[監視ツリー]画面および[ビジュアル監視]画面では,監視オブジェクトの状態変更イベントを,発生の古い順に100件まで検索(履歴表示)できます(101件以降は検索できません)。なお,状態変更イベントとは,セントラルスコープで監視対象(状態変更条件)としているJP1イベントのことです。
(1) 状態変更イベントの履歴を検索する
現在の状態になるまでに発生した状態変更イベントの履歴を確認したい,またはその状態変更イベントの詳細情報を確認したい場合に利用します。状態変更イベントの検索をすると,[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページが表示され,そこに該当するJP1イベントが表示されます。
なお,監視オブジェクトの状態を手動で変更すると,状態変更イベントの履歴も削除されます。
図4-18 監視オブジェクトの状態遷移と状態変更イベント検索の関係
監視グループに対し,状態変更イベントの検索をすると,下位監視ノードで発生した状態変更イベントのうち,発生の古い順に100件までが表示されます。
ただし,監視グループの状態変更条件を定義している場合には,下位の監視ノードの状態を変更したイベントがあっても,対策の必要がある状態変更イベントだけ,発生の古い順に100件まで表示されます。次の図に例を示します。
図4-19 監視グループの状態変更イベント検索の例
上記図のように,対策の必要がある状態変更イベントだけが表示されます。
監視オブジェクト2の状態変更イベントの検索結果を表示したい場合には,監視ツリーをドリルダウンしたり,監視ノードの検索をしたりして調査できます。また,上位の監視グループ2から,監視オブジェクト2の状態変更イベントを検索したい場合には,監視グループ2の状態変更条件に,「エラーの下位監視ノードが1個以上で警告」と定義します。
図4-20 イベントID=00003FB1の発行
(2) JP1イベント受信時に監視オブジェクトを初期状態にする
JP1イベントの受信を契機として,監視オブジェクトの状態を「初期状態」にできます。監視オブジェクトを「初期状態」にすることで,状態変更イベントの履歴が削除されます。この機能を監視オブジェクトの自動初期化機能といいます。この機能はデフォルトでは無効です。
例えば,障害が回復した場合に,回復を通知するJP1イベントを発行することで,回復通知を基に自動で監視オブジェクトを「初期状態」にする運用ができます。この場合は,監視オブジェクトの状態変更条件が,回復を通知するJP1イベントを受信したとき,「初期状態」に変更するよう定義しておきます。
「初期状態」の状態変更条件を定義できる対象は,監視オブジェクトだけです。監視グループには定義できません。
この機能を使用するときの注意として,一つの監視オブジェクトに対して,複数の異なる障害を通知するJP1イベントが発生した場合に,一方の障害回復を通知するJP1イベントを受信するとします。すると,もう一方の障害が回復していなくても強制的に監視オブジェクトが「初期状態」に変わり,状態変更イベントの履歴も削除されます。そのため,次の条件を満たす場合だけ,この機能を使うことを推奨します。
設定方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド」の「5.7.4 JP1イベント受信時に監視オブジェクトを初期化するための設定」を参照してください。