7.1.7 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の設定
QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用する場合,ジョブを配信する際に,優先順位とエージェント使用率が同一のエージェントホストが複数あるとき,デフォルトではエージェントID※の大きいエージェントホストを選択してジョブを配信します。
例えば,実行時間が非常に短いジョブを複数実行する場合,ジョブはすぐに終了するためエージェント使用率はなかなか上昇しないで,ジョブが配信されていないエージェントホストとエージェント使用率を比較した際に差異が出にくくなります。結果として,エージェントIDの大きい方に偏ってジョブを配信するため,エージェントIDの大きいエージェントホストで実行するジョブ数が多くなり,システムの使用率に偏りが生じることになります。
このような場合に,エージェントIDの代わりに未使用時間が最も長いエージェントホストを選択してジョブを配信する方式を設定することで,均等に負荷分散を行うことができます。
- 注※
- エージェントIDはjpqimportコマンドで使用するQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)に指定したものです。また,jpqagtaddコマンドでエージェントホストを追加した場合は,使用していない番号が付加されます。jpqagtshowコマンドでエージェントホストの一覧を表示するとエージェントIDの昇順で表示されます。
- jpqimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqimport」を参照してください。
- jpqagtaddコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqagtadd」を参照してください。
- jpqagtshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 3. 特別な運用で使用するコマンド jpqagtshow」を参照してください。
ジョブを配信するエージェントホストの決定方式を設定するための手順を次に示します。
なお,キューレスジョブ実行機能では,次に示す設定は必要ありません。
- <この項の構成>
- (1) 定義手順
- (2) 環境設定パラメーター一覧
(1) 定義手順
- JP1/AJS3のサービスを停止する。
- Windowsの場合
- Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止します。
- ・JP1/AJS3サービス
- UNIXの場合
- 次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
- # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
- # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
- 注※ 自動停止の設定がされていることを確認してください。
- 次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
- JP1/AJS3を再起動する。
設定した内容が反映されます。
(2) 環境設定パラメーター一覧
表7-4 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式環境設定パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Agent]※ | "LeastRecentlyUsed"= | ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の定義 |
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。