JP1/IMで使用できる正規表現は,その正規表現を解釈する機能,OSによって異なります。この違いは,JP1/IMの各機能,OSで採用している正規表現の種類が異なるところからきています(「正規表現の種類の違い=文法の違い」となります。詳細については,「付録G.2 正規表現の文法」を参照してください)。
正規表現の種類には次のものがあります。
正規表現を使用できる機能と使用できる正規表現の種類の関係を次の表に示します。
表G-1 正規表現を使用できる機能と使用できる正規表現
機能 | 説明 | Windows | HP-UX,Solaris,AIX | Linux | |||
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デフォルト | 設定変更時 | デフォルト | 設定変更時 | デフォルト | 設定変更時 | ||
JP1/IM - Viewからのイベント検索 | JP1イベントの検索条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,検索先ホストのJP1/Baseの設定に依存します。 | JP1独自正規表現 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | 基本正規表現(XPG4) | 拡張正規表現(XPG4) | 基本正規表現(POSIX1003.2) | 拡張正規表現(POSIX1003.2) |
JP1/IM - Viewからの監視ノード検索 | 監視ノードの検索条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
イベントガイド情報の表示 | イベントガイド情報の表示条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
監視ノードの状態変更やガイド情報の表示 | 監視ノードの状態変更条件の共通条件,個別条件やガイド情報の表示条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
自動アクション | 自動アクションの実行条件で正規表現を使用できます。 Windowsの場合,使用できる正規表現の種類は,自動アクションを実行するJP1/IM - Managerの設定に依存します(UNIXは固定です)。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | JP1独自正規表現 | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
相関イベント発行 | 相関イベント発行条件のイベント属性条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
フィルタリング
| [イベントコンソール]画面へのJP1イベントの表示条件で正規表現を使用できます。 Windows,UNIXとも使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
| マネージャーのJP1/BaseからJP1/IM - Managerが取得するJP1イベントの取得条件で正規表現を使用できます。 使用できる正規表現の種類は,マネージャーのJP1/Baseの設定に依存します。 | JP1独自正規表現 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | 基本正規表現(XPG4) | 拡張正規表現(XPG4) | 基本正規表現(POSIX1003.2) | 拡張正規表現(POSIX1003.2) |
重大度変更機能 | 重大度変更機能で変更する対象のイベント条件に正規表現を使用できます。 Windows,UNIXとも使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
共通除外条件(拡張モード) | 共通除外条件の拡張モードでイベントを除外する条件に正規表現を使用できます。 Windows,UNIXとも使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
事象発生元ホストのマッピング機能 | [発生元ホスト名]属性が対応する機能で,発生元ホスト名を指定する場合に正規表現を使用できます。 Windows,UNIXとも使用できる正規表現の種類は,固定です。 | 拡張正規表現(XPG4準拠) | - | 拡張正規表現(XPG4) | - | 拡張正規表現(POSIX1003.2) | - |
上記表のとおり,デフォルト設定のままでは,JP1/IMで使用できる正規表現が各機能,OSによって異なります。この場合,機能,OSによる正規表現の使い分けを意識する必要があります。
正規表現の使い分けを意識したくない場合は設定を変更することで,Windowsで使用できる正規表現をXPG4に準拠した拡張正規表現,UNIXで使用できる正規表現をXPG4またはPOSIX1003.2の拡張正規表現に統一できます。機能,OSによる正規表現の使い分けを意識する必要がなくなるため,設定を変更することをお勧めします。
設定の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「自動アクション環境定義ファイル(action.conf.update)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
また,JP1/Baseで正規表現を使用できる機能,使用できる正規表現の種類については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のインストールとセットアップの章のセットアップを参照してください。