jajs_rpsite
形式
jajs_rpsite
[-h 論理ホスト名]
[-m {SET|CHANGE|UNSET} | -v]
機能
JP1/AJS3を,ハードウェアのコピー・ミラーリング機能を使用してディザスター・リカバリー運用する場合のセットアップを実行します。
指定したオプションに応じて次の処理が実行されます。
- メインサイトとして運用する論理ホストを新規に設定する。
- メインサイトとして運用する論理ホストを変更する。
- ディザスター・リカバリー運用を解除する。
- メインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示する。
このコマンドは標準構成の場合だけ使用できます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-h 論理ホスト名
処理対象の論理ホスト名を指定します。指定できる文字数は,1~32(単位:バイト)です。
このオプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりこのオプションの値の方が優先されます。
オプションの値に物理ホスト名(物理ホストのマシン名または「JP1_DEFAULT」)を指定した場合は異常終了します。
このオプションを省略し,環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合は,物理ホスト名が仮定されるため,異常終了します。
コマンドを実行したサイトに指定した論理ホストがない場合は異常終了します。
-m {SET|CHANGE|UNSET}
- SET
ディザスター・リカバリー運用でメインサイトとして運用する論理ホストを新規に設定します。
メインサイトとして運用する論理ホストを設定したあと,メインサイトでの運用およびハードウェアの操作で共有ディスク間のコピーを開始すると,リモートサイト側のJP1/AJS3は起動抑止状態になります。
このオプションは,新規にメインサイトとして運用する論理ホストを設定する場合に指定します。すでにメインサイトとして運用する論理ホストが設定されている場合は異常終了します。
-vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。
処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3707-Iを出力します。
- CHANGE
ディザスター・リカバリー運用でメインサイトとして運用する論理ホストを変更します。
大規模災害の発生などでメインサイト側のシステムが停止した場合,リモートサイトに運用拠点を切り替え,業務を継続するときに指定します。
メインサイトとして運用する論理ホストを変更すると,処理対象の論理ホストのJP1/AJS3の起動抑止状態が解除され,リモートサイトとなる論理ホストのJP1/AJS3が起動抑止状態になります。
すでに設定されている,メインサイトとして運用する論理ホストを変更する場合に指定します。
次の場合は異常終了します。
- メインサイトとして運用する論理ホストが設定されていない場合
- すでにメインサイトとして運用している論理ホストと同じ論理ホスト名を指定した場合
- -vオプションと同時に指定した場合
- 運用拠点の切り替えに失敗した場合
処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3708-Iを出力します。
- UNSET
ディザスター・リカバリー運用を解除します。
ディザスター・リカバリー運用の解除は,メインサイト,リモートサイトの両方で実行してください。リモートサイト側では解除が行われるまで,JP1/AJS3の起動抑止が解除されません。
-vオプションと同時に指定した場合は異常終了します。
処理が正常終了した場合,メッセージKAVS3709-Iを出力します。
-v
ディザスター・リカバリー運用で,現在のメインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示します。
メインサイトとして運用する論理ホストが設定されていない場合は異常終了します。
-mオプションと同時に指定した場合は異常終了します。
注意事項
- ハードウェアの操作で共有ディスク間のコピーを開始する前に,必ず-m SETオプションを指定してメインサイトとして運用する論理ホストを設定してください。メインサイトとして運用する論理ホストを指定しないと,リモートサイト側のJP1/AJS3サービスが起動抑止状態になりません。
- -m SET,-m CHANGE,-m UNSETオプションは,ハードウェアの操作で共有ディスク間のコピーを停止してから実行してください。
- -m SET,-m CHANGEオプションは,メインサイトからリモートサイトへのコピー中にメインサイトで実行した場合,メインサイトとして運用する論理ホストがすでに設定済みのため,異常終了します。
- -m SET,-m CHANGEオプションは,メインサイトとして運用するサイトで実行してください。
- -m UNSETオプションは,メインサイト,リモートサイトの両方で実行してください。
- メインサイトからリモートサイトへのコピー中にリモートサイトでこのコマンドを実行した場合,共有ディスクへのアクセスができないため異常終了します。
- 論理ホストの共有ディスクをマウントしない状態でこのコマンドを実行すると異常終了します。
戻り値
使用例
論理ホストLHOST_M(メインサイト)と論理ホストLHOST_R(リモートサイト)でハードウェアのコピー・ミラーリング機能を使用してディザスター・リカバリー運用する場合の使用例を次に示します。
使用例1
論理ホストLHOST_Mを,メインサイトの論理ホストとして設定します。
jajs_rpsite -h LHOST_M -m SET
使用例2
運用拠点切り替えのため,現在リモートサイト側である論理ホストLHOST_Rをメインサイト側の論理ホストに変更します。
jajs_rpsite -h LHOST_R -m CHANGE
使用例3
次に示す条件で運用している場合,現在メインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示します。
- メインサイト:論理ホスト(LHOST_M)
- リモートサイト:論理ホスト(LHOST_R)
jajs_rpsite -h LHOST_M -v
または,
jajs_rpsite -h LHOST_R -v
使用例4
次に示す条件のディザスター・リカバリー運用を解除します。
- メインサイト:論理ホスト(LHOST_M)
- リモートサイト:論理ホスト(LHOST_R)
jajs_rpsite -h LHOST_M -m UNSET
および,
jajs_rpsite -h LHOST_R -m UNSET
出力例
-vオプションを指定して,現在メインサイトとして運用中の論理ホスト名を表示した場合の出力例を次に示します。
> jajs_rpsite -h LHOST_M -v
LHOST_R |