15.3.10 閉塞状態のイベントジョブを監視する期間の設定

イベントジョブまたは起動条件付きジョブネットの状態が,スケジューラーサービスでは終了しているにもかかわらず,イベント・アクション制御では実行中となっている状態を閉塞状態といいます。

閉塞状態は,イベントジョブを状態変更した際に一時的なディスク容量不足やディスク障害が発生し,処理用の一時ファイルが消失するなどの要因で発生します。

閉塞状態となっているイベントジョブまたは起動条件付きジョブネットがあると,それらが検知したイベントの情報がイベント・アクション制御内に滞留することがあります。イベントの情報が大量に滞留すると,ディスク領域やメモリーなど,リソースが圧迫され,ほかのイベントジョブや起動条件付きジョブネットの処理が遅延するおそれがあります。

そのため,JP1/AJS3サービスを起動してから一定時間経過した時点で,閉塞状態となっているイベントジョブや起動条件付きジョブネットの有無をチェックします。閉塞状態のイベントジョブや起動条件付きジョブネットがある場合は,強制的に終了され,滞留したイベントの情報が破棄されます。

JP1/AJS3サービスを起動してから,閉塞状態となっているイベントジョブや起動条件付きジョブネットの有無をチェックするまでの時間は,環境設定パラメーターを設定することで変更できます。

設定手順を次に示します。

<この項の構成>
(1) 定義手順
(2) 環境設定パラメーター一覧

(1) 定義手順

(a) 標準構成の場合

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※
    自動停止の設定がされていることを確認してください。
  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容

  3. JP1/AJS3を再起動する。
    設定した内容が反映されます。

(b) 互換用ISAM構成の場合

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※
    自動停止の設定がされていることを確認してください。
  2. viなどのエディターで,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. JP1/AJS3を再起動する。
    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表15-43 閉塞状態のイベントジョブを監視する期間の設定の環境設定パラメーター

定義キー環境設定パラメーター定義内容
  • スケジューラーサービス(共通)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥EV¥MANAGER]
  • スケジューラーサービス(個別)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥EV¥MANAGER]
  • 互換用ISAM構成の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AOMMANAGER]
"BlockadeTimeoutInterval"=閉塞状態のイベントジョブを監視する期間の設定
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定してください。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.4(8) BlockadeTimeoutInterval」を参照してください。