2.2 ジョブ実行環境のトラブルへの対処

ジョブ実行環境に関するトラブルの対処方法を次に示します。

<この節の構成>
(1) 既存のエージェントホストで障害が発生した,または構成定義を変更できるエージェントホストが遠隔地にある

(1) 既存のエージェントホストで障害が発生した,または構成定義を変更できるエージェントホストが遠隔地にある

ajsatgaddコマンドで,新しい実行エージェントを作成してください。QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用する場合は,jpqimportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境の構成を定義して,jpqagtaddコマンドやjpqqueopenコマンドなどで,新しいエージェントを使用できるようにしてください。

また,セットアップ時に,環境設定パラメーターAutoCreateに「1」を設定した場合,ジョブのサブミット時に代替の実行エージェントまたはエージェントが自動的に追加され,追加された実行エージェントまたはエージェントでジョブを実行することもできます。

エージェントの自動定義の設定は,エージェントホストの障害などの緊急時を事前に想定して,システム管理者がセットアップ時に実施してください。エージェントの自動定義の設定を有効にしてジョブを実行するときは,JP1_JPQ_User権限だけでなく,JP1_JPQ_Admin権限を持つJP1ユーザーで実施してください。また,次の場合にエラーが発生するおそれがあるので,事前に確認してください。

次に示す手順に従ってエージェントの自動定義を設定し,ジョブを実行してください。

  1. 環境設定パラメーターAutoCreateを設定する。
    環境設定パラメーターAutoCreateを,次のように設定します。
    "AutoCreate"=dword:1
    エージェントホストに障害が発生した場合に,次の手順を実施してください。
  2. ジョブを実行する。
    JP1/AJS3 - Viewの場合(Windowsの場合)
    ジョブの[詳細定義]ダイアログボックスの[実行エージェント]に自動定義したいエージェントホスト名を指定したあと,実行登録します。
    jpqjobsubコマンドの場合
    -ahオプションに,自動定義したいエージェントホスト名を指定してコマンドを実行します。
注意事項
  • 実行エージェントはジョブの実行登録時に追加されます。そのため,ジョブの実行開始に失敗した場合でも,実行エージェントは追加された状態になっています。削除したい場合は,ajsagtdelコマンドで削除してください。
  • エージェントはジョブのサブミット時に追加されます。そのため,ジョブの実行開始に失敗した場合でも,エージェントは追加された状態になっています。削除したい場合は,jpqagtdelコマンドで削除してください。
  • JP1/AJS3の運用中にエージェントの自動定義の設定を有効にした場合,JP1/AJS3を再起動する必要があります。
補足事項
自動的に追加された実行エージェントの設定値またはエージェントのデフォルトキューの設定値は,セットアップ時のデフォルトと同じ値です。設定値のデフォルトを次の表に示します。

表2-1 追加された実行エージェントの設定項目とデフォルト

実行エージェントの設定項目設定値のデフォルト
実行ホスト名実行エージェント名と同じ
ジョブ実行多重度00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度は5)
ジョブの配信状態有効
説明文なし
実行エージェントの設定値は,ajsagtaltコマンドで変更できます。
コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsagtalt」を参照してください。

表2-2 追加されたエージェントおよびエージェントのデフォルトキューの設定項目とデフォルト

デフォルトキューの設定項目設定値のデフォルト
ジョブ実行多重度を変更する期間と実行多重度00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度は5)
ジョブ数の最大値100
ジョブ数の警告値80
ジョブの受付口の状態open
ジョブの取出口の状態open
接続するエージェント自エージェントホスト
エージェントの優先順位1
追加されたエージェントおよびエージェントのデフォルトキューの設定値は,次のコマンドで変更できます。
  • jpqagtalt
  • jpqquealt
  • jpqqueopen
  • jpqqueclose
  • jpqagtlink
  • jpqagtunlink
コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド」を参照してください。