2.10 メールシステム連携のトラブルへの対処(Windows限定)
Windowsで実行するメールシステム連携に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) プロファイルの作成方法がわからない
- (2) プロファイルが正しく作成できない
- (3) メール送信ジョブが実行中のままでメールの送受信ができない
- (4) メール送信ジョブ・メール受信監視ジョブが異常終了する
- (5) 送信したメールが送信済トレイに入らず送信トレイに入ったままになる,またはメールサーバ上に到着しているはずのメールが受信トレイに入らない
- (6) その他のトラブルが起こったときの対処方法
(1) プロファイルの作成方法がわからない
Windowsの[スタート]メニューから[設定]-[コントロールパネル]を実行し,[メール]アイコンを選択してください。Outlookのプロファイルを作成するためのダイアログボックス※が表示されるので,必要な設定をしてください。
- 注※
- 表示されるダイアログボックスは,プロファイルの作成状況によって異なります。
- プロファイルが作成されている場合
- [デフォルトのプロファイルとして設定されているプロファイル名のプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
- [サービス]タブの[プロファイルの表示]ボタンをクリックすると,[メール]ダイアログボックスが表示されます。[全般]タブの[追加]をクリックすると,プロファイルの作成を開始できます。
- プロファイルが作成されていない場合
- [メール]ダイアログボックスが表示されます。
- [全般]タブの[追加]ボタンをクリックすると,プロファイルの作成を開始できます。
- なお,[インターネット アカウント]ダイアログボックスではプロファイルを正しく作成できません。詳細については,「(2) プロファイルが正しく作成できない」を参照してください。
また,プロファイル作成時に指定するプロファイル名がほかのプロファイル名と重複しないようにしてください。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2.2.4 メールシステム連携のための環境設定をする」を参照してください。
(2) プロファイルが正しく作成できない
[インターネット アカウント]ダイアログボックスを使ってプロファイルを作成しているおそれがあります。そのため,Outlook 2003,Outlook 2007,または32ビット版のOutlook 2010がインストールされていることを確認してください。
(3) メール送信ジョブが実行中のままでメールの送受信ができない
メールシステム連携機能は,Outlook単体でメールの送受信ができる状態になっていることを動作の前提としています。メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブが意図どおりに動作しない場合は,まず次に示す手順でメールの送受信が正常に動作するかどうかを確認してください。
なお,プロファイルの作成・変更を行った場合は,そのプロファイルを使ってOutlookを起動しておかないと,メールシステム連携機能を使用できない場合があります。
- Outlookが起動できることを確認する。
- Outlookがシステムの規定の電子メールプログラムとして設定されているかどうかを確認する。
設定方法の詳細については,Outlookのヘルプを参照してください。設定していない状態でメール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブを実行した場合,Outlookによって「Microsoft Outlookを起動して,規定のメールクライアントに設定してください」というダイアログボックスが表示され,メールの送信およびメールの受信監視ができません。
- Outlookでメールが送受信できることを確認する。
JP1/AJS3が起動していない状態で,Outlook単体でメールの送信および受信がどちらも正常に動作することを確認してください。メールの送受信の動作を確認する際は,次の条件をJP1/AJS3で使用するメールシステム連携機能と合わせてください。
- 使用するマシン
- 使用するプロファイル
- 送信するメールの宛先
- 受信するメールの差出人,件名,本文
- Outlookからメールシステムへのログオンアカウント
なお,メール送信ジョブだけを実行する場合,またはメール受信監視ジョブだけを実行する場合でも,同様にメールの送信および受信がどちらも正常に動作することを確認してください。
また,Outlookをオフラインで使用している場合は,Outlookのファイルメニューで,Outlookをオフラインからオンラインで使用するように設定を切り替えてください。Outlookをオフラインで使用している場合,Outlookとメールサーバとの間で接続がされていない状態となります。
- Outlook起動時およびメールの送受信時に,次のような応答を求めるダイアログボックスが表示されないことを確認する。
- サーバ名,ユーザー名,パスワードを問い合わせるダイアログボックス
- その他,ボタンクリックなどの応答を求めて待ちとなるダイアログボックス
これらのダイアログボックスが表示される環境では,メールシステム連携による自動運用はできません。ダイアログボックスが表示される場合は,プロファイルの設定を見直して,ダイアログボックスが表示されないようにしてください。
- Outlook 2007およびOutlook 2003の場合は,起動後のOutlookのウィンドウにツールバーが表示されていることを確認する。また,ツールバー上に[送受信]ボタンが表示されていることを確認する。
Outlook 2007およびOutlook 2003でツールバーが表示されていない場合,およびツールバー上に[送受信]ボタンが表示されていない場合は,メールシステム連携機能が正しく動作しません。
なお,32ビット版のOutlook 2010ではツールバーの表示がないため,ツールバーを確認する必要はありません。
Outlookが単体で正常に動作しない場合は,プロファイルの設定内容およびメールサーバとの接続状態などを見直してください。
Outlookが正常に動作する場合は,次に示す内容を確認して対処してください。
- 次の三つのプロファイルの名称が同じであることを確認してください。全角・半角,大文字・小文字は区別されるため注意してください。
- 実際に作成したプロファイルの名称
- 環境設定パラメーターProfileName1~ProfileName4に設定したプロファイルの名称
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2.2.4 メールシステム連携のための環境設定をする」を参照してください。
- メール送信ジョブやメール受信監視ジョブに指定したプロファイルの名称
- メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用している場合は,JP1/AJS3メール監視プロセスが起動していることを確認してください。メールシステム連携機能をサービス上で使用している場合は,JP1/AJS3 Mailサービスが起動していることを確認してください。
- メールシステム連携をサービスで使用する場合,JP1/AJS3 Mailサービスのアカウントとして,システムアカウントではなく,プロファイル作成時にWindowsにログインしていたユーザーのアカウントを設定していることを確認してください。JP1/AJS3 Mailサービスはシステムアカウントでは動作しません。
- メールシステム連携機能で使用する環境設定パラメーターに設定した内容を変更した場合は,JP1/AJS3サービスを再起動してください。また,メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用している場合は,JP1/AJS3メール監視プロセスを再起動してください。メールシステム連携機能をサービス上で使用している場合は,JP1/AJS3 Mailサービスを再起動してください。
(4) メール送信ジョブ・メール受信監視ジョブが異常終了する
エラーメッセージの後ろにメールシステムのエラーコードが「MAPI CODE=xxxxxxxx」の形式で出力されている場合には,次に示す表からエラーの原因を調査し,対処してください。
表2-12 メールシステムのエラーコードと内容
MAPI CODE | 意味 |
---|
8004010D | ディスク容量が不足しています。 |
8004010E | リソースが不足しています。 |
80040111 | ログオンに失敗しました。 |
80040115 | ネットワーク障害が発生しています。 |
80040116 | ディスク入出力エラーが発生しました。 |
80040124 | メールアカウントが無効です。 |
8004010F | 送信先アドレスがありません。 |
80040607 | 送信先アドレスがありません。 |
80040700 | 送信先アドレスがあいまいです。 |
(5) 送信したメールが送信済トレイに入らず送信トレイに入ったままになる,またはメールサーバ上に到着しているはずのメールが受信トレイに入らない
次に示す内容について確認してください。
- メールサーバとの間のネットワークに問題がないかを確認してください。
- Outlookでメールの送受信ができることを確認してください。
(6) その他のトラブルが起こったときの対処方法
次に示す内容について確認してください。
- 前提となっているバージョンのOutlookを使用しているか確認してください。詳細については,「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2.2.1(1) 連携できるメールシステム」を参照してください。また,Outlookのバージョン情報のハードコピーを採取して確認してください。
- Outlook 2010を使用している場合,64ビット版のOutlook 2010を使用していないか確認してください。