2.2.2 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップ

JP1/AJS3 - Managerをバックアップする場合は,JP1/Baseも同時にバックアップしてください。

JP1/AJS3 - Managerの設定情報をバックアップする場合に,必要な作業を次に示します。

次に,JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップに必要な作業について説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/AJS3で使用するファイルのバックアップ
(2) 実行エージェント情報のバックアップ
(3) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義のバックアップ
(4) ユニット定義のバックアップ
(5) JP1/AJS3 Consoleの設定情報のバックアップ

(1) JP1/AJS3で使用するファイルのバックアップ

JP1/AJS3 - Managerで使用するファイルを,物理ホスト・論理ホスト単位に,任意の方法でバックアップしてください。

バックアップの対象となるファイルは,WindowsとUNIXでは異なるため,それぞれの場合に分けて説明します。

(a) Windowsの場合

JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2-2 JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイル(Windowsの場合)

ファイル名内容
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_env.confJP1/AJS3環境定義ファイル
JP1/AJS3フォルダ※1¥ajsprof_スケジューラーサービス名_agent.conf2実行エージェントプロファイル
JP1/AJS3フォルダ※1¥ajsprof_スケジューラーサービス名_unit.conf2ユニット属性プロファイル
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_spmd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(システム管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_service_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_dbmd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(DB管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_dbmd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_hstd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_hstd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_agtd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_agtd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_schd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_schd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)
JP1/AJS3フォルダ※1¥jp1ajs_spmd_pre.conf2JP1/AJS3事前起動プロセス定義ファイル
JP1/AJS3フォルダ※1¥Profiles3JP1/AJS3 - Viewで使用するウィンドウおよびダイアログボックスのカスタマイズ情報を格納するフォルダ
JP1/AJS3フォルダ※1¥jpqsetup.conf4QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境構成定義ファイル
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥jpoov.conf※2JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携用定義ファイル
注※1
JP1/AJS3フォルダ」の部分は次のフォルダに置き換えてください。
  • 物理ホストの場合:JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥conf
  • 論理ホストの場合:共有フォルダ¥jp1ajs2¥conf
注※2
機能を使用していない場合,ファイルはありません。
注※3
ユーザー共通プロファイルを利用している場合は,フォルダごとバックアップしてください。
注※4
任意の定義ファイルを使ってjpqimportコマンドを実行している場合は,後述するQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境定義をバックアップしてから,ファイルをバックアップしてください。

(b) UNIXの場合

JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2-3 JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイル(UNIXの場合)

ファイル名内容
JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_Schedule.confスケジューラーサービス環境設定ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_EVAction.confイベント・アクション実行環境設定ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_Queue.confジョブ実行環境設定ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_env.confJP1/AJS3環境定義ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent.conf2実行エージェントプロファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit.conf2ユニット属性プロファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_spmd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(システム管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_service_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_spmd_pre.conf2JP1/AJS3事前起動プロセス定義ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_dbmd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(DB管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_dbmd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_hstd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_hstd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_agtd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_agtd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_schd.confJP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_schd_0700.conf拡張起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/Agent.confエージェント管理制御設定ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/Schedule.conf※3スケジューラーサービス環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/EVAction.conf※3イベント・アクション実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)
JP1/AJS3ディレクトリ1/profiles4JP1/AJS3 - Viewで使用するウィンドウおよびダイアログボックスのカスタマイズ情報を格納するディレクトリ
JP1/AJS3ディレクトリ※1/Queue.conf※3ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)
JP1/AJS3ディレクトリ※1/jpqsetup.conf5QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境構成定義ファイル
JP1/AJS3ディレクトリ※1/Queueless.confキューレスジョブ実行環境設定ファイル
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start自動起動スクリプト6
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop自動停止スクリプト6
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start.cluster論理ホスト起動スクリプト6
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop.cluster論理ホスト停止スクリプト6
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_killall.cluster論理ホスト強制停止スクリプト6
/etc/opt/jp1ajs2/conf/jpoov.conf※2JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携用定義ファイル
注※1
JP1/AJS3ディレクトリ」の部分は次のディレクトリに置き換えてください。
  • 物理ホストの場合:/etc/opt/jp1ajs2/conf
  • 論理ホストの場合:共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf
注※2
機能を使用していない場合,ファイルはありません。
注※3
バックアップしたJP1/AJS2 - Manager互換用の環境設定ファイルは,リカバリー先のJP1/AJS3 - Managerの構成が互換用ISAM構成の場合にだけ使用します。リカバリー先のJP1/AJS3 - Managerの構成が標準構成の場合は,使用しません。
注※4
ユーザー共通プロファイルを利用している場合は,ディレクトリごとにバックアップしてください。
注※5
任意の定義ファイルを使ってjpqimportコマンドを実行している場合は,後述するQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義をバックアップしてから,ファイルをバックアップしてください。
注※6
スクリプトは,必要に応じてバックアップしてください。

(2) 実行エージェント情報のバックアップ

実行エージェント情報のバックアップに必要な作業について説明します。

次のコマンドを実行して,実行エージェントまたは実行エージェントグループの定義情報を任意の実行エージェント定義ファイルにバックアップします。すべての実行エージェントおよび実行エージェントグループの定義情報を出力する場合は,-lオプションを指定します。

定義情報には,実行エージェント名や実行ホスト名,およびジョブ実行多重度などの定義が含まれます。

ajsagtprint [-h 論理ホスト名] {-a 実行エージェント名 | -g 実行エージェントグループ名 | -l}
> 実行エージェント定義ファイル

注意事項
実行エージェント情報をバックアップするときは,JP1/AJS3サービスを起動しておいてください。

(3) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義のバックアップ

QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境を作成するjpqimportコマンドで任意の定義ファイルを使った場合は,ファイルの定義内容と実際の環境とが一致していないことがあります。この場合は,実際のQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義を出力し,jpqsetup.confに定義してからバックアップします。

バックアップの手順を次に示します。

  1. 次のコマンドを実行して,QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義を出力する。

    jpqexport -dt isam -co ファイル名 -mh 論理ホスト名

    注※
    物理ホストの場合は,「-mh 論理ホスト名」は指定しません。
    注意事項
    jpqimportコマンドで設定するファイルは,一元管理のためにjpqsetup.confを使用することを推奨します。
    論理ホストの定義をバックアップする場合は,-mhオプションで論理ホスト名を指定します。
  2. 出力ファイルの内容をjpqsetup.confにコピーする。
    手順1の「ファイル名」に指定したファイルにQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義が出力されます。出力ファイルの内容をjpqsetup.confにコピーしてください。

(4) ユニット定義のバックアップ

ジョブネットやカレンダーの定義情報のバックアップに必要な作業について説明します。スケジューラーサービス単位でバックアップしてください。

注意事項
このバックアップ手順だけ,論理ホスト単位ではなく,スケジューラーサービス単位です。スケジューラーサービスごとにバックアップしてください。
また,バックアップするときは,JP1/AJS3サービスを起動しておいてください。

なお,ジョブネットの定義情報のバックアップについては,「4. ジョブネットの退避・回復」を参照してください。

(a) ルートジョブグループ以外のユニットの定義情報をバックアップする

次のコマンドを実行して,スケジューラーサービスにあるユニットの定義情報をバックアップします。定義情報には,各ユニットの基準時刻やコメントなどすべての定義が含まれます。ただし,ルートジョブグループ(/)の基準時刻,基準日,月区分などは含まれません。これらの情報は次に示す(b),(c)の手順でバックアップしてください。

なお,ユニットの定義が多い場合は,ジョブグループやジョブネット単位に分割してバックアップすることを検討してください。バックアップする単位ごとに,次のコマンドを実行してバックアップします。

ajsprint -F スケジューラーサービス名 -a /ユニット名 > ユニット名_backup.txt

注意事項
ajsprintコマンドで定義情報をバックアップするときは,環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFに「no」を指定してバックアップしてください。環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.2 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。

(b) ルートジョブグループの情報をバックアップする

ルートジョブグループの次の情報を記録しておいてください。

(c) ルートジョブグループのカレンダー情報をバックアップする

次のコマンドを実行して,ルートジョブグループのカレンダー情報(運用日・休業日)をバックアップします。

ajsprint -F スケジューラーサービス名 -d / > rootcal.txt

注意事項
rootcal.txtにカレンダー情報が出力されていなければ,リカバリーは不要です。

(5) JP1/AJS3 Consoleの設定情報のバックアップ

JP1/AJS3 Console機能を使用している場合は,JP1/AJS3 Consoleの設定情報をコピーするなど,任意の方法でバックアップしてください。

注意事項
JP1/AJS3 Consoleのデータディレクトリをバックアップする場合は,必ずJP1/AJS3 Console Managerサービスを停止した状態で実施してください。

(a) Windowsの場合

バックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2-4 JP1/AJS3 Consoleのバックアップ対象ファイル(Windowsの場合)

ファイル名内容
JP1/AJS3 Consoleフォルダ¥databaseJP1/AJS3 Consoleのデータディレクトリ
JP1/AJS3 Consoleのインストール先フォルダ¥conf¥ajs2cm.confJP1/AJS3 Console Managerの環境設定ファイル
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥ajs2ca.confJP1/AJS3 Console Agentの環境設定ファイル
注※
JP1/AJS3 Consoleフォルダ」の部分は次のフォルダに置き換えてください。
  • 物理ホストの場合
    Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合:
    %ALLUSERSPROFILE%¥HITACHI¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2CM
    「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥ProgramData」です。
    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のフォルダを指します。
    ・「システムドライブ¥Windows」配下
    ・「システムドライブ¥Program Files」配下
    ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
    Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外の場合:
    JP1/AJS3 Consoleのインストール先フォルダ
  • 論理ホストの場合
    共有フォルダ¥jp1ajs2cm

(b) UNIXの場合

バックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2-5 JP1/AJS3 Consoleのバックアップ対象ファイル(UNIXの場合)

ファイル名内容
JP1/AJS3 Consoleディレクトリ※1/databaseJP1/AJS3 Consoleのデータディレクトリ
/etc/opt/jp1ajs2cm/conf/ajs2cm.confJP1/AJS3 Console Managerの環境設定ファイル
/etc/opt/jp1ajs2cm/jajscm_startJP1/AJS3 Console Manager用の自動起動用スクリプト※2
/etc/opt/jp1ajs2cm/jajscm_stopJP1/AJS3 Console Manager用の自動終了用スクリプト※2
/etc/opt/jp1ajs2/conf/ajs2ca.confJP1/AJS3 Console Agent用の環境設定ファイル
/etc/opt/jp1ajs2/jajsca_startJP1/AJS3 Console Agent用の自動起動用スクリプト※2
/etc/opt/jp1ajs2/jajsca_stopJP1/AJS3 Console Agent用の自動終了用スクリプト※2
注※1
JP1/AJS3 Consoleディレクトリ」の部分は次のディレクトリに置き換えてください。
  • 物理ホストの場合:/var/opt/jp1ajs2cm
  • 論理ホストの場合:共有ディレクトリ/jp1ajs2cm
注※2
自動起動用・自動終了用スクリプトは,必要に応じてバックアップしてください。