6.3 資料の採取方法

トラブルが発生したときに,資料を採取しておくと,トラブルが発生した原因を調査できます。調査して原因がわかると,発生したトラブルに対処できます。トラブル発生時の資料の採取方法を次に示します。

<この節の構成>
(1) 資料採取ツールを実行する
(2) Windowsイベントログを確認する
(3) ダンプファイルを採取する(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)
(4) ユーザーダンプを採取する(Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7の場合)
(5) 問題レポートを採取する(Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7限定)
(6) プロセスの状態を確認する
(7) オペレーション内容を確認する
(8) 画面上のエラー情報を採取する
(9) その他の情報

(1) 資料採取ツールを実行する

資料採取ツールを実行します。資料採取ツールのセットアップについては,「3.1.7 資料採取ツールのセットアップ」を参照してください。

ツールの実行例を次に示します。

c:¥>c:¥usertools¥_04.bat

資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog」下の次のフォルダに出力されます。これらのフォルダをバックアップしてください。

資料採取ツールは,採取する資料を限定するオプションも提供しています。次に資料採取ツールの文法について説明します。

形式

_04.bat
    [-t]
    [-u]

機能
JP1/AJS3 - Definition Assistantの各種ログ,OS情報などの保守情報を取得します。
実行権限
Administrators権限
引数
-t
hosts,servicesファイルを取得しないときに指定します。
-u
ユーザーダンプを取得しないときに指定します。
Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7の場合は取得できません。
注意事項
  • 採取した資料は,このツールでは圧縮しません。別途,圧縮ツールなどで圧縮してください。
  • バッチファイルの実行結果を出力したファイルが作成済みの場合,情報の上書きを確認するメッセージが出力されるので,上書きする場合は「y」を,中止する場合は「n」を入力して応答してください。
  • 資料採取ツールを実行時に,「プロセスはファイルにアクセスできません。別のプロセスが使用中です。」のメッセージが出力された場合,しばらく経ってから再度資料採取ツールを実行してください。
  • Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7の場合,資料採取ツールの実行には管理者権限が必要であるため,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。なお,Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7のUAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
戻り値
0正常終了。
0以外の値異常終了。
出力先
%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog
出力先は,資料採取ツールのセットアップで変更できます。
メッセージ
メッセージ動作オペレーターの取る処置
処理が正常に終了しました。何かキーを押してください。ユーザーの応答を待ちます。何かキーを押してください。
処理が正常に終了しませんでした。何かキーを押した後,再実行してください。ユーザーの応答を待ちます。何かキーを押したあと,再実行してください。
ファイル ファイル名 が存在します。削除して続行しますか? (y/n)ユーザーの応答を待ちます。処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。
ディレクトリ ディレクトリ名 が存在します。削除して続行しますか? (y/n)ユーザーの応答を待ちます。処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。
オプションの指定に誤りがあります。処理を終了します。正しいオプションを指定して再度実行してください。
出力先に空き容量がありません。処理を終了します。出力先のディスク容量を確保したあと,再実行してください。
使用例
物理ホストの資料を採取します。

_04.bat

(2) Windowsイベントログを確認する

Windowsの[イベントビューア]ウィンドウで,Windowsイベントログを確認してください。また,ファイルに書き出してください。

(3) ダンプファイルを採取する(Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合)

WindowsでSTOPエラーが発生すると,メモリーダンプが出力されます。このダンプファイルを採取してください。

また,トラブル発生時には,クラッシュダンプが出力されます。このダンプファイルは資料採取ツールで採取できます。

トラブル発生時にメモリーダンプおよびクラッシュダンプが出力されるようにするには,それぞれ設定が必要です。ログ情報を採取するための設定については,「3.1.7 資料採取ツールのセットアップ」を参照してください。設定をすれば,これらのダンプファイルは,指定したパスに出力されます。

(4) ユーザーダンプを採取する(Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7の場合)

Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7の場合は,資料採取ツールでダンプファイルを取得できないため,JP1/AJSのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合は,エラーダイアログボックスが表示されている状態で次の操作を行ってください。

注意事項
エラーダイアログボックスを消してしまうと正常なダンプが取得できないため,ユーザーダンプを採取できなくなります。ダンプの取得前に誤ってエラーダイアログボックスを消してしまった([OK]ボタンをクリックするなど)場合は,現象を再現させてエラーダイアログボックスが表示されている状態で操作してください。
  1. タスクマネージャを起動する。
    タスクマネージャは,次のどちらかの手順で起動できます。
    • タスクバーの空いている場所を右クリックして[タスクマネージャ]を選択する。
    • [CTRL]+[SHIFT]+[ESC]キーを押してタスクマネージャを起動する。
  2. [タスクマネージャ]ダイアログボックスの[プロセス]タブをクリックする。
  3. アプリケーションエラーで停止したJP1/AJSのプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの作成]を選択する。
  4. ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。

(5) 問題レポートを採取する(Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7限定)

マシン上の問題点を検出し,それぞれの問題に対する解決策を調査できます。Windows Vista,Windows Server 2008,およびWindows 7でJP1/AJSのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。

  1. Windowsの[ファイル名を指定して実行]でテキストボックスに「wercon」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    [問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが表示されます。
  2. 左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
    問題の履歴が一覧で表示されます。
  3. 該当する問題をダブルクリックする。
    問題レポートの詳細が表示されます。
  4. [クリップボードにコピー]を選択する。
  5. テキストエディターなどにコピーし,保存する。
    テキストファイルに保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。

(6) プロセスの状態を確認する

Windowsの[タスクマネージャ]ウィンドウの[プロセス]タブで,接続先のJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerのプロセスの動作状態を確認してください。

JP1/AJS3 - Managerのプロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング」にあるJP1/AJS3 - Managerのプロセス一覧の説明を,JP1/AJS2 - Managerのプロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」にあるJP1/AJS2 - Managerのプロセス一覧の説明を参照してください。

(7) オペレーション内容を確認する

トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。

(8) 画面上のエラー情報を採取する

次に示すハードコピーを採取してください。

(9) その他の情報

その他の必要な情報を採取してください。