JP1/AJS3のイベントジョブおよび起動条件付きジョブネットでイベントを監視する場合は,実行数や発生するイベントの量をあらかじめ見積もり,JP1/AJS3の処理性能の範囲内で使用してください。
ここでは,JP1/AJS3のイベント監視の処理性能の見積もりと設定について説明します。
イベント監視の処理性能は,一つのイベントジョブまたは起動条件付きジョブネットが,1件のイベント発生から次のイベントを処理できるようになるまでの時間で見積もります。見積もり時間よりも短い時間内にイベントが発生する場合,イベントジョブ,または起動条件付きジョブネットがボトルネックとなり,他のジョブネットの処理遅延を引き起こすおそれがあります。そのため,イベント発生頻度を事前に予測できる場合は,予測した時間よりも短い時間内にイベントが発生しないような監視条件を設定することを推奨します。
また,複数のイベント監視に対して,ほぼ同時に複数のイベントが発生する場合も,同じようにボトルネックとなるおそれがあります。同時に発生するおそれがあるイベントを監視しないようにしてください。
なお,イベント監視1件当たりの処理時間は約0.6秒ですが,使用しているハードウェアなどによって異なります。
また,スケジューラーサービスでの単位時間当たりのイベント発生数で,スケジューラーサービスのイベント監視についての処理能力を見積もれます。スケジューラーサービスに通知されるイベントの発生数が,次に示す式で算出される値を十分に下回るような運用を推奨します。イベント監視の処理性能を見積もるときの計算式を次に示します。
上記の式で算出した値(「処理できるイベントの件数」)が,ピーク時の性能(イベントジョブ,起動条件だけを実行させる場合に処理できる数)です。
なお,イベントの発生量は,ピーク時も含めて1スケジューラーサービス当たり1時間で1,000件以内の発生量になるようにしてください。