4.9 ユーザー独自のイベント属性を表示する手順

ユーザー独自のイベント属性(拡張属性の固有情報)を表示するための作業手順を示します。

なお,JP1/IMで作業に入る前に,JP1/Baseで独自イベントを発行できるようにするための作業が必要です。JP1/Baseでの独自イベントを発行できるようにする方法については,マニュアル「JP1/Base 関数リファレンス」を参照してください。

また,独自イベントは,JP1/Baseでjevsendおよびjevsenddコマンドを使用して発行することもできます。その場合にも,イベント拡張属性定義ファイルの設定などが必要になることがあります。JP1/Baseでjevsendおよびjevsenddコマンドを使用して独自イベントを発行できるようにする方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

JP1/IMでの作業の流れは次のとおりです。

  1. 定義ファイルを作成する。
    JP1/IM - Managerがインストールされたマシン上に,次の定義ファイルを作成します。
    • イベント拡張属性定義ファイル
      表示したいユーザー独自のイベント属性を定義します。
    • オブジェクトタイプ定義ファイル
      ユーザー独自のイベント属性をJP1/IM - Viewの画面のどの表示項目に表示するかを定義します。
  2. 定義ファイルを有効にする。

それぞれの作業の詳細を次項から説明しますが,例として次に示すJP1イベントを仮定し,そのイベント属性を表示するための定義ファイルの作成方法を説明することにします。

例として取り上げるJP1イベント

Windows上で動作する「SAMPLE」という名称のアプリケーションが,起動・停止時に発行する開始イベントと異常終了イベントを例として取り上げます。

それぞれのイベントの詳細を次に示します。

表示するJP1イベントの種類
  • SAMPLEアプリケーションの開始時に発行されるJP1イベント(開始イベント)
    イベントID:0x00000001
    メッセージ:「SAMPLEアプリケーションを開始します。」
  • SAMPLEアプリケーションの異常終了時に発行されるJP1イベント(異常終了イベント)
    イベントID:0x00000002
    メッセージ:「SAMPLEアプリケーションが異常終了しました。」
開始イベントのイベント属性定義(拡張属性(extattrs))
SAMPLEアプリケーションの開始イベントには,次の属性が定義されています。

表4-8 開始イベントの属性

属性の種別項目属性名内容
基本属性イベントID0x00000001
メッセージ「SAMPLEアプリケーションを開始します。」
拡張属性
(共通情報)
重大度SEVERITYNotice
ユーザー名USER_NAMESAMPLE_USER
プロダクト名PRODUCT_NAME/COMPANY/APP1/SAMPLE_PRODUCT
(プロダクトの名称)
オブジェクトタイプOBJECT_TYPESAMPLE
オブジェクト名OBJECT_NAMESAMPLE_NAME
登録名タイプROOT_OBJECT_TYPEROOT_SAMPLE
登録名ROOT_OBJECT_NAMEROOT_SAMPLE_NAME
オブジェクトIDOBJECT_IDSAMPLE_ID
事象種別OCCURRENCESTART
開始時刻START_TIMESAMPLEアプリケーションの開始時刻。UTC 1970年1月1日 00:00:00からの秒数。
プラットフォーム種別PLATFORMNT
バージョン情報ACTION_VERSION0600
拡張属性
(固有情報)
SAMPLE共通属性1COMMON_ATTR1NATIVE
SAMPLE共通属性2COMMON_ATTR2TRUE
SAMPLE開始属性1START_ATTR1SAMPLE1
SAMPLE開始属性2START_ATTR2SAMPLE2
(凡例)
-:なし

異常終了イベントのイベント属性定義(拡張属性(extattrs))
SAMPLEアプリケーションの異常終了イベントには,次の属性が定義されています。

表4-9 異常終了イベントの属性

属性の種別項目属性名内容
基本属性イベントID0x00000002
メッセージ「SAMPLEアプリケーションが異常終了しました。」
拡張属性
(共通情報)
重大度SEVERITYError
ユーザー名USER_NAMESAMPLE_USER
プロダクト名PRODUCT_NAME/COMPANY/APP1/SAMPLE_PRODUCT
(プロダクトの名称)
オブジェクトタイプOBJECT_TYPESAMPLE
オブジェクト名OBJECT_NAMESAMPLE_NAME
登録名タイプROOT_OBJECT_TYPEROOT_SAMPLE
登録名ROOT_OBJECT_NAMEROOT_SAMPLE_NAME
オブジェクトIDOBJECT_IDSAMPLE_ID
事象種別OCCURRENCEEND
終了時刻END_TIMESAMPLEアプリケーションの終了時刻。UTC 1970年1月1日 00:00:00からの秒数。
終了コードRESULT_CODESAMPLEアプリケーション終了時の終了コード
プラットフォーム種別PLATFORMNT
バージョン情報ACTION_VERSION0600
拡張属性
(固有情報)
SAMPLE共通属性1COMMON_ATTR1NATIVE
SAMPLE共通属性2COMMON_ATTR2TRUE
SAMPLE終了属性1END_ATTR1SAMPLE1
SAMPLE終了属性2END_ATTR2SAMPLE2
(凡例)
-:なし

<この節の構成>
4.9.1 定義ファイルを作成する
4.9.2 定義ファイルを有効にする