WindowsのUAC機能を有効にしていると,ビルトインAdministratorを除く,すべてのAdministratorsグループのOSユーザーは,Administrators権限が無効な状態で動作します。JP1/AJS3では,Administrators権限を必要とするジョブ※が実行できなくなる場合があります。
Administrators権限を必要とするジョブには,例えばnet startコマンドでサービスを開始するものなどがあります。UAC機能が有効な場合,Administrators権限を必要とするジョブを実行できるのは,ビルトインAdministratorおよびJP1/AJS3のサービスアカウントと同じOSユーザーです。
なお,「UAC機能有効時にAdministrators権限でジョブを実行するための設定」を有効にすることによって,UAC機能が有効の場合でもAdministratorsグループのOSユーザーでAdministrators権限が必要なジョブを実行できます。
ジョブ実行時のOSユーザーの種類とUAC機能が有効なときのジョブ実行の可否の関係を次の表に示します。
表6-33 ジョブ実行時のOSユーザーの種類とUAC機能有効時のジョブ実行の可否の関係
ジョブの実行先サービス | ジョブ実行時のOSユーザーの種類 | Administrators権限の必要なジョブの実行可否 | |||
---|---|---|---|---|---|
設定無効(デフォルト) | 設定有効 | ||||
[標準]を指定している場合 | AdministratorsグループのOSユーザー | ビルトインAdministrator | ○ | ○ | |
ビルトインAdministrator以外 | サービスアカウントと同じOSユーザー | ○ | ○ | ||
サービスアカウントと異なるOSユーザー | × | ○ | |||
Administratorsグループ以外のOSユーザー | × | × | |||
[キューレス]を指定している場合 | AdministratorsグループのOSユーザー | ビルトインAdministrator | ○ | ○ | |
ビルトインAdministrator以外 | サービスアカウントと同じOSユーザー | × | ○ | ||
サービスアカウントと異なるOSユーザー | × | ○ | |||
Administratorsグループ以外のOSユーザー | × | × |
次に示す手順でUAC機能の設定を有効にしてください。
なお,この設定はジョブの実行先ホスト上で有効にしてください。
(1) 定義手順
jbssetcnf 設定ファイル名
(2) 環境設定パラメーター一覧
表6-34 UAC機能有効時にAdministrators権限でジョブを実行するための環境設定パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※1 | "UACAdministratorsExec"= | ジョブの実行先サービスに[標準]を指定している場合に,UAC機能の有効時にAdministrators権限でジョブを実行するための設定 |
[JP1_DEFAULT¥JP1QLAGENT]※2 | "UACAdministratorsExec"= | ジョブの実行先サービスに[キューレス]を指定している場合に,UAC機能の有効時にAdministrators権限でジョブを実行するための設定 |
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,次の個所を参照してください。
(3) 注意事項
Windows Server 2003では,UACAdministratorsExecパラメーターの設定は有効になりません。