13.5.2 オブジェクトが取得する状態

業務スコープおよびAJS3ユニット監視オブジェクトが取得する状態について説明します。

<この項の構成>
(1) AJS3ユニット監視オブジェクトの状態
(2) 業務スコープの状態
(3) JP1/AJS3 Console Agent上での操作と状態取得の関係

(1) AJS3ユニット監視オブジェクトの状態

AJS3ユニット監視オブジェクトの状態として表示される状態について次に示します。

(a) 取得する状態一覧

JP1/AJS3 Console ManagerおよびJP1/AJS3 Console Agentが通知するAJS3ユニット監視オブジェクトの状態と,アイコン表示色のデフォルト値を次の表に示します。

表13-3 AJS3ユニット監視オブジェクトの状態と表示色のデフォルト

項番状態名表示色のデフォルト
1未登録指定なし
2開始時刻待ち空色
3保留予定※1黄色
4保留中黄色
5未計画灰色
6実行中
7警告検出実行中
8異常検出実行中
9正常終了薄い緑
10警告検出終了薄い赤
11異常検出終了薄い赤
12中断薄い赤
13強制終了薄い赤
14順序不正薄い赤
15繰り越し未実行灰色
16閉塞茶色
17監視中
18起動条件待ち空色
19監視未起動終了灰色
20監視正常終了薄い緑
21監視打ち切り終了薄い赤
22監視中断薄い緑
23状態未取得※2指定なし
24状態認識不能※3灰色
25状態不明※4
注※1
保留予定の色が表示されるのは,[監視プロパティ]ダイアログボックスで[保留予定]を[表示する]にしているときだけです。また色だけの表示であり,状態名としては表示されません。
注※2
JP1/AJS3 Console Agentからまだ状態が通知されていない状態を示します。
注※3
JP1/AJS3 Console Manager,およびJP1/AJS3 Console Viewが監視対象のジョブネットの状態を認識できない状態を示します。
注※4
次のうち,該当する状態になった場合に示します。
  • 監視対象のジョブネットがルートジョブネットでない。
  • 監視対象ホスト名が不正なため接続できない。
  • 監視対象のジョブネットがない。
  • 監視対象のジョブネットに対して参照権限がない。
  • 監視対象のジョブネットの上位ユニットに対するアクセス権限がない。
  • 監視対象のスケジューラーサービスがメンテナンス中のため状態を取得できない。
  • 監視対象ホストから認証サーバに接続できない。
  • JP1/AJS3 Console Agentが起動されていないため状態を取得できない。
  • JP1/AJS3 Console ManagerからJP1/AJS3 Console Agentに接続できない。
  • JP1/AJS3 Console Agent上で状態取得できない問題が発生した。

なお,「状態不明」となった場合は,[詳細情報-[AJS3ユニット監視オブジェクト]]ダイアログボックスでその要因を確認できます。

(b) 遅延状態

JP1/AJS3 Consoleでは,AJS3ユニット監視オブジェクトの遅延状態についても監視できます。AJS3ユニット監視オブジェクトの遅延状態は,上記の表「AJS3ユニット監視オブジェクトの状態と表示色」に示した状態名に続けて括弧書きで表示されます(例:「実行中(開始遅延)」)。

AJS3ユニット監視オブジェクトの遅延状態を次に示します。

(2) 業務スコープの状態

業務スコープの状態として表示される状態について次に示します。

(a) 取得する状態と優先順位

JP1/AJS3 Console Managerが通知する業務スコープの状態と,アイコン表示色のデフォルト値は,AJS3ユニット監視オブジェクトのものと同じです。ただし,業務スコープは保留予定の状態色を表示しません。業務スコープ配下にオブジェクトがない場合は,業務スコープの状態は「状態未取得」になります。

また,下位の業務スコープ・AJS3ユニット監視オブジェクトのうち最も優先度の高い状態が表示されます。次に状態の優先順位を示します。

表13-4 業務スコープの状態の優先順位

優先順位状態
1状態不明
2閉塞
3異常検出実行中
4異常検出終了
5強制終了
6中断
7順序不正
8警告検出実行中
9警告検出終了
10保留中
11実行中
12起動条件待ち
13監視中
14開始時刻待ち
15繰り返し未実行
16監視未起動終了
17監視打ち切り終了
18監視中断
19正常終了
20監視正常終了
21未計画
22未登録
23状態認識不能
24状態未取得

(b) 遅延状態の優先順位

JP1/AJS3 Consoleでは,業務スコープの遅延状態についても監視できます。業務スコープの遅延状態はAJS3ユニット監視オブジェクトと同じです。

また,下位の業務スコープ・AJS3ユニット監視オブジェクトのうち最も優先度の高い遅延状態が表示されます。次に遅延状態の優先順位を示します。なお,業務スコープ配下にユニットがない場合は,「遅延なし」になります。

表13-5 業務スコープの遅延状態の優先順位

優先順位状態
1終了遅延
2ネスト終了遅延
3開始遅延
4ネスト開始遅延
5遅延なし

(c) 業務スコープの状態表示例

業務スコープの状態表示例を次に示します。

図13-12 業務スコープの状態表示例

[図データ]

業務スコープでは,下位の業務スコープやAJS3ユニット監視オブジェクトの状態をマージし,優先順位に従って上位の業務スコープで状態表示します。

注意事項
  • 状態取得時に認証サーバへの接続に失敗した場合,権限チェックが必要で,かつ状態取得の完了していない監視オブジェクトの状態は「状態不明」になり,[詳細情報-[AJS3ユニット監視オブジェクト]]ダイアログボックスの[情報]にメッセージ「KAVS1005-E 認証サーバに接続できません」が表示されます。
  • 権限チェックの必要な監視オブジェクトがある場合,監視間隔ごとに認証サーバへの接続が試みられます。認証サーバの停止などが原因で認証サーバに接続できない場合,認証サーバへの接続要求がタイムアウトするまでに時間が掛かるため,状態取得が完了するまでに時間が掛かることがあります。

(3) JP1/AJS3 Console Agent上での操作と状態取得の関係

JP1/AJS3 Console Agent上での操作と状態取得の関係について次に示します。