JP1/IMの運用中にシステムの日時を変更する場合の注意事項および手順について説明します。
サーバのシステム時刻を,NTP(Network Time Protocol)サーバなどを利用した時刻が過去に戻ることがない方式で合わせる場合には,次の手順に従わずに変更できます。その場合,JP1/Baseを停止する必要はありません。
(1) システムの日時を過去に戻す場合
システムの日時を変更する際,過去の日時に変更することは通常避けてください。
システム時刻の進みや遅れを補正する場合でも,システム時刻を過去に戻すと自動アクションの実行結果の表示順序や監視ツリーの状態更新日時などの表示が不正になることがあります。このような現象は,システム時刻を過去に戻したことで,JP1/IM - Manager,JP1/Baseの管理データに不整合が生じたときに発生します。JP1/IM - Viewには影響ありません。
また,システム時刻を過去に戻すと,到着時刻を指定してイベント検索したときに,正しくイベント検索ができないことがあります。
テストなどでシステムの時刻を意図的に未来の日時へ変更したような場合に,システム日時を元に戻すときは,次に示す手順で戻してください。
(a) マネージャーのシステム日時を元に戻す手順
また,次の方法でも日時を元に戻せます。ただし,この方法では,アクション情報ファイルやアクションホスト名格納ファイルなどの手順5に示す情報,およびIMデータベースのイベント情報やホスト情報が削除されますので注意してください。
表2-1 削除対象ファイル(Windows)
ファイル名 | 格納場所 |
---|---|
アクション情報ファイル | Consoleパス¥log¥action¥actinf.log |
共有フォルダ¥jp1cons¥log¥action¥actinf.log | |
アクションホスト名格納ファイル | Consoleパス¥log¥action¥acttxt{1|2}.log |
共有フォルダ¥jp1cons¥log¥action¥acttxt{1|2}.log | |
コマンド実行履歴ファイル | Baseパス¥log¥COMMAND¥以下の全ファイル |
共有フォルダ¥jp1base¥log¥COMMAND¥以下の全ファイル | |
イベントDB | Baseパス¥sys¥event¥servers¥default¥以下のIMEvent*.*ファイル※ |
共有フォルダ¥jp1base¥event¥以下のIMEvent*.*ファイル※ |
注※ イベントサーバインデックス(index)ファイルで別パスを指定した場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
表2-2 削除対象ファイル(UNIX)
ファイル名 | 格納場所 |
---|---|
アクション情報ファイル | /var/opt/jp1cons/log/action/actinf.log |
共有ディレクトリ/jp1cons/log/action/actinf.log | |
アクションホスト名格納ファイル | /var/opt/jp1cons/log/action/acttxt{1|2}.log |
共有ディレクトリ/jp1cons/log/action/acttxt{1|2}.log | |
コマンド実行履歴ファイル | /var/opt/jp1base/log/COMMAND/以下の全ファイル |
共有ディレクトリ/jp1base/log/COMMAND/以下の全ファイル | |
イベントDB | /var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/以下のIMEvent*.*ファイル※ |
共有ディレクトリ/jp1base/event/以下のIMEvent*.*ファイル※ |
注※ イベントサーバインデックス(index)ファイルで別パスを指定した場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
以上で,マネージャーのシステム日時を元に戻す作業は完了です。なお,セントラルスコープの機能を使用する場合は,次の手順を続けて作業してください。
(b) エージェントのシステム時刻を元に戻す手順
エージェントのシステム時刻を元に戻す場合は,該当ホストのJP1/BaseのイベントDBだけでなく,イベント転送先ホストのJP1/Baseの時刻も元に戻す必要があります。手順などの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Base運用中の設定変更の章,システムの日時変更時に必要な作業の説明を参照してください。
(2) システムの時刻が遅れているため,時刻を進める場合
システムの時刻を進める場合には,過去に戻す場合と異なり,JP1/IMを停止したり,ファイルを削除したりする必要はありません。
ただし,IMデータベースを使用している場合は,IMデータベースの起動または停止処理中に時刻を変更しないでください。