クラスタシステムでJP1/IM - Managerを運用するには,クラスタソフトの制御により論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IMの構成は次のようになります。
(1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要
表6-3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成
製品名 | クラスタシステムでのJP1/IMの構成 |
---|---|
JP1/IM - View |
|
JP1/IM - Manager |
|
(2) 共有ディスク上のファイル構成
論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - Managerを実行するために必要なファイルです。
(a) Windowsの場合
表6-4 共有ディスク上のファイル構成(Windows)
機能 | 共有ファイルの種別 | フォルダ名 |
---|---|---|
セントラルコンソール | 定義ファイル | 共有フォルダ¥jp1cons¥conf¥ |
ログファイル | 共有フォルダ¥jp1cons¥log¥ | |
一時ファイル | 共有フォルダ¥jp1cons¥tmp¥ | |
履歴ファイル※ | 共有フォルダ¥jp1cons¥operation¥ | |
セントラルスコープ | 定義ファイル | 共有フォルダ¥jp1scope¥conf¥ |
ログファイル | 共有フォルダ¥jp1scope¥log¥ | |
一時ファイル | 共有フォルダ¥jp1scope¥tmp¥ | |
データベース | 共有フォルダ¥jp1scope¥database¥ | |
IM構成管理 | 定義ファイル | 共有フォルダ¥JP1IMM¥conf¥imcf¥ |
ログファイル | 共有フォルダ¥JP1IMM¥log¥imcf¥ | |
一時ファイル | 共有フォルダ¥JP1IMM¥tmp¥ | |
IM構成のデータおよびプロファイルのデータ | 共有フォルダ¥JP1IMM¥data¥imcf¥ | |
IMデータベース | データベース | 共有ディスク上のユーザーが指定したフォルダ¥imdb |
注※ インシデント登録サービスおよび相関イベント発行サービスの処理が履歴として出力されます。
(b) UNIXの場合
表6-5 共有ディスク上のファイル構成(UNIX)
機能 | 共有ファイルの種別 | ディレクトリ名 |
---|---|---|
セントラルコンソール | 定義ファイル | 共有ディレクトリ/jp1cons/conf/ |
ログファイル | 共有ディレクトリ/jp1cons/log/ | |
一時ファイル | 共有ディレクトリ/jp1cons/tmp/ | |
履歴ファイル※ | 共有ディレクトリ/jp1cons/operation/ | |
セントラルスコープ | 定義ファイル | 共有ディレクトリ/jp1scope/conf/ |
ログファイル | 共有ディレクトリ/jp1scope/log/ | |
一時ファイル | 共有ディレクトリ/jp1scope/tmp/ | |
データベース | 共有ディレクトリ/jp1scope/database/ | |
IM構成管理 | 定義ファイル | 共有ディレクトリ/jp1imm/conf/imcf/ |
ログファイル | 共有ディレクトリ/jp1imm/log/imcf/ | |
一時ファイル | 共有ディレクトリ/jp1imm/tmp/ | |
IM構成のデータおよびプロファイルのデータ | 共有ディレクトリ/jp1imm/data/imcf/ | |
IMデータベース | データベース | 共有ディスク上のユーザーが指定したディレクトリ/imdb |
注※ インシデント登録サービスおよび相関イベント発行サービスの処理が履歴として出力されます。
(3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス
クラスタ運用でのJP1/IM - Managerは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。
(a) Windowsの場合
論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,次のサービスがWindowsに登録されます。このサービスをクラスタソフトに登録して実行します。
表6-6 JP1/IM - Managerのサービス(Windows)
表示名称 | サービス名 |
---|---|
JP1/Console_論理ホスト名 | JP1_Console_論理ホスト名 |
JP1/IM-Manager DB Cluster Service_論理ホスト名※1 | HiRDBEmbeddedEdition_JM<n>※2 |
表示名称の欄は,[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]で表示される名前です。また,クラスタソフトからサービスをnetコマンド(net startやnet stop)で制御する場合は,この名前をnetコマンドに指定します。
サービス名の欄は,次に示すクラスタソフトに登録する場合の名前です。これをMSCSまたはWSFCの「サービス名」の設定項目に指定します。
(b) UNIXの場合
論理ホストのJP1/IM - Managerを実行すると,論理ホストに対応したプロセスが動作します。
プロセス名は,引数に論理ホスト名が付加された名称になります。プロセス名については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「付録B プロセス一覧」を参照してください。
(4) 通信方式
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,JP1/IM - Managerの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。
通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。
通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - Managerは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。
(5) 共通定義情報の設定
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。
共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。
図6-3 共通定義情報
共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。
論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。
なお,共通定義情報は,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor(06-02以降)が設定情報を格納するために使用しています。