ここでは,エクスポートをするためにユニットの定義情報を管理テンプレートに入力する場合に,ジョブネットやジョブなどのユニットをどのように記述すればよいかを説明します。
定義情報管理テンプレートには,ユニット(ジョブグループ,ジョブネット,ジョブ)の情報を定義します。1行に一つのユニットを定義します。定義の際は,上位のユニットから記述します。下位のユニットを先に定義すると,エクスポート時にエラーになる場合があります。
複数のユニットを定義する場合は,途中に空行を入れないで記述してください。
定義情報管理テンプレートでユニットを定義する場合に入力する項目について,次に示します。
(1) 関連線の定義方法
関連線を定義する場合は,[先行]フィールドに直前のユニット名を入力します。また,[接続種別]フィールドに,通常の接続なら「seq」を,条件接続なら「con」を入力します。
ジョブネットの先頭にあるユニットの場合は,[先行]フィールドを空欄にします。下記の例のジョブEのように先行するユニットが複数ある場合は,[先行]フィールドに先行ユニットを複数入力します。複数のユニット名の間には,改行([Alt]+[Enter]キー)を入力してください。
図4-4 例1:関連線
表4-2 例1:関連線の定義例
区分 | ユニット名 | 上位ユニット 完全名 | ユニット 種別 | 先行 | 接続 種別 |
---|---|---|---|---|---|
一括 | ジョブネット | n | |||
一括 | ジョブA | /ジョブネット | pj | ||
一括 | ジョブB | /ジョブネット | pj | ジョブA | seq |
一括 | ジョブC | /ジョブネット | pj | ジョブB | seq |
一括 | ジョブD | /ジョブネット | pj | ジョブB | seq |
一括 | ジョブE | /ジョブネット | pj | ジョブC ジョブD | seq seq |
(2) 階層の定義方法
ネストジョブネットなど,定義するユニットが複数の階層にわたる場合も,ユニットをまとめて定義できます。
ネストジョブネットを定義する場合の例を次に示します。ネストジョブネットを定義する場合は,ジョブネットの定義を先に記述し,そのあとにネストジョブネット内のジョブを記述します。
図4-5 例2:ネストジョブネット
表4-3 例2:ネストジョブネットの定義例
区分 | ユニット名 | 上位ユニット 完全名 | ユニット 種別 | 先行 | 接続 種別 |
---|---|---|---|---|---|
一括 | ジョブネット1 | n | |||
一括 | ジョブA | /ジョブネット1 | pj | ||
一括 | ジョブB | /ジョブネット1 | pj | ジョブネット2 | seq |
一括 | ジョブネット2 | /ジョブネット1 | n | ジョブA | seq |
一括 | ジョブY | /ジョブネット1/ジョブネット2 | pj | ||
一括 | ジョブZ | /ジョブネット1/ジョブネット2 | pj | ジョブY | seq |
(3) アイコンの位置の定義方法
一括定義では,ユニットの位置情報を定義できます。これは,マップ上のどの位置にアイコンを配置するかをテンプレートに指定します。
アイコンの位置は,ユニットアイコンの数を単位にして表します。マップエリアの左上隅を縦1横1とし,縦横それぞれアイコン何個分の位置にあるかで位置を表します。次の図では,参考のためにグリッドを書いています。例えば,次の図の「ジョブA」アイコンは,縦3 横5と表します。
単独定義の場合は,位置を定義しても無効になり,ランダムな位置に表示されます。
図4-6 例3:アイコンの位置
表4-4 例3:アイコンの位置情報の定義例
区分 | ユニット名 | 上位ユニット 完全名 | ユニット 種別 | 位置情報 | サイズ | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
縦 | 横 | 縦 | 横 | ||||
一括 | ジョブネット | n | 8 | 10 | |||
一括 | JP1イベント送信 | /ジョブネット | evsj | 4 | 8 | ||
一括 | eventlog | /ジョブネット | ntwj | 4 | 3 | ||
一括 | ジョブA | /ジョブネット | pj | 3 | 5 | ||
一括 | ジョブB | /ジョブネット | pj | 5 | 5 |
(4) スケジュールルールの定義方法
ジョブネットのスケジュールルールを複数定義する場合は,セル内に改行([Alt]+[Enter]キー)を入力して定義します。各セルの1行目がルール番号1のルール,2行目がルール番号2のルールとなります。
定義されているスケジュール定義情報を削除する場合は,ルール番号に対するセル内の行を空行にしてください。すべてのスケジュール定義を削除する場合は,ルール番号分の空行が必要です。
表4-5 例4:複数のスケジュールルールの定義例
区分 | ユニット名 | ユニット 種別 | 開始日 | 開始 時刻 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
種別 | 開始年月 | 開始日 | ||||
一括 | ジョブネット1 | n | 絶対日 運用日 | 2009/07 2009/07 | 15 最終 | 09:00 18:00 |
(5) 引き継ぎ情報設定ジョブの定義方法
引き継ぎ情報設定ジョブを定義する場合は,ユニット定義情報部の[ユニット種別]のセルに「cpj」を,[カスタム種別]に「AJSVAR」を入力します。
また,引き継ぎ情報の定義方法は,環境設定パラメーター「USESET-PASSINGINFO」の値によって異なります。定義方法を次に示します。
●環境設定パラメーター「USESET-PASSINGINFO」の値が「VIEW」の場合
この場合は,ツールユニット定義情報部の[引き継ぎ情報]に引き継ぎ情報を定義します。
[正規表現]のセルには,先行ジョブの標準出力ファイルから出力マクロ変数に設定する値を切り出す条件を,正規表現で指定します。
[出力マクロ変数]のセルには,マクロ変数名を「?AJS2xxxxx?」の形式で指定します。
表4-6 例5:引き継ぎ情報の定義例(「USESET-PASSINGINFO」が「VIEW」の場合)
ツールユニット定義情報 | |
---|---|
引き継ぎ情報 | |
正規表現 | 出力マクロ変数 |
DATE1(.*) DATE2(.*) | ?AJS2FILEDATE1? ?AJS2FILEDATE2? |
表4-7 エクスポート結果およびエラーチェック結果の例
# | エクスポート結果 (JP1/AJS3側のajsprintコマンドの出力結果) | エラーチェック結果 | |
---|---|---|---|
パラメーター(prm) | 環境変数(env) | ||
例1 | △-o△FILEDATE1 | env="AJS2SO_RE_FILEDATE1=DATE1(.*)"; | 入力エラーなし(KAVZ0250-I) |
例2 | △-o△FILEDATE2 | env="AJS2SO_RE_FILEDATE2=○DATE2(.*)"; | 出力マクロ変数のエラー(KAVZ0259-E) エラー要因:文字列不正 |
例3 | △-o△FILEDATE3 | env="AJS2SO_RE_FILEDATE3=○"; | 出力マクロ変数のエラー(KAVZ0259-E) エラー要因:文字列不正 |
例4 | △-o△FILEDATE4 | env="AJS2SO_RE_FILEDATE4="; | 正規表現のエラー(KAVZ0259-E) エラー要因:使用値不正 出力マクロ変数のエラー(KAVZ0259-E) エラー要因:文字列不正 |
例5 | 該当個所なし | 該当個所なし | 出力マクロ変数のエラー(KAVZ0259-E) エラー要因:文字列不正 |
●環境設定パラメーター「USESET-PASSINGINFO」の値が「COM」の場合
この場合は,標準ジョブ定義情報部の[実行ファイル名],[パラメーター],および[環境変数]に引き継ぎ情報を定義します。
[実行ファイル名]のセルには,固定値「$JP1AJS2_JPOEXEPATH$/jpqpinfoset」を指定します。
[パラメーター]のセルには,「-o△出力変数1△...△-o△出力変数n」の形式で出力変数を指定します(△は半角スペース)。
[環境変数]のセルには,2行の固定値「AJS2SO_GLOBMACFILE=?AJS2SO_GLOBMACFILE?」,「AJS2SO_STDOUTFILE=?AJS2SO_STDOUTFILE?」を入力します。また,3行目以降に「AJS2SO_RE_出力変数=正規表現」の形式で正規表現および出力変数を指定します。
表4-8 例6:引き継ぎ情報の定義例(「USESET-PASSINGINFO」が「COM」の場合)
標準ジョブ定義情報 | ||
---|---|---|
実行ファイル名 | パラメーター | 環境変数 |
$JP1AJS2_JPOEXEPATH$/jpqpinfoset | -o FILEDATE1 -o FILEDATE2 | AJS2SO_GLOBMACFILE=?AJS2SO_GLOBMACFILE? AJS2SO_STDOUTFILE=?AJS2SO_STDOUTFILE? AJS2SO_RE_FILEDATE1=DATE1(.*) AJS2SO_RE_FILEDATE2=DATE2(.*) |
●注意事項
(6) エラーになる定義内容
次のような定義の場合は,エラーになるため注意して定義してください。
(7) 複数項目から構成する定義
エクスポート時に複数の定義項目で一つの定義を構成するものがあります。次の定義項目を定義する場合は,注意してください。