業務の種類や担当部署によって,業務の運用日が異なる場合があります。このような場合に,業務ごとに異なるカレンダーを定義できます。
例として,東京本社,大阪支社,および名古屋支社で実行する業務があり,それぞれ運用日が異なる場合を考えてみます。それぞれの業務カレンダーは次のようになっています。
業務の構築の方法は2とおり考えられます。
次にそれぞれの方法について説明します。
(1) 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る
次の条件に当てはまるような業務には,この運用方法が適しています。
業務構成例を次の図に示します。
図3-12 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る場合
スケジュールの設定方法の概要を次に示します。
なお,この方法では,監視画面でジョブグループごとにしか表示できません。このようなジョブネットを一つの画面で監視する場合は,JP1/AJS3 Console機能を使用してください。JP1/AJS3 Console機能を使用すると,異なるジョブグループのジョブネットを一つの画面に表示して監視できます。
(2) 業務を一つのジョブグループに作り,別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる
次の条件に当てはまるような業務には,この運用方法が適しています。
業務構成例を次の図に示します。
図3-13 別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる場合
スケジュールの設定方法の概要を次に示します。
この方法の場合は,監視画面ですべてのジョブネットを一度に監視できます。
(3) カレンダーの適用例
カレンダーの適用例を紹介します。
(例1)
次に示す条件を前提とした場合のカレンダーの設定例を説明します。
このような前提条件の場合,次の図のような業務グループの階層を作成し,カレンダーを定義します。
図3-14 カレンダーの適用例1
このような例で監視画面を使用すると,業務グループの下にある業務の実行予定や結果しか確認できません。例えば,一度に実行予定や結果を確認できるのは,「東京」グループの下にある業務だけです。そのため,複数のシステム管理者が,それぞれの業務グループを管理する場合,担当のシステム管理者に関係する業務の予定や結果を管理しやすくなります。
(例2)
次に示す条件を前提とした場合のカレンダーの設定例を説明します。
このような前提条件の場合,次の図のような業務グループの階層を作成し,カレンダーを定義します。
図3-15 カレンダーの適用例2
この例のように設定すると,各業務は次のように実行されます。
このような例で,「AJSROOT1」というグループを監視画面で確認すると,業務グループの下にある,すべての業務の予定や結果を一度に確認できます。そのため,一人のシステム管理者がすべての業務を管理しやすくなります。