付録E.1 JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの処理性能を見積もる
JP1/AJS3 - Web Operation Assistantで状態取得を行った場合,その状態取得性能には次の処理が影響します。
- JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerでの処理時間
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantでの処理時間
- JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Manager,JP1/AJS3 - Web Operation Assistant,状態監視用Webブラウザー間のデータ転送時間
- 状態監視用Webブラウザーの描画時間
上記処理時間は特に状態が取得されるユニット数,および状態が表示されるユニット数に左右されます。
- <この項の構成>
- (1) 状態取得時間の見積もり
- (2) 推奨構成
- (3) 推奨状態取得方法
- (4) 推奨同時接続Webブラウザー数
(1) 状態取得時間の見積もり
JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの状態取得時間(状態取得開始から全取得情報が画面に表示されるまでの時間)は,次の式で近似値を算出できます。
- 状態取得時間 = a + b
- a:
- 次の時間の総和。
- JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerでの処理時間
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantでの処理時間
- JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Manager,JP1/AJS3 - Web Operation Assistant,状態監視用Webブラウザー間のデータ転送時間
- b:
- 状態監視用Webブラウザーの描画時間。
aの処理時間(単位:秒)は次の式で近似値を算出できます。
- 監視対象スケジューラーサービスのデータベース種別がISAMの場合
(8 * 状態が取得されるユニット数) / 1000 + 3 ※
- 監視対象スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBまたはHiRDBの場合
2 + (3 * 監視対象ユニットに含まれるジョブグループ数 + 60 * 監視対象ユニットに含まれるルートジョブネット数 + 0.8 * 状態が取得されるユニット数) / 1000
bの処理時間(単位:秒)はWebブラウザーの処理性能に依存し,表示されるユニットの件数によって変化します。次の式または表から近似値を求めることができます。
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantで状態が表示されるユニット数が0~1,000件の場合
(13 * 状態が表示されるユニット数) / 1000 ※
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantで状態が表示されるユニット数が1,000件以上の場合
近似値を次の表に示します。
表E-1 表示されるユニット数が1,000件を超える場合のWebブラウザー描画時間の見積もり値※(WebブラウザーがInternet Explorerの場合)
状態が表示されるユニット数 | Webブラウザー描画時間b(単位:秒) |
---|
Internet Explorer 8より前 | Internet Explorer 8以降 |
---|
1,000 | 13 | 13 |
3,000 | 100 | 45 |
5,000 | 250 | 90 |
8,000 | 500 | 150 |
10,000 | 850 | 250 |
表E-2 表示されるユニット数が1,000件を超える場合のWebブラウザー描画時間の見積もり値※(WebブラウザーがFirefoxの場合)
状態が表示されるユニット数 | Webブラウザー描画時間b(単位:秒) |
---|
1,000 | 13 |
3,000 | 40 |
5,000 | 70 |
8,000 | 100 |
10,000 | 150 |
- 注※
- 各処理時間は,JP1/AJS3 - ManagerインストールマシンまたはJP1/AJS2 - Managerインストールマシン,JP1/AJS3 - Web Operation Assistantインストールマシン,状態監視用Webブラウザー使用マシンの性能およびマシン間のデータ転送速度によっても左右されます。
(2) 推奨構成
JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - ManagerとJP1/AJS3 - Web Operation Assistantを同一マシンにインストールし,さらに同じマシンからWebブラウザーを使用した状態監視を行うと,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerでの処理時間,JP1/AJS3 - Web Operation Assistantでの処理時間,データ転送時間,描画時間が長くなり,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerからの応答時間が長くなってしまいます。JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerからの応答時間を短くするために,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - ManagerとJP1/AJS3 - Web Operation Assistantをそれぞれ別マシンにインストールし,状態監視用Webブラウザーからの状態監視もまた,別マシンで行うことをお勧めします。
(3) 推奨状態取得方法
状態取得条件設定フレームで表示方法に「分割」を選択した場合で,状態が取得されるユニット数よりも分割表示件数が少ないとき,状態取得時間は,同じ状態が取得されるユニット数で一括表示を選択した状態取得を実施するよりも短くなります。大量のユニットに対して状態取得を実施する場合は,表示方法に「分割」を選択することをお勧めします。また,快適な状態取得を行うための状態取得方法を,表示別に次に示します。
(a) 一括表示
状態取得条件設定フレームで表示方法に「一括表示」を選択した場合で,状態取得を快適に行うには,状態が取得されるユニット数が1~1000程度となるようにしてください。状態が取得されるユニット数を0~1000として状態取得を行った場合,状態取得時間は1~41秒程度です。※
- 注※
- 状態取得時間は「(1)状態取得時間の見積もり」の式から算出された値です。
(b) 分割表示
状態取得条件設定フレームで表示方法に「分割」を選択した場合,分割表示件数が少ないほど状態取得時間が短くなります。大量のユニット※に対して状態取得を実施する場合は,分割表示件数を少なくすることをお勧めします。
- 注※
- 状態取得の対象となる全体のユニット数が大量にある場合,分割表示をしたときでも,JP1/AJS3 - Web Operation Assistantでの処理時間が長くなり,Webブラウザーの応答時間が長くなることがあります。
- 状態取得の対象ユニット数は,10,000件以内になるように運用することをお勧めします。
(4) 推奨同時接続Webブラウザー数
- 一つのJP1/AJS3 - Web Operation Assistantに多数のWebブラウザーから接続すると,JP1/AJS3 - Web Operation Assistantでの処理時間が長くなり,Webブラウザーの応答時間が長くなることがあります。一つのJP1/AJS3 - Web Operation Assistantに接続するWebブラウザーの最大接続数を32程度として運用することをお勧めします。
- 複数のWebブラウザーから同じJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを同時に監視すると,監視先のJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerおよびネットワークに対する負荷が非常に大きくなります。同一のJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerに監視が集中しないようにしてください。複数のWebブラウザーから同じJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを監視する場合は,各JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの画面を自動更新しないように設定するか,自動更新間隔を600秒以上に設定してください。