15.2.6 ジョブの結果ファイルの二重受信防止の設定

標準ジョブまたはアクションジョブを実行する際,ジョブの終了時にエージェントホストからマネージャーホストに対して結果ファイル(標準出力・標準エラー出力ファイル)を転送します。エージェントホストからファイルを転送する際は,通常,マネージャーホストからの応答を10分間待ちます。ファイルサイズが大きい場合は,マネージャーホストでのファイル解析に時間が掛かり,応答のタイムアウトが発生します。この場合,エージェントホストでは結果ファイルの転送が成功するまで再送を繰り返します。マネージャーホストでは結果ファイルの再送を受け付けると,負荷の掛かる解析処理を多重に行うことになるためCPUの使用率が非常に高くなり,ほかの要求を受け付けられなくなるといった問題が発生します。

環境設定パラメーターReceiveFileOptionを指定すると,エージェントホストからの結果ファイルの再送を受け付けなくなり,マネージャーホストに掛かる負荷を抑えることができます。また,結果ファイルを再送するかどうかはエージェントホスト側でも設定できます。その場合はエージェントホストごとに設定する必要があり,エージェントホストの台数が多数あるような大規模な運用には向きません。エージェントホスト側での設定に関しては,「15.2.5 ジョブの結果ファイルの再送間隔・再送回数の変更」も参照してください。

環境設定パラメーターReceiveFileOptionでは,マネージャーホスト側だけの設定で一括して再送を防止できます。ジョブの結果ファイルの二重受信防止の設定手順を次に示します。

なお,キューレスジョブ実行機能では,次に示す設定は必要ありません。キューレスジョブ実行機能では結果ファイルを再送していません。

<この項の構成>
(1) 定義手順
(2) 環境設定パラメーター一覧

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS3のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※
    自動停止の設定がされていることを確認してください。
  2. 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容

  3. JP1/AJS3を再起動する。
    設定した内容が反映されます。

(2) 環境設定パラメーター一覧

表15-12 ジョブの結果ファイルの二重受信防止環境設定パラメーター

定義キー環境設定パラメーター定義内容
  • スケジューラーサービス(共通)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥MANAGER¥Job]
  • スケジューラーサービス(個別)の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥MANAGER¥Job]
  • サブミットジョブおよび互換用ISAM構成の場合
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Job]
"ReceiveFileOption"=ジョブの結果ファイルの二重受信防止定義
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3(16) ReceiveFileOption」を参照してください。