10.2.2 統合トレースログ

統合トレースログとは,各プログラムが出力するトレース情報を,統合トレース機能(HNTRLib2)を通じて,一つの出力先ファイルにまとめて採取するログ情報のことです。共通メッセージログより詳しい内容のメッセージが出力されます。

統合トレースログのデフォルトの出力先は次のとおりです。

Windowsの場合
システムドライブ¥Program Files¥Hitachi¥HNTRLib2¥spool¥hntr2{1|2|3|4}.log
UNIXの場合
/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2{1|2|3|4}.log

統合トレースログファイルは,任意のテキストエディターで参照できます。統合トレースログの出力例を次に示します。

図10-2 統合トレースログファイルの出力例

[図データ]

統合トレースログファイルに出力されるヘッダー情報と出力項目の説明を次に示します。

表10-1 統合トレースログファイルのヘッダー情報

ヘッダー情報説明
OS情報統合トレース機能が起動しているOSの情報です。
ホスト名統合トレース機能が起動しているホスト名です。
タイムゾーン
Windowsの場合
OSのタイムゾーンです。
UNIXの場合
統合トレースプロセスの環境変数TZです。
環境変数TZが設定されていない場合はUnknownとなります。
統合トレースログ機能起動時刻統合トレース機能を起動した時刻です。

表10-2 統合トレースログファイルの出力項目

出力項目説明
番号(4桁)トレースレコードの通番
番号はログを出力したプロセスごとに採番されます。
日付(10バイト)トレースの取得日付:yyyy/mm/dd(年/月/日)
時刻(12バイト)トレースの取得時刻(ローカル時刻):hh:mm:ss.sss(時:分:秒.ミリ秒)
AP名(16バイト以内)アプリケーションを識別するための名称(アプリケーション識別名)。
JP1/IM - Managerで出力されるAP名は次のとおりです。
  • JP1/IM-Managerサービス
    JP1/IM-Manager
  • イベント基盤サービス
    evflow
  • アクション実行サービス
    jcamain
  • インシデント登録サービス
    jcdmain
  • 相関イベント発行サービス
    evgen
  • セントラルスコープサービス
    jcsmain
  • IM構成管理サービス
    jcfmain
  • プロセス管理
    JCO_SPMD
  • jcochstatコマンド
    jcochngstat
  • そのほかのコマンド
    コマンド名

JP1/IM - Viewで出力されるAP名は次のとおりです。
  • セントラルコンソール・ビューアー
    JP1/IM-View
  • セントラルスコープ・ビューアー
    JP1/IM-View
  • IM構成管理・ビューアー
    JP1/IM-View
  • ツリー編集画面
    JP1/IM-Edit
pidプロセスID。OSが付けるプロセスID。
tidスレッドID。スレッドを識別するためのID。
メッセージIDメッセージの出力形式で説明したメッセージID。この製品で使用するメッセージID。
メッセージテキスト統合トレースログに出力されるメッセージのテキスト。この製品から出力されるメッセージテキスト。

統合トレースログに出力されるログの時刻は,出力したプロセスのタイムゾーンでフォーマットされます。

このため,環境変数TZを変更したユーザーなどがサービスを起動したり,コマンドを実行したりすると,OSに設定されているタイムゾーンと異なる時刻が出力されることがあります。