ajsplan

形式

ajsplan
    [-F サービス名]
    [[-d [[/]/]][-t [:]][-p][-i]
         |[-b ][-c ][-p][-i]
         |-q[-p|-w][-i]|-p|-u]
    [-h|-r]
    [-n {優先順位の値|none}]
    [-s {none|:|M分|U分|C分}]
    [-e {none|:|M分|U分|C分}]
    [-f {none|}]
    [-B 実行登録番号]
    [-j|-m {:|M分|unlimited}
         -k {回数|unlimited}]
    [-l {y|n}]
    [-xw {enable|disable} -xn 待ち合わせ対象ユニット名]
    [-R]
    [-E]
    [-T]
    [-N|-J]
    [-X {yes|no|auto}]
    ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名...

機能

  1. 実行登録済みのジョブネットの,次回の実行スケジュールを一時的に変更します(変更した内容で実行したあとは,ジョブネットに定義されたスケジュールに従って実行します)。
  2. ルートジョブネットの実行順序を制御している場合に,ジョブネットコネクタの接続先ジョブネットの実行順序制御方式を一時的に変更します(ルートジョブネット,プランニンググループだけ)。
  3. ジョブを一時的に保留,保留解除,実行中止,または実行中止解除します(変更した内容で実行したあとは,ジョブに定義された属性に従って実行します)。
  4. ジョブおよびジョブネットに待ち合わせ条件を設定している場合に,待ち合わせ条件を一時的に有効または無効にします(変更した内容で実行したあとは,ジョブに定義された属性に従って実行します)。
    この機能は,データベース構成が標準構成のときだけ使用できます。

実行権限

次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー

引数

-F サービス名

処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1~30(単位:バイト)です。

-d [[/]/]

一時的に変更する次回の実行開始日を指定します。

このオプションは,ジョブには指定できません。ルートジョブネットで-pオプションと同時に指定し,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,変更前の次回実行予定は取り消されます。-pオプションを指定しないで,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,実行予定の追加になります。

なお,ネストジョブネットの場合は,-pオプションの指定の有無に関係なく,実行予定日時の変更だけになります。

このオプションで,年,または年/月の指定を省略した場合,次の値が仮定されます。

年:コマンドを実行した年

年/月:コマンドを実行した年と月

このオプションを省略して-tオプションを指定した場合,一時変更の操作対象となる世代のジョブネットに次回実行予定があるときは,その次回実行予定日(年/月/日)が仮定されます。次回実行予定がないときは,エラーになります。

-t [:]

一時的に変更する次回の実行開始時刻を,絶対時刻で指定します。

このオプションは,ジョブには指定できません。ルートジョブネットで-pオプションと同時に指定し,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,変更前の次回実行予定は取り消されます。-pオプションを指定しないで,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,実行予定の追加になります。

なお,ネストジョブネットの場合は,-pオプションの指定の有無に関係なく,実行予定日時の変更だけになります。

-iオプションと同時に指定した場合,指定したジョブネット中のジョブネットの次回実行開始日時も相対的に変更されます。

このオプションを省略して-dオプションを指定した場合,一時変更の操作対象となる世代のジョブネットに実行予定があるときは,その実行予定時刻(時:分)が仮定されます。

実行予定がないときは,エラーになります。

なお,JP1/AJS3 - Viewからもジョブネットの実行開始日時を一時的に変更できます。JP1/AJS3 - Viewでの操作方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 9.3.1 ジョブネットの実行開始日時を変更する」を参照してください。

-p

ジョブネットやジョブの次回実行予定を取り消します。

次回実行予定をすでに一時変更している場合は,-uオプションで変更前の状態に戻したあと,このコマンドを実行してください。

ルートジョブネットでこのオプションを,-d,-t,-b,-cまたは-qオプションと同時に指定し,次回スケジュールを前倒しに変更した場合,次回実行予定は取り消されます。

なお,ネストジョブネットの場合,このオプションを,-d,-t,-b,-cまたは-qオプションと同時に指定しても有効にはなりません。

-b

一時的に変更する実行開始日を,一時変更の操作対象となる世代の実行予定日からの相対日で指定します。

実行予定がないときは,エラーになります。

指定できる値は,-99~99(単位:日)です。ただし,0は指定できません。

このオプションを省略して-cオプションを指定した場合,相対日として0日が仮定されます。

このオプションは,ジョブには指定できません。ルートジョブネットで-pオプションと同時に指定し,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,変更前の次回実行予定は取り消されます。-pオプションを指定しないで,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,実行予定の追加になります。

なお,ネストジョブネットの場合は,-pオプションの指定の有無に関係なく,実行予定日時の変更だけになります。

-iオプションと同時に指定した場合,指定したジョブネット中のジョブネットの次回実行開始日時も相対的に変更されます。

-c

一時的に変更する実行開始時刻を,一時変更の操作対象となる世代の実行予定時刻からの相対分で指定します。

実行予定がないときは,エラーになります。

指定できる値は,-2,879~2,879(単位:分)です。ただし,0は指定できません。

このオプションは,ジョブには指定できません。ルートジョブネットで-pオプションと同時に指定し,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,変更前の次回実行予定は取り消されます。-pオプションを指定しないで,次回のスケジュールを前倒しに変更した場合,実行予定の追加になります。

なお,ネストジョブネットの場合は,-pオプションの指定の有無に関係なく,実行予定日時の変更だけになります。

-iオプションと同時に指定した場合,指定したジョブネット中のジョブネットの次回実行開始日時も相対的に変更されます。

-q

ジョブネットの次回実行予定を,ルートジョブネットのスケジュール定義に関係なく,コマンドを投入した時点での日時で即時実行します。ただし,このオプションをネストジョブネットに指定した場合,ルートジョブネットの実行日の基準時刻に変更します。

ルートジョブネットで-pオプションと同時に指定した場合,変更前の次回実行予定は取り消されます。-pオプションを同時に指定しないで次回のスケジュールを前倒しに変更した場合は,実行予定の追加になります。また,-pオプションを指定した場合や-pオプションを同時に指定しないで次回のスケジュールを先送りに変更した場合は,実行予定の移動になります。

なお,ネストジョブネットの場合は,-pオプションの指定の有無に関係なく,実行予定日時の変更だけになります。

-iオプションと同時に指定した場合,指定したジョブネット中のジョブネットの次回実行開始日時も相対的に変更されます。

なお,JP1/AJS3 - Viewからも実行予定があるジョブネットを即時実行できます。JP1/AJS3 - Viewでの操作の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 9.4 実行予定があるジョブネットをすぐに実行する」を参照してください。

-w

ジョブネットの実行が終了したあと,コマンドを終了します。

このオプションは,ルートジョブネットを即時実行登録する場合にだけ指定してください。保留したり,計画一時変更したりする場合には,指定できません。

このオプションを指定しても,ジョブネットの実行終了を待たずにコマンドが終了する場合を次に示します。

このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。-qオプションと同時に指定します。-m,-kオプションと同時には指定できません。

-i

指定したジョブネット中のジョブネットに対して,実行開始日時を相対的に変更します。

このオプションは,ジョブネットだけに指定できます。-d,-t,-b,-c,または-qオプションと同時に指定してください。

-u

-d,-t,-b,-c,-pオプションで一時的に変更したスケジュールを,変更前の情報に戻します。

一時変更を複数実行した場合,最初の変更の前の情報に戻されます。

-h

ジョブネットやジョブの,次回の実行を一時的に保留します。

-r

ジョブネットやジョブの保留を一時的に解除します。

-n {優先順位の値|none}

ジョブネットの実行優先順位を一時的に変更します。

このオプションはジョブには指定できません。

-s {none|:|M分|U分|C分}

次回の開始遅延時刻を指定します。

ジョブネットだけに指定できます。

-e {none|:|M分|U分|C分}

次回の終了遅延時刻を指定します。

このオプションはジョブには指定できません。

-f {none|}

次回のジョブネットまたはリモートジョブネットの実行所要時間による終了遅延監視時間を指定します。

このオプションはジョブには指定できません。

-B 実行登録番号

次回実行予定を一時変更するジョブネットの実行登録番号を「YYYYMMDDNNN」の形式で指定します。「YYYYMMDDNNN」の内容を次に示します。

YYYY:実行予定年

MM:実行予定月

DD:実行予定日

NNN:実行予定年月日の実行登録順序番号

実行登録番号の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.13 コマンド実行時の世代の指定方法」を参照してください。

-j

ジョブネットに設定された起動条件を無効にします。

このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。-m,-kオプションと同時には指定できません。

-m {:|M分|unlimited}

起動条件の成立待ち時間を指定します。

このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。-kオプションと同時に指定してください。-w,-jオプションと同時には指定できません。

-k {回数|unlimited}

起動条件の成立待ち回数を指定します。

このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。-mオプションと同時に指定してください。-w,-jオプションと同時には指定できません。

-l {y|n}

ルートジョブネットまたはプランニンググループのユニット定義で,実行順序制御をすると設定している場合だけ,実行順序制御方式を一時的に変更します。

このオプションは,ジョブネットコネクタの接続先のジョブネットおよび接続先のプランニンググループだけに指定できます。

-xw {enable|disable}

ジョブおよびジョブネットに待ち合わせ条件を設定している場合に,待ち合わせ条件を一時的に有効または無効にします。

このオプションは,待ち合わせ条件付きユニットにだけ指定できます。

待ち合わせ条件を変更する待ち合わせ対象ユニットは,-xnオプションで指定します。-xnオプションと同時に指定してください。

データベース構成が標準構成のときだけ使用できます。

このオプションは複数指定できません。複数の待ち合わせ条件付きユニットを操作したい場合は,このコマンドを複数回実行してください。

このオプションは,-R,-E,-T,-N,-J,-B,-X,-F以外のオプションとは同時に指定できません。

-xn 待ち合わせ対象ユニット名

-xwオプションで待ち合わせ条件の有効/無効を変更する待ち合わせ対象ユニット名を指定します。ユニット名だけを指定しても,環境変数AJSPATHの値は補完されません。

-xwオプションと同時に指定してください。

データベース構成が標準構成のときだけ使用できます。

待ち合わせ対象ユニット名に指定できる文字数は,1~930(単位:バイト)です。正規表現で指定できます。

このオプションは複数指定できません。複数の待ち合わせ対象ユニットを操作したい場合は,このコマンドを複数回実行するか,待ち合わせ対象ユニット名を正規表現で指定してください。待ち合わせ対象ユニット名を正規表現で指定した場合,合致するすべての待ち合わせ対象ユニットの待ち合わせ条件の有効/無効を変更します。

このオプションは,-R,-E,-T,-N,-J,-B,-X,-F以外のオプションとは同時に指定できません。

なお,次の場合はエラーになります。

-R

指定したユニットに含まれるすべてのジョブネット,およびジョブを一時的に変更します。

このオプションを,-E,-T,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従って,ジョブネット,またはジョブを一時的に変更します。

-E

実行登録済みのジョブネットのスケジュールを一時的に変更します。

-T

ルートジョブネットのスケジュールを一時的に変更します。

-N

ジョブネットのスケジュールを一時的に変更します。

-Jオプションと同時には指定できません。

-J

ジョブの状態を一時的に変更します。

-Nオプションと同時には指定できません。

-X {yes|no|auto}

プランニンググループの下にあるユニットの中から,現在運用中のユニットを自動的に選択して操作するかどうかを指定します。ただし,ジョブグループの下にあるユニットに対しては,どの値を指定しても自動的に選択しません。また,ルートジョブネット名も省略できません。

ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名

スケジュールや状態を一時変更するジョブ名,ジョブネット名,または-R,-N,-E,-Tオプションと同時にジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1~930(単位:バイト)です。

ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名は,複数指定できます。なお,マネージャージョブグループ名とマネージャージョブネット名は指定できません。

ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名に,論理ホスト名および実行IDを指定できます。ただし,実行IDを指定した場合,-Bオプションは無効になります。実行IDの指定方法については,「1.1 コマンドの記述形式」を参照してください。

注意事項

戻り値

0正常終了。
4~124で4の倍数値異常終了。

補足事項

-Xオプションにyesが指定されている場合
コマンドに指定するユニット名は,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定します。
プランニンググループの下にあるルートジョブネットの中から現在運用中のユニットを自動的に選択して操作します。
(例)ユニット名に「/net1」を指定する。

ajsplan  -h -X yes /net1

解説
この場合,「/net1/net1-1」と「/net1/net1-2」の二つの中から,現在運用中のユニットを自動的に選択して操作します。
また,プランニンググループの下のルートジョブネットより下のユニットの場合は,ルートジョブネットより下のパス名が同じユニットの中から現在運用中のユニットを選択して操作します。
(例)ユニット名に「/net1/job1」を指定する。

ajsplan  -h -X yes /net1/job1

解説
この場合,「/net1/net1-1/job1」と「/net1/net1-2/job1」の二つの中から,現在運用中のユニットを自動的に選択して操作します。
-Xオプションにnoが指定されている場合
プランニンググループの下のユニット名を指定する場合,ルートジョブネット名を省略しないで指定します。
(例)ユニット名に「/net1/net1-1/job1」を指定する。

ajsplan  -h -X no /net1/net1-1/job1

解説
この場合,指定したユニット「/net1/net1-1/job1」に対して操作します。
-Xオプションにautoが指定されている場合
ユニット名の指定方法に従って,自動的に選択して操作するかしないかを決定します。
  • 自動的に選択して操作する場合
    指定方法は,-Xオプションにyesを指定した場合と同じです。ただし,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定したパス名のユニットが見つからない場合は,ルートジョブネット名を省略しないで指定したものとして扱われ,指定したユニットに対して操作します。
(例1)ユニット名に「/net1」を指定する。

ajsplan  -h -X auto /net1

解説
この場合,ユニット名が省略されたものとして処理されるため,「/net1/net1-1」と「/net1/net1-2」の二つの中から,現在運用中のユニットを一つ自動的に選択して操作します。
(例2)ユニット名に「/net1/net1-2」を指定する。

ajsplan  -X auto /net1/net1-2

解説
この場合,ユニット名が省略されたものとして処理されるため,「/net1/net1-1/net1-2」と「/net1/net1-2/net1-2」の二つの中から,現在運用中のユニットを一つ自動的に選択して操作します。
「/net1/net1-2」に対して操作したい場合は,次のどちらかを指定します。
  • -Xオプションにnoを指定する。
  • 環境変数AJSAUTOJUDGEにNOを指定し,-Xオプションを指定しない。

  • 自動的に選択して操作しない場合
    指定方法は,-Xオプションにnoを指定した場合と同じです。ただし,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定したパス名と,同じ名称のユニットがある場合,省略したものとして扱われ,操作するユニットを自動選択します。
(例)ユニット名に「/net1/net1-1」を指定する。

ajsplan  -X auto /net1/net1-1

解説
この場合,ユニット名が省略されたものとして処理しようとしますが,プランニンググループ下のルートジョブネット名を省略したユニット名に,該当するユニットがないため,「/net1/net1-1」に対して操作します。
-Xオプションを指定しなかった場合
環境変数AJSAUTOJUDGEの指定値に従って,プランニンググループの下にあるユニットの操作対象を決定します。
  • 環境変数AJSAUTOJUDGEにYESが設定されている
    指定方法は,-Xオプションにyesを指定した場合と同じです。
  • 環境変数AJSAUTOJUDGEにNOが設定されている
    指定方法は,-Xオプションにnoを指定した場合と同じです。
  • 環境変数AJSAUTOJUDGEにAUTOが設定されているまたは環境変数AJSAUTOJUDGEの設定なし
    指定方法は,-Xオプションにautoを指定した場合と同じです。

使用例1

ジョブネット(net1)の開始時刻を17:00に一時変更します。

ajsplan -t 17:00 net1

使用例2

待ち合わせ条件付きユニットのjob1(/RootJobNet1/job1)に設定している,待ち合わせ対象ユニットjob2(/RootJobNet2/job2)との待ち合わせを,一時的に無効にします。

ajsplan -xw disable -xn /RootJobNet2/job2 /RootJobNet1/job1

なお,job1(/RootJobNet1/job1)の待ち合わせ条件をすべて無効にする場合は,次のように指定します。

ajsplan -xw disable -xn * /RootJobNet1/job1