登録予定情報のエクスポート・インポート機能を使用したジョブネットの実行登録状態のバックアップとリカバリーの概要を次に示します。
図4-2 登録予定情報のエクスポート・インポート機能を使用した実行登録状態のバックアップとリカバリー
ajsprintコマンドとajsdefineコマンドを使用してユニット定義情報をバックアップ・リカバリーするのに対し,ajsrgexportコマンドとajsrgimportコマンドでは,ジョブネットの登録予定情報をエクスポートし,その情報をインポートすることで,ジョブネットの実行登録状態をバックアップ・リカバリーします。
JP1/AJS3のシステムに障害などが発生した場合,これらの機能を使用することで運用再開までの作業を大幅に短縮できます。
(1) 登録予定情報のエクスポート(ajsrgexportコマンド)
ajsrgexportコマンドでは,ジョブネットの実行登録状態(実行登録時に指定したマクロ変数やタイムゾーンなどの情報を含む)をテキスト形式のファイルにエクスポートします。このジョブネットの実行登録状態や登録時に指定した条件などの情報を登録予定情報と呼びます。また,登録予定情報をエクスポートしたファイルを登録予定情報ファイルと呼びます。ajsrgexportコマンドの詳細についてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsrgexport」を,登録予定情報ファイルについてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 4.6 登録予定情報ファイル」を参照してください。
エクスポートの対象は,「計画実行」または「確定実行」で実行登録されている次のルートジョブネットです。「即時実行」で実行登録されているジョブネットを指定した場合は,登録予定情報をエクスポートしません。
計画実行登録したジョブネットの場合は,直近の実行予定をエクスポートします。確定実行登録したジョブネットの場合は,直近の実行予定以降の作成済み予定をエクスポートします。どちらの場合も,実行結果および擬似予定はエクスポートしません。擬似予定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.4.2(1) スケジュールシミュレーション」を参照してください。
図4-3 エクスポートされる実行予定
なお,確定実行登録の場合は,計画一時変更している予定もエクスポートします。ただし,インポート先で計画一時変更分の予定を変更解除することはできません。計画実行登録の場合は,計画一時変更分の予定をエクスポートしないため,インポートしたあとに計画一時変更をし直す必要があります。
(2) 登録予定情報のインポート(ajsrgimportコマンド)
ajsrgexportコマンドでエクスポートした登録予定情報ファイルをインポートし,エクスポート時と同一の実行登録状態にします。ajsrgimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsrgimport」を参照してください。
計画実行登録されていたジョブネットの場合は,インポート後にジョブネットのスケジュールルールに基づいて再計算されます。一方,確定実行登録されていたジョブネットの場合は,エクスポートした登録予定情報ファイルの内容に基づき,ajsrgimportコマンドの実行日以降の実行予定をインポートします。
図4-4 インポートされる実行予定
インポート対象のルートジョブグループ配下は,エクスポート元とインポート先とで同一のユニット構成である必要があります。
次のような場合はインポートできません。