JP1/AJS3が出力するキューレスジョブに関するログファイルのサイズを見積もります。ログファイルの情報は,障害発生時にどのような操作や処理が原因なのかを調査するときに使用します。調査の際に必要な情報がログファイルに残っていないと,原因を特定するのに時間が掛かってしまいます。そのため,実行する処理の運用形態に応じて,できる限り適切なログファイルのサイズを見積もっておく必要があります。
キューレスジョブを使用する場合は,次のログファイルについてそれぞれのサイズを見積もってください。
(1) キューレスログファイルのサイズを見積もる
キューレスログには,エージェントでのキューレスジョブの実行ログが出力されます。キューレスログは,主に業務の実行状況を監視するために使用します。
必要となるキューレスログファイルのサイズは,エージェントで実行するキューレスジョブの数によって異なります。必要に応じてキューレスログファイルの適切なサイズを見積もり,デフォルトのディスク容量を変更してください。キューレスログファイルのデフォルトのディスク容量と最大ディスク占有量については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.4 ログファイルおよびディレクトリ一覧」を参照してください。
キューレスログファイルの見積もり式を次に示します。
キューレスログファイル容量(単位:バイト)=
(60 + マネージャーホスト名長 + スケジューラーサービス名長 + ジョブ完全名長 + エージェントホスト名長)*2*保存しておきたいジョブ数
キューレスログファイルの拡張については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 3.5.1 トレースログファイルの拡張」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 13.4.4 トレースログファイルの拡張」(UNIXの場合)を参照してください。
(2) キューレストレースログファイルのサイズを見積もる
キューレストレースログには,キューレスジョブおよびキューレスジョブ実行制御関連コマンド実行時のトレースログが出力されます。キューレストレースログは,主にトラブルが発生した場合にその経緯を調査したり,各処理の処理時間を測定したりするために使用します。
キューレストレースログファイルは,初期状態では次のように設定されています。
JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥log¥tracelog.ql
(Windows Server 2008の場合は「%ALLUSERSPROFILE¥Hitachi¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log」)
/var/opt/jp1ajs2/log/tracelog.ql
必要に応じてトレースログファイルの適切なサイズを見積もり,拡張してください。ただし,キューレスジョブのマネージャー機能だけを使用する場合は,見積もる必要はありません。
キューレストレースログファイルの見積もり式を次に示します。
キューレストレースログファイル容量(単位:キロバイト)=
3,072*(問題が発生したときから資料採取できるまでに実行されるジョブ数 / 2,000)
(3) キューレスジョブ実行内部ログファイルのサイズを見積もる
キューレスジョブ実行内部ログファイルには,キューレスジョブ実行時のトレースログが出力されます。
キューレスジョブ実行内部ログファイルは,初期状態では次のように設定されています。
JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥log¥ajsqlexeclog※1
JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥log¥ajsqlexeclog_ftpd※2
/var/opt/jp1ajs2/log/ajsqlexeclog※3
/var/opt/jp1ajs2/log/ajsqlexeclog_ftpd※2
JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥log¥ajsqlexeclog-[論理ホスト名]
/var/opt/jp1ajs2/log/ajsqlexeclog-[論理ホスト名]
キューレスジョブ実行内部ログファイルのサイズは,実行するキューレスジョブの個数やキューレスジョブ実行時のファイル転送の有無などによって大きく異なります。そのため,キューレスジョブ実行内部ログファイルの適切なサイズを見積もり,必要に応じて拡張してください。
キューレスジョブ実行内部ログファイルの見積もり式を次に示します。
ajsqlexeclogファイルサイズ(単位:キロバイト)=
(2日間で実行するキューレスジョブの個数*600) / 1,024
ajsqlexeclog_ftpdファイルサイズ(単位:キロバイト)=
(2日間で実行するファイル転送を伴うキューレスジョブの個数*500) / 1,024
キューレスジョブ実行内部ログファイルのサイズの拡張手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド ajsqlexecsetsz」を参照してください。