2.1 セットアップ,サービスの起動,またはJP1/AJS3の動作に関するトラブルへの対処
セットアップ,サービスの起動,またはJP1/AJS3の動作に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) JP1/AJS3のセットアップが正常に終了しない
- (2) JP1/AJS3のサービスが起動しない
- (3) JP1/AJS3のサービスの起動に時間が掛かる
- (4) JP1/AJS3が正常に動作しない
(1) JP1/AJS3のセットアップが正常に終了しない
次の要因が考えられます。
- メッセージ「KAVU5921-E 環境設定が不正かもしくは論理ホスト名が不正です」が出力される場合
JP1/Baseをセットアップしていないか,またはクラスタ運用のためのセットアップで指定した論理ホスト名が不適切であるおそれがあります。
セットアップ手順を確認し,再セットアップしてください。クラスタ運用のためのセットアップでは,jpqimportコマンドに-mhオプションとともに論理ホスト名を必ず指定してください。
- メッセージ「KAVU5950-E 同じ識別子またはオブジェクト名が指定されています(行番号)」が出力される場合
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)中のエージェント定義($agent),キュー定義($queue),排他実行リソース定義($res)が不適切であるおそれがあります。
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイルの定義内容を確認してください。そのあと,JP1/AJS3を再セットアップしてください。
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイルの格納場所は次のとおりです。
- Windowsの場合
- JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥conf¥jpqsetup.conf
- UNIXの場合
- /etc/opt/jp1ajs2/conf/jpqsetup.conf
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイルの定義内容については,次の点を確認してください。
- 「$agent $an(nはエージェントID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 「def_queue $qn(nはデフォルトキューのID)」と「$queue $qn(nはキューID)」に同じIDを定義していないこと。
- 「$queue $qn(nはキューID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 「$res $rn(nは排他実行リソースID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 同じ名称のエージェントを複数定義していないこと。
- 同じ名称のキューを複数定義していないこと。
- 同じ名称の排他実行リソースを複数定義していないこと。
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)の定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqimport」を参照してください。
(2) JP1/AJS3のサービスが起動しない
次の要因が考えられます。
- 統合トレースログに,メッセージ「KAVU5285-E データベーステーブルがないかシステム資源が不足しています(要因個所)」が出力される場合
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合に,QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースが正しく作成されていないおそれがあります。jpqimportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースを作成または再作成してください。データベースの作成または再作成の流れについては,「2.12(2) QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースの再作成手順」を参照してください。
- 統合トレースログに,メッセージ「KAVU5284-E システム資源が不足しています(要因個所)」が出力される場合
JP1/AJS3の運用に必要なシステム資源(セマフォなど)が不足しているおそれがあります。
システム資源の見積もりを確認してください。そのあと,JP1/AJS3を再起動してください。
- メモリー不足の状況でJP1/AJS3サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」がログに出力される場合があります。その場合は,メモリーの見積もりを見直してください。また,ほかの不要なアプリケーションが起動されている場合はアプリケーションを停止したあと,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
- JP1/AJS3サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」が統合トレースログに出力される場合があります。その場合は,JP1/AJS3サービスの初期化に失敗しているおそれがあります。統合トレースログで直前に出力されているメッセージを参照し,要因を取り除いたあとで,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
- JP1/AJS3サービスが異常終了したあとでサービスを再起動すると,「KAVU1103-I 同じ論理ホスト(論理ホスト名)上でプロセス監視モニターが起動中です」,または「KAVU4111-E 同じ論理ホスト(論理ホスト名)上でキューイング制御もしくはjpqimportコマンドが起動中です」が統合トレースログに出力される場合があります。JP1/AJS3サービスが異常終了したときにJP1/AJS3のプロセスが停止できないで残っているおそれがあります。この場合は次に示す方法で,JP1/AJS3のプロセスを強制終了したあと,JP1/AJS3サービスを再起動してください。
- Windowsの場合
- jajs_spmd_statusコマンドで確認してプロセス名称で「submitqueue」,「queuea」,または「queuem」が停止しない状態の場合は,システムを再起動してください。
- UNIXの場合
- jajs_spmd_statusコマンドで確認してjpqmonプロセスが停止しない状態の場合は,次に示すコマンドでjpqagtプロセスを強制終了してください。
- # ps -ef | grep jpqagt
- # kill -KILL 前述のpsコマンドで出力されたjpqagtのプロセスID
- また,jajs_spmd_statusコマンドで確認してjpqman_hstプロセスまたはjpqmanプロセスが停止しない状態の場合は,次に示すコマンドでjpqman_hstプロセス,またはjpqmanプロセスを強制終了してください。
- # kill -KILL jajs_spmd_statusコマンドで出力されたjpqman_hst,またはjpqmanのプロセスID
(3) JP1/AJS3のサービスの起動に時間が掛かる
JP1/AJS3は,起動時に,認証サーバに対して初期化処理を要求します。その際,認証サーバが起動していなくてもJP1/AJS3は起動しますが,起動に時間が掛かります。
このような現象を回避する場合,認証サーバが起動したあとに,JP1/AJS3を起動してください。
(4) JP1/AJS3が正常に動作しない
次の内容について確認してください。
- JP1/AJS3を,スタンバイ状態,レジューム状態,サスペンド状態などのプログラムが停止する状態にしていないことを確認してください。
- システムの日時を変更した場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 8.9.3 システムの日時を変更する」に記載されている手順に従って変更していることを確認してください。