実行エージェントプロファイルでは,実行エージェント制限に関する設定をします。スケジューラーサービス単位でファイルを作成し,ユニット単位にジョブの実行先として許可する実行エージェントを設定します。
実行エージェント制限の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.1(6) 実行エージェント制限について」を参照してください。
実行エージェントプロファイルを作成する手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 4.3.1 実行エージェントプロファイルの設定手順」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 14.3.1 実行エージェントプロファイルの設定手順」(UNIXの場合)を参照してください。
(1) 記述形式
実行エージェントプロファイルは,スケジューラーサービス単位で作成します。
実行エージェントプロファイルの記述形式を次に示します。
@SYS_RESTRICT_START unit_path=ユニット完全名 View=ユニット定義時の制限確認 ViewCheckLevel=ユニット定義時の動作 JobExec=ジョブ実行時の制限確認 @SYS_AGENTLIST_START 定義または実行を許可する実行先 : : @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END |
(2) 記述項目
記述項目について説明します。各項目を改行文字で区切ってください。
(a) @SYS_RESTRICT_START
「@SYS_RESTRICT_START」固定です。実行エージェント制限の設定の開始を示します。
対応する「@SYS_RESTRICT_END」までの内容が,一つのユニットの設定です。複数のユニットを設定する場合は,「@SYS_RESTRICT_START」から「@SYS_RESTRICT_END」までを繰り返し記述します。ユニットの数は128個まで設定できます。
この設定は必須です。
@SYS_RESTRICT_START unit_path=/net1 View=on ViewCheckLevel=warning JobExec=on @SYS_AGENTLIST_START @SYSTEM AGT01 @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END @SYS_RESTRICT_START unit_path=/net2 View=on ViewCheckLevel=warning JobExec=on @SYS_AGENTLIST_START AGT02 AGT03 @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END |
(7 + 128) + (5 + 128) = 268
(5 + 128) + (5 + 128) = 266
(268 + 1,280) + (266 + 1,280) = 3,094
(3,094 + 256) / 1,024 = 約3.27
(b) unit_path=ユニット完全名
設定するユニットの完全名を,930バイト以内の文字列で記述します。「unit_path=」の部分は固定です。この設定は,「@SYS_RESTRICT_START」の次に設定します。
設定できるユニットは,次のどれかです。
この設定は必須です。
(c) View=ユニット定義時の制限確認
JP1/AJS3 - Viewの詳細定義ダイアログボックスでユニットを定義するときに,実行エージェントの選択表示や,指定した実行エージェントに対する制限確認をするかどうかを,次のどちらかから設定します。
「View=」の部分は固定です。この設定は,「unit_path=ユニット完全名」の行から「@SYS_AGENTLIST_START」の行の間に設定します。
この設定は省略できます。省略した場合,「on」が仮定されます。
(d) ViewCheckLevel=ユニット定義時の動作
JP1/AJS3 - Viewの詳細定義ダイアログボックスでユニットを定義するときに制限確認をした結果,許可しない実行先が指定されていた場合の動作を次のどちらかから設定します。
「ViewCheckLevel=」の部分は固定です。この設定は,「unit_path=ユニット完全名」の行から「@SYS_AGENTLIST_START」の行の間に設定します。この設定は,「View=ユニット定義時の制限確認」に「on」を設定している場合だけ有効です。
この設定は省略できます。省略した場合,「error」が仮定されます。
(e) JobExec=ジョブ実行時の制限確認
ジョブ実行時に実行エージェントの制限確認をするかどうかを,次のどちらかから設定します。
「JobExec=」の部分は固定です。この設定は,「unit_path=ユニット完全名」の行から「@SYS_AGENTLIST_START」の行の間に設定します。
この設定は省略できます。省略した場合,「on」が仮定されます。
(f) @SYS_AGENTLIST_START
「@SYS_AGENTLIST_START」固定です。定義または実行を許可する,実行先の記述の開始を示します。対応する「@SYS_AGENTLIST_END」までの内容が,定義または実行を許可する実行先です。
この設定は必須です。
(g) 定義または実行を許可する実行先
定義または実行を許可する実行エージェント,実行エージェントグループ,または実行ホスト名を,1行ごとに設定します。実行先に設定できる文字列は255バイトまでです。「@SYS_AGENTLIST_START」から「@SYS_AGENTLIST_END」の間の行に設定できる実行先は2,048個までです。
なお,設定した値の,大文字・小文字は区別されません。
実行先に256バイト以上,または「@SYS_AGENTLIST_START」から「@SYS_AGENTLIST_END」の間に2,049個以上を設定した場合,実行エージェントプロファイルの構文エラーとなり,設定は反映されません。
また,許可する実行先が「#」や「¥」で始まる場合,次のように指定します。
許可する実行先の先頭が「¥」で,次の文字が「#」と「¥」以外の場合は,実行エージェントプロファイルの構文エラーになります。
次に具体例を示します。
表3-2 許可する実行先の指定方法
項番 | 許可したい実行先 | 実行エージェントプロファイルへの指定方法 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | AGT1 | AGT1 | - |
2 | #AGT1 | ¥#AGT1 | - |
#AGT1 | コメント行になります。 | ||
3 | ¥AGT1 | ¥¥AGT1 | - |
¥AGT1 | 実行エージェントプロファイルの構文エラーになります。 | ||
4 | ##AGT1 | ¥##AGT1 | 先頭の文字だけエスケープします。2文字目以降のエスケープは不要です。 |
5 | ¥¥AGT1 | ¥¥¥AGT1 | |
6 | ¥#AGT1 | ¥¥#AGT1 | |
7 | #¥AGT1 | ¥#¥AGT1 | |
8 | AGT#1 | AGT#1 | 2文字目以降のエスケープは不要です。 |
9 | AGT¥1 | AGT¥1 |
表3-3 マクロ変数を指定する場合
項番 | 「View=ユニット定義時の制限確認」の設定 | 「JobExec=ジョブ実行時の制限確認」の設定 | 「定義または実行を許可する実行先」に必要な設定 |
---|---|---|---|
1 | off | on | 実行エージェント名 |
2 | on | off | マクロ変数名 |
3 | on | on |
|
(h) @SYS_AGENTLIST_END
「@SYS_AGENTLIST_END」固定です。定義または実行を許可する実行先の記述の終了を示します。
この設定は必須です。
(i) @SYS_RESTRICT_END
「@SYS_RESTRICT_END」固定です。実行エージェント制限の設定の終了を示します。
この設定は必須です。
(3) 記述例
実行エージェントプロファイルの記述例を次に示します。
●スケジューラーサービス配下すべてのユニットに対して設定する場合
次の表のように,スケジューラーサービス配下すべてのユニットに対して実行エージェントを許可するとします。
表3-4 記述例1
対象ユニット | ユニット定義時の制限確認 | ジョブ実行時の制限確認 | 許可する実行先 |
---|---|---|---|
スケジューラーサービス配下のすべてのユニット | 制限確認する | 制限確認しない | @SYSTEM,AGT01 |
実行エージェントプロファイルは,次のように記述します。
@SYS_RESTRICT_START unit_path=/ View=on JobExec=off @SYS_AGENTLIST_START @SYSTEM AGT01 @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END |
●複数のユニットパスに対して設定する場合
次の表のように,複数のユニットパスに対して実行エージェントを許可するとします。
表3-5 記述例2
対象ユニット | ユニット定義時の制限確認 | ジョブ実行時の制限確認 | 許可する実行先 |
---|---|---|---|
ジョブグループ/Grp1配下のユニット | 制限確認する | 制限確認しない | AGT01,AGT02 |
ジョブネット/net1およびその配下のユニット | 制限確認する | 制限確認する | AGT03 |
実行エージェントプロファイルは,次のように記述します。
@SYS_RESTRICT_START unit_path=/Grp1 View=on JobExec=off @SYS_AGENTLIST_START AGT01 AGT02 @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END @SYS_RESTRICT_START unit_path=/net1 View=on ViewCheckLevel=warning JobExec=on @SYS_AGENTLIST_START AGT03 @SYS_AGENTLIST_END @SYS_RESTRICT_END |