付録A.5 JP1/AJS3の状態の監視

JP1/AJS3 - Managerの運用状態やジョブネット中のジョブの実行状態,JP1/AJS3 - Agentの運用状態を[JP1AJS2]シンボルの色から判断できます。また,ステータス・アラーム ブラウザや[ajsdetail]ウィンドウから状態の詳細情報を確認することもできます。

JP1/AJS3 - ManagerやJP1/AJS3 - Agentの状態が変化すると,状態の変更を通知するSNMPトラップがNNMに送られます。NNMでは,通知された状態に基づいて状態に対応する色でシンボルを表示します。

なお,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agentの運用中にNNMに何らかの状態を通知したあと,状態変化の要因を取り除いても,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agentの運用状態を表すシンボルは,より重要度の高い状態を表示し続けるため,シンボルは初期化されません(例えば,JP1/AJS3でエラーが発生し,エラー発生をNNMに通知したあと,エラーの要因を取り除いても,NNMの[JP1AJS2]シンボルはエラーを表す色で表示されたままとなります)。この場合,手動でシンボルを初期化する必要があります。

ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方,ステータス・アラーム ブラウザに表示されるメッセージの見方,[ajsdetail]ウィンドウに表示される詳細情報の見方,および[JP1AJS2]シンボルの状態を初期化する手順を説明します。

<この項の構成>
(1) ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方
(2) アラーム ブラウザのメッセージの見方
(3) [ajsdetail]ウィンドウの詳細情報の見方
(4) [JP1AJS2]シンボルを初期化する

(1) ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方

ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの色と意味は,JP1/AJS3 - Managerの状態を監視している場合と,JP1/AJS3 - Agentの状態を監視している場合とで異なります。JP1/AJS3 - Managerの状態を監視している場合のシンボルの色と意味表A-9に,JP1/AJS3 - Agentの状態を監視している場合のシンボルの色と意味を表A-10に示します。

表A-9 JP1/AJS3 - Managerを監視している場合の[JP1AJS2]シンボルの色と意味

シンボルの色
(標準設定時の表示色1
意味重要度2
認識不能(Unknown)を表す色(明るい青)状態がわからない。1
正常域(Normal)を表す色(緑)JP1/AJS3 - Managerが起動した。JP1/AJS3 - Managerは正常に運用されている。2
注意域(Warning)を表す色(シアン)警告終了したジョブがある。3
警戒域(Minor)を表す色(黄)異常終了したジョブがある。4
制限動作中(Restricted)を表す色(明るいピンク)
危険域(Critical)を表す色(赤)
  • スケジュールに基づいたジョブネットの実行ができない。
  • ジョブが実行できない。
  • イベントジョブを使った運用ができない。
5
注※1
標準設定時の表示色は,使用するNNMによって異なる場合があります。
注※2
重要度が最も高いのが5,最も低いのが1です。

表A-10 JP1/AJS3 - Agentを監視している場合の[JP1AJS2]シンボルの色と意味

シンボルの色
(標準設定時の表示色1
意味重要度2
認識不能(Unknown)を表す色(明るい青)状態がわからない。1
正常域(Normal)を表す色(緑)JP1/AJS3 - Agentが起動した。JP1/AJS3 - Agentは正常に運用されている。2
制限動作中(Restricted)を表す色(明るいピンク)
危険域(Critical)を表す色(赤)
  • ジョブが実行できない。
  • イベントジョブを使った運用ができない。
3
注※1
標準設定時の表示色は,使用するNNMによって異なる場合があります。
注※2
重要度が最も高いのが3,最も低いのが1です。

なお,[JP1AJS2]シンボルの色は,次に示すJP1/AJS3の機能の運用状態のうち,最も重要度の高い状態を表します。

各機能の状態は[ajsdetail]ウィンドウで確認できます。詳細については,「(3) [ajsdetail]ウィンドウの詳細情報の見方」を参照してください。

(2) アラーム ブラウザのメッセージの見方

NNMは,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - AgentからSNMPトラップを受け取ると,次に示す状態の詳細情報をアラーム ブラウザに表示します。

アラーム ブラウザを表示する手順と,アラーム ブラウザに表示される2種類のメッセージ形式,メッセージの意味を次に示します。

表A-11 ステータスと状態変化要因語句の組み合わせ

ステータス状態変化要因語句意味
NormalFactor:StartJP1/AJS3の運用が開始した。1
NormalFactor:Schedule Normalスケジュール機能は正常に動作している。※2
WarningFactor:Job Warning End警告終了したジョブがある。2
MinorFactor:Job Abnormal End異常終了したジョブがある。2
RestrictedFactor:Schedule Restrictedスケジュール機能で制限動作中である。※2
RestrictedFactor:jpqmon4ジョブ実行制御が停止した。1
RestrictedFactor:evactiona3イベントジョブを使った運用(エージェント制御)が停止した。1
RestrictedFactor:jajs_dbmdDB管理が停止した。1
RestrictedFactor:jajs_hstdホストサービス管理が停止した。1
RestrictedFactor:jajs_agtdスケジューラーサービス管理が停止した。1
RestrictedFactor:jajs_schdエージェントサービス管理が停止した。1
RestrictedFactor:queuea3ジョブ実行制御が停止した。1
RestrictedFactor:jpoagent4イベントジョブを使った運用(エージェント制御)が停止した。1
RestrictedFactor:EventJP1イベントが受信できない。5
RestrictedFactor:Fileファイルが監視できない。5
RestrictedFactor:Mailメールが受信できない。5
RestrictedFactor:Time実行間隔を制御できない。5
UnknownFactor:Schedule Unknownスケジュール機能の状態が不明である。※2
CriticalFactor:Schedule Stopスケジュール機能が停止した。※2
CriticalFactor:StopJP1/AJS3の運用が終了した。1
注※1
SNMPトラップの送信元は,Process Manager(JP1/AJS3のプロセス管理制御)です。
注※2
SNMPトラップの送信元は,Job Schedule(ジョブネットのスケジュール制御)です。
注※3
WindowsのNNMで表示されるメッセージの状態変化要因語句です。
注※4
UNIXのNNMで表示されるメッセージの状態変化要因語句です。
注※5
SNMPトラップの送信元は,Event Action(イベントジョブを使った運用制御)です。

なお,アラーム ブラウザに表示されるメッセージの詳細については,NNMの[イベント設定]ダイアログボックスに表示されるイベントをダブルクリックすると表示される[イベントの変更]ダイアログボックスでも確認できます。ただし,イベントの設定内容は変更しないでください。

(3) [ajsdetail]ウィンドウの詳細情報の見方

NNMは,JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - AgentからSNMPトラップを受け取ると,JP1/AJS3 - Managerの運用状態やジョブネット中のジョブの実行状態,JP1/AJS3 - Agentの運用状態の詳細情報を[ajsdetail]ウィンドウに表示します。

[ajsdetail]ウィンドウを表示する手順と,ウィンドウの表示項目の意味を次に示します。

[ajsdetail]ウィンドウの表示手順
  1. 詳細情報を表示したい[JP1AJS2]シンボルをクリックし,[管理]-[JP1/AJS2の管理]-[詳細]を選択する。
    [ajsdetail]ウィンドウが表示されます。
    [ajsdetail]ウィンドウを次に示します。

    図A-7 [ajsdetail]ウィンドウ

    [図データ]

[ajsdetail]ウィンドウの表示項目の意味
タイトル行
オブジェクト名が表示されます。
Process
JP1/AJS3の機能の名称が表示されます。
  • Process Manager
    JP1/AJS3のプロセス管理制御
  • Job Schedule
    ジョブネットのスケジュール制御
    スケジューラーサービス単位で表示されます。
    JP1/AJS3 - Agentの状態を監視している場合は機能しません。
  • Event Action
    イベントジョブを使った運用制御
Service Name
スケジューラーサービスの名称が表示されます。
Status
各機能の状態を表示します。詳細については,「(1) ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方」を参照してください。
JP1 Host Name
複数の論理ホストが起動している場合,該当する論理ホスト名が表示されます。
メッセージ
何も表示されません。
注意事項
スケジューラーサービスの構成を変更した場合,[JP1AJS2]シンボルのオブジェクトには変更前の状態が残っています。構成を変更したスケジューラーサービスの状態が[ajsdetail]ウィンドウに正しく反映されない場合,次の手順で新しい構成を有効にしてください。
  1. ajsovsymremコマンドで[JP1AJS2]シンボルをノード・サブマップからいったん削除する。
    ajsovsymremコマンドの詳細については,「付録C.3 ajsovsymrem」を参照してください。
  2. JP1/AJS3サービスを再起動する。
  3. [JP1AJS2]シンボルを「すべてのホストに作成する」方法で再作成する。
詳細については,「付録A.4(1) シンボルを作成する」を参照してください。

(4) [JP1AJS2]シンボルを初期化する

JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agentの運用中に何らかの状態をNNMに通知したあと,状態変化の要因を取り除いた場合は,[JP1AJS2]シンボルを初期化してください。通常は,「正常域」に初期化してください。運用状態やジョブの実行状態が不明な場合などには,「認識不能」に初期化してください。

[JP1AJS2]シンボルを初期化する手順を次に示します。

  1. 初期化したい[JP1AJS2]シンボルをクリックし,[管理]-[JP1/AJS2の管理]-[シンボルの初期設定]-[正常],または[認識不能]を選択する。
    [JP1AJS2]シンボルが「正常域」または「認識不能」状態に初期化されます。