ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対して次の要求をする際,要求する側は通信タイムアウト時間(デフォルト10分)を設定してマネージャープロセスと通信します。
ジョブ実行制御のマネージャープロセスとの通信処理で時間が掛かり,通信タイムアウトが発生すると,ジョブの実行やコマンド要求が失敗します。
通信タイムアウトが発生する要因には,主に次のものがあります。
ジョブネット(スケジューラー)によるジョブの登録,キャンセル,およびジョブの状態確認の際に通信タイムアウトが発生すると,ジョブ※が異常終了します。この場合,統合トレースログには,次のメッセージが出力されます。
KAVU0220-E マネージャーからの応答が返ってきません
jpqxxxxコマンドで通信タイムアウトが発生すると,標準エラー出力に次のメッセージが出力されます。
KAVU0953-E マネージャーからの応答が返ってきません
通信タイムアウトによるコマンド要求やジョブの実行失敗は,通信タイムアウト時間を長く設定することで回避できることがあります。ジョブネット(スケジューラー)によるジョブの登録,キャンセル,またはジョブの状態確認の際に通信タイムアウトを回避するには,ジョブを登録するマネージャーホストで通信タイムアウト時間を長く設定してください。また,ジョブの実行に使用するコマンドの場合は,コマンドを実行するクライアントホストで通信タイムアウト時間を長く設定してください。
通信タイムアウト時間を変更する設定方法について説明します。
(1) 定義手順
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
(2) 環境設定パラメーター一覧
表15-24 ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間の設定の環境設定パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Network]※ | "CommunicateTimeout"= | ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間(単位:ミリ秒) |
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(78) CommunicateTimeout」を参照してください。
(3) 注意事項
通信タイムアウト時間を長く設定すると,通信処理中にコマンドやジョブに異常が発生した場合の障害検知までの時間も長くなります。そのため,後続ジョブの実行の遅延などが発生しやすくなります。通信タイムアウト時間を変更する場合は,設定値を十分に検証した上で設定してください。