キューを使用するジョブ(キューレスジョブを除くPCジョブ,UNIXジョブ,JP1/AJS3上で実行するQUEUEジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブ)は,ジョブ実行制御のエージェントプロセスからジョブプロセスとして起動されます。その際,エージェントプロセスはパイプ通信を使用してジョブプロセスからの実行準備完了通知を待っています。このときCPUの負荷が高い,ジョブの実行優先度が低いなどの理由でエージェントプロセスへの実行準備完了通知の送信処理が沈み込んでしまうことがあります。エージェントプロセスはジョブプロセスから実行準備完了通知を受けてジョブの状態を実行中にしているため,実行準備完了通知がこないままだと,該当するジョブの状態はキューイング中のままになってしまう問題が発生するおそれがあります。ジョブプロセスからの実行準備完了通知の受信にタイムアウト値を設定すると,タイムアウトが発生した場合に次に示すメッセージを統合ログに出力し,早目に異常を検知できるようになります。
KAVU3589-E ジョブ実行処理でパイプタイムアウトエラーが発生しました(タイムアウト値(秒):タイムアウト値)
ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値の設定手順を次に示します。
なお,キューレスジョブ実行機能では,次に示す設定は必要ありません。キューレスジョブ実行機能ではパイプ通信を使用していません。
(1) 定義手順
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
(2) 環境設定パラメーター一覧
表15-26 ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値設定の環境設定パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※ | "AfterForkPipeTimeout"= | ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値の定義 |
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(60) AfterForkPipeTimeout」を参照してください。