3.4.6 ジョブ実行環境のログのサイズを見積もる

1日に実行するキューレスジョブとイベントジョブを除いたジョブの数が10,000ジョブ程度までであれば,特にジョブ実行環境のログサイズを見積もる必要なく,デフォルトのサイズのまま使用できます。1日に実行されるキューレスジョブとイベントジョブを除いたジョブの数が10,000程度を超える場合は,ログのサイズを見積もることを推奨します。

ジョブ実行環境のログサイズは,ログファイルの面数とあわせて決定します。見積もった値は,jajs_configコマンドを使用して定義します。

(1) ジョブ実行環境のログ設定構成定義の環境設定パラメーター一覧」で説明している環境設定パラメーターについて次のコマンドを実行して設定したあと,JP1/AJS3を再起動してください。

jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]

定義キー名に指定できる定義キーは一つです。定義キーが異なる環境設定パラメーターを設定する場合は,定義キーごとにjajs_configコマンドを実行する必要があります。

補足事項
  • 定義キーが異なる環境設定パラメーターを同時に設定したい場合は,jbssetcnfコマンドを使用します。jbssetcnfコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のjbssetcnfコマンドの説明を参照してください。
  • jajs_configコマンドを使用した場合は環境設定パラメーター名や定義内容が正しいかどうかがチェックされますが,jbssetcnfコマンドを使用した場合はチェックされません。誤った内容が設定されるのを防ぐために,jajs_configコマンドを使用することを推奨します。

定義キーがスケジューラーサービスごとに指定できる環境設定パラメーターは,各スケジューラーサービスで実行されるキューレスジョブとイベントジョブを除いたジョブの数で見積もってください。

ここでは,ジョブ実行環境のログ設定構成定義ファイルの環境設定パラメーター,および設定するログのサイズ(概算値)の目安について説明します。

デフォルトのディスク容量と最大ディスク占有量については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.4 ログファイルおよびディレクトリ一覧」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ジョブ実行環境のログ設定構成定義の環境設定パラメーター一覧
(2) 実行環境のログサイズの目安

(1) ジョブ実行環境のログ設定構成定義の環境設定パラメーター一覧

環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。

表3-23 ジョブ実行環境のログ設定構成定義の環境設定パラメーター一覧

ログファイル名定義キー環境設定パラメーター定義内容
ジョブ実行マネージャーログ
jpqmanexec{1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15}.log※1
スケジューラーサービス(共通)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥MANAGER¥Log]
スケジューラーサービス(個別)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥MANAGER¥Log]
サブミットジョブおよび互換用ISAM構成の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Log]

"ExecLogFileSize"=dword:サイズ
"ExecLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~8,000(10進数で512~32,768)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~10(10進数で2~16)です。
ジョブ実行エージェントログ
jpqagtexec{1|2|3|4|5|6|7|8}.log※2
jpqagtexeccld{1|2|3|4|5|6|7|8}.log
jpqagtexecdmn{1|2|3|4|5|6|7|8}.log
jpqagtexecmon{1|2|3|4|5|6|7|8}.log※3
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Log]

"ExecLogFileSize"=dword:サイズ
"ExecLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~8,000(10進数で512~32,768)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~10(10進数で2~16)です。
ジョブ実行内部ログ
jpqagt_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log
jpqmon_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log
jpqnjpagt_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Log]

"TraceLogFileSize"=dword:サイズ
"TraceLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~1,000(10進数で512~4,096)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~100(10進数で2~256)です。
ジョブ実行内部ログ
jpqnjpdata_{00|01}.log

"extTraceLogFileSize"=dword:サイズ
"extTraceLogFileCount"=dword:面数

ジョブ実行内部ログ
jpqclient_{00|01|02|03|04|05|06|07|08|09}.log
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Log]

"TraceLogFileSize"=dword:サイズ
"TraceLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~1,000(10進数で512~4,096)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~100(10進数で2~256)です。
ジョブ実行内部ログ
jpqnjpdata_{00|01}.log

"extTraceLogFileSize"=dword:サイズ
"extTraceLogFileCount"=dword:面数

ジョブ実行内部ログ
jpqman_{00|01|02|03}.log
jpqmandb_{00|01|02|03}.log
jpqmannjp_{00|01|02|03}.log
スケジューラーサービス(共通)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥MANAGER¥Log]
スケジューラーサービス(個別)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥MANAGER¥Log]
サブミットジョブおよび互換用ISAM構成の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Log]

"TraceLogFileSize"=dword:サイズ
"TraceLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~1,000(10進数で512~4,096)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~100(10進数で2~256)です。
ジョブ実行内部ログ
jpqnjpdata_{00|01}.log

"extTraceLogFileSize"=dword:サイズ
"extTraceLogFileCount"=dword:面数

ジョブ実行内部ログ
jpqnotify_{00|01}.log
jpqnotifynjp_{00|01}.log
スケジューラーサービス(共通)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥NOTIFY¥Log]
スケジューラーサービス(個別)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥NOTIFY¥Log]
互換用ISAM構成の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQNOTIFY¥Log]

"TraceLogFileSize"=dword:サイズ
"TraceLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~1,000(10進数で512~4,096)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~100(10進数で2~256)です。
ジョブ実行内部ログ
jpqnjpdata_{00|01}.log

"extTraceLogFileSize"=dword:サイズ
"extTraceLogFileCount"=dword:面数

ジョブ実行クライアントログ
jpqcliexec{1|2}.log※4
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Log]

"ExecLogFileSize"=dword:サイズ
"ExecLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~8,000(10進数で512~32,768)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~10(10進数で2~16)です。
ジョブ実行状態通知ログ
jpqnfyexec{1|2}.log※5
スケジューラーサービス(共通)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2¥SCHEDULER¥QUEUE¥NOTIFY¥Log]
スケジューラーサービス(個別)の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJSMANAGER¥スケジューラーサービス名¥QUEUE¥NOTIFY¥Log]
互換用ISAM構成の場合
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQNOTIFY¥Log]

"ExecLogFileSize"=dword:サイズ
"ExecLogFileCount"=dword:面数

サイズ
ログファイルのサイズをキロバイト単位で,16進数で指定します。指定できる値は,200~8,000(10進数で512~32,768)です。
面数
幾つのファイルによってログをラップさせるのか(ログの面数)を,16進数で指定します。指定できる値は,2~10(10進数で2~16)です。
注※1
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行マネージャーログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_man{1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15}.log

注※2
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行エージェントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_agt{1|2|3|4|5|6|7|8}.log

注※3
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行エージェントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_agtmon{1|2|3|4|5|6|7|8}.log

注※4
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行クライアントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_cli{1|2}.log

注※5
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行状態通知ログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_nfy{1|2}.log

ジョブ実行環境のログの出力先は,次のとおりです。

Windowsの場合
  • Windows Server 2008でインストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
    %ALLUSERSPROFILE%¥Hitachi¥JP1¥JP1_DEFAULT¥JP1AJS2¥log
    「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ¥Program Data」です。
    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。
    ・「システムドライブ¥Windows」配下
    ・「システムドライブ¥Program Files」配下
    ・「システムドライブ¥Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)
  • Windows Server 2003,またはWindows Server 2008でインストール先フォルダが上記以外の場合
    JP1/AJS3のインストール先フォルダ¥log
UNIXの場合
/var/opt/jp1ajs2/log

ログの種類の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.4 ログファイルおよびディレクトリ一覧」を参照してください。

(2) 実行環境のログサイズの目安

設定するログのサイズ(概算値)の目安を次の表に示します。

なお,運用環境などによって変わることもあります。

表3-24 ジョブ実行環境のログサイズの見積もり例

ログファイル名1ジョブ当たりのログサイズ(単位:バイト)10,000ジョブ当たりのログサイズ(単位:バイト)10,000ジョブ実行時に必要な面数の割り出し※110,000ジョブ実行時に必要なログ容量
jpqmanexec{1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15}.log※2,※34003,997,6964,800キロバイト / 1,024キロバイト1,024キロバイト*5面
jpqagtexec{1|2|3|4|5|6|7|8}.log※42772,768,8963,300キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*7面
jpqagtexeccld{1|2|3|4|5|6|7|8}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqagtexecdmn{1|2|3|4|5|6|7|8}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqagtexecmon{1|2|3|4|5|6|7|8}.log※5216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqagt_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log3303,302,4004,000キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*8面
jpqmon_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnjpagt_{00|01|02|03|04|05|06|07}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnjpdata_{00|01}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqclient_{00|01|02|03|04|05|06|07|08|09}.log7677,667,7129,200キロバイト / 1,024キロバイト512キロバイト*9面
jpqclientnjp_{00|01|02|03|04|05|06|07|08|09}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnjpdata_{00|01}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqman_{00|01|02|03}.log※2216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqmandb_{00|01|02|03}.log※2216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqmannjp_{00|01|02|03}.log※21051,048,5761,250キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*3面
jpqnjpdata_{00|01}.log216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnotify_{00|01}.log※2216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnotifynjp_{00|01}.log※252524,288630キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*2面
jpqnjpdata_{00|01}.log※2216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqcliexec{1|2}.log※6216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
jpqnfyexec{1|2}.log※7216,38420キロバイト / 512キロバイト512キロバイト*1面
注※1
余裕を持った値で計算しています。
注※2
JP1/AJS3 - Agentでは未使用のため拡張不要です。
注※3
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行マネージャーログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_man{1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15}.log

注※4
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行エージェントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_agt{1|2|3|4|5|6|7|8}.log

注※5
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行エージェントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_agtmon{1|2|3|4|5|6|7|8}.log

注※6
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行クライアントログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_cli{1|2}.log

注※7
Windowsのクラスタ運用時は,ジョブ実行状態通知ログのファイル名称は次のようになります。

jpqExecLog_nfy{1|2}.log