JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1
形式
ajsbackup [-F サービス名] [-b 退避情報ディレクトリ名] [-R] [-E|-L] [-T] [{-G|-N|-J}] [{-i|-e|-f}] [{-m|-a}] -n 退避ボックス名 ユニット名...
機能
ユニットを退避ファイルの形式に変換し,退避ボックスに格納します。
このコマンドを実行すると,一つの退避ファイルが指定した退避ボックスに作成されます。退避ファイル名には,0001~1024の未使用の値が,値の小さい方から順次設定されます。
環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFによって,上位ジョブネットのスケジュールに依存する指定があり,かつスケジュールルールを持つネストジョブネットのユニット定義情報を出力する場合に,次のどちらかの出力方法を指定できます。
- スケジュールルールを有効にし,上位ジョブネットのスケジュールに依存しない。
- スケジュールルールを削除し,上位ジョブネットのスケジュールに依存する。
環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.2 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー
- JP1_AJS_Admin権限
- JP1_AJS_Manager権限
- JP1_AJS_Editor権限
- JP1_AJS_Operator権限
- JP1_AJS_Guest権限
このコマンドは,Administrators権限(Windowsの場合),またはスーパーユーザー権限(UNIXの場合)を持つユーザーが使用することを推奨します。
引数
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1~30(単位:バイト)です。
-b 退避情報ディレクトリ名
環境設定時に指定した退避情報ディレクトリ※と異なるディレクトリを使用する場合に,ディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1~255(単位:バイト)です。
省略した場合,環境設定時に指定した退避情報ディレクトリ名※が仮定されます。
- 注※
- 環境設定パラメーターAJSBKUROOTに指定したディレクトリ名。
-R
指定したジョブグループ,またはジョブネットに含まれるすべてのユニットを階層ごとに繰り返して退避します(詳細については,後述の「補足事項」を参照してください)。
このオプションは,-Tオプションと同時に指定することを推奨します。-Tオプションと同時に指定すると,ユニットを階層単位でまとめて退避できるため,退避情報全体のサイズを抑えられます。また,-E,-L,-G,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従ってユニットを退避します。
-E
実行登録済みのジョブネットに含まれるジョブネットおよびジョブを退避します。
このオプションを,-T,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従ってユニットを退避します。
-L
実行登録していないジョブネットに含まれるジョブネットとジョブを退避します。
このオプションを,-T,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従ってユニットを退避します。なお,-Gオプションと同時には指定できません。
-T
ルートジョブネットおよびリカバリージョブネットを退避します。
このオプションを-Lオプションと同時に指定した場合,-Lオプションの指定内容に従ってユニットを退避します。なお,-G,-Jオプションと同時には指定できません。
-G
ジョブグループを退避します。
このオプションは,-L,-Tオプションと同時には指定できません。
-N
ジョブネットおよびリカバリージョブネットを退避します。
このオプションを-Lオプションと同時に指定した場合,-Lオプションの指定内容に従ってユニットを退避します。
-J
ジョブ(リカバリージョブ,QUEUEジョブ,リカバリーQUEUEジョブ,ORジョブ,イベントジョブなど)を退避します。
このオプションは,-Tオプションと同時には指定できません。
-i
退避先に,これから退避するユニットと同一名称のユニットがある場合,メッセージおよび了解を求めるプロンプトを表示します。
-e
退避先に,これから退避するユニットと同一名称のユニットがある場合,エラーとします(情報は更新されません)。
-f
退避先に,これから退避するユニットと同一名称のユニットがある場合でも,強制的に退避します(情報は更新されます)。
-m
退避ボックスを新規に作成したあと,ユニットを退避します。
退避ボックスがすでに作成されている場合,コマンドは異常終了します。
-a
退避ボックスに退避ファイルを追加します。
退避ボックスが作成されていない場合,コマンドは異常終了します。
-n 退避ボックス名
退避ボックス名を指定します。
指定できる文字数は,1~50(単位:バイト)です。
退避ボックスの名称は,OSのファイルシステムに依存します。OSがWindowsの場合,退避ボックス名の大文字・小文字は区別されません。OSがUNIXの場合,退避ボックス名の大文字・小文字は区別されます。
ユニット名
退避するユニット名を指定します。
指定できる文字数は,1~930(単位:バイト)です。
ユニット名は複数指定できます。-R,-E,-L,-T,-G,-N,-Jオプションと同時に指定すると,各オプションの指定内容に従ってユニットを退避します。
なお,ユニット名に,論理ホスト名および実行IDは指定できません。
注意事項
- ユニットを退避できるのは,退避するすべてのユニットに参照権限を与えられ,さらに退避ボックスに更新権限を与えられたユーザーだけです。ただし,Administrators権限(Windowsの場合),またはスーパーユーザー権限(UNIXの場合)を持つユーザーは,ユニットを退避できます。
- 一つの退避ボックスに作成できる退避ファイルは,最大1,024個です。1,025個以上は作成できません。
- 操作対象がリリース登録したルートジョブネット(リリース先ジョブネット)の場合は,「適用中」状態のジョブネット定義が退避されます。ただし,退避されるユニット定義情報にリリース情報は含まれません。
- このコマンドは,シナリオユニットを退避しません。シナリオユニットを含む定義を退避する場合,シナリオユニット以外の一般ユニットを退避し,標準エラー出力にメッセージKAVS0112-Eを出力します。この場合,コマンドの戻り値は0以外を返します。コマンドの戻り値を判定している場合は注意してください。
戻り値
0 正常終了。 4~124で4の倍数値 異常終了。
ユニットを階層ごとに繰り返して退避する場合について,例を挙げて説明します。
- (例)
- 下記構成のジョブグループ(group1)を-Rオプションを指定して退避する場合,(A)~(H)の単位で別々の退避ファイルに格納されます。
使用例
ジョブグループ(/資材部/出庫管理)に含まれるすべてのユニットを,新規に作成する退避ボックス(BOX1)に退避します。
ajsbackup -RTmn BOX1 /資材部/出庫管理
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi Solutions, Ltd.