JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス
機能
統合監視DBに登録しているJP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力するコマンドです。このコマンドは,複数を同時に実行できません。
jcoevtreportコマンドは,統合監視DBを無効にしている場合またはセントラルコンソールが停止している場合でも,IMデータベースサービスが起動していれば,JP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力することができます。
CSVの出力形式については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「3.11.2 統合監視DBのイベント情報を保管(イベントレポート出力)」を参照してください。
定義を誤った場合や,ファイルサイズの最大値を超えた場合などのエラー情報は,標準エラー出力に出力されます。
出力する機能の説明を次の表に示します。
機能 説明 イベントレポート出力 統合監視DBに登録しているJP1イベントの情報をCSV形式にしてファイルに出力する機能 保守情報出力 統合監視DBで障害が発生した場合に出力対象始点日から出力対象終点日までに登録されたJP1イベントのすべての情報をイベントレポート出力する機能 保存出力 統合監視DBからJP1イベントの情報が削除される前に,イベントレポート出力を利用して保存する機能 保存出力状態表示 統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントの割合(統合監視DBの最大容量との比率)と容量,および削除警告通知位置を表示する機能
形式
- イベントレポート出力
jcoevtreport [ -h 論理ホスト名] [ -o 出力ファイル名] -s 出力対象始点日 -e 出力対象終点日 [ -user] [ -f イベントレポート出力のフィルターファイル名] [ -k 項目ファイル名] [ -t {ON|OFF}] [ -a {EVTATTR|DISP}]
- 保守情報出力
jcoevtreport [ -h 論理ホスト名] [ -o 出力ファイル名] -s 出力対象始点日 -e 出力対象終点日 -sys
- 保存出力
jcoevtreport [ -h 論理ホスト名] [ -o 出力ファイル名] -save [ -t {ON|OFF}] [ -a {EVTATTR|DISP}]
- 保存出力状態表示
jcoevtreport [ -h 論理ホスト名] -showsv
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
Consoleパス\bin\
- UNIXの場合
/opt/jp1cons/bin/
引数
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,コマンドを実行するホストの論理ホスト名を指定します。指定された論理ホストで稼働している統合監視DBからJP1イベントの情報を取得し,イベントレポート出力,保守情報出力,保存出力,または保存出力状態表示をします。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。
-o 出力ファイル名
統合監視DBから取得したJP1イベントの情報をCSV形式にして出力するファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。
ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など)や絶対パス形式で指定してください。指定できるファイル名は,パスを含めて250バイト以内です。
ただし,Windowsの場合,次に示す文字列はファイル名には指定できません。
- 「:」,「?」,「“」,「<」,「>」,「|」の文字。
- CON,PRN,AUX,NUL,COM1,COM2,COM3,COM4,COM5,COM6,COM7,COM8,COM9,LPT1,LPT2,LPT3,LPT4,LPT5,LPT6,LPT7,LPT8,LPT9のどれかと完全一致する(小文字も含む)文字列。
指定した出力ファイル名と実際に作成されるファイル名の関係を次に示します。
統合監視DBのイベント情報がCSV形式で「出力ファイル名_通し番号.csv」が出力されます。通し番号は,000から999までの数字です。1ファイルに出力するイベントの情報は最大50,000件です。すでに同じファイル名が存在する場合は,上書きしないで,存在しない番号まで繰り上げて作成します。オプションを省略した場合は,カレントディレクトリにjcoevtreport_通し番号.csvが出力されます。
カレントディレクトリ(「.」)やルートディレクトリ(「/」)をファイル名に指定した場合,次の対処となります。
-oの引数 Windows UNIX . カレントに「._xxx.csv」が作成される。 カレントに「_xxx.csv」が作成される。 / ルートに「_xxx.csv」が作成される。 ルートに「_xxx.csv」が作成される。 ""(空文字) カレントに「_xxx.csv」が作成される。 引数不足エラー。 -s 出力対象始点日
出力するイベントの始点日を指定します。
指定形式はYYYYMMDDhhmmssで指定します。
指定可能な日時の範囲は,(GMT)1970/01/01 00:00:00 〜 2038/01/19 03:14:07です。コマンド実行ホストのタイムゾーンが日本時間の場合,(GMT+9:00)1970/01/01 09:00:00 〜 2038/01/19 12:14:07となります。
-e 出力対象終点日
出力するイベントの終点日を指定します。
指定形式はYYYYMMDDhhmmssで指定します。
指定可能な日時の範囲は,-sオプションと同じです。
-k 項目ファイル名
イベントレポート出力時に出力項目定義ファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。
ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など),または絶対パス形式で指定してください。
-f イベントレポート出力のフィルターファイル名
イベントレポート出力のフィルターファイル名を,相対パスまたは絶対パス形式で指定します。
ファイル名が「-」で始まるファイルを指定する場合は,オプション指定との区別をするため,「-」で始まらないように,ディレクトリを含む相対パス(「./-hoge」など),または絶対パス形式で指定してください。
イベントレポート出力のフィルターファイルの形式については,「イベントレポート出力のフィルターファイル」(2. 定義ファイル)を参照してください。
-t {ON|OFF}
登録時刻,到着時刻,および拡張属性の共通情報のSTART_TIMEとEND_TIMEを通算秒でなくYYYYMMDDhhmmss形式で出力します。
- ON:登録時刻,到着時刻,および拡張属性の共通情報のSTART_TIMEとEND_TIMEを1970年1月1日からの通算秒の表記からYYYYMMDDhhmmssの西暦表示に変換したい場合に指定します。
- OFF:西暦表示に変換しない場合に指定します。
このオプションの指定は,項目ファイルの指定より優先されます。
ONまたはOFFは,大文字小文字を区別しません。
-a {EVTATTR|DISP}
ヘッダーの出力形式を指定します。-aオプションを省略した場合,ヘッダーは出力しません。
EVTATTRを指定すると表示形式が属性名(B.IDやE.SEVERITYなど)で出力し,DISPを指定すると項目(イベントIDや重大度など)で出力します。
EVTATTRまたはDISPは,大文字小文字を区別しません。
-user
統合監視DBに登録しているJP1イベントをイベントレポート出力します。
-userオプションは,省略できます。
-userオプションを指定しなくても,-sys,-save,-showsvを指定していなければイベントレポート出力を指定していることになります。
-sys
統合監視DBに登録しているJP1イベントを保守情報出力します。
-save
統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントをすべて保存出力します。
-showsv
統合監視DB内の保存出力していないJP1イベントの割合(統合監視DBの最大容量との比率)と容量,および,削除警告通知位置を表示します。
戻り値
0 正常終了 1 オプション・引数不正 2 フィルター不正 3 項目ファイル不正 4 レポート出力処理エラー 5 実行権限エラー(Windows限定) 6 同時実行エラー 7 出力ファイルの通し番号が上限値に達した 101 統合監視DBがセットアップされていない 102 IMデーターベースサービスが起動していない 103 IMデーターベースサービスとの接続エラーが発生した 254 メモリー不足が発生した 255 システムエラー
使用例1
2008/06/01 12:00:00 〜 2009/01/01/00:00:00の間にマネージャーに到着したイベントを対象にレポート出力する場合
jcoevtreport -s 20080601120000 -e 20090101000000 -user
使用例2
出力先を「report_xxx.csv」に指定して2009/07/08 08:45:00 〜 2009/07/14 17:15:00のJP1イベントをイベントレポート出力する場合
jcoevtreport -s 20090708084500 -e 20090714171500 -o report
使用例3
出力先を「report_xxx.csv」に指定して2009/07/08 08:45:00 〜 2009/07/14 17:15:00のJP1イベントを保守情報出力する場合
jcoevtreport -sys -s 20090708084500 -e 20090714171500 -o report
使用例4
出力先を「report_xxx.csv」に指定して保存出力する場合
jcoevtreport -save -o report
使用例5
保存出力状態を表示する場合
jcoevtreport -showsv
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