この項では,JP1/Baseのセットアップについて説明します。
なお,この項では,設定の流れと大まかな設定内容を説明します。設定方法,設定項目,コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
JP1/Baseは,次の流れでセットアップします。
JP1/Baseのセットアップの手順と定義内容を次に示します。
(1) ユーザー情報を設定する
ユーザー情報は,次の流れで設定します。
なお,他ホストに認証サーバを設定している場合は,2と3の作業は不要です。他ホストの認証サーバであらかじめ設定しておいてください。
UNIX版JP1/Baseでは,コマンドを使ってユーザー情報を設定します。ユーザー情報の設定手順を設定内容ごとに説明します。
(a) 使用する認証サーバを指定する
次のコマンドを実行します。
jbssetusrsrvプライマリー認証サーバ [セカンダリー認証サーバ]
「プライマリー認証サーバ」に指定したホストが,通常時に使用する認証サーバとなり,「セカンダリー認証サーバ」に指定したホストが,予備の認証サーバとなります。
「セカンダリー認証サーバ」は必要に応じて指定してください。省略した場合は,「プライマリー認証サーバ」に指定したホストだけが,一つのユーザー認証圏内で認証サーバとして稼働します。
(b) JP1ユーザーを登録する
次のコマンドを実行します。
jbsadduser JP1ユーザー名
登録するJP1ユーザーの数だけ,このコマンドを実行します。
(c) JP1権限レベルを設定する
登録したJP1ユーザーに対して,JP1/AJS3で処理を定義・実行するための権限レベルを設定します。権限レベルを設定するには,JP1ユーザーに対して「JP1資源グループ」と「JP1権限レベル」を定義します。
JP1権限レベルの設定手順を次に示します。
/etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_UserLevel
jp1admin:*=JP1_AJS_Admin,JP1_Console_Admin,JP1_JPQ_Admin
(d) ユーザーマッピングを設定する
登録したJP1ユーザーに対して,OSユーザーをマッピングします。ジョブを実行させたり,JP1/AJS3 - Viewからログインしたりするためにこの設定が必要です。
ユーザーマッピングの設定手順を次に示します。
jbsmkumap [-f ユーザーマッピング定義ファイル]
表13-1 ユーザーマッピング定義ファイルに設定する項目(JP1/AJS3 - Manager)
操作内容 | JP1ユーザー名 | ホスト名 | OSユーザー名 |
---|---|---|---|
JP1/AJS3 - Viewを使ってジョブを実行する | JP1/AJS3 - Managerにログインするユーザー | JP1/AJS3 - Viewが接続するJP1/AJS3 - Managerホスト | ジョブを実行するホストのOSに登録されているユーザー |
JP1/AJS3 - Managerホスト以外のホストでジョブを実行する | JP1/AJS3 - ManagerホストのOSにログインするユーザー | JP1/AJS3 - Managerホスト | サブミットジョブを実行するホストのOSに登録されているユーザー |
JP1/AJS2 - Client Toolkitからサブミットジョブを登録する | サブミット先JP1/AJS3 - ManagerホストのOSにログインするユーザー | JP1/AJS3 - Managerホスト | サブミットジョブを実行するホストのOSに登録されているユーザー |
(2) JP1/AJS3に必要なJP1権限レベル一覧
JP1/AJS3のJP1権限レベルには次の3種類があります。
それぞれのJP1権限レベル名と操作できる内容について説明します。
(a) ジョブネット定義・実行時のJP1権限レベル
ジョブネット定義・実行時のJP1権限レベルには,次の5種類があります。
ジョブネット定義・実行時のJP1権限レベル名と詳細な操作内容を次の表に示します。
表13-2 ジョブネット定義・実行時のJP1権限レベル名と操作できる内容
操作内容 | JP1_AJS_ Admin | JP1_AJS_ Manager | JP1_AJS_ Editor | JP1_AJS_ Operator | JP1_AJS_ Guest |
---|---|---|---|---|---|
他ユーザーが所有権を持つユニットに対して,所有者,JP1資源グループ名,またはジョブの実行ユーザー種別を変更する | ○※1 | - | - | - | - |
ユニットを定義する | ○ | ○※2 | ○※2 | - | - |
ジョブネットに定義したユニットの定義内容を変更する | ○ | ○※3 | ○※3 | - | - |
ジョブネットの定義内容を変更する | ○ | ○ | ○ | - | - |
ユニットをコピー・移動したり,名称を変更したりする | ○ | ○※2 | ○※2 | - | - |
ユニットを削除する | ○ | ○ | ○ | - | - |
ユニット名を標準出力ファイルに出力する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ユニットの定義内容を標準出力ファイルに出力する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ユニットを退避する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ユニットを回復する | ○ | ○※2 | ○※2 | - | - |
ジョブグループにカレンダー情報を定義する | ○ | ○ | ○ | - | - |
特定期間について,ジョブネットの実行スケジュールを定義する | ○ | ○ | - | ○ | - |
定義済みのジョブネットを実行登録する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブネットの実行登録を解除する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブネットやジョブの実行履歴,現在の状態,次回実行予定などを標準出力ファイルに出力する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ジョブネットに定義されたスケジュールを一時的に変更する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブの状態を一時的に変更する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブの状態を変更する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブネットの実行を中断する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブネットを再実行する | ○ | ○ | - | ○ | - |
ジョブやジョブネットの実行を強制終了させる | ○ | ○ | - | ○ | - |
ユニットをエクスポートする | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ユニットをインポートする | ○ | ○ | ○ | - | - |
ルートジョブネットの登録予定情報をエクスポートする | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ルートジョブネットの登録予定情報をインポートする | ○ | ○ | - | ○ | - |
リリース登録をする | ○ | ○ | ○※4 | ○※4 | - |
リリース中止をする | ○ | ○ | ○※4 | ○※4 | - |
リリース情報を参照する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
(b) エージェント管理情報操作時のJP1権限レベル
エージェント管理情報操作時のJP1権限レベルには,次の3種類があります。
エージェント管理情報操作時のアクセス権限の設定では,資源グループ「JP1_Queue」に対して,これらのJP1権限レベルを持たせるように設定します。「JP1_Queue」は,大文字・小文字を間違えないように入力してください。
エージェント管理情報操作時のJP1権限レベル名と詳細な操作内容を次の表に示します。
表13-3 エージェント管理情報操作時のJP1権限レベル名と詳細な操作内容
操作内容 | JP1_JPQ_ Admin | JP1_JPQ_ Operator | JP1_JPQ_ User |
---|---|---|---|
実行エージェントを追加する | ○ | - | - |
実行エージェントグループを追加する | ○ | - | - |
実行エージェントを削除する | ○ | - | - |
実行エージェントグループを削除する | ○ | - | - |
実行エージェントの実行ホストを変更する | ○ | - | - |
実行エージェントのジョブ実行多重度を変更する | ○ | - | - |
実行エージェントの説明文を変更する | ○ | - | - |
実行エージェントグループの説明文を変更する | ○ | - | - |
実行エージェントグループに接続する実行エージェントを追加する | ○ | - | - |
実行エージェントグループに接続されている実行エージェントの優先順位を変更する | ○ | - | - |
実行エージェントグループに接続されている実行エージェントを接続先から解除する | ○ | - | - |
実行エージェントの受付配信制限の状態を変更する | ○ | ○ | - |
実行エージェントグループの受付配信制限の状態を変更する | ○ | ○ | - |
実行エージェントの状態を表示する※ | ○ | ○ | ○ |
実行エージェントグループの状態を表示する※ | ○ | ○ | ○ |
すべての実行エージェントと実行エージェントグループの状態を表示する※ | ○ | ○ | ○ |
すべての実行エージェントと実行エージェントグループの名称を表示する※ | ○ | ○ | ○ |
実行エージェントの定義を出力する※ | ○ | ○ | ○ |
実行エージェントグループの定義を出力する※ | ○ | ○ | ○ |
すべての実行エージェントと実行エージェントグループの定義を出力する※ | ○ | ○ | ○ |
(c) ジョブの実行・操作時のJP1権限レベル
ジョブの実行・操作時のJP1権限レベルには,次の3種類があります。
ジョブの実行・操作時のアクセス権限の設定では,資源グループ「JP1_Queue」に対して,これらのJP1権限レベルを持たせるように設定します。「JP1_Queue」は,大文字・小文字を間違えないように入力してください。
ジョブの実行・操作時のJP1権限レベル名と詳細な操作内容を次の表に示します。
表13-4 ジョブの実行・操作時のJP1権限レベル名と詳細な操作内容
操作内容 | JP1_JPQ_ Admin | JP1_JPQ_ Operator | JP1_JPQ_ User |
---|---|---|---|
ジョブの実行をキャンセルまたは強制終了する | ○ | ○ | △ |
ジョブの実行を保留,または保留解除する | ○ | ○ | △ |
ジョブを移動する | ○ | ○ | △ |
ジョブ情報を出力する | ○ | ○ | △ |
終了ジョブ情報を出力する | ○ | ○ | △ |
データベースから終了ジョブ情報を削除する | ○ | ○ | - |
サブミットジョブを登録する※ | ○ | ○ | ○ |
キューを開く※ | ○ | ○ | - |
キューを閉じる※ | ○ | ○ | - |
キューを追加する※ | ○ | - | - |
キューを削除する※ | ○ | - | - |
キュー情報を出力する※ | ○ | ○ | ○ |
キューの定義を変更する※ | ○ | - | - |
キューをエージェントに接続する※ | ○ | - | - |
キューとエージェントの接続を解除する※ | ○ | - | - |
ジョブ実行多重度を変更する※ | ○ | - | - |
エージェントを追加する※ | ○ | - | - |
エージェントを削除する※ | ○ | - | - |
エージェントホスト情報を出力する※ | ○ | - | - |
排他実行リソースを追加する※ | ○ | - | - |
排他実行リソースを削除する※ | ○ | - | - |
排他実行リソース情報を出力する※ | ○ | ○ | ○ |