形式
jajs_setup
[-F スケジューラーサービス名]
{-a
[-h 論理ホスト名]
-n スケジューラーサービスの識別番号
-p ジョブ状態通信ポートのサービス名
-d データベースディレクトリ名
-t テンポラリーディレクトリ名
-j ジョブ情報ディレクトリ名
-b 退避情報ディレクトリ名
[-D 論理ホスト共有ディレクトリ名
-I セットアップ識別子
-P 組み込みDBポート番号] |
-r -A 変更後のスケジューラーサービス名 |
-e}
形式1(スケジューラーサービスの追加)
jajs_setup
-a
[-h 論理ホスト名]
[-F スケジューラーサービス名]
-n スケジューラーサービスの識別番号
-p ジョブ状態通信ポートのサービス名
-d データベースディレクトリ名
-t テンポラリーディレクトリ名
-j ジョブ情報ディレクトリ名
-b 退避情報ディレクトリ名
[-D 論理ホスト共有ディレクトリ名
-I セットアップ識別子
-P 組み込みDBポート番号]
形式2(スケジューラーサービス名の変更)
jajs_setup
-r
[-F スケジューラーサービス名]
-A 変更後のスケジューラーサービス名
形式3(スケジューラーサービスの削除)
jajs_setup
-e
[-F スケジューラーサービス名]
機能
JP1/AJS3のスケジューラーサービスをセットアップします。
指定したオプションに応じて次のセットアップが実行されます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-a
新規にスケジューラーサービスを追加します。
このコマンドを実行してスケジューラーサービスを追加する場合,新規に作成するスケジューラーサービスに対応したデータベースのインストールとセットアップを実行します。これによって,スケジューラーサービスを簡単に作成できます。
スケジューラーサービスの追加が正常終了したあとに,追加したスケジューラーサービスの環境設定パラメーターを変更する場合は,jajs_configコマンドの-kオプション(定義キー)に次の値を指定して変更します。
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}※1¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名※2]
このオプションは,-h,-F,-n,-p,-d,-t,-j,および-bオプションと同時に指定します。論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は,-D,-I,および-Pオプションも同時に指定します。
このオプションを指定した場合,-n,-p,-d,-t,-j,および-bオプションは省略できません。
組み込みDBを新規に作成する場合,コマンドの実行に数分から数十分の時間が掛かります。物理ホストでは,一つの組み込みDBに作成できるスケジューラーサービスの数は最大4個です。これを超えると組み込みDBを新規に作成するため,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。論理ホストでは,-Iオプションに構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定しない場合は新規に組み込みDBを作成するため,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。
また,jajs_migrateコマンドの-uオプションを指定していた場合も,一つの組み込みDBに最大4個のスケジューラーサービスが作成されます。一つの組み込みDBに作成されるスケジューラーサービスの数を指定したい場合は,組み込みDBの高度なセットアップを実施してください。jajs_migrateコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。組み込みDBの高度なセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 付録C 組み込みDBの高度なセットアップ」を参照してください。
-r
スケジューラーサービスの名称を変更します。物理ホストおよび論理ホストの区別なく,コマンドを実行したホスト上のスケジューラーサービスの名称を処理対象とします。
このオプションは,-F,および-Aオプションと同時に指定します。このオプションを指定した場合,-Aオプションは省略できません。
スケジューラーサービスの名称変更はJP1/AJS3の各種機能に影響を与え,ジョブネットやジョブが異常終了したり,正しく実行されなかったりなどの現象が発生する場合があります。このため,このオプションは,運用開始前のスケジューラーサービスに対して使用することを推奨します。
スケジューラーサービスの名称変更中にメッセージKAVS1133-Wが出力された場合は,スケジューラーサービスの設定が変更後のスケジューラーサービスに引き継がれていません。このため,スケジューラーサービスの名称を変更したあとに,スケジューラーサービスローカル日時またはサスペンド機能を再設定してください。
運用開始後にスケジューラーサービスの名称を変更する方法については,「補足事項」を参照してください。
-e
スケジューラーサービスを削除します。物理ホストおよび論理ホストの区別なく,コマンドを実行したホスト上のスケジューラーサービスの名称を処理対象とします。
このコマンドでスケジューラーサービスを削除すると,スケジューラーサービスに対応したデータベースも削除されます。
このオプションは,-Fオプションと同時に指定します。
-h 論理ホスト名
セットアップ対象とする論理ホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1~32(単位:バイト)です。
オプションに指定した論理ホストに対してセットアップが実行されます。
オプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりオプションに指定した値の方が優先されます。省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEの値が論理ホスト名に仮定されます。
物理ホストをセットアップする場合,次の方法でセットアップ対象に指定できます。
オプションの値または環境変数JP1_HOSTNAMEの値に,物理ホストのマシン名を指定しても,物理ホストの設定はできません。
論理ホストをセットアップ対象とした場合,同時に-D,-Iオプションおよび-Pオプションの指定が必要です。
このオプションは,-rおよび-eオプションと同時に指定できません。
-F スケジューラーサービス名
処理対象とするスケジューラーサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1~30(単位:バイト)です。
スケジューラーサービス名に指定できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.2 スケジューラーサービス環境設定」の表2-2 の下にある,スケジューラーサービスに関する注意を参照してください。
省略した場合は,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。
-A 変更後のスケジューラーサービス名
変更後のスケジューラーサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1~30(単位:バイト)です。
このオプションは,-rオプションと同時に指定します。
-n スケジューラーサービスの識別番号
スケジューラーサービスの識別番号を10進数で指定します。
指定できる値は,1~20です。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
ここで指定した識別番号は,テンポラリーファイルの名称や,プロセス間通信のキーなど,内部的にスケジューラーサービスを識別する場合に使われるため,一度指定した識別番号を変更しないことを推奨します。変更した場合は,スケジューラーサービスをコールドスタートしてください。
-p ジョブ状態通信ポートのサービス名
ジョブ状態の情報を取得するために使用する通信ポートのポート番号をサービス名で指定します。jajs_setupコマンド完了後に,指定したジョブ状態通信ポートのサービス名をservicesファイルに定義してください。
指定できる文字数は,1~31(単位:バイト)です。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-d データベースディレクトリ名
JP1/AJS3のユニット情報を格納するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~191(単位:バイト)です。
指定するデータベースディレクトリ名の最後にパス区切り文字(Windowsの場合は「¥」,UNIXの場合は「/」)を指定しないでください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-t テンポラリーディレクトリ名
JP1/AJS3のテンポラリーファイルを作成するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~191(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターAJSTMPDIRを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-j ジョブ情報ディレクトリ名
ジョブ定義時に標準エラー出力ファイルを指定していない場合に,ジョブ実行時に標準エラー出力ファイルを格納するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~191バイト(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターJOBINFDIRを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-b 退避情報ディレクトリ名
ユニットを退避させるときのディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~191(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターAJSBKUROOTを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合はメッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-D 論理ホスト共有ディレクトリ名
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストで使用する共有ディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~165(単位:バイト)です。
次に示す場合はメッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
-I セットアップ識別子
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストで使用する組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは1~9またはA~Zのどれか)の4文字で指定します。
論理ホストに構築済みの組み込みDBにスケジューラーデータベースをセットアップする場合は,構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定してください。構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定しない場合は,-Iオプションに指定したセットアップ識別子で組み込みDBを新規に構築し,スケジューラーデータベースをセットアップしてください。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
-P 組み込みDBポート番号
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストの組み込みDBで使用するポート番号を指定します。
論理ホストに構築済みの組み込みDBにスケジューラーデータベースを作成する場合は,-Iオプションに指定したセットアップ識別子に対応する組み込みDBのポート番号を指定してください。組み込みDBを新規で構築する場合は,システム内で使用されていないポート番号を指定してください。
指定できる値は数値で,5001~65535です。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
注意事項
xxの値 | 対処 |
---|---|
1 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbbuildコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
2 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbsetupコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
3 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbunsetコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
4 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージの対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
5 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(1) 組み込みDBのメンテナンス中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
6 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(2) 組み込みDBのインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
7 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(3) 組み込みDBのアンインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
戻り値
0~9 | 正常終了。 |
10~49 | 警告終了。コマンドは終了したが,手動による操作が必要。 |
50以上 | 異常終了。 |
補足事項
運用開始後にスケジューラーサービスの名称を変更する手順を次に示します。
使用例1
物理ホストに対して,次の条件のスケジューラーサービスを追加します。
jajs_setup -a -h JP1_DEFAULT -F AJSROOT2 -n 2 -p jp1ajs2report2
-d "/var/opt/jp1ajs2/database/schedule/AJSROOT2"
-t "/var/opt/jp1ajs2/tmp/schedule2"
-j "/var/opt/jp1ajs2/jobinf2"
-b "/var/opt/jp1ajs2/backup/schedule2"
使用例2
論理ホスト(lhost)に対して,次の条件のスケジューラーサービスを追加します。
jajs_setup -a -h lhost -F AJSROOT3 -n 3 -p jp1ajs2report3
-d "H:¥JP1LHOST¥jp1ajs2¥database¥schedule¥AJSROOT3"
-t "H:¥JP1LHOST¥jp1ajs2¥tmp¥schedule3"
-j "H:¥JP1LHOST¥jp1ajs2¥jobinf3"
-b "H:¥JP1LHOST¥jp1ajs2¥backup¥schedule3"
-D "H:¥JP1LHOST"
-I _JFA
-P 22250
使用例3
スケジューラーサービス名(AJSROOT2)を(JP1AJS3001)に変更します。
jajs_setup -r -F AJSROOT2 -A JP1AJS3001
使用例4
スケジューラーサービス(AJSROOT2)を削除します。
jajs_setup -e -F AJSROOT2