2.2.4 メールシステム連携のための環境設定をする

JP1/AJS3での環境設定の手順と,Windowsホストでメールシステムと連携するために必要な設定内容を説明します。

<この項の構成>
(1) 環境設定の手順
(2) メールシステム連携機能の登録
(3) メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定
(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター

(1) 環境設定の手順

環境設定の手順を次に示します。

  1. Windowsにメールシステム連携機能を登録する。
    メールシステム連携機能の登録方法については,「(2) メールシステム連携機能の登録」を参照してください。
  2. メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターを設定する。
    メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定については,「(3) メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定」を参照してください。
    メールシステム連携機能で使用する環境設定パラメーターについては,「(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター」を参照してください。
  3. Windows自動ログオンを設定する。
    メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合は,必要に応じてWindows自動ログオンを設定してください。Windows自動ログオンの設定時に指定したユーザーアカウントが,JP1/AJS3メール監視プロセスの実行アカウントになります。ここでは,使用するプロファイルの作成時にログオンしていたWindowsのユーザーアカウントを指定してください。プロファイルの作成時にログオンしていたユーザーアカウントと別のアカウントを指定すると,JP1/AJS3メール監視プロセス起動時にプロファイルを参照できないため,メールサーバに接続できなくなり,JP1/AJS3メール監視プロセスを起動できません。
    Windows自動ログオンの設定方法については,Microsoftのドキュメントを参照してください。
  4. JP1/AJS3サービス,およびJP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービスを再起動する。
    JP1/AJS3サービスを再起動したあと,メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合はJP1/AJS3メール監視プロセスを,サービス上で使用する場合はJP1/AJS3 Mailサービスを再起動してください。定義した情報で環境設定されて,メールシステム連携機能を使用できるようになります。

(2) メールシステム連携機能の登録

Windowsにメールシステム連携機能を登録する方法について説明します。

(3) メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定

次のコマンドを実行します。

jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名1"=定義内容1
["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]
["環境設定パラメーター名3"=定義内容3]
["環境設定パラメーター名4"=定義内容4]
["環境設定パラメーター名5"=定義内容5]
["環境設定パラメーター名6"=定義内容6]
["環境設定パラメーター名7"=定義内容7]
["環境設定パラメーター名8"=定義内容8]
["環境設定パラメーター名9"=定義内容9]
["環境設定パラメーター名10"=定義内容10]
["環境設定パラメーター名11"=定義内容11]
["環境設定パラメーター名12"=定義内容12]

メールシステム連携機能の環境設定に必要な環境設定パラメーターの内容については,「(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター」を参照してください。

(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター

メールシステム連携機能に使用するイベント・アクション制御の環境設定パラメーターを次の表に示します。イベント・アクション制御全般に関する環境設定パラメーターは,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.4 イベント・アクション制御の環境設定」を参照してください。

なお,マニュアルに記載されていないパラメーターは保守用のパラメーターです。値を変更しないでください。

表2-3 メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター一覧

項番定義キー環境設定パラメーター定義内容
1[JP1_DEFAULT¥JP1AOMAGENT¥mail_link]"ExecMode"=メールシステム連携機能を使用するかどうか
2"ProfileName1"=メールサービスへのログインで使用するプロファイルの名称
3"ProfileName2"=
4"ProfileName3"=
5"ProfileName4"=
6"WINMAILCLIENT"=連携するメールシステムに対応したOutlookの指定
7"AfterReceiveMail"=受信後の監視条件に合致したメールの扱い
8"NextAddress"=メール受信監視ジョブの引き継ぎ情報「MLRCVADDRESS」に設定する情報の種類
9"ReceiveIntervalC"=メールの受信監視間隔
10"ImmediateSendRecv"=メールの即時送受信をするかどうか
11"SendCutOffExcessiveData"=データのサイズが規定のバイト数を超過する場合に,メールを送信するかどうか
12"WrapTextWithOutlookOption"=送信するメールの本文をOutlookのオプションに従って折り返すかどうか

環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。

"ExecMode"="{S|D|N}"
メールシステム連携機能を使用するかどうかを指定します。
指定できる値
S
メールシステム連携機能をサービス上で使用します。
D
メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用します。
N
メールシステム連携機能を使用しません。
デフォルト値
N
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"ProfileName1"="プロファイルの名称"
メールサービスへのログインで使用するプロファイルの名称を指定します。
プロファイルはProfileName1~4を使用することで,最大で4件指定できます。
  • メールシステム連携機能をサービス上で動作させる場合は,ローカルユーザーが作成したプロファイルを指定してください。
  • メールシステム連携機能を複数のユーザーがデスクトップ上で使用する場合は,同じ内容で同じ名称のプロファイルをユーザーごとに作成してください。
  • 環境設定パラメーターProfileName2~4と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携機能が使用できないことがあります。
指定できる値
256バイト以内の文字列
全角文字も使用できます。
デフォルト値
空白
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"ProfileName2"="プロファイルの名称"
環境設定パラメーターProfileName1およびProfileName3~4と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。
"ProfileName3"="プロファイルの名称"
環境設定パラメーターProfileName1~2およびProfileName4と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。
"ProfileName4"="プロファイルの名称"
環境設定パラメーターProfileName1~3と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。
"WINMAILCLIENT"=dword:{0|1|2}
メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合に,連携するメールシステムに対応したOutlookを選択します。
連携するメールシステムとOutlookの対応については,「2.2.1(1) 連携できるメールシステム」を参照してください。
  • メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合は,「1」または「2」を指定してください。
  • メールシステム連携機能をサービス上で使用する場合は,Outlookの種別に関係なく動作するため,このパラメーターを設定する必要はありません。
指定できる値
0
0はサポート対象外のOutlookのバージョン対応用の値のため,指定しないでください。
1
Outlook 2007またはOutlook 2003のバージョンのOutlookを使用します。
2
32ビット版のOutlook 2010のバージョンのOutlookを使用します。
デフォルト値
1
JP1/AJS3を新規インストールした場合,デフォルト値は「1」になります。JP1/AJS3を上書きインストールした場合は,インストール前の設定値が引き継がれます。
推奨値
運用環境に応じて「1」または「2」を設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"AfterReceiveMail"="{O|D}"
メール受信監視ジョブが終了したあと,受信後の監視条件に合致したメールの扱いを選択します。
指定できる値
O(英大文字のオー)
監視条件に合致したメールを開封済みにします。
D
監視条件に合致したメールを削除します。
デフォルト値
O
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"NextAddress"="{Address|Nickname}"
メール受信監視ジョブの引き継ぎ情報「MLRCVADDRESS」に設定する情報の種類を選択します。
  • 「MLRCVADDRESS」は,メール受信監視ジョブに指定する差出人の情報です。
  • この設定は,設定したホスト上で動作する,すべてのメール受信監視ジョブに影響します。
指定できる値
Address
メールアドレスが引き継ぎ情報として設定されます。
インターネットメールのプロファイルを使用している場合は,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。
Nickname
表示名(ニックネーム)が引き継ぎ情報として設定されます。
プロファイルでExchange Serverを接続先に指定している場合に,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。
プロファイルでExchange Server以外を接続先に指定している場合は,空値を引き継ぎます。
デフォルト値
Address
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"ReceiveIntervalC"=dword:時間間隔
メールの受信を監視する時間間隔を16進数で指定します。
指定できる値
16進数で1~5A0(10進数で1~1,440)(単位:分)
デフォルト値
A(10進数で10分)(単位:分)
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"ImmediateSendRecv"="{Y|N}"
メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用時,メールの即時送受信をするかどうかを指定します。
指定できる値
Y
メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行時,Outlookの送受信ボタンをJP1/AJS3から操作して,メールの即時送受信を行います。
N
メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行時,JP1/AJS3からOutlookを起動して,メールの送受信をOutlookに任せます。
メールはOutlookのオプションに定義されている送受信間隔で送受信されます。Outlookのオプション設定については,Outlookのヘルプを参照してください。ジョブの終了後はOutlookが起動された状態となり,Outlookのアイコンがタスクバーに残ります。
なお,ジョブの実行前にOutlookが起動されていた場合は,ジョブの実行によってOutlookが二重に起動されることはありません。
デフォルト値
Y
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
このパラメーターの詳細については,「2.2.5 Outlookを起動して運用する場合の設定」を参照してください。
"SendCutOffExcessiveData"="{Y|N}"
本文および件名にマクロ変数が定義されたメール送信ジョブが実行されるとき,次の場合に超過する部分を切り捨ててメールを送信するかどうかを指定します。
  • 次のデータの長さが512バイトを超える場合
    本文に定義した文字列の長さ + 本文に定義したマクロ変数の,ジョブ実行時の文字列の長さ
  • 次のデータの長さが256バイトを超える場合
    件名に定義した文字列の長さ + 件名に定義したマクロ変数の,ジョブ実行時の文字列の長さ
指定できる値
Y
超過する部分を切り捨てたデータを,送信するメールに使用します。
また,メッセージ「KAVT3207-W メールのデータのサイズ超過分を切り捨てました」を統合トレースログおよび実行結果詳細に出力します。
N
メールを送信しないでジョブを「異常終了」状態にします。
また,メッセージ「KAVT4255-E データ長が不正です」を実行結果詳細に出力します。
デフォルト値
N
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
"WrapTextWithOutlookOption"="{Y|N}"
メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用している場合,かつメールサーバにSMTP/POP3でインターネットメールとして接続している場合に,メール送信ジョブの本文を,Outlookのオプションの指定に従って折り返すかどうかを指定します。
指定できる値
Y
メール送信ジョブの本文を,Outlookのオプション[インターネットメール形式]-[テキスト形式オプション]-[自動的に文字列を折り返す]の文字数フィールドに指定されたバイト数で折り返します。
N
メール送信ジョブの本文を,72バイトで折り返します。
デフォルト値
N
推奨値
運用環境に応じて設定してください。
設定が有効になるタイミング
次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時
注意事項
  • 折り返しが有効となるのはメールの受信時です。
  • 次の場合は,このパラメーターが指定されてもメールの本文を折り返しません。
    ・メールシステム連携機能をサービス上で使用している場合
    ・メールサーバにExchange Serverとして接続している場合