JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2
ユニット属性プロファイルでは,上位ユニット属性継承機能および実行ユーザー固定機能を設定します。スケジューラーサービス単位でファイルを作成し,ユニット単位で設定します。
上位ユニット属性継承機能の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 6.4(4) ユニットの新規作成,コピー,またはリリース登録時のアクセス権限」を,実行ユーザー固定機能の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 6.4(5) ジョブの実行ユーザー」を参照してください。
ユニット属性プロファイルを作成する手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 4.3.2 ユニット属性プロファイルの設定手順」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 14.3.2 ユニット属性プロファイルの設定手順」(UNIXの場合)を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 記述形式
- (2) 記述項目
- (3) 記述例
(1) 記述形式
ユニット属性プロファイルは,スケジューラーサービス単位で作成します。
ユニット属性プロファイルの記述形式を次に示します。
@SYS_PROFILE_START
unit_path=ユニット完全名
InheritUnitAttr=上位ユニット属性継承機能の設定方法
FixedExecUser=実行ユーザー固定機能の設定方法
@SYS_PROFILE_END
(2) 記述項目
記述項目について説明します。各項目は改行文字で区切ってください。
(a) @SYS_PROFILE_START
「@SYS_PROFILE_START」固定です。ユニット属性プロファイルの設定の開始を示します。
対応する「@SYS_PROFILE_END」までの内容が,一つのユニットの設定です。複数のユニットを設定する場合は,「@SYS_PROFILE_START」から「@SYS_PROFILE_END」までを繰り返し記述します。ユニットの数は128個まで設定できます。
この設定は必須です。
- 注意事項
- 複数のユニット属性プロファイルに大量のユニットを設定している場合,ユニット属性プロファイルで使用するメモリーが足りなくなるおそれがあります。ユニット属性プロファイルで使用するメモリーのサイズは,環境設定パラメーターUNITPROFMEMSIZEに設定します。次の見積もり式を参考にして,必要な分のメモリーのサイズを設定してください。
- ユニット属性プロファイルで使用するメモリーのサイズ(単位:キロバイト)=ユニット属性プロファイルに設定しているユニットの総数*2
- 環境設定パラメーターUNITPROFMEMSIZEの詳細については,「2.2(95) UNITPROFMEMSIZE」を参照してください。
(b) unit_path=ユニット完全名
上位ユニット属性継承機能および実行ユーザー固定機能を設定するユニットの完全名を,930バイト以内の文字列で記述します。「unit_path=」の部分は固定です。
設定できるユニット種別に制限はありません。
スケジューラーサービスを指定して,スケジューラーサービス配下のすべてのユニットに対してユニット属性プロファイルを有効にするには,「/」(スラント)を設定します。
この設定は必須です。
次のように,この設定だけを記述した場合でも,構文エラーにはならないで,上位ユニット属性継承機能および実行ユーザー固定機能を使用しない設定となります。一時的に機能を使用しない場合などに設定します。
@SYS_PROFILE_START
unit_path=/
@SYS_PROFILE_ENDまた,「#」で始まる行はコメント行として扱われるため,次のように記述した場合も,上位ユニット属性継承機能および実行ユーザー固定機能を使用しない設定となります。
@SYS_PROFILE_START
unit_path=/
#InheritUnitAttr=all
#FixedExecUser=all
@SYS_PROFILE_END(c) InheritUnitAttr=上位ユニット属性継承機能の設定方法
上位ユニット属性継承機能の設定方法を,次のどちらかから設定します。
- entryuser
「unit_path=ユニット完全名」で指定したジョブグループまたはジョブネットの配下のユニットが,所有者およびJP1資源グループを上位ユニットから継承します。ただし,実行ユーザー種別が所有ユーザーに設定されているジョブをコピーして作成した場合は,上位ユニットの設定を継承しないで,コピー元ユニットの設定を維持します。
- all
「unit_path=ユニット完全名」で指定したジョブグループまたはジョブネットの配下のユニットが,所有者およびJP1資源グループを上位ユニットから継承します。実行ユーザー種別が所有ユーザーに設定されているジョブをコピーして作成した場合でも,上位ユニットの設定を継承します。
「InheritUnitAttr=」の部分は固定です。
上位ユニット属性継承機能を使用しない場合,この設定は省略します。
上位ユニット属性継承機能を使用する場合,この設定は,「FixedExecUser=実行ユーザー固定機能の設定方法」と同じ値を設定することを推奨します。
(d) FixedExecUser=実行ユーザー固定機能の設定方法
実行ユーザー固定機能の設定方法を,次のどちらかから設定します。
- entryuser
「unit_path=ユニット完全名」で指定したユニット配下にあるジョブの実行ユーザーを,実行ユーザー固定機能を設定したユニットの所有者で固定します。ただし,配下のジョブのうち実行ユーザー種別が所有ユーザーに設定されているジョブについては,それぞれのジョブの所有者が実行ユーザーになります。
- all
「unit_path=ユニット完全名」で指定したユニット配下にあるジョブの実行ユーザーを,実行ユーザー固定機能を設定したユニットの所有者で固定します。実行ユーザー種別が所有ユーザーのジョブでも,実行ユーザー固定機能を設定したユニットの所有者で固定します。
「FixedExecUser=」の部分は固定です。
実行ユーザー固定機能を使用しない場合,この設定は省略します。
実行ユーザー固定機能を使用する場合,この設定は,「InheritUnitAttr=上位ユニット属性継承機能の設定方法」と同じ値を設定することを推奨します。
(e) @SYS_PROFILE_END
「@SYS_PROFILE_END」固定です。ユニット属性プロファイルの設定の終了を示します。
この設定は必須です。
(3) 記述例
ユニット属性プロファイルの記述例を次に示します。
●スケジューラーサービス配下すべてのユニットに対して設定する場合
次の表のように,スケジューラーサービス配下すべてのユニットに対してユニット属性プロファイルを設定するとします。
表3-6 記述例1
対象ユニット 上位ユニット属性継承機能 実行ユーザー固定機能 スケジューラーサービス配下のすべてのユニット 使用する(設定方法:all) 使用する(設定方法:all) ユニット属性プロファイルは,次のように記述します。
@SYS_PROFILE_START
unit_path=/
InheritUnitAttr=all
FixedExecUser=all
@SYS_PROFILE_END●複数のユニットパスに対して設定する場合
次の表のように,複数のユニットパスに対してユニット属性プロファイルを設定するとします。
表3-7 記述例2
対象ユニット 上位ユニット属性継承機能 実行ユーザー固定機能 ジョブグループ/Grp1配下のユニット 使用する(設定方法:entryuser) 使用する(設定方法:entryuser) ジョブネット/net1配下のユニット 使用する(設定方法:all) 使用しない ユニット属性プロファイルは,次のように記述します。
@SYS_PROFILE_START
unit_path=/Grp1
InheritUnitAttr=entryuser
FixedExecUser=entryuser
@SYS_PROFILE_END
@SYS_PROFILE_START
unit_path=/net1
InheritUnitAttr=all
@SYS_PROFILE_END
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi Solutions, Ltd.