形式
JP1/AJS3 - Managerの場合
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
-F スケジューラーサービス名
{-d 共有ディレクトリ名
[-n スケジューラーサービスの識別番号]
[-m {cold|warm|hot}]
{-P 組み込みDBポート番号
-I 組み込みDBセットアップ識別子 |
-S} |
[-S]}
[-R]
JP1/AJS3 - Agentの場合
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
[-d 共有ディレクトリ名]
形式1(JP1/AJS3 - Manager実行系のセットアップ)
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
-F スケジューラーサービス名
-d 共有ディレクトリ名
[-n スケジューラーサービスの識別番号]
[-m {cold|warm|hot}]
{-P 組み込みDBポート番号
-I 組み込みDBセットアップ識別子 |
-S}
形式2(JP1/AJS3 - Manager待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
-F スケジューラーサービス名
[-S]
形式3(JP1/AJS3 - Agent実行系のセットアップ)
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
-d 共有ディレクトリ名
形式4(JP1/AJS3 - Agent待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
形式5(リモートサイトのJP1/AJS3 - Manager実行系/待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster
[-h 論理ホスト名]
-F スケジューラーサービス名
-R
機能
JP1/AJS3の論理ホストに対応した動作環境をセットアップします。クラスタ運用環境のセットアップ時には,実行系と待機系のそれぞれで実行してください。
なお,このコマンドを実行する場合は,事前にJP1/Baseの物理ホスト環境および論理ホスト環境のセットアップを実施しておく必要があります。
このコマンドは,物理ホストの環境をコピーして論理ホストの環境を作成します。作成した論理ホストには,物理ホストのデフォルトスケジューラーサービスの設定をコピーして,スケジューラーサービスを作成します。デフォルトスケジューラーサービスに設定されたスケジューラーサービスがない場合,存在するすべてのスケジューラーサービスの中で最小のスケジューラーサービスの識別番号(環境設定パラメーターAJSSERVICEIDの設定値)が設定されたスケジューラーサービスの設定をコピーして,スケジューラーサービスを作成します。
また,-Rオプションを指定し,リモートサイトのJP1/AJS3 - Managerの実行系および待機系をセットアップすると,JP1/AJS3論理ホストのスケジューラーサービスが追加されます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-h 論理ホスト名
セットアップする論理ホスト名(JP1/Baseで設定した論理ホスト名)を指定します。
指定できる文字数は,1~32(単位:バイト)です。
オプションに指定した論理ホスト名で環境が作成されます。
オプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりオプションに指定した値の方が優先されます。省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEの値が論理ホスト名に仮定されます。
次の場合,コマンドは異常終了します。
-F スケジューラーサービス名
指定できる文字数は,1~30(単位:バイト)です。
スケジューラーサービス名に指定できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.2 スケジューラーサービス環境設定」の表2-2の下にある,スケジューラーサービスに関する注意を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでは省略できません。
-d 共有ディレクトリ名
実行系から待機系に引き継ぐ情報を格納する共有ディスクの,マウント先のディレクトリ名をフルパスで指定します。指定するディレクトリは,存在するディレクトリを指定してください。指定したディレクトリがない場合,コマンドは異常終了します。また,ネットワークドライブ上のディスクは指定しないでください。
指定できる文字数は,1~122(単位:バイト)です。
UNIXで「/」(ルート)を指定した場合,またはWindowsで先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合は,コマンドが異常終了します。
このオプションは,実行系のセットアップを実施する場合に必ず指定してください。省略した場合は,待機系としてセットアップされます。
共有ディレクトリとして,Windowsの場合は「指定した共有ディレクトリ名¥JP1AJS2」,UNIXの場合は「指定した共有ディレクトリ名/jp1ajs2」が作成され,その下に論理ホストの環境定義ファイルや実行環境が作成されます。ただし,これらのディレクトリがすでにある場合は,コマンドが異常終了します。実行系のセットアップを実施する場合は,必ず共有ディスクをマウントし,これらのディレクトリがないことを確認してから実行してください。
-n スケジューラーサービスの識別番号
スケジューラーサービスの識別番号を10進数で指定します。
指定できる値は,1~20です。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ時にだけ指定できます。
識別番号は,自ホスト内の物理ホストおよびすべての論理ホストで使用している識別番号と重複しない番号を指定してください。すでに使用している識別番号を指定した場合,コマンドは異常終了します。
このオプションを省略した場合は,使用していない識別番号のいちばん小さい値が仮定されます。スケジューラーサービスの合計数が上限に達している場合は,スケジューラーサービス識別番号の割り当てに失敗し,コマンドが異常終了します。
-m {cold|warm|hot}
スケジューラーサービスの起動モードを指定します。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ時にだけ指定できます。
このオプションを省略した場合,物理ホストの環境設定パラメーターDEFAULTSERVICENAMEに指定されているスケジューラーサービスの,環境設定パラメーターSTARTMODEの値が仮定されます。
-P 組み込みDBポート番号
論理ホストのセットアップ時,同時に組み込みDBをセットアップする場合に,論理ホストで使用する組み込みDBのポート番号を指定します。
指定できる値は,5001~65535の数値です。
ほかのプログラムが使うポート番号と重複しない値を指定してください。ここで指定したポート番号は,ほかのプログラムでは使えません。ポート番号がほかのアプリケーションと重複すると,アプリケーションか組み込みDBのどちらかにトラブルが発生します。その場合は,該当するアプリケーションのポート番号を変更するか,または組み込みDBのポート番号を変更する必要があります。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ時に同時に組み込みDBをセットアップする場合には省略できません。
このオプションは,-Sオプションとは同時に指定できません。
-I 組み込みDBセットアップ識別子
論理ホストのセットアップ時,同時に組み込みDBをセットアップする場合に,論理ホストで使用する組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは1~9またはA~Zのどれか)の4文字で指定します。システム内で登録されていないセットアップ識別子を指定してください。すでに登録されているセットアップ識別子を指定した場合,コマンドは異常終了します。登録済みのセットアップ識別子は,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ時に同時に組み込みDBをセットアップする場合には省略できません。
このオプションは,-Sオプションとは同時に指定できません。
-S
論理ホストのセットアップ時,組み込みDBをセットアップしないで,別途,高度なセットアップで組み込みDBを構築する場合に指定します。このオプションを指定してjajs_setup_clusterコマンドを実行したあと,組み込みDBの構築を完了させてください。組み込みDBの構築が完了する前にjajs_configコマンド,jajs_setupコマンド,またはjajs_setup_clusterコマンドを実行すると,コマンドがエラーメッセージKAVS1516-Eを出力して異常終了します。
高度なセットアップでの組み込みDBの構築については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 付録D 組み込みDBの高度なセットアップ(クラスタ構成の場合)」を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerの場合だけ指定できます。
このオプションは,-Pまたは-Iオプションとは同時に指定できません。
-R
ディザスター・リカバリー環境で,リモートサイトの論理ホストをセットアップする場合に指定します。
このオプションは,-hおよび-Fオプション以外のオプションとは同時に指定できません。
注意事項
xxの値 | 対処 |
---|---|
1 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbbuildコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
2 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbsetupコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
3 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbunsetコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
4 | このメッセージの前に出力されているエラーメッセージの対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 |
5 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(1) 組み込みDBのメンテナンス中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
6 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(2) 組み込みDBのインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
7 | 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(3) 組み込みDBのアンインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 |
実行系でのエラー発生時の対処
実行系でのjajs_setup_clusterコマンド実行中にエラーが発生した場合は,エラーの原因を取り除いたあとに,論理ホストの情報を削除してください。その後,再度コマンドを実行してください。
jajs_setup_clusterコマンドがエラーメッセージKAVS1126-Eを出力して論理ホストのセットアップに失敗した場合は,論理ホストの組み込みDBの削除が必要です。ただし,jajs_setup_clusterコマンドに-Sオプションを指定して組み込みDBを同時にセットアップしていない場合や,エラーメッセージKAVS1126-Eが出力されないで論理ホストのセットアップに失敗した場合は,論理ホストの組み込みDBの削除は不要です。
論理ホストの組み込みDBを削除する場合は,ajsembdbuninstlコマンドを使用します。ajsembdbuninstlコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbuninstl」を参照してください。なお,論理ホストの組み込みDBの削除は論理ホストを削除する前に実施してください。
論理ホストの情報を削除する手順を次に示します。
実行系セットアップ時に作成される共有ディレクトリ配下の権限について
表2-3 「Everyoneフルコントロール」権限が設定されるフォルダ
項番 | フォルダパス | JP1/AJS3 - Manager | JP1/AJS3 - Agent |
---|---|---|---|
1 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥backup | ○ | × |
2 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥database | ○ | × |
3 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥jobinf | ○ | × |
4 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥log | ○ | ○ |
5 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥sys | ○ | ○ |
6 | 共有フォルダ¥jp1ajs2¥tmp | ○ | ○ |
表2-4 「777」権限が設定されるディレクトリ
項番 | ディレクトリパス | JP1/AJS3 - Manager | JP1/AJS3 - Agent |
---|---|---|---|
1 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/backup/schedule | ○ | × |
2 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/database/schedule/スケジューラーサービス名 | ○ | × |
3 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf | ○ | × |
4 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf/schedule/スケジューラーサービス名 | ○ | × |
5 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf/delete | ○ | × |
6 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log | ○ | ○ |
7 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/JAJS_SETUP | ○ | ○ |
8 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqagent | ○ | ○ |
9 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqclient | ○ | ○ |
10 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqmanager | ○ | × |
11 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqnotify | ○ | ○ |
12 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/schedule | ○ | × |
13 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/schedule/スケジューラーサービス名 | ○ | × |
14 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp | ○ | ○ |
15 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp/console_agent | ○ | ○ |
16 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp/schedule | ○ | × |
17 | 共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp/schedule/スケジューラーサービス名 | ○ | × |
戻り値
0~9 | 正常終了。 |
10~49 | 警告終了。コマンドは終了したが,手動による操作が必要。 |
50以上 | 異常終了。 |
補足事項
-P,-Iオプションを指定してセットアップした場合,次に示す値で組み込みDBが設定されます。
その他の項目は,デフォルトの設定が有効になります。
使用例1
JP1/AJS3 - Managerの実行系ホストで組み込みDBを同時にセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhost1 -F AJS3SCHEDULE001 -d "F:¥shdsk¥lhost1" -P 22201 -I _JF1
使用例2
JP1/AJS3 - Managerの実行系ホストで,組み込みDBは別にセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhost2 -F AJS3SCHEDULE002 -d "F:¥shdsk¥lhost2" -n 3 -m hot -S
使用例3
JP1/AJS3 - Managerの待機系ホストで組み込みDBを同時にセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhost1 -F AJS3SCHEDULE001
使用例4
JP1/AJS3 - Managerの待機系ホストで組み込みDBは別にセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhost2 -F AJS3SCHEDULE002 -S
使用例5
JP1/AJS3 - Agentの実行系ホストをセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhosta1 -d "F:¥shdsk¥lhosta1"
使用例6
JP1/AJS3 - Agentの待機系ホストをセットアップします。
jajs_setup_cluster -h lhosta1