5.2 ジョブネットの実行時間を監視する
JP1/AJS3がインストールされているホストの実行状況などで,ジョブネットが指定した時間に開始,または終了しない場合があります。あるジョブネットが遅延すると,そのジョブネットのあとに実行するように関連づけられているジョブネットにも影響を与え,業務全体の実行に影響を与えてしまうおそれがあります。
そのため,JP1/AJS3の正常な運用を監視するためには,次に示す項目を監視しておく必要があります。
- ジョブネット自体の実行時間の監視
- 開始遅延および終了遅延の監視
実行時間や遅延の監視は,次の表に示す方法で実施できます。
表5-2 実行時間や遅延の監視方法
監視の種類 | 監視方法 |
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画面(JP1/AJS3 - View) | 次に示すウィンドウで監視します。
- [JP1/AJS3 - View]ウィンドウ(サマリー監視画面)
- [ジョブネットモニタ]ウィンドウ(定義ウィンドウ形式)
- [マンスリースケジュール]ウィンドウ(カレンダー形式)
- [デイリースケジュール]ウィンドウ(チャート形式)
遅延の状態を示す色は,デフォルトでは次のようになっています。次に示す色が表示されていないか監視してください。 開始遅延:桃色 開始遅延(実行中):濃い桃色 終了遅延:橙色 終了遅延(実行中):濃い橙色 |
画面(JP1/AJS3 Console) | JP1/AJS3 Consoleを使用すると,特定のジョブネットの実行結果を画面で確認できます。 |
コマンド | - ajsshowコマンド
- 実行登録済みのジョブネットまたはジョブの,前回までの実行結果,現在の状態,および次回の実行予定などの情報を標準出力ファイルに出力します。
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ログ | JP1/AJS3のスケジューラーログファイル中に,開始遅延したか,または終了遅延したか,などの情報が出力されます。ログファイルをテキストエディターなどで確認します。ログファイルのデフォルトの格納場所を次に示します。
- スケジューラーサービス単位でログファイルを出力している場合
- Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下のとき
- 「%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log¥schedule¥スケジューラーサービス名¥ajs-log1.log」
- 「%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log¥schedule¥スケジューラーサービス名¥ajs-log2.log」
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- 「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥ProgramData」です。
- 「システムで保護されたフォルダ」とは,次のフォルダを指します。
- ・「システムドライブ¥Windows」配下
- ・「システムドライブ¥Program Files」配下
- ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
- Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外のとき
- 「JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥log¥schedule¥スケジューラーサービス名¥ajs-log1.log」
- 「JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥log¥schedule¥スケジューラーサービス名¥ajs-log2.log」
- UNIXのとき
- 「/var/opt/jp1ajs2/log/schedule/スケジューラーサービス名/ajs-log1.log」
- 「/var/opt/jp1ajs2/log/schedule/スケジューラーサービス名/ajs-log2.log」
- ホスト単位でログファイルを出力している場合
- Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下のとき
- 「%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log¥ajs-host-log1.log」
- 「%ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log¥ajs-host-log2.log」
-
- 「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥ProgramData」です。
- 「システムで保護されたフォルダ」とは,次のフォルダを指します。
- ・「システムドライブ¥Windows」配下
- ・「システムドライブ¥Program Files」配下
- ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
- Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外のとき
- 「JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥log¥ajs-host-log1.log」
- 「JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥log¥ajs-host-log2.log」
- UNIXのとき
- 「/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log」
- 「/var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.log」
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Windowsイベントログまたはsyslog | 環境設定パラメーターNETSYSLOGおよびJOBSYSLOGを設定している場合,Windowsイベントログまたはsyslogに,ジョブネットが開始遅延または終了遅延したか,ジョブが終了遅延したかなどの情報が出力されます。 開始遅延および終了遅延のイベントID(ファシリティ)とメッセージIDを次に示します。
- 開始遅延イベント
- イベントID:30275
- ファシリティ:LOG_DAEMON
- メッセージID:KAVS0275-I
- 終了遅延イベント
- イベントID:30276
- ファシリティ:LOG_DAEMON
- メッセージID:KAVS0276-I
- イベントID:30248
- ファシリティ:LOG_DAEMON
- メッセージID:KAVS0248-I
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JP1イベント | JP1イベント受信監視ジョブを定義してスケジューリングしている場合,決まった日時や期間で自動的に監視できます。 開始遅延および終了遅延のJP1イベントのイベントIDを次に示します。
- 開始遅延イベント
- JP1イベントのイベントID:00004122
- 終了遅延イベント
- JP1イベントのイベントID:00004123,00004127
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画面の表示項目や操作手順の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」を参照してください。
ajsshowコマンドのオプションの詳細や出力例については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsshow」を参照してください。
スケジューラーログの出力形式については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 付録C ログ情報」を参照してください。
JP1イベントについては,「付録A JP1/AJS3が発行するJP1イベント」を参照してください。