複数のドメインで構成されたネットワーク環境でJP1/AJS3およびJP1/Baseを運用し,ドメインを越えてJP1イベントを送受信する場合は,ドメインが異なる同名ホストの存在を考慮する必要があります。それら同名のホストでJP1/Baseのイベントサーバをデフォルトの設定のままで運用すると,JP1/Baseのイベントサーバに登録されたJP1イベントが,他ホストから転送されたものなのか,自ホストで発生したものなのかをホスト名から区別できないため,JP1イベント受信監視ジョブがイベントを誤検知したように見えるなどの問題が発生することがあります。
このような問題を避けるために,複数のドメインで構成されたシステムでは,デフォルトのイベントサーバ設定の代わりにイベントサーバ名をFQDN形式で設定して運用します。
FQDN形式のイベントサーバ名を持つイベントサーバと同じホストでJP1/AJS3を運用し,そのJP1/AJS3を実行エージェントとしてログファイル監視ジョブを実行する場合は,実行エージェントのJP1/AJS3にFQDN形式のイベントサーバ名オプション(環境設定パラメーターEventServerName)を設定し,ログファイル監視ジョブが使用するイベントサーバ名(FQDN形式)を指定してください。
FQDN形式のイベントサーバ名オプションの設定手順を次に示します。
(1) 定義手順
(a) 標準構成の場合
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
(b) 互換用ISAM構成の場合
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
jbssetcnf 設定ファイル名
(2) 環境設定パラメーター一覧
表15-52 FQDN形式のイベントサーバ名を設定するための環境設定パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名} ¥JP1AOMAGENT]※ | "EventServerName"= | FQDN形式のイベントサーバ名 |
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.4(25) EventServerName」を参照してください。