3.5 JP1/Power Monitor連携の注意事項

JP1/Power Monitor連携での注意事項を次に示します。

<この節の構成>
(1) リモート電源制御ジョブ実行時の注意事項
(2) ホスト終了時のJP1/AJS3サービス停止条件についての注意事項
(3) 電源制御ジョブ実行時のOSユーザーについての注意事項

(1) リモート電源制御ジョブ実行時の注意事項

JP1/AJS3から複数のリモート電源制御ジョブを並列(パラレル)に実行した場合でも,JP1/Power Monitorではリモート電源制御ジョブからの要求を直列(シリアル)に一つずつ実行していきます。複数のホストを同時刻に一斉に終了したい場合には,終了したいホストを実行ホストにしたローカル電源制御ジョブを並列に実行するように設定してください。

(2) ホスト終了時のJP1/AJS3サービス停止条件についての注意事項

JP1/Power Monitorでホストを終了させるとき,終了させるホストがJP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentの場合で,JP1/AJS3サービスの停止条件が異なります。終了させるホストがJP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentの場合とに分けて次に説明します。

(a) ホストがJP1/AJS3 - Managerの場合

JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - ManagerのJP1/AJS3サービスの停止条件を,WindowsとUNIXに分けて次に示します。

表3-3 JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - ManagerのJP1/AJS3サービスの停止条件(Windowsの場合)

JP1/Power Monitorの終了要求種別JP1/AJS3の終了制限種別JP1/AJS3サービスの停止条件
計画終了1※1ジョブネット制限終了処理の実行時に実行中のジョブネットがなくなる(新たにジョブネットは開始しない)
計画終了2※2スケジュール制限当日に予定されていたスケジュールがすべて実行される
強制終了なしなし(実行直後に停止する)
注※1
JP1/Power Monitorの設定で,実行中のジョブネットの実行完了を待って終了する設定(ジョブネット制限)をしている場合です(JP1/Power Monitorの初期設定値)。
注※2
JP1/Power Monitorの設定で,シャットダウン処理を開始した日に実行が予定されているジョブネットの実行完了を待って終了する設定(スケジュール制限)をしている場合です(jpwenvsetコマンドの-dsオプション)。

表3-4 JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - ManagerのJP1/AJS3サービスの停止条件(UNIXの場合)

JP1/Power Monitorの終了要求種別JP1/AJS3の終了制限種別JP1/AJS3サービスの停止条件
制限終了ジョブネット制限終了処理の実行時に実行中のジョブネットがなくなる(新たにジョブネットは開始しない)
監視終了スケジュール制限当日に予定されていたスケジュールがすべて実行される
強制終了なしなし(実行直後に停止する)

JP1/AJS3 - ManagerのJP1/AJS3サービスは,スケジューラーサービスの停止後に停止します。このため,JP1/Power MonitorでJP1/AJS3 - Managerのあるホストを終了する場合,JP1/Power Monitorの終了要求種別に強制終了以外を指定しているときは,ジョブやイベントジョブが終了するまでホストを終了できません。

JP1/Power Monitorでホストを直ちに終了することを想定した運用をしたい場合,JP1/AJS3で実行中のジョブネットが終了しないことでホストを終了できないときには,必要に応じてジョブネットが終了するようにJP1/AJS3で強制終了や中断などの操作をして対処してください。

(b) ホストがJP1/AJS3 - Agentの場合

JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - AgentのJP1/AJS3サービスの停止条件を,WindowsとUNIXに分けて次に示します。

表3-5 JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - AgentのJP1/AJS3サービスの停止条件(Windowsの場合)

JP1/Power Monitorの終了要求種別JP1/AJS3サービスの停止条件
計画終了終了処理の実行時に終了ホスト上で実行中のジョブがなくなる
強制終了なし(実行直後に停止する)
注※
JP1/AJS3 - Agentのホストでは,JP1/Power MonitorでのJP1/AJS3の終了制限種別の設定(ジョブネット制限・スケジュール制限)に関係なく,JP1/AJS3サービスの停止条件は同じです。

表3-6 6JP1/Power Monitorでホストを終了するときの,JP1/AJS3 - AgentのJP1/AJS3サービスの停止条件(UNIXの場合)

JP1/Power Monitorの終了要求種別JP1/AJS3サービスの停止条件
制限終了終了処理の実行時に終了ホスト上で実行中のジョブがなくなる
監視終了
強制終了なし(実行直後に停止する)
注※
JP1/AJS3 - Agentのホストでは,JP1/Power Monitorでの制限終了,監視終了のどちらの終了方法でも,JP1/AJS3サービス停止条件は同じです。

JP1/Power MonitorでJP1/AJS3 - Agentのあるホストを終了するとき,ジョブの種別によって動作が異なります。ジョブの種別ごとの動作を次に示します。

イベントジョブ
JP1/Power Monitorの終了要求種別に関係なく,実行中のイベントジョブは終了します。
イベントジョブ以外のジョブ
JP1/Power Monitorの終了要求種別に強制終了以外を指定している場合,実行中のジョブが終了するのを待ちます。

イベントジョブ以外のジョブでは,JP1/Power Monitorの終了要求種別に強制終了以外を指定している場合,実行中のジョブが終了するまでホストを終了できません。このため,JP1/Power Monitorでホストを直ちに終了することを想定した運用をしたい場合は注意が必要です。

(3) 電源制御ジョブ実行時のOSユーザーについての注意事項

JP1/Power Monitorと連携する電源制御ジョブ(ローカル電源制御ジョブおよびリモート電源制御ジョブ)を実行する場合,OSユーザーについての注意が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 7.7.4(3) 電源制御ジョブ実行時のOSユーザーについての注意事項」を参照してください。