1.4.1 Windowsの場合

<この項の構成>
(1) 資料採取ツールを実行する
(2) ダンプファイルを採取する
(3) プロセスの状態を確認する
(4) オペレーション内容を確認する
(5) 画面上のエラー情報を採取する
(6) 組み込みDBの情報を採取する

(1) 資料採取ツールを実行する

資料採取ツールの実行手順および採取される資料について説明します。

(a) 資料採取ツールの実行手順

資料採取ツールを実行します。資料採取ツールのセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 7. ログ情報の採取」を参照してください。

資料採取ツールの実行例を次に示します。

c:¥>c:¥usertools¥_04.bat

資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog」下の次のフォルダに出力されます。これらのフォルダをバックアップしてください。

物理ホストの場合
  1. JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_1st
    第一報用資料が出力されます。
  2. JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_2nd
    第二報用資料が出力されます。
  3. JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_3rd
    その他の資料が出力されます。
論理ホストの場合
  1. 論理ホスト名¥論理ホスト名_1st
    第一報用資料が出力されます。
  2. 論理ホスト名¥論理ホスト名_2nd
    第二報用資料が出力されます。
  3. 論理ホスト名¥論理ホスト名_3rd
    その他の資料が出力されます。

資料採取ツールは,クラスタ運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。次に資料採取ツールの文法について説明します。

形式

_04.bat
    [-h 論理ホスト名]
    [-s]
    [-t]
    [-u]
    [-e]
    [-b]

機能
JP1/AJS3の各種ログ,OS情報などの保守情報を取得します。
実行権限
Administrators権限
引数
-h 論理ホスト名
処理対象とする,論理ホスト名を指定します。
指定した論理ホストのほかに物理ホストの資料も採取します。
省略した場合,物理ホストのログを採取します。
-s
JP1/AJS3で使用しているデータベースの情報,およびJP1/AJS3 Consoleで使用しているデータベースの情報を採取しないときに指定します。
省略した場合,データベースの情報を採取します。
-t
hosts,servicesファイルを取得しないときに指定します。
-u
ユーザーダンプを取得しないときに指定します。
Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合は取得できません。
-e
組み込みDBの詳細情報を採取しないときに指定します。
組み込みDBの詳細情報とは,第二報用資料のembdbinfoフォルダに出力される資料のことです。
省略した場合は,組み込みDBの詳細情報を採取します。
指定がなければ採取の要否は自動で判断されるため,組み込みDB詳細情報の採取の要否がわからない場合は指定を省略してください。
組み込みDBの詳細情報の採取を抑止したい場合だけ指定してください。
-b
JP1/Baseの詳細情報を採取しないときに指定します。
JP1/Baseの詳細情報とは,第二報用資料のJP1BASE_INFOフォルダに出力される資料のことです。
省略した場合は,JP1/Baseの詳細情報を採取します。
指定がなければ採取の要否は自動で判断されるため,JP1/Baseの詳細情報の採取の要否がわからない場合は指定を省略してください。
JP1/Baseの詳細情報の採取を抑止したい場合だけ指定してください。
出力先のディスク容量が足りない場合は,-bオプションを指定して資料採取ツールを実行してから,jbs_logコマンドを実行してJP1/Baseの詳細情報を採取してください。jbs_logコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
注意事項
  1. JP1/AJS3のサービスの起動中に,-sオプションを省略して実行した場合,ジョブが異常終了するおそれがあるため,ISAMデータベースの情報は採取しません。
  2. クラスタ構成の論理ホストの資料を採取する場合,論理ホストが動作しているホスト上で実行してください。
  3. 採取した資料はこのツールでは圧縮しません。別途圧縮ツールなどで圧縮してください。
  4. バッチファイルの実行結果を出力したファイルが作成済みの場合,情報の上書きを確認するメッセージが出力されるので,上書きする場合は「y」を,中止する場合は「n」を応答してください。
  5. バッチファイル実行時に,「JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentのインストール先フォルダ¥sys」フォルダ中のファイルに対して「共有違反です」というエラーメッセージが表示されることがありますが,問題はありません。
  6. 資料採取ツールの実行が終了した直後に,採取した資料を移動,削除などの操作を行うと「プロセスはファイルにアクセスできません。別のプロセスが使用中です。」のメッセージが出力される場合があります。これは,資料採取ツールの実行が終了しても,内部的にOSの情報を採取するためのプロセスが実行中のために出力されます。このメッセージが出力された場合は,しばらく待ってから採取した資料を操作してください。
  7. Outlookを使用している場合,資料採取ツールを実行すると,次に示すメッセージボックスが表示される場合があります。
    プログラムが,Outlook内に保存されている電子メールアドレスにアクセスしようとしています。よろしいですか?
    これは,資料採取ツール内で実行するマシン構成情報採取プログラム(msinfo32)の動作によるものです。資料採取ツールおよびOutlookの動作には問題ありません。
    資料採取ツールでは,電子メールアドレスは採取されません。メッセージボックスの[いいえ]ボタンをクリックしてください。
  8. Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaで資料採取ツールを実行する場合,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。
    Administrators権限がない状態で資料採取ツールを実行した場合,Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaでは資料採取ツール実行中にUAC機能による確認ダイアログボックスが何度も表示されます。
    UAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
  9. 資料採取ツールは多重実行しないでください。
戻り値
0正常終了。
0以外の値異常終了。
出力先
%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog
出力先は,資料採取ツールのセットアップで変更できます。
メッセージ
メッセージ説明動作
Finished. Press any key.処理が正常に終了しました。何かキーを押してください。ユーザーの応答を待ちます。
Failed. Press any key.処理が正常に終了しませんでした。何かキーを押してください。
出力されたOSのメッセージなどを参照し,エラー要因を取り除いたあとに再度実行してください。
ユーザーの応答を待ちます。
File ファイル名 is exist. Delete to continue? (y/n)前回実行したときに作成されたファイルが存在します。削除して処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。ユーザーの応答を待ちます。
Directory ディレクトリ名 is exist. Delete to continue? (y/n)前回実行したときに作成されたディレクトリが存在します。削除して処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。ユーザーの応答を待ちます。
Error exist in option.オプションの指定に誤りがあります。正しいオプションを指定して再度実行してください。処理を終了します。
The following logical hosts exist, other than the specified logical host. : 論理ホスト名-hオプションに指定した論理ホストのほかに,論理ホスト環境があります。必要に応じて再度実行してください。このあと,メッセージ「Finished. Press any key.」を出力します。
The collection of detailed information on EmbedDB _JF* begins.組み込みDBの詳細情報の採取を開始します。処理を継続します。
The collection of detailed information on EmbedDB_JF* ended.組み込みDBの詳細情報の採取を終了します。処理を継続します。
The collection of detailed information on JP1/Base begins.JP1/Baseの詳細情報の採取を開始します。処理を継続します。
The collection of detailed information on JP1/Base ended.JP1/Baseの詳細情報の採取を終了します。処理を継続します。
The collection of Event Log in text format begins.テキスト形式でイベントログの採取を開始します。処理を継続します。
The collection of Event Log in text format ended.テキスト形式でイベントログの採取を終了します。処理を継続します。
注※
「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとに詳細情報を採取します。

使用例1
物理ホストの資料を採取します。

_04.bat

使用例2
JP1/AJS3のサービスを起動したまま,物理ホストの資料を採取します。

_04.bat -s

使用例3
論理ホスト(cluster)の資料を採取します。

_04.bat -h cluster

(b) 資料採取ツールで採取される資料

資料採取ツール(_04.bat)では次の資料を採取できます。

物理ホストの場合
  • 第一報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_1st)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    ¥FILELIST.txtJP1/AJS3のインストール先フォルダ以下のファイルリスト
    ¥GETERROR.log資料採取ツール(_04.bat)が出力するログ
    ¥HOSTShostsファイル
    ¥servicesservicesファイル
    1. ¥JP1AJS2.DAT
    2. ¥JP1AJS2C.DAT
    3. ¥JP1AJS2CONSOLE.DAT
    4. ¥JP1AJS2DA.DAT
    5. ¥JP1AJS2SE.DAT
    6. ¥JP1AJS2V.DAT
    7. ¥JP1AJS2WOA.DAT
    8. ¥JP1BASE.DAT
    各製品のレジストリ情報
    ¥REGDATA.DATJP1レジストリ情報
    ¥WIN.DATWindowsレジストリ情報
    ¥jpomanevshow.txtjpomanevshow.exeの実行結果
    ¥ajsqlstatus.txtajsqlstatus.exeの実行結果
    ¥ajsagtshow.txtajsagtshow.exeの実行結果
    ¥jajs_status.txtjajs_status.exeの実行結果
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_stat.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t agent -sオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_def.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t agent -pオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_stat.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t unit -sオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_def.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t unit -pオプション)
    ¥OSINFO.txtOSバージョン,Windowsの環境変数情報,IPコンフィギュレーション情報,Network構成情報,統計情報
    ¥PERMISSIONINFO.TXTJP1/AJS3のフォルダのアクセス権限情報
    ¥WINMSD.TXTmsinfo32コマンドで採取する,システムの概要,実行中のタスク,サービスの情報などの情報
    Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合は,msinfo32コマンドで採取するすべてのシステム情報
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥conf¥JP1AJS2(Windows Server 2008の場合)
    2. ¥conf¥JP1AJS2(Windows Server 2003の場合)
    3. ¥conf¥jp1ajs2cm
    4. ¥conf¥JP1AJS2DA
    5. ¥conf¥JP1AJS2V(Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合)
    6. ¥ALLUSERSPROFILE¥conf¥JP1AJS2V(Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合)
    7. ¥conf¥JP1AJS2WOA
    環境設定ファイル格納フォルダ
    ¥drwtsn¥Windows2003¥drwtsn32.log(Windows Server 2003の場合)ワトソンログ※2
    ¥EMBDB¥_JF*※3¥conf組み込みDB定義ファイル
    ¥EMBDB¥_JF*※3¥spool組み込みDB障害調査ファイル
    ¥EMBDB¥_JF*※3¥etcその他調査に必要な組み込みDB情報
    ¥HNTRLib2¥spool統合トレースログ
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥JP1AJS2(Windows Server 2008の場合)
    2. ¥JP1AJS2(Windows Server 2003の場合)
    3. ¥JP1AJS2C
    4. ¥jp1ajs2cm
    5. ¥JP1AJS2DA(Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合)
    6. ¥ALLUSERSPROFILE¥JP1AJS2DA(Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合)
    7. ¥JP1AJS2HC
    8. ¥JP1AJS2V(Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合)
    9. ¥ALLUSERSPROFILE¥JP1AJS2V(Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合)
    10. ¥JP1BASE
    ログファイル格納フォルダ
    1. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2¥PATCHLOG.txt
    2. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2C¥PATCHLOG.txt
    3. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2console¥PATCHLOG.txt
    4. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2DA¥PATCHLOG.txt
    5. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2V¥PATCHLOG.txt
    6. ¥PATCHLOG¥JP1JAJS2WOA¥PATCHLOG.txt
    パッチログファイル
    ¥resource¥JP1AJS2Vリソースファイル格納フォルダ
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥sys¥JP1AJS2(Windows Server 2008の場合)
    2. ¥sys¥JP1AJS2(Windows Server 2003の場合)
    3. ¥sys¥JP1AJS2WOA
    4. ¥sys¥JP1AJS2V(Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合)
    5. ¥ALLUSERSPROFILE¥sys¥JP1AJS2V(Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合)
    システムファイル格納フォルダ
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥tmp¥JP1AJS2DA(Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合)
    2. ¥tmp¥JP1AJS2DA(Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合)
    実行用一時ファイル格納フォルダ
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥tmp¥schedule¥pd*.trc(Windows Server 2008の場合)
    2. ¥tmp¥schedule¥pd*.trc(Windows Server 2003の場合)
    組み込みDBトレースログ
    ¥user_aclユーザーマッピング・認証設定ファイル格納フォルダ
    ¥jp1common_ajs2※4製品情報ファイル格納フォルダ
    注※1
    対象ホストにあるすべてのスケジューラーサービスの情報を取得します。
    注※2
    Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaでは取得できません。
    注※3
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
    注※4
    IPF版にはありません。

 
  • 第二報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_2nd)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    ¥ADD追加取得フォルダ
    1. ¥cmdatabase
    2. ¥database
    3. ¥embdatabase¥_JF*※1
    データベース格納フォルダ
    1. ¥eventlog¥AppEvent(Backup).evt
    2. ¥eventlog¥AppEvent(Backup).txt
    アプリケーションイベントログ
    1. ¥eventlog¥SysEvent(Backup).evt
    2. ¥eventlog¥SysEvent(Backup).txt
    システムイベントログ
    1. ¥SHMDUMP¥coreinfo-ISAM.shmdump
    2. ¥SHMDUMP¥coreinfo-Scheduler.shmdump
    3. ¥SHMDUMP¥ProgMon.shmdump
    4. ¥SHMDUMP¥coreinfo-host.shmdump
    5. ¥SHMDUMP¥coreinfo-hostprof.shmdump
    共有メモリー情報
    1. ¥USERDUMP¥*.dmp
    2. ¥WTSNDUMP¥*.dmp
    ユーザーダンプ※2
    ¥embdbinfo¥_JF*※1組み込みDB詳細情報
    ¥JP1BASE_INFO※3,※4JP1/Base詳細情報
    注※1
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
    注※2
    Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合,資料採取ツールでは取得できません。
    注※3
    JP1/Baseの詳細情報については,物理ホスト,論理ホストの資料に関係なく,物理ホストの第二報用資料として作成されます。
    注※4
    Windows Server 2003(IPF)の場合は取得できません。

 
  • 第三報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥JP1_DEFAULT¥JP1_DEFAULT_3rd)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    1. ¥ALLUSERSPROFILE¥jobinf(Windows Server 2008の場合)
    2. ¥jobinf(Windows Server 2003の場合)
    ジョブ情報格納フォルダ
 
論理ホストの場合
  • 第一報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥論理ホスト名¥論理ホスト名_1st)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    ¥jpomanevshow.txtjpomanevshow.exeの実行結果
    ¥ajsqlstatus.txtajsqlstatus.exeの実行結果
    ¥ajsagtshow.txtajsagtshow.exeの実行結果
    ¥jajs_status.txtjajs_status.exeの実行結果
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_stat.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t agent -sオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_def.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t agent -pオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_stat.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t unit -sオプション)
    ¥ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_def.txt※1ajsprofstatus.exeの実行結果(-t unit -pオプション)
    ¥JP1AJS2_LOGICALログファイル格納フォルダ
    ¥JP1BASEJP1/Baseのログファイル格納フォルダ
    ¥EMBDB¥_JF*※2¥conf組み込みDB定義ファイル
    ¥EMBDB¥_JF*※2¥spool組み込みDB障害調査ファイル
    ¥EMBDB¥_JF*※2¥etcその他調査に必要な組み込みDB情報
    ¥sys¥JP1AJS2システムフォルダ
    ¥tmp¥schedule¥pd*.trc組み込みDBトレースログ
    ¥user_aclユーザーマッピング・認証設定ファイル格納フォルダ
    注※1
    対象ホストにあるすべてのスケジューラーサービスの情報を取得します。
    注※2
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。

 
  • 第二報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥論理ホスト名¥論理ホスト名_2nd)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    1. ¥cmdatabase
    2. ¥database
    3. ¥embdatabase¥_JF*
    データベース格納フォルダ
    ¥SHMDUMP¥ProgMon.shmdump処理状態監視の共有メモリー情報
    ¥SHMDUMP¥coreinfo-host.shmdumpシステム管理機能の共有メモリー情報
    ¥SHMDUMP¥coreinfo-hostprof.shmdump_論理ホスト名運用プロファイルの共有メモリー情報
    ¥embdbinfo¥_JF*組み込みDB詳細情報
    注※
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとのフォルダが作成されます。
     

  • 第三報用資料(%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog¥論理ホスト名¥論理ホスト名_3rd)
    採取された資料のフォルダ名・ファイル名内容
    ¥jobinfジョブ情報格納フォルダ

(2) ダンプファイルを採取する

トラブル発生時には,メモリーダンプおよびクラッシュダンプを採取する必要があります。メモリーダンプおよびクラッシュダンプの採取方法は,OSによって異なります。

●Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合

WindowsでSTOPエラーが発生すると,メモリーダンプが出力されます。このダンプファイルを採取してください。ただし,トラブル発生時にメモリーダンプが出力されるには設定が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 7.1(3) ダンプファイルの出力設定手順」を参照してください。設定することによって,指定したパスにメモリーダンプが出力されます。

また,トラブル発生時にはクラッシュダンプが出力されます。ただし,Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合,ワトソンログは生成されないため,クラッシュダンプは資料採取ツールでは採取できません。クラッシュダンプに相当する情報は,ユーザーダンプおよび問題レポートを採取することで取得できます。ユーザーダンプおよび問題レポートは次の方法で採取してください。

ユーザーダンプを採取する
JP1/AJS3のプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合は,エラーダイアログボックスが表示されている状態で次の操作を行ってください。
注意事項
エラーダイアログボックスを消すとダンプを正しく取得できないため,ユーザーダンプを採取できなくなります。ダンプの取得前に誤ってエラーダイアログボックスを消した([OK]ボタンをクリックするなど)場合は,現象を再現させてエラーダイアログボックスが表示されている状態で操作してください。
  1. タスクマネージャを起動する。
    タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。
    ・タスクバーの空いている場所を右クリックして[タスクマネージャ]を選択する。
    ・[CTRL]+[SHIFT]+[ESC]キーを押してタスクマネージャを起動する。
  2. [タスクマネージャ]ダイアログボックスの[プロセス]タブをクリックする。
  3. アプリケーションエラーで停止したJP1/AJS3のプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの作成]を選択する。
  4. ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。
問題レポートを採取する
ホスト上の問題点を検出し,それぞれの問題に対する解決策を調査できます。JP1/AJS3のプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
  1. Windowsの[ファイル名を指定して実行]でテキストボックスに「wercon」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    [問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが表示されます。
  2. 左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
    問題の履歴が一覧で表示されます。
  3. 該当する問題をダブルクリックする。
    問題レポートの詳細が表示されます。
  4. [クリップボードにコピー]を選択する。
  5. テキストエディターなどにコピーし,保存する。
    テキストファイルに保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。

●Windows Server 2003およびWindows XP Professionalの場合

WindowsでSTOPエラーが発生すると,メモリーダンプが出力されます。このダンプファイルを採取してください。

また,トラブル発生時には,クラッシュダンプが出力されます。このダンプファイルは資料採取ツールで採取できます。

トラブル発生時にメモリーダンプおよびクラッシュダンプが出力されるようにするには,それぞれ設定が必要です。ダンプファイルを採取するための設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 7.1(3) ダンプファイルの出力設定手順」を参照してください。設定することによって,指定したパスにこれらのダンプファイルが出力されます。

(3) プロセスの状態を確認する

Windowsの[タスクマネージャ]ウィンドウの[プロセス]タブで,プロセスの動作状態を確認してください。

JP1/AJS3のプロセスの情報については,「付録B.2 プロセス一覧(Windowsの場合)」を参照してください。

(4) オペレーション内容を確認する

トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。

  1. オペレーション内容の詳細
  2. トラブル発生時刻
  3. マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentの構成,JP1/AJS3 Console ManagerとJP1/AJS3 Console Agentの構成など)
    Windows Server 2003の場合,マシン構成は[システム情報管理ツール]を使って調査できます。
  4. 再現性の有無
  5. JP1/AJS3 - ViewまたはJP1/AJS3 Console Viewからログインしている場合は,ログインユーザー名

(5) 画面上のエラー情報を採取する

次に示すハードコピーを採取してください。

  1. アプリケーションエラーが発生した場合は,操作画面のハードコピー
  2. エラーメッセージダイアログボックスのハードコピー
    詳細ボタンがある場合はその内容をコピーしてください。
  3. コマンド実行時にトラブルが発生した場合は,[コマンドプロンプト]ウィンドウのハードコピー
    [コマンドプロンプト]ウィンドウのハードコピーを採取する際は,[コントロールパネル]の[コンソール]で,[コマンドプロンプト]ウィンドウについて次のように設定しておいてください。
    [オプション]タブ
    [簡易編集モード]がチェックされた状態にする。
    [レイアウト]タブ
    [画面バッファのサイズ]の[高さ]に「500」を設定する。

(6) 組み込みDBの情報を採取する

組み込みDB使用時にエラーが発生した場合,次に示す情報が必要です。

それぞれの情報を採取する方法について説明します。

(a) 原因を調査するために必要な情報

原因を調査するために必要な資料は,大別すると,OSの情報と組み込みDBの情報に分かれます。OSの情報はOSのコマンドなどで採取します。組み込みDBの情報は組み込みDBのコマンドなどで採取します。

問題解決支援のサポートサービスを利用する場合,原因調査に必要な情報と取得方法をトラブルの形態ごとに次の表に示します。優先順位が最も高い場合を1として,7段階で示しています。

各トラブル形態の詳細は,次のとおりです。

  1. 性能
    次の処理および操作の所要時間が長い場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  2. 無応答
    次の処理および操作時に応答が返らない場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  3. 異常終了
    次のうち,どれか一つ以上発生した場合
    • 組み込みDBシステムの異常終了
    • 組み込みDBプロセスの異常終了
    • 組み込みDB操作コマンドの異常終了

 

表1-16 障害の原因調査のために必要な情報と取得方法

項番区分取得する情報取得方法性能無応答異常終了
1OSWindowsイベントログOSの機能(コマンド)で取得します。111
2CPU利用率およびデバイス状況パフォーマンスモニタで取得します。343
3組み込みDB組み込みDB障害情報次のフォルダ下にあるファイルをDATなどに取得してください。
  • 組み込みDB運用ディレクトリ¥spool
  • 組み込みDB運用ディレクトリ¥tmp
上記のフォルダ下にはエラーログファイル,コマンドログファイル,リモート系コマンド情報ファイル,および系切り替え機能情報ファイルが出力されます。
222
4
エラーログファイル
組み込みDB運用ディレクトリ¥spool¥errlog下のファイルに出力されます。
222
5
コマンドログファイル
組み込みDB運用ディレクトリ¥spool¥cmdlog下のファイルに出力されます。
222
6
リモート系コマンド情報ファイル
組み込みDB運用ディレクトリ¥spool¥pdrshs1およびpdrshs2に出力されます。
222
7
系切り替え機能情報ファイル
組み込みDB運用ディレクトリ¥spool¥pdshs1およびpdshs2に出力されます。
222
8仕様差吸収ライブラリーエラー情報ファイル組み込みDB運用ディレクトリ¥UXPLDIR¥SPOOL¥uxpllog1およびuxpllog2に出力されます。222
9組み込みDBシステム定義の情報組み込みDB運用ディレクトリ¥conf下のファイルをDATなどに取得してください。454
10SQLトレースファイルおよびエラーログファイル出力されたファイルをDATなどに取得してください。ファイル名はpderrまたはpdsqlで始まっています。65
11システムログファイルajsembdboplogコマンドでシステムログをアンロードします。アンロードログファイルをDATなどに取得してください。676
(凡例)
-:情報を取得する必要はありません。
リダイレクトで追加書きするファイルはファイル容量が単調増加するため,ディスク容量を圧迫します。したがって,ファイルを切り替えて一定世代で再使用するbatファイルを作成してください。

(b) 組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報

組み込みDBの運用中にトラブルが発生した場合,再現テストや原因究明のためにトラブルが発生した環境を作成する必要があるときがあります。そのため,次に示す,組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報を採取してください。

組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報を採取する手順を次に示します。

  1. 組み込みDBを起動する。
  2. ajsembdbrorgコマンドに-k unldオプションを指定して実行する。
  3. 組み込みDB運用ディレクトリの下にあるconfを任意のフォルダに退避する。
  4. 組み込みDBに関連する環境変数を収録する。

ajsembdbrorgコマンドの操作の説明や詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 10.2.2 データベースを再編成する場合」を参照してください。