2.12 ISAMファイルが不正になった場合の対処

ISAMファイルが不正になった場合の,ISAMファイルの状態を確認および再作成する方法について説明します。

JP1/AJS3のQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境データベースのISAMファイルが不正になると,キューを使用するジョブの起動に失敗するなどの問題が発生します。その場合,「(2) QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースの再作成手順」を実施してください。

<この節の構成>
(1) ISAMファイルの状態確認手順
(2) QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースの再作成手順

(1) ISAMファイルの状態確認手順

ここでは,ISAMファイルの状態を確認する手順を示します。

不正な状態になっている場合はISAMファイルを再作成してください。

  1. JP1/AJS3サービスを停止する。
  2. Jischkコマンドを実行し,ISAMファイルが不正な状態になっていないかを確認する。
    Windowsホストの場合
    Jischk -l 3 ジョブ実行環境のデータベース格納ディレクトリ名¥JPQ*
     
    注意事項
    ジョブ実行環境のデータベース格納ディレクトリ名は,環境設定パラメーターDatabasePathに設定しているものを指定してください。
    デフォルトは次のとおりです。
     
    ・Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
    %ALLUSERSPROFILE%¥Hitachi¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥database¥queue
    「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥ProgramData」です。
    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。
     ・「システムドライブ¥Windows」配下
     ・「システムドライブ¥Program Files」配下
     ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
     
    ・Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外の場合
    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥database¥queue
    UNIXホストの場合
    /opt/jp1base/bin/Jischk -l 3 /var/opt/jp1ajs2/database/queue/JPQ*
     
    注意事項
    論理ホストの場合は「共有ディレクトリ名/jp1ajs2/database/queue/JPQ*」です。
  3. 出力されたメッセージを確認する。
    次のメッセージが出力された場合,ISAMファイルが不正な状態です。
    • KAIU013-E キー定義ファイルの不正を検出しました。
    • KAIU014-E キーファイルの不正を検出しました。
    • KAIU015-E データファイルの不正を検出しました。

Jischkコマンドおよび出力メッセージの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(2) QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベースの再作成手順

QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境で使用するデータベースの再作成手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3サービスが停止していることを確認する。
  2. jpqexportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境の定義情報を退避する。
    Windowsの場合
    jpqexport [-mh 論理ホスト名] -dt isam -co jpqsetup.conf
    UNIXの場合
    /opt/jp1ajs2/bin/jpqexport [-mh 論理ホスト名] -dt isam -co jpqsetup.conf
    ファイル名は任意ですが,管理のためjpqsetup.confを使用することを推奨します。
    注※
    「-mh 論理ホスト名」は使用環境に応じて指定してください。
    なお,ISAMファイルの破壊状況によっては,jpqexportコマンドによるアクセスもエラーになる場合があります。QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)のバックアップがある場合はこれを使用してください。バックアップがない場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqimport」に記載されているQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイルを作成してください。
  3. QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境のデータベース格納ディレクトリ配下のファイルと一時ファイルを削除する。
    Windowsの場合
    del QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリ¥*※1
    del QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境マネージャープロセス実行時のワークディレクトリ¥M_JPQ*※2
     
    注※1
    QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリは,[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Database]の環境設定パラメーターDatabasePathに指定したフォルダです。
    デフォルトは,次のとおりです。
    ・Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
    物理ホストのとき:
    「%ALLUSERSPROFILE%¥Hitachi¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥database¥queue」
    論理ホストのとき:
    共有フォルダ¥jp1ajs2¥database¥queue」
     
    「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥ProgramData」です。
    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。
     ・「システムドライブ¥Windows」配下
     ・「システムドライブ¥Program Files」配下
     ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
     
    ・Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外の場合
    物理ホストのとき:
    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥database¥queue」
    論理ホストのとき:
    共有フォルダ¥jp1ajs2¥database¥queue」
     
    注※2
    QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境マネージャープロセス実行時のワークディレクトリは,[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Process]の環境設定パラメーターWorkPathに指定したフォルダです。
    デフォルトは,次のとおりです。
    物理ホストの場合:
    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥tmp」
    論理ホストの場合:
    共有フォルダ¥jp1ajs2¥tmp」
    UNIXの場合
    rm QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリ/*※1
    rm QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境マネージャープロセス実行時のワークディレクトリ/M_JPQ*※2
     
    注※1
    QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリは,[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Database]の環境設定パラメーターDatabasePathに指定したディレクトリです。
    デフォルトは,次のとおりです。
    物理ホストの場合:
    「/var/opt/jp1ajs2/database/queue」
    論理ホストの場合:
    共有ディレクトリ/jp1ajs2/database/queue」
     
    注※2
    QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境マネージャープロセス実行時のワークディレクトリは,[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Process]の環境設定パラメーターWorkPathに指定したディレクトリです。
    デフォルトは,次のとおりです。
    物理ホストの場合:
    「/var/opt/jp1ajs2/tmp」
    論理ホストの場合:
    共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp」
  4. jpqimportコマンドで,手順2で退避したファイルをQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境の定義情報としてISAMファイルを再作成する。
    Windowsの場合
    jpqimport [-mh 論理ホスト名] -dt isam -ci jpqsetup.conf
    UNIXの場合
    /opt/jp1ajs2/bin/jpqimport [-mh 論理ホスト名] -dt isam -ci jpqsetup.conf
    注※
    「-mh 論理ホスト名」は使用環境に応じて指定してください。
  5. jpqimportコマンド実行時に出力されるメッセージを確認して,ISAMファイルの再作成に成功しているかどうか確認する。
    jpqimportコマンドが正常に終了していないと,JP1/AJS3サービスが起動できません。
    なお,不明な場合は,再度手順2のjpqexportコマンドで定義情報を出力し,再作成前に出力した定義情報とエージェント定義およびキュー定義について差異がないかを確認してください。
  6. JP1/AJS3サービスを再起動する。

jpqexport,jpqimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 2. セットアップコマンド」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド」を参照してください。

jbsgetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。