9.1 外部的要因がシステム全体に影響を及ぼさないように制限できる項目

JP1/AJS3は,外部から入力するデータのサイズ,件数などに制限を設け,制限を超えたデータを破棄することができます。また,データ件数など徐々に増加する項目では,制限に近づいていることを示す警告メッセージを出力できます。これによって,一部のジョブの処理でシステム全体に影響が出ないように運用できます。

JP1/AJS3がサポートしている,外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目を次の表に示します。

表9-1 外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目

対象項目制限できる項目制限到達時の処理制限到達時に出力するメッセージ
標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,QUEUEジョブ,サブミットジョブ結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)サイズ
(マネージャー側)
結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)のサイズ警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄KAVU4294-I※1
KAVU4295-W※1
KAVU4296-E※1
ジョブ数システム内の最大ジョブ数,システム内の警告ジョブ数警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となるKAVU4520-W※2
KAVU4524-W※2
転送ファイルサイズ
(マネージャー側)
転送ファイルのサイズ警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄KAVU2243-I※1
KAVU2244-E※1
ジョブ実行時間打ち切り時間ジョブを打ち切り強制終了状態となるなし
ユーザージョブプロセスごとの最大データセグメントサイズなど
(UNIXだけ)
ユーザージョブの動作に従うなし
通信時間通信タイムアウト時間リトライ仕様に従ってリトライするKAVU2227-E※3
KAVU2228-E※3
KAVU2245-W※3
KAVU2246-W※3
QUEUEジョブ,サブミットジョブキュー単位のジョブ数キュー内のジョブ数の最大値警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となるKAVU4515-W※4
KAVU4516-W※4
キューの数キューの最大定義数定義エラーとなるKAVU4522-W※2
エージェントの数エージェントの最大定義数定義エラーとなるKAVU4521-W※2
排他実行リソースの数排他実行リソースの最大定義数定義エラーとなるKAVU4523-W※2
イベントジョブ起動条件成立数監視条件(発行元ユーザー名やメッセージなどの条件を詳細に指定することで,想定外のイベントを制限する)想定外のイベントに対して起動条件が成立しないKAVT0273-W
KAVT0582-W
起動条件イベント起動条件の有効範囲監視正常終了なし
監視時間打ち切り時間異常検出終了,起動条件は監視未起動終了なし
ファイル各種ログファイルサイズログファイルのサイズ次のログファイルにラップアラウンドするなし
注※1
ファイル受信制限をするための設定で指定した環境設定パラメーターの値によって,メッセージが変わります。
受信するファイルのファイルサイズなどに制限を掛けるための設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照してください。
注※2
システム内の最大ジョブ数,システム内の警告ジョブ数,キューの最大定義数,エージェントの最大定義数,および排他実行リソースの最大定義数については,環境設定パラメーターで設定値を変更できます。
これらの設定値を変更する方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.3 ジョブ実行環境設定」を参照してください。
注※3
TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数のための環境設定パラメーターの値によってメッセージが変わります。
TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数のための設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.2.8 TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数の変更」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.2.8 TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数の変更」(UNIXの場合)を参照してください。
注※4
キュー内のジョブ数の最大値については,jpqquealtコマンドで設定値を変更できます。
キュー内のジョブ数の最大値を変更する方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqquealt」を参照してください。