jprcollect(Windows,UNIX)
形式
- jprcollect
ユニット名
出力ファイル名
[ -b 年/月/日 -e 年/月/日
| [-L] [-N] [-T]
| {-l 月 | -n 月 | -t} [-p 月] ]
[-F JP1/AJSのスケジューラーサービス名]
[-A] [-U] [-y]
説明
JP1/AJSからジョブ運用情報を収集します。収集する情報は,ジョブネットワーク要素の定義情報と実行予定・結果情報です。収集した情報は,ジョブ運用情報ファイルに格納します。ジョブ運用情報ファイルは,ジョブ運用ドキュメント出力の入力情報となります。
ジョブ運用情報の収集は,JP1/AJSが提供する次のコマンドを内部で実行することで実現しています。
コマンド名 | 用途 |
---|
ajsprint | 定義情報の収集 |
ajsshow | 実行予定・結果情報の収集 |
当該コマンドを実行するには,上記のコマンドを実行できる環境(環境変数など)の設定が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1」を参照してください。
ジョブ運用情報の収集対象をユニット名で指定します。ユニット名は,JP1/AJSのジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名を完全名で指定します。完全名は先頭が「/」で,ルートジョブグループからそのジョブネットワークまでの名称を「/」で区切って指定したものです。
ルートジョブグループ以下をまとめて収集する場合は,-A引数を指定してください。-A引数を指定することで,ユニット名に「/」(ルートジョブグループ)を指定できます。
収集したジョブ運用情報は出力ファイル名で指定したファイル(ジョブ運用情報ファイル)に格納されます。出力ファイル名は,ファイル拡張子を除いた名称で指定します。当該コマンドでファイル拡張子(.aoi)を付加したファイルを作成します。
実行予定・結果情報を収集するには,収集期間を指定してください。期間は,実行予定・結果情報の収集開始日と終了日の指定で指定します。指定方法は,年月日指定,月次指定,相対月指定の三つから選ぶことができます。
収集期間内に実行を開始する予定のユニット,または収集期間内に実行していたユニットの情報が収集されます。実行中のユニットの情報は収集されません。
開始日または終了日が2037/1/1以降となる場合は,実行予定・結果情報を収集できません。
月次指定および,相対月指定は,月単位で収集期間を指定します。月の範囲は,1日の基準時刻~末日の基準時刻に23時間59分59秒を加えた時刻までです。
- <指定例>
- 収集期間を年月日で指定する場合
ジョブ運用情報を収集する対象が「Group1」ジョブグループ下の「Net1」ジョブネットで,実行予定・結果情報の収集期間が「2003年1月1日」から「2003年1月31日」で,収集した結果を「/tmp/file1.aoi」ファイルに格納するには,次のコマンドを実行します。
jprcollect /Group1/Net1 /tmp/file1 -b 2003/01/01 -e 2003/01/31
- 収集期間を月次で指定する場合
ジョブ運用情報を収集する対象が「Group1」ジョブグループ下の「Net1」ジョブネットで,実行予定・結果情報の収集期間を「先月」にして,収集した結果を「/tmp/file1.aoi」ファイルに格納するには,次のコマンドを実行します。
jprcollect /Group1/Net1 /tmp/file1 -L
- このコマンドを「2003年4月」に実行した場合,収集期間は「2003年3月1日」から「2003年3月31日」になります。
- 収集期間を相対月で指定する場合
ジョブ運用情報を収集する対象が「Group1」ジョブグループ下の「Net1」ジョブネットで,実行予定・結果情報の収集期間が「当月より3ヶ月前」から「2ヶ月分」で,収集した結果を「/tmp/file1.aoi」ファイルに格納するには,次のコマンドを実行します。
jprcollect /Group1/Net1 /tmp/file1 -l 3 -p 2
- このコマンドを「2003年4月」に実行した場合,収集期間は「2003年1月1日」から「2003年2月28日」になります。
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
(Install Path)
- UNIXの場合
/opt/jp1ajs2pom/bin
引数
- ユニット名
- 収集するジョブ運用情報のユニット名を指定します。ここで指定したユニット以下のすべてのユニット情報が収集対象となります。
- ユニット名に総称名(「*」,または「?」)は指定できません。
- ユニット名に複数個の名称を指定しないでください。ジョブ運用ドキュメントの出力でエラーとなります。
- ユニット名は,大文字・小文字が区別されます。
- 出力ファイル名
- 収集したジョブ運用情報を格納するジョブ運用情報ファイルの名称を指定します。ファイル拡張子(.aoi)は指定しないでください。
- ファイル名は,絶対パス名または相対パス名で指定できます。
- UNIXの場合,実行ユーザーに出力先のディレクトリの書き込み権限が与えられているか確認してください。
- -b 年/月/日
- 実行予定・結果情報を収集する期間の開始日を指定します。なお,開始時刻は基準時刻です。
- 年
指定できる値は,1994~2036(単位:西暦年)です。
- 月
指定できる値は,1(または01)~12(単位:月)です。
- 日
指定できる値は,1(または01)~31(単位:日)です。
- この引数は-e引数と同時に指定してください。この引数を指定しないと,実行予定・結果情報を収集しません。
- -e 年/月/日
- 実行予定・結果情報を収集する期間の終了日を指定します。終了日には開始日と同じ日,または開始日以降の日を指定します。なお,終了時刻は基準時刻に23時間59分59秒を加えた時刻です。
- 年
指定できる値は,1994~2036(単位:西暦年)です。
- 月
指定できる値は,1(または01)~12(単位:月)です。
- 日
指定できる値は,1(または01)~31(単位:日)です。
- この引数は,-b引数と同時に指定してください。
- -L
- 先月分の実行予定・結果情報を収集したい場合に指定します。
- -T引数を指定せずに-N引数と同時に指定することはできません。
- -N
- 来月分の実行予定・結果情報を収集したい場合に指定します。
- -T引数を指定せずに-L引数と同時に指定することはできません。
- -T
- 今月分の実行予定・結果情報を収集したい場合に指定します。
- -l 月
- 当月以前を月単位で実行予定・結果情報を収集したい場合に,当月から何か月前の月を開始月とするのかを相対月で指定します。
- 指定値は次の範囲になります。
- 月:1~6
- -n 月
- 当月以後を月単位で実行予定・結果情報を収集したい場合に,当月から何か月後の月を開始月とするのかを相対月で指定します。
- 指定値は次の範囲になります。
- 月:1~6
- -t
- 当月を開始月として,月単位で実行予定・結果情報を収集したい場合に指定します。
- -p 月
- 月単位で実行予定・結果情報を収集したい場合に,開始月より何か月分収集したいのかを開始月からの相対月で指定します。
- 指定値は次の範囲になります。
- 月:1~6
- この引数は-l引数,-n引数,または-t引数と同時に指定してください。
- -p引数を省略した場合は-p 1を仮定し,1か月分だけ収集します。
- -F JP1/AJSのスケジューラーサービス名
- 処理対象とする,JP1/AJSのスケジューラーサービスのサービス名を指定します。
- -A
- ユニット名に「/」(ルートジョブグループ)を指定できるようにします。
- -U
- 指定したユニットの下位を含めた最終更新日時を収集したい場合に指定します。ただし,JP1/AJS2 - Managerのバージョンが08-10以降またはJP1/AJS3 - Manager 09-00以降の場合だけ収集できます。
- -y
- 指定したユニットにジョブネットリリース機能を使用した登録情報が含まれている場合で,リリースIDごとにジョブネットの情報を収集したいときに指定します。ただし,JP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-00-04以降の場合だけ収集できます。
- ジョブネットリリース機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド」のジョブネットリリース機能の説明を参照してください。
- 戻り値
0 | 正常終了 |
4 | 警告終了(定義情報は収集できたが,実行予定・結果情報は収集できなかった) |
上記以外 | 異常終了 |
- 補足
- コマンド実行ごとに,ジョブ運用情報の収集に関する実行履歴情報を格納したファイルをジョブ運用情報ファイルと同じディレクトリまたはフォルダに作成します。ファイルの名称は,出力ファイル名に指定したファイル名に,ファイル拡張子(.log)を付加したものです。
- このコマンドでは,特に引数の妥当性をチェックしません。このコマンドが異常終了した場合は,実行履歴情報を参照して,要因を取り除いてください。
- 実行履歴情報の出力例を示します。なお,実行履歴情報はご使用環境のJP1/AJS2 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Managerのバージョンによっても異なります。
- <<JP1/AJS2 - Managerが07-11以前の場合>>
![[図データ]](figure/zu080100.gif)
- <<JP1/AJS2 - Managerが07-50以降,またはJP1/AJS3 - Managerが09-00以降の場合>>
![[図データ]](figure/zu080200.gif)
- <<実行履歴情報ファイルの構成および内容について>>
- 1行目: 製品ヘッダ部
- 2行目: 情報収集の実行日時
- 3行目: 情報収集の実行コマンドの引数情報
- 4行目以降: JP1/AJSのコマンド(ajsshow, ajsprint)実行履歴および各コマンドの結果
- 注意事項
- ジョブ運用情報ファイルのサイズ
- 出力するジョブ運用情報ファイル(aoiファイル)のサイズは,次の計算式によって求めることができます。
- ただし,この計算式は余裕をもたせた目安として考えてください。
- ユニット名の長さ,ユニットの階層の深さ,指定したユニットの位置,関連線の数,スケジュールルールの数など,ユーザー指定に依存する部分が多いため,実際のサイズとは異なる場合があります。
- 計算式
- (指定したユニット以下の)定義ユニット数×4.5キロバイト
- +
- (指定した期間に存在する)世代数×3.5キロバイト