ルートジョブネットをClientユーザーに公開する場合,公開ジョブネットに対して許可する操作や操作できるClientユーザーなど,公開設定を定義する必要があります。公開ジョブネットを運用する前に,公開ジョブネットに対する公開設定を検討しておいてください。
また,一つのルートジョブネットを,公開設定を変えて複数の公開ジョブネットとして公開できます。次のような場合は,公開設定を変えて,複数の公開ジョブネットとして公開してください。
また,一部の公開設定は,業務グループにも設定できます。業務グループの公開設定は,配下に定義される業務グループおよび公開ジョブネットの公開設定のデフォルト値として反映されます。公開設定を一括して設定したい場合は,業務グループの公開設定を検討してください。
公開設定の詳細を次に説明します。
(1) 表示業務名
Clientに表示される公開ジョブネットの名称(業務名)を設定します。Clientユーザーにとってわかりやすい名称を設定してください。重複した名称も指定できます。
(2) 許可する操作
Clientユーザーに許可する操作を設定します。設定できる操作は次の二つです。
Clientユーザーは,ここで許可した操作だけが実行できます。「3.2.1 公開するルートジョブネットを検討する」で検討した内容を基に,許可する操作を設定してください。
(3) 終了確認間隔
実行した公開ジョブネットの実行状態や終了状態を取得するための,ServerとJP1/AJS3 - Managerとの通信間隔およびClientとServerとの通信間隔を設定します。
複数の公開ジョブネットが実行中の場合,公開ジョブネットの状態は一括して取得されます。このときの終了確認間隔は,実行中の公開ジョブネットの中で終了確認間隔が最も短い設定値が適用されます。
(4) 中止方法
Clientを使って,実行中の公開ジョブネットを中止するかどうかを設定します。中止方法は次の三つから選択できます。
ほかの公開ジョブネットの実行に影響がないように中止方法を設定してください。
(5) アクセス可能メンバー
公開ジョブネットの操作を許可するClientユーザー,およびユーザーグループを設定します。
ユーザーグループに対して公開ジョブネットの操作を許可すると,そのユーザーグループに登録されているClientユーザー全員が公開ジョブネットを操作できるようになります。
JP1/AJS3 - User Job Operationに登録されているすべてのClientユーザーに対してアクセスを許可することもできます。
(6) 結果ファイル
公開ジョブネットの実行結果として出力されるファイルを結果ファイルとしてClientユーザーにダウンロードさせる場合,結果ファイルの完全パスを設定します。
結果ファイルの設定については「3.2.2(9) 結果ファイルの出力先」を,結果ファイルの出力先ホストについては「3.4.2 共有フォルダについて検討する」を参照してください。
(7) 説明
Clientの画面で,アイコンの上にマウスカーソルを合わせると表示されるコメントを設定します。
(8) ガイド
Clientユーザーに,公開ジョブネットの詳細情報を表示する画面,および実行結果を通知するダイアログボックスからガイドを参照させる場合,ガイドに表示する内容を設定します。
例えば,公開ジョブネットの異常発生時の連絡先や,対処方法などが表示されるように設定しておくことで,Clientユーザーに適切な対処を促すことができます。
また,連絡先や対処方法などの詳細情報はWebページに記載し,ガイドにはWebページのURLを記載するという使い方もできます。この使い方では,管理者が異常発生時の連絡先や対処方法などを変更する場合,リンク先のWebページの内容を変更するだけで対応できます。
ガイドはHTML形式またはテキスト形式で設定できます。HTML形式ではアンカータグを使用できるため,ガイドにハイパーリンクを設定しておくと,ガイドに記載したURLをClientにクリックさせてWebページを参照させることができます。
なお,ガイドには,実行結果に関係なく同じ内容が表示されます。
(9) マクロ変数
配下にマクロ変数を使用しているジョブを持つルートジョブネットを公開ジョブネットとして登録する場合,公開設定としてマクロ変数と入力値を設定します。
マクロ変数に固定値を指定したり,Clientでの実行時にClientユーザーにマクロ変数値を入力させるように設定したりできます。Clientユーザーにマクロ変数を入力させる場合は,変数の説明や入力候補値を設定しておくことで,Clientユーザーにわかりやすい表示でマクロ変数を入力させることができます。そのため,Clientユーザーはマクロ変数の形式を知らなくても,マクロ変数を設定して公開ジョブネットを実行できます。
マクロ変数については,「2.2.1(5)(d) マクロ変数」を参照してください。