一定時間内に同一の自動アクションが実行されるのを抑止したい場合は,抑止設定をします。
例えば,パトランプを点灯させたり,メールでユーザーに通知したりする自動アクションは,一定時間内に一度実行されればよいアクションです。また,これらの自動アクションがJP1/Baseのコマンド実行のキューに蓄積されることによって,緊急を要する自動アクション,例えば障害の復旧を行う自動アクションなどの実行が遅れてしまうことがあります。
一度実行すれば一定時間実行しなくてよい自動アクションに対し,抑止設定をすることで,このような事態を回避できます。
抑止する・しないの設定,抑止時間の設定は,アクション単位でできます。これにより,不要なアクションを抑止し,必要なアクションだけを実行する環境を構築できます。
なお,プロセス管理機能によるプロセスの再起動時や,クラスタ運用でのフェールオーバー時には,抑止中のアクションは抑止解除されます。
(1) 抑止設定をした場合の自動アクションの動作
抑止設定をした場合の自動アクションの動作を次の図に示します。
図5-4 抑止設定をした場合の自動アクションの動作
図中の自動アクションAのように,抑止設定をしていた場合は,その自動アクションの実行条件に合致するJP1イベントが抑止時間内に複数発生しても,最初に発生したJP1イベントに対してだけアクションが実行され,2件目以降のJP1イベントに対してはアクションが実行されません。実行されなかった自動アクションの状態は「抑止」となります。
図中の自動アクションBのように,抑止設定をしていない場合は,その自動アクションの実行条件に合致するJP1イベントが発生するたびにアクションが実行されます(抑止設定をした自動アクションの動作に関係なく動作します)。
(2) AND条件を設定した自動アクションに対し,抑止設定をした場合の自動アクションの動作
自動アクション同士をAND条件で結び,かつ,抑止設定をした場合の自動アクションの動作を次の図に示します。
図5-5 自動アクション同士をAND条件で結び,かつ,抑止設定をした場合の自動アクションの動作
自動アクションの動作を図中の番号に従って説明します(図中の丸付き番号は,次に示す番号にそれぞれ対応しています)。