4.3.3 JP1/BaseおよびServerのセットアップ

JP1/Baseでは,Definerユーザーの設定が必要です。また,Serverでは通常はセットアップの必要はありませんが,次のような場合はセットアップが必要になります。

JP1/BaseおよびServerのセットアップ方法について,次に説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/Baseのセットアップ
(2) Serverのセットアップ

(1) JP1/Baseのセットアップ

JP1/Baseでは,Definerユーザーの設定が必要です。ただし,すでにセットアップしてあるJP1/BaseのJP1ユーザーを使用する場合などは,Definerユーザーの設定は不要です。

Definerユーザーの設定では,JP1/Baseのユーザー管理機能を使って,Definerユーザーのユーザー認証やユーザーマッピングを設定します。

ユーザー認証では,JP1ユーザー名や,JP1/AJS3 - User Job Operationを使うために必要な権限などを設定します。ユーザーマッピングでは,OSユーザーとJP1ユーザーを対応づけます。

ユーザー情報の設定方法の概要について説明します。設定方法および設定項目の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1」およびマニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

  1. 使用する認証サーバを指定する。
    Definerユーザーを認証する認証サーバを設定します。
  2. JP1ユーザーを登録する。
    Definerユーザーを登録します。
    認証サーバを他ホストに設定した場合は,認証サーバ側のホストで実施してください。

(2) Serverのセットアップ

次のような場合,Serverのセットアップが必要です。

(a) JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定していない場合のセットアップ

次のような場合,JP1/AJS3接続用JP1ユーザー名が設定されません。

JP1/AJS3接続用JP1ユーザー名が設定されていない場合,JP1/AJS3 - User Job Operationの運用開始前にServerの環境設定ファイルにJP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定しておく必要があります。JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定しておかないと,JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動できません。

JP1/AJS3接続用JP1ユーザーを設定する手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3 - User Job Operationサービスが停止していることを確認する。
  2. Serverの環境設定ファイルをテキストエディターで開く。
    Serverの環境設定ファイルのパスを次に示します。

    Serverのインストール先フォルダ¥instances¥instance¥conf¥config.xml

    Serverの環境設定ファイルについては,「6.1 Serverの環境設定」を参照してください。
  3. command-executeタグにJP1/AJS3接続用JP1ユーザー名を設定する。
    JP1/AJS3接続用JP1ユーザー名の設定例を次に示します。

    図4-2 JP1/AJS3接続用JP1ユーザー名の変更例

    [図データ]

  4. Serverの環境設定ファイルを保存して閉じる。
  5. JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動する。
    環境設定ファイルの定義内容がServerに反映されます。

(b) デフォルトのポート番号が使用できない場合のセットアップ

ServerがDefinerやClientとの通信で使用するデフォルトのポート番号(35200/tcpまたは35300/tcp)をほかのアプリケーションなどで使用している場合,通信用のポート番号を変更する必要があります。

注意事項
  • ポート番号を変更した場合,変更したServerに接続するDefinerおよびClientの環境設定ファイルのポート番号も変更する必要があります。詳細については,「4.4.3 Definerのセットアップ」および「4.5.3 Clientのセットアップ」を参照してください。
  • 複数のServerで構成されているシステムの場合,各Serverホストで使用しているJP1/AJS3 - User Job Operationのポート番号はシステム内で統一することを推奨します。統一しない場合,DefinerやClientのポート番号の設定を接続先のServerのポート番号に合わせて変更する必要があります。

ポート番号を変更する手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3 - User Job Operationサービスが停止していることを確認する。
  2. servicesファイルをテキストエディターで開く。
    servicesファイルのパスを次に示します。
    Windowsディレクトリ¥system32¥drivers¥etc¥services
    Windowsディレクトリのデフォルトは,「C:¥WINDOWS」です。
  3. JP1/AJS3 - User Job Operationのサービスに対応するポート番号を変更する。
    ポート番号の変更例を次に示します。

    図4-3 ポート番号の変更例

    [図データ]

    JP1/AJS3 - User Job Operationで使用しているポート番号については,「付録D ポート番号一覧」を参照してください。
  4. servicesファイルを保存して閉じる。
  5. JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを起動する。
    servicesファイルの内容が反映されます。

(c) LDAPサーバとSSL通信をする場合のセットアップ

LDAPとの連携で,LDAPサーバとSSL通信をする場合,LDAPサーバとServerに次の設定が必要です。

LDAPサーバにサーバ証明書を登録する手順は,LDAP製品のマニュアルを参照してください。

Serverにサーバ証明書を登録する手順を次に示します。

  1. コマンドプロンプトから次のコマンドを実行する。
    サーバ証明書の登録には,Serverに付属するkeytoolを使用します。keytoolを使用するには次のコマンドを実行します。
    keytool -import -alias 証明書の別名 -file サーバ証明書ファイルのパス -trustcacerts -keystore "Serverのインストール先フォルダ¥bin¥jre¥lib¥security¥cacerts"
    注※
    証明書の別名には,サーバ証明書の任意の名前を入力してください。
  2. 「キーストアのパスワードを入力してください」と表示されるので,パスワードを入力する。
    デフォルトのパスワードは「changeit」です。
    パスワードを入力すると,「この証明書を信頼しますか」と表示されます。
  3. 「yes」を入力する。
  4. JP1/AJS3 - User Job Operationサービスを再起動する。