バージョン8以前のJP1/Cm2/SSOのCPU監視など,監視ツリーの自動生成でサポートしていない対象を監視したい場合には,監視オブジェクトを手動で作成する必要があります。
(1) 前提知識
バージョン8以前のJP1/Cm2/SSOのようにSNMPトラップを出力する製品をJP1/IMで監視する場合,まず,SNMPトラップをJP1イベントに変換する必要があります。これは,セントラルスコープがJP1イベントの属性名と属性値をキーにして,監視オブジェクトを監視しているためです。
JP1/BaseのSNMPトラップ変換機能を使うことで,SNMPトラップをJP1イベントに変換できます。SNMPトラップ変換機能を使えば,SNMPの各フィールドをJP1イベントの属性にマッピングすることができます。
変換後のJP1イベントの属性と,SNMPトラップの各フィールドの対応を次の表に示します。
表5-6 JP1イベントの属性とSNMPトラップの各フィールドの対応
変換後のJP1イベント | 変換対象のSNMPトラップ | ||
---|---|---|---|
基本属性 | メッセージ | PDU Type | |
拡張属性 | 共通情報 | SEVERITY | specific trap |
- | - | ||
固有情報 | SNMP_OID | Enter prise | |
SNMP_DATE | timestamp | ||
SNMP_SOURCE | agent address | ||
SNMP_SEVERITY | specific trap | ||
SNMP_URL | - | ||
SNMP_VARBIND_RESULT | - | ||
SNMP_VARBIND_NUM | - | ||
SNMP_VARBIND1 | バリアブルバインディングのData1の値 | ||
SNMP_VARBIND2 | バリアブルバインディングのData2の値 | ||
(省略) | (省略) | ||
SNMP_VARBIND28 | バリアブルバインディングのData28の値 |
なお,SNMPトラップ変換機能の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(2) 監視オブジェクト作成前の確認
CPU監視をする監視オブジェクトを作成する前に,次の2点を確認してください。
(3) 監視オブジェクトの作成(CPUの監視)
図5-18 汎用監視オブジェクトの作成
作成手順を次に示します。
表5-7 監視ノード名と監視ノード種別の設定内容
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
監視ノード名 | 任意の名称を入力します。 管理しやすい名称にすることをお勧めします。この例では,「CPU利用率監視(SSO)」と入力します。 |
監視ノード種別 | 「監視オブジェクト」をラジオボタンで選択し,「汎用オブジェクト」をリストボックスから選択します。 |
(4) 監視オブジェクトの設定(CPUの監視)
図5-19 汎用監視オブジェクトの設定(状態変更条件の追加 その1)
図5-20 汎用監視オブジェクトの設定(状態変更条件の追加 その2)
設定手順を次に示します。
表5-8 状態変更条件の設定例
条件名 (任意の名称) | 状態 | 共通条件 |
---|---|---|
CPU利用率警戒のイベント(SSO) | 警戒 | リソース警戒のイベント(SSO) |
CPU利用率エラーのイベント(SSO) | エラー | リソースエラーのイベント(SSO) |
表5-9 状態変更条件(個別条件)の設定例
監視ノード属性名 | 属性名 | 属性値(例) | 条件 |
---|---|---|---|
カテゴリー名 | E.SNMP_VARBIND2 | SSO | と一致する |
グループ名 | E.SNMP_VARBIND3 | コンピュータ | と一致する |
リソース名 | E.SNMP_VARBIND4 | CPU利用率※1 | と一致する |
イベント発行元ホスト | E.SNMP_VARBIND11 | mgr-svr1※2 | ホスト名比較 |
ホスト名 | E.SNMP_VARBIND12 | agt-srv1※3 | ホスト名比較 |
注※1 バージョン8以前のJP1/Cm2/SSOで監視対象となっているリソース名を設定します。
注※2 イベント発行ホスト名を設定します。gethostnameで取得したホスト名です。hostnameコマンドで表示されるホスト名の形式で指定してください。
注※3 監視先ホスト名を設定します。gethostbyaddrで取得したホスト名です。DNSが設定されている場合は,ホスト名にDNSのsuffixが付加された名称を指定してください。DNSが設定されていない場合は,hostsファイルに書かれているホスト名の形式で指定してください。
バージョン8以前のJP1/Cm2/SSOのリソース名「CPU利用率」の状態を監視する監視オブジェクトは,システム監視オブジェクト「カテゴリー監視(SSO)」を利用して作ることもできます。カテゴリー監視(SSO)のシステム監視オブジェクト作成後,不足している個別条件をすべての状態変更条件に追加してください。