6.2.9 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の設定

ジョブ(キューレスジョブを除くPCジョブ,UNIXジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブ)を配信する際に,優先順位とエージェント使用率が同一の実行エージェントが複数あるとき,デフォルトではエージェントIDの大きい実行エージェントを選択してジョブを配信します。

例えば,実行時間が非常に短いジョブを複数実行する場合,ジョブはすぐに終了するためエージェント使用率はなかなか上昇しないで,ジョブが配信されていない実行エージェントとエージェント使用率を比較した際に差異が出にくくなります。結果として,エージェントIDの大きい方に偏ってジョブを配信するため,エージェントIDの大きい実行エージェントで実行するジョブ数が多くなり,システムの使用率に偏りが生じることになります。

このような場合に,エージェントIDの代わりに未使用時間が最も長い実行エージェントを選択してジョブを配信する方式を設定することで,均等に負荷分散を行うことができます。

注※
エージェントIDは,実行エージェントを登録した際に付加されるIDです。ajsagtshowコマンドで実行エージェントの一覧を表示するとエージェントIDの昇順で表示されます。
ajsagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsagtshow」を参照してください。

ジョブを配信するエージェントホストの決定方式を設定するための手順を次に示します。

<この項の構成>
(1) 定義手順
(2) 環境設定パラメーター一覧

(1) 定義手順

  1. Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
    ・JP1/AJS3サービス
  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容

  3. JP1/AJS3を再起動する。
    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表6-19 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式環境設定パラメーター

定義キー環境設定パラメーター定義内容
  • スケジューラーサービス(共通)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥MANAGER¥Agent]
  • スケジューラーサービス(個別)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥MANAGER¥Agent]
"LeastRecentlyUsed"=ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の定義
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(34) LeastRecentlyUsed」を参照してください。