Serverがリカバリー処理をする必要がないこと。
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2 | 論理IPアドレス | - 実行系から待機系へ引き継ぎできる論理IPアドレスを使用して通信できること。
- 論理ホスト名から論理IPアドレスが一意に決まること。
- Serverを起動する前に論理IPアドレスが割り当てられること。
- Serverの実行中に,論理IPアドレスが削除されないこと。
- Serverの実行中に,論理ホスト名と論理IPアドレスの対応が変更されないこと。
- Serverを終了したあとに,論理IPアドレスが削除されること。
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(2) JP1/Baseの条件
Serverをクラスタシステムで運用するためには,JP1/Baseがクラスタシステムで使用できる環境になっていることが条件です。JP1/Baseをクラスタシステムにインストールしてセットアップする方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- 注意事項
- JP1/AJS3側のJP1/Base環境設定のユーザーマッピングでは,DefinerユーザーおよびJP1/AJS3接続用JP1ユーザーにサーバホスト名を設定する場合,Serverホストの物理ホスト名を指定してください。
(3) Serverの条件
Serverをクラスタシステムで運用するためには,実行系と待機系で次の点が一致している必要があります。
- Serverのバージョン
- Serverのインストール先フォルダの絶対パス
- システムの日付と時刻